Re:胡蝶の夢   作:zEm

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怪異というのは病気ではありません。
怪異は怪異です。
何時何処でどの人に向かって出るのかも分かりません。
…本当、怖イデスヨネ。



2 怪異、猿夢。

目が覚めた。

そこにはいつもとかわりの無い部屋と…クロが居る。

 

「なんでお前此処にいんの!?」

「いったじゃん、近くにいるって。」

「近すぎだろ。」

「まあね。」

「自覚してるんなら遠くにいろ!」

 

この今訳分からん首と話してる自分が恥ずかしい。

そもそもこんな日常に首なんてふつういるか?いや、いないよな。

 

「…お前なんで首になったの?」

「話すと長いよ。」

「じゃあいいです。」

 

まあいいや。疑問は山積だが朝飯作ろ。

 

「台所に行ってどうすんの?あ、朝飯作るのか。」

「お前ホント心読めんだなー…。察せるのかもしれないけど。」

 

えーと、卵あるから目玉焼き…。

 

「目玉焼き作るんだね。」

「やっぱ心読めるわこいつ。」

「フフ、当たり前でしょ?」

 

やばいなんて茶番だこれ。

早く本編n…いやいやいやいや!META発言は無しにしよう。

自分で言ったんだけどね!

 

…よし、できた。

独り暮らしはやっぱ料理できないと!自分が器用でよかった。

いただきま…うっ!!

やば…眠気が!

こんな時に、腹減ってるからせめてご飯一粒だけでも食わして!!

 

「そんなんじゃ腹満たせないよ。」

「そういう話を…している場合じゃ…ないって。このまま寝て餓死でもしたら…数億年の眠りについてしまうっ!!」

「…ハァ、大丈夫でしょ。」

 

俺は眠気の中必至に説得をしたのだがクロは呆れたようにため息をついた。

まあ…どうせすぐ寝るから結果は変わらないだろう。

 

「いや…不安が…どうにも…拭えなバタッ」

 

「寝ちゃったか。じゃあこの人の見ている夢に入りましょうかね。…って!!禍々しいオーラの出てる夢だな!まあいいか。というか、この人心配性…?こんなんで使命を果たせるのか?」

 

クロはそう言うと、夢に入っていくように部屋から姿を消した。

どのように入ったかはご想像にお任せする。

 

*

 

ん?ここは駅かな?

城之内駅だー!こんなマイナーな駅の夢よく見れるなー俺…。

 

「お、ここ城之内駅じゃん。」

「クロ!?お前居るのか。」

「うんそうだよ。ちっとも禍々しい気配がないじゃん。」

「…は?」

「あ、ごめんごめん。今の気にしないでね。」

 

なんか不安だな…。

ここの飯でも食おうかな。夢だけど。

 

「まもなく、電車が到着します。お乗りの方は―――」

 

あーあ、電車のアナウンスか。どーせ俺乗らねーよ。たとえ夢でもね。

 

「―――今直ぐにお乗りください。尚、最近は新しいタイプを追加しました。みなさん、楽しんできてください。」

 

は?今直ぐ?新しいタイプ?何のことだ?

 

「どうする?乗る?僕は乗っちゃおっかなー。」

「俺一人?それは嫌だよ。現実でもボッチなのに夢でもボッチとかは流石にないからね。」

 

*

 

…気がつくと電車に乗っていた。手には切符を持っている。

乗ろうと思っただけで乗車と判断されたのかな?

他にも横一列に乗車している人はいるようだが…皆暗い顔をしている。

 

「あれ?皆死んだ魚のような目をしている。」

「なんでだろね?」

「…あーちょっとすいません隣のお姉さん。」

「何。」

「なんで悲しい目をしているんですか?」

「…切符見てみな。」

 

俺は切符を見てゾクッとした。

なんとあの世行きと書かれているのだ…。

電車のアナウンスが流れてきた。

 

「次はー内臓破裂~内臓破裂~。」

「「内臓破裂!?」」

 

…クロとハモってしまった。

…内臓破裂?内臓破裂駅でもあんのか?

 

「ひでぶ!」

 

次の瞬間、向かい側から一番右の男性が口から血を吐き出してその場に倒れた。

死因は多分内臓破裂だろう。あのアナウンスはどうやって殺すかの宣言だな…。

その時、俺の心の第六感が告げた。

「ここはヤバい」ってね。

次のアナウンスがかかってきた。

 

「次は~圧力~圧力~」

 

次は…圧力。

これは…?

と、思った次の瞬間、また人が一人、殺された。

死因は圧死。上から網棚

 

「…きっしょ。こんな感じで僕ら殺されちゃうのか?」

 

クロが不安に満ち溢れた声で俺に問いかけてくる。

 

「私これ知ってるよ…。猿夢(えんむ)だね。」

「猿夢?」

「ただの夢じゃないんだ…。殺されると現実でも変死してしまう…。」

 

女は険しい顔をして独り言をブツブツと喋ってる…。

 

「怖い!僕と夢現が何したっていうんだ!!」とクロ。

「俺実は被害者だよ。」

「うん知ってる(●●●●)。」

「は?」

 

俺はとんでもないカミングアウトしたつもりであったが何とクロは知っていた。

こいつは何者なんだ?ちなみに事故だ。不慮の事故、全身複雑骨折。麻酔はこの時に打たれたんだ。

 

「私も被害者だよ。相手が飲酒運転、私は背骨の骨折。」

「は?」

 

ままままままままじかよ…。

これは被害者の見る夢なのかな?

いやつながりがあるだけだ…きっと。

そう思いたい。

 

「次は~貫通~貫通~。」

 

「貫通」……きっと鉄のヤリとかで串刺しにされるんだろうな。

殺されるであろう男の向かい側(空席)からヤリが出てきた。

そして…男を突き刺した。

 

「うわ、吐きそ…。」

「口と胴から血をだらだら流してるな…。」

 

隣の女に順番が来るまであと二人。

何とか俺とクロ、できれば隣の女だけでも脱出しなければな…。

 

「そういえばどうやって助かるの?」

「決めてないよ。」

「…。」

 

まあきっと助かる術(すべ)があるさ…。

クロは俺の後ろにいるから必然的に助かるとして…。

 

「…ねぇ、私は助けようとはしないの?」

「え?助けようとしてるよ?」

「ならいいけど…。」

 

電車のアナウンスが流れてきた。

 

「次は~鋸(のこぎり)~鋸~。」

 

鋸…。これは多分鋸で真っ二つにされるんだろうな…。

…結果は予想通りだった。ただ一つ違うことは、5枚におろされたことだった。

やりすぎでしょ。

 

「お、おええええ……。」

 

遂にクロが吐いてしまった…。無理もないだろう。

正直俺もちょっと…。

いや、グロテスクという理由とかそういうやつじゃない。もらい吐(●)きだ。

そうだ、はやく脱出しないと…この殺人列車からな。

ん?あれは…。

 

「…これ、助かるぞ。」

「えっ!?」

 

クロより女の方が驚いた。

 

「助かるの?」

「ああ…。保証はないがな。」

「お願いっ!私は助けて!」

「はってなんだよ。まあ助けてやるけどさ。」

「モノ、その勢いだ!」

「お前さっき吐いたのに復活早すぎ。まあいいどうやって助かるのかというと―――。」

「次は~ひき肉~ひき肉~」

「あ…。」

「ああああぎゃあああああああああああああああああ!!!!」

 

直後、女の隣の人がミンチになった。…本当残酷だなオイ。

次はこの女だ…。一刻も早く助けなければな。

 

「いやあああ!!あんな殺され方ぜっったいいやぁぁ!!」

「まあまあ落ち着けって。すぐにたすけてやるからs(さ)」

「いやもう早く助けてっ!」

 

殺されるのが怖いのか理性を失っている…。

面倒臭いから本当早く助けなければいけな―――

 

「そんな首ほっといて私を助けてっ!!」

 

「………。」

 

「次は新しいタイプです…」

 

いくらなんでも何たる最低な発言。

このまま助けてあろうと思ったけどこの発言が俺の「女を助けてやろうかなメーター」が左端にある助けないというところに針が一瞬でそちらに向かった。

何度も言うがこいつ(クロ)は助けなくちゃいけないそうな気がする。

こんな浅はかな女の言うことなんて聞くか。

 

「ね?お願い!電話番号教えてあげるから…。」

 

ビ●チやん。

もう助けるものか。

 

「狂い死に~~。狂い死に~~。」

「ねえ早く!!」

「分かった、助けてやる。」

「え…?」

「クロをな。」

「…ホッ。」

「…え?私は?」

「お前みたいなクソビ●チの指図に従うとは一言も言ってないぞ。」

(モノ…よく言った。)

「え、そんなひどあああばばばばばばば!!」

 

アナウンス通り狂ったな。

そのあと女は車両をしばらく暴れまわった。

その後自分の首を自分で折って俺の目の前で吐血してその場に倒れた。

…ああ、血が俺の目の前で放射状に広がっている。ギリギリ血は付かなかったようだけど。

 

「うう、これもきつい…。」

「はは、俺は幸せな三人の友達というグロアニメ見てて十分に耐性はついてるがな。」

「名前にギャップがありすぎ。」

 

あ、こういう話している場合じゃなかった。はやく脱出しないと…。

俺とクロは席を立ってそそくさと「ある」場所に向かおうとした。

だが、ある人が現れた。

 

「どこに行くのですか?次はあなたの番なんで困りますよ?」

 

車掌だ。面倒くさい人が現れたな…。

俺はそのある場所に急いで行こうとしたが車掌が腕を掴んで離さないため行くことができない。

 

「次は~鉄板焼き~鉄板焼き~」

「ささ、自分の席にさっさと戻ってくだsぐあっ!?」

 

クロが車掌の足にタックルをしてきた。目で見ても分からないが多分結構痛いだろう。なんせ足首のアキレス腱あたりだから。

車掌は俺の腕を掴んでいた手を放して足を必死に抑えた。俺はクロに向かって親指を立てた。

 

スッ…

 

ドン!

 

「うあっ!」

 

俺はその隙に車掌に支えつり込み足でさっきまで俺が座っていた席に投げた。

こう見えて俺は柔道をやっていた方だ。

 

ジュウウウウウ…

 

「あああああああ!!」

 

車掌は丸焼きになった。

あーかわいそ。見てられねえなこりゃ。

 

「…もうちょっと平和的解決しようよ…。」

「お前もあいつに向かってタックルしただろ。脱出するぞ。」

「…うん。そういや聞いてなかったけどどうやって脱出するの…?」

「お前心読めるだろ。」

「あ、そうか…。…あーなるほど。」

 

飽く迄保証はないがそれは誰でも納得するような脱出方法であった。

つまり、このアナウンスは次はどこ行こうとしているか――つまりどうやって殺そうとしてるかを表しているもの。

それを止めればいい。それを簡単にできる方法はこれしかない―――。

―――そう、『非常用押釦(ぼたん)』だッ!!

…なんでここにあるのかと最初は疑問を持ったがとりあえず押すしかない。

 

カチッ

 

押した。乾いた音を立てた。

 

「緊急停車をします。」

 

*

 

「…ハッ!!」

 

目が覚めた。…よし!計画通りだな。

 

「…ああ、目玉焼きが…。」

 

うわ、冷えているな…。…凄くマズい。

 

「…ふぅ、助かった。」

 

クロもいる。

俺は今まで疑問に思ってたことをクロに問いかけた。

 

「あのさ、お前いつまで俺に付きまとう気?」

「使命を果たすまでだよ。」

「使命ってなんだよ。」

 

平常心を保っているように見えるが使命を聞いて頭の中に「?」がグルグルと渦巻いている。

 

「君は悪い人達に実は追われてるんだ。その悪い人達はバンガード秘密組織っていうんだけどね。」

「へーそんな会社があるんだ。」

「彼らはいかなる手を使って君を殺そうとする。」

 

「殺す」…。悪い意味で胸の鼓動が早くなるワードだ。

 

「じゃあもしかしてあの猿夢も?」

「…可能性は否定できないね。」

「いやでもさ、あれ偶然見たわけなのかもしれないじゃないか。実在しないとか言っても差し支えないだろ?」

「…気づいてないんだね。」

「え?」

「…腕を見てみて。」

 

俺は腕を見て切符を見た時のようにゾクッとなった。

…少し血がついているのだ。

最期にイカれた女の血だろうか?

おまけに、一応持っていたあの切符まで持っている。

…あの夢は、やっぱりただの夢ではなかったんだ。

 

「なんで俺は追われてるんだ?」

「悪いものを持ってるんだよね。」

「なんで?」

「致命的な傷に使う注射。」

「注射…あっ。」

 

覚えがある。何度も言うが全身複雑骨折だ。

打たれる直前に何かが発症するぞと言われたが、もしや…。

 

「うん、その通り。それははっきりとは言えないが何かを発症している。君は能力を持っているんだ。」

 

「能力」…。良い意味で胸の鼓動が早くなるワードだ。

…あ、これも中二病の影響か…。

一瞬で胸の鼓動が収まった。

 

「夢を見ちゃうのは能力からかな?僕はその能力を胡蝶と名付けた。」

「夢だけど現実になるか分からなくなる胡蝶の夢という理由からかな?」

「そうだよ。」

「へぇ…。というか道理で病院に入院してからこんな迷っ惑な能力(もの)持ってたのか。」

「うん。」

「それがなぜバンガードに殺される理由なんだ?」

「わからない。でも僕は君を救うために派遣されたんだ。」

「説明不足で何もわからん…。」

「むう…。じゃあこれから今までをゆっくり説明するから!」

 

俺は現実でも夢でも同じことをクロにされてる気がする。

長い苦労話は次回で。

 

「苦労話じゃないから。」

「すんませんのう。」




設定…倉山ろくろ

今の所原因不明で首だけになった人間(?)。
使命を果たすためモノに付きまとう予定らしい。
作品内ではクロと呼ばれている。

変えた設定

モノが話せるようになった。
両者に名前がついた。
ストーリーを大幅に変えた。(アトラスなんていなかったんや。)
能力の名前がテルではなくなった。
その他諸々。
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