Re:胡蝶の夢   作:zEm

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怪異第2。
ネタは全然切れてないよ。


4 裏 前編

…さあて、と。

次の奴が襲ってくる前にバンガードはやくぶっ倒さないとな。

俺は何か手掛かりを探そうとクロと一緒に出掛けることにした。

それに救世主とはいえ、一見ただの一般人だ。決して天からなんでも支給されてるなんてことはない。ついでに生活必需品も取り揃えていかないと。

 

「…ちょっとー、遠いよー。」

「仕方ないだろ、スーパータカフジまで何キロあると思ってる。お前にも話しただろ?言ってみろ。」

「…3km。」

「正解。」

 

…だが、慣れてるっちゃ慣れてるのだが、いちいち日用品とかを買うのに三キロは遠すぎる。幸い、俺ん家の近くになぜか朝市があるのでそっから食べ物は入手できる。いつも5個買う。

というわけで食べ物には困らないわけがない。

だが、日用品は何故か絶対に売らない。車も使えばいいっていう話なのだが、免許がない。何故かって?自動車教習所が5キロも遠いんだよ。

 

「はい、トイレットペーパーがひと箱、洗剤一つ、入浴剤ひと箱ですね、3000円になります。」

「5000円から。」

「かしこまりました。2000円のお釣りです。」

 

「小銭を文鎮代わりにレシート置くーなー♪」

「うるさいクロ。」

 

クロが歌を歌っている。

歌を歌われるだけでも恥ずかしいのに、何より首と一緒に行くなんてメチャ恥ずかしい。

出来れば付き纏うな。と言ったんだが、もし行く先で何が起こるか分かんないから付いてく。と言ったのだ。

それはもう仕方がない。

クロの言う通りでもある。

だから、内心嫌だ嫌だと思いつつも連れていくことにした。

この際、ペット感覚でいいや。

 

「僕はペットじゃないからね。」

「あくまでも『感覚』だ、感覚。ドッグフードはあげないから安心しろ。」

「安心できない。」

 

グラッ

 

あ…眠気…。

 

やっべ…。外で寝たくはない。

 

「お!ここで来ちゃいますか?来ちゃいますか?」

「…そんなこと言ってないでおこせぇぇぇ…。」

 

そういわれてクロは「よし」というとクロはモノの片方の耳の近くまで行き、耳に向かって鼓膜が割れるほどの叫び声をあげた。

だが、モノの眠気はどんなに起こされたって目が覚めることがない。

ちょっと特別だったりするのだ。

クロが叫び声をあげたってモノは目が覚めなかった。

クロはため息をつき夢の中へ入っていった。

 

*

 

…ここは、夢の中か。

だが、いま俺が居る場所はさっき眠った場所と何一つ変わっていない。

唯一変わっているのは、人気がない。そしてそこらに血痕があるってことだ。

…不気味。

 

「どーせお前もいるんだろ?クロ。」

「あ、気付いてた?」

 

クロは俺の後ろにいた。

見つかったので後ろからヒョコ、ヒョコと跳ねて俺の横に来た。

 

…さて、何しよう。

この夢の中、血痕以外特に変わった場所はない。

血痕は道続きでもなく、そこらそこらに散らばっている。

血痕を辿ることは出来ない。

 

「…仕方ない、少しそこらのマンション借りて休もうっと。」

「夢で?」

「…うっさい。」

 

夢でも妙に現実味があるからな。

休んでも全然問題はないだろ。

 

俺が近くのマンションを探し受付のカウンターをまたぎカギを拝借しその部屋で休もうとエレベーターを上がっていたころ。

突如、俺とクロの耳に「ギィーーーーーーーーーー!!」という奇怪な叫び声が聞こえた。

 

「「!?」」

 

俺とクロは一斉に驚く。

そしてその直後に「ドーーーーン!!」という音が聞こえた。

エレベーターを最寄りの階で止めて急いで窓を確認すると…。

人が、死んでいた。

死因は飛び降り自殺だろう。

叫び声は不明だがどーんという音は墜落した場所が自転車置き場の屋根だったからだ。

 

「こ、コエエエエエエエ!!」

「クロ…。ビビりなんだな。」

「…うー。」

 

図星をつかれてクロは頬を膨らます。

この動作は体が有ったらいいのだが首だけのせいで可愛さが全滅している。

かえって怖いだけだ。

そして、この時、俺とクロは絶対あり得ないものが見えた……。

 

*

 

俺は危機感を感じ急いでエレベーターを降りようとして振り向いたとき、螺旋階段が見えた。

その螺旋階段に下に落ちたヤツと全く同じ服、髪型…は見方によって違うように見えるかもしれない人間が立ってた。下に向かってゆっくり、ゆっくり降りてった。あの自殺で死んだ奴とうり二つの人間が。

俺は背筋に冷たいものを感じてエレベーターに戻ろうとしたとき。

 

ピン

 

…この音はエレベーターが来た時の合図の音だ。

そして再度、「ドーーン」ていう音が聞こえた。

最早、恐怖以外の何物でもない。

しかも、エレベーターの中から。

 

ドーン

 

…この、

 

ドーーン

 

不気味な音は、

 

ドーーーン

 

次第にどんどん大きくなっていった。

 

「…ヒィィィィィィ!!!」バタッ

「クロ!!」

 

クロが倒れた。

恐怖のあまり。

 

「おい!おい起きろ!」

 

俺は必死に起こそうとする。

だが、しばらく起きることはなかった。

 

*

 

クロside

 

「…うーん。」

「お、クロ!」

 

アレ…?僕は寝ていたのかな?

多分、心が恐怖のあまり壊れてしまったのだろう。

…やっぱり、僕は前世と変わらない、臆病者だな。

 

それから、僕はモノと一緒に外に行った。

探偵ぶっているのかモノは死体を調べている。

 

…あの音が、耳から離れない。

ドーン、ドーーン。っていう不気味な音が。

僕があの音を聞くたびに唸り声をあげていて、「どうした?」とモノは声をかけてくれた。

普段は駄目駄目に見えるけどあの人は実は結構優しい。

人を心配する心を持ってる。まあたまに失礼な言葉を言うけどね。

だって最初であった時も怖がってくれずにただ驚いただけで、あの6時間の数学話も聞いてくれた。

彼は、本当に優しい人だ。

 

*

 

モノside

 

死体を調べれば何か起きるかもしれないと思って調べたがやっぱり何も起きない。

それよりもクロが唸っていたのでそっちの様子を見ることにした。

彼曰く、あのドーンドーンっていう音がずっと耳から離れないらしい。

俺は何故か平気なんだがな。

 

部屋でクロが落ち着くまで休んでマンションから出たら人に出会った。

第一村人発見!

 

「こんにちはおじさん。」

「こんにちは。」

 

見たところ中年のようだ。そこら辺の田舎にいそうな中年大人。

だけど、彼は少し変だった。

挨拶した後俺を二度見したような感じで見てそのあといきなり「あ~…。」とか言い出した。

俺とクロは気味悪がりそのまま横切ろうとしたらまたいきなりお経のようなものをブツブツと唱え始めた。

 

「…何だ、あいつ。キモ。」

 

俺は思わず失礼な言葉を口に出してしまう。

あのおじさんの耳に入ってませんようにと手を合わせて願った。

そしたら彼はまた「あ~」などと言いだし俺の方を向きながらまたお経を唱えた。

 

 

「…!!モノ何してんの!!」

「…ハッ!」

 

変な態度を取られイライラがたまってたのか気がつけば俺は中年男性を殴ってた。

自分でも気づかないうちに。

中年男性はいきなり顔面に拳骨食らわされてびっくりしたのかうずくまり「ゔぅ…。」と言ってた。

俺はこの中年に謝ろうとはしなかった。

 

「モノ、謝りなよ!」

「…自業自得だな。こいつは俺にわざわざ殴られに急いだような行動をとっているのだから。」

「いや、で、でも…!」

「先、行くぞ。」

 

俺はそういってクロと先に行こうとしたら先ほどなくだれてうずくまってた男性が笑い出した。

 

「ははははははは」

「!? いきなり笑い出した!」とクロ。

「( ゚∀゚)アハハハハノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

「KOEEEEEEEEEEE!!」と俺。

「あははは、お前か、お前がやったんか。はははは。」

「マジ意味ワカンネ。俺何かやったか?」

「( ゚∀゚)アハハハハノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

 

…こうぃ。俺はもう早歩きで先に行こうとした。

その時、またドーーーーンという奇怪な音がした。耳元で。

クロもやっとあの耳障りな音が聞こえなくなってたらしく、あの音を再び聞いたことで苦しみ始めた。

 

俺は音の聞こえた方に振り向くと目の前に凄く細面の顔が血だらけのままぴくぴくとかすかに動きながら笑ってた。

俺は一瞬、気が狂いそうになった。

というのも、顔の見え方が俺の視野では半分が見切れている。

これでは誰もがこの顔に恐怖を覚えるだろう。

 

「…ヒエェェッ!!」

「…ん?何?」

「振り向くな!!」

 

俺がちょっと怯えた声をあげてしまったのでクロが後ろに振り向こうとしたところをすぐに止めた。

こんな…こんな醜い顔をもしクロが見たら…想像したくもない。

その直後、俺とクロは俺がさっき殴った中年男性に強く殴られて気絶した。

 

 




これは結構長いので前編と中編と後編に分けます。
3000文字前後が皆も読みやスゥイかな。
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