Re:胡蝶の夢   作:zEm

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中編です。
長くて正直書くのめんどい。
嘘だよ。
楽しいよ。


5 裏 中編

目が覚めた時、俺はさっき殴られたであろう中年の家で寝ていた。

…俺って、夢でも寝るのか。どうやらクロも隣で寝ているようだ。

 

「…お、目が覚めたようだな。」

「…ん?」

 

予想的中。中年の男が居るあたり、此処は先ほどの中年の家だな。

俺は急に殴られたことに怒り心頭であったが、ひとまずここは落ち着いて何故殴ったのか理由を聞くことにした。

 

「…あのー。さっきは殴ってすみません。」

「まあそれは仕方ないね。俺が気味悪がるようなことをしたからな。苛立って殴ったのもおかしくはない。」

「…そういえばなんで殴られたんですか?俺。」

「…まあその前にちょっと話を聞け。」

「…はい。」

 

俺は男の言われるがままにテーブルについているイスに座った。

中年は俺の対角に当たる位置に座る。

 

「…あなたとその生首は、××××に憑かれている。」

「××××?」

「あ、あまり口に出しちゃ駄目。さらに呪われる。」

「あ、はい。」

「俺が急にお経を唱えたのはお前がその××××に憑かれてたからだ。」

「あ、そうなんですか。それも分からずに気味悪がってすみません。」

「いちいち謝らんでもいい。」

 

俺がその名状し難いものに憑かれてると聞いて少し心拍数が上がったような気がする。

…今度こそ死ぬかもしれない。

 

「…オイ。」

「はい?」

「テメエ少しは黙れや!」

「!?」

 

中年は態度が豹変し、俺に向かってひどい言葉を次々と並べ立てた。

 

「ええ?少しは黙れっつってんの!」

「え?俺は何も」

「次喋ったらおめえの首根っこ引っこ抜いて体をバーナーで火炙りにしてやろうか!?」

「…やっぱ、何だコイツぁ。」

「…あ、驚かせちゃったかな?。ちょっと××××が出しゃばっていたので少し沈めといた。」

「…え?あ、そうなんですか?」

「だけど、まあまた直ぐに現れるだろうな…。警戒は絶対に解くなよな。」

「…え、あ、はい、わかりました。」

「もしそいつが現れた時はなにか物をぶつけて撃退しろよ。何でもいい。硬いものなら。」

 

…そういうことね。まあめんどくさくて会話を飛ばした人のために少し要約しておこう。

俺は名状し難いものに憑かれている、らしい。どうも胡散臭いが妙にその中年には説得力があり、俺は信じることにした。

 

「…おい、クロ、起きろ。」

 

俺はクロの頬をつねって起こそうとする。

 

「ん…あ、クロ、おはよ。」

「おはよって…おい、まだ真昼だぞ。」

 

クロがベッドから降りて、さっき中年に話されたことをクロに教えて旅に出る事にした。

俺はとりあえずその名状し難いものの原因を突き止めようと色々手掛かりを集めることにした。

これが死亡フラグだって?俺はフラグブレイカーだよ?

 

俺とクロが交差点に信号に差し掛かった時…。

俺は何やら不気味な気配を感じた。

これがさっき中年に言われた名状し難いものが現れる前兆だろうか。

俺が咄嗟に後ろを振り向くと、…死体。

さっき自殺して死んだはずの死体が追いかけてきている。

俺は恐怖したが、すぐに状況を把握し、クロを抱いて逃げた。

 

「え?ちょ、ちょっと何!?」

「すぐ後ろに死体が!捕まったら多分死ぬかもしれない!逃げるんだ!」

「えええええ!!??」

 

驚くのも無理はないだろう。なんせ死体が走ってきているのだから。

だが、ゾンビとかではない。一見重傷を負っている人間にも見える。

まあ走ってる時点でおかしいので逃げる。

 

「しまった!行き止まりだ…!」

「え!?ちょ、どうすんのー!?」

「あいつは硬いものをぶつければ撃退できるはず!何か硬いものを探せ!!」

 

あいつは刻一刻と迫ってきている。

急いで、急いで探さなければ…ん?

消火器だ!あれで殴って撃退しよう!

…だが、消火器は動いている死体の後ろにある。ここから取るのは無理だろう。

とりあえず何か打開策を考えながら死体と距離を取った。

何か、何か…!

 

「あああああ!!!!」

「!?」

 

クロが後ろに回り込み叫び声をあげた。死体はクロの方に振り向く。

その隙に俺は消火器に猛ダッシュ!消火器を手に取り叫び声に怯んでる死体を即座にバコーン!という気持ちのいい音を立てて殴った。

死体は痛さでその場にうずくまり、俺とクロはその場から立ち去った。

 

「ハァ…ハァ…クロ。ファインプレーだったぞ。」

「うん、ありがとう。」

「あいつはまだ追ってくるのか…。これじゃ命がいくつあっても足りなさそうだな。」

「僕とクロが一緒になればどんな危機に陥っても大丈夫だよ!」

「…うん。お前とならいろいろやれそうな気がする。ありがとうな。」

「うん、こちらこそ。」

 

俺はクロに対して初めて心を開いた。

それにクロの言ってることは現に真実だ。俺が猿夢を見た時も車掌に捕まってピンチだったとき、クロがタックルを仕掛けたお陰で窮地から脱出することができた。

そして今、クロが叫び声をあげたことによって敵に隙を作らせ、俺が撃退をする。まさにコンビネーションだ。

 

あ、そうだ。手掛かりさがさんと。

 

「…何もわからない。退治方法も。」

「あの中年の所にもう一度話を聞きに行こう。」

「そうした方が早いだろうか。」

 

俺とクロはあの中年の家に行くことにした。

…ピンポーン。

インターホンの音を鳴らしても全然出てこない。

…いや、それどころか、何か不穏な気配を感じる。

 

「…何か、来るぞ。」

「え…?」

 

俺はクロを置いて一旦道路に出て周囲を見回した。…誰もいない。

…だが、俺が家に戻って入口まで来たとき…。

 

「…!!!!」

 

クロが、歩く死体の前にいる。

こ、これはクロがもうすぐ殺されるかもしれない!!

近く硬いものは、どこだ…!

…あった!これだ!

 

因みに図にするとこれ

 

 

   家

──────

  クロ

  死体

 

   俺

 

 

死体がクロに襲い掛かる。

最早クロは死を覚悟したのだろう。

二度目に味わう死を。

 

「あーーーーーー!!!」

「…モノ!!」

 

俺はクロの時のような叫び声をあげ敵に隙を作らせようとするが、死体は全然振り向きもしない。…仕方ない、こうなったら最終手段だ。

 

「おいクロ!ちょっと死体と一列に立つな!」

「わ、分かった!」

 

クロは急いで死体と一列に立たないように横に避けた。

俺はエンジンのレバーを引いて、速度全開で死体に向かって突っ込んだ。

…丁度近くにあったバイクで。

 

俺は速度を全開にして死体に突っ込んだ反動でバイクから振り落とされてしまったが、別に問題はない。まあ擦り傷はあるものの、そんなには痛くない。肝心の死体は見事にやられてしまっている。

 

「…というかさ、あのおじさんの家の扉もやっちゃってるけど。」

「…仕方ない。」

 

…ん?

俺とクロは目を疑うような光景を目の当たりにした。

死体が、光に包まれながら消えていくのだ。

…これは…。浄化…されたのだろうか?

案外弱いものだな。

 

「…ふぅ。よかったよかった。」

「…うん、助かった。」

 

俺はクロの言った事に肯定してるようにうんうんとうなずく。

これで助かったという保証はあまりないがまあ助かったということにしておこう。

 

…怪異を退治して、夢から覚めるはずなのだが、覚める気配が一向にない。

俺とクロは疑問に思った。まだ他に何かすることがあるのか。

ひとまずバイクをもとあった場所に戻して、ドアはあの死体のせいということにして中年の民家に訪ねた。

 

…居ない。

あの人が、何処にもいない。

家から鍵がかかっている。窓も全部閉まっているし、割れてもいない。…だが、一つ窓のストッパーがかかっていない。それよりも気になるのが、この家の柱に血がついているということだ。

 

「…こ、これは…。」

「…。」

 

…何かが繋がっている気がする。

…死体が消えた、中年の家についている血痕、一つだけ窓の空いている所がある…。

そういうことっか!!

 

「クロ、なぜこうなったのか分かったぞ。」

「マジで!?じゃあ言って!」

「心を読みなさい。」

「はい。」

 

死体が消えたことを最初は浄化だと思ってはいたが、あれは名状し難いものが起こした幻覚だ。それを退治すれは、消え失せる。

ここの中年男性の家がドアには鍵が閉まっており、窓が開いている…。これは窓から抜け出したという可能性が限りなく高い。

あと、最初の所で見えた、あの「ありえないもの」…。あれは名状し難いものの本体だろう。俺たちはあれを見たから憑かれたんだ。

 

「簡単な推理だったね。こんなんで探偵ぶるつもり?」

「そんなことはいい。中年男性を探さねば。」

「うん。…そういえば、体が軽くなったよね。」

「名状し難いものがつかなくなったからなのかな。」

 

俺は家を出たら不気味な光景を目にした。

血痕が最初見た時よりも明らかに増えている。

そして、道続きに血が引かれている。

俺とクロはそれに辿ることにして、そこで見たものとは―――。

 

次回で。

 

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