本当なら昨日のうちに投稿する筈だったんですが、サーバー保護の帯域制限に引っ掛かったのか、昨日の夜ログイン出来なかったので少し遅れました…(汗)
何はともあれ、無事に復帰できて良かったです。
それでは、こんな駄文ですがプロローグに引き続き第1話をお楽しみ下さい。
---見滝原中学校---
「ここが見滝原中学か…」
目の前に広がる大きな校舎を見て俺はそんな呟きを漏らす。
見滝原中学校
それは今日から俺が通うことになる学校の名前だ。
もともと歴史ある学校だったらしいけど、最近になって大きな改装が行われたこともあり、今やその存在は他方でもちょっとした話題になっている。
しかし、いくら大規模な改装が行われたからといっても所詮は中学校、普通なら他方にまで話題にされるようなことはないだろう。
そう、"普通"ならな…
「それにしても、まさか本当に校舎全体がガラス張りになってるなんて、噂は本当だったんだな」
俺はその予想外の大きさと全面ガラス張りという事実に圧倒され、その場に
立ち尽くしてそう呟いた。
つまりはそういうことだ。
行われた改装はただ改装ではない。
端的に言うと、今の見滝原中学校は改装前とは大きく異なる近代的な建物へと変わっている訳だ。
校舎の壁はもちろんのこと、教室の壁等もほぼ全てがガラス張り化されている。
こんなこと、他の学校ならあり得ない。
この見滝原中は、妙な方面で教育現場に革命を起こした訳だ・・
そりゃ、有名にもなる。
っと、そんな考えを巡らしたあと、何となく辺りを見回すと、登校中の生徒達が俺の方をチラチラ見て何かを話しているのを見つける。
まぁ、校門のど真ん中にずっと立ち止まってじっとしてる奴なんて見たらそういう反応するよな・・
何だかさっきまでの自分が急に恥ずかしくなってきたので、俺はその視線に気づかぬふりをして時間を確認する。
8時かどうやら10分近くも立ち止まっていたみたいだ。
まだ、だいぶ時間はあるけど取りあえずそろそろ中に入るか、早く着いたら着いたでその分ゆっくり出来るし。
俺はそう考えゆっくりと校舎に足を踏み入れるのだった。
ーーーーーーー
---校舎内 廊下---
迷った……
職員室を探して校舎をさまよい歩くこと十数分、まさか学校の中で迷うとは思わなかった。
早く着いてゆっくりしようと考えていた少し前の自分は一体何処にいってしまったのか・・
余裕を持って登校したからまだ時間はあるけど、早く職員室へ向かった方が良さそうだ。
取りあえず、誰でもいいから適当な人に話しかけてみよう。
そう思い手近な人に声を掛けようと辺りを見回していると・・
「見慣れない顔ね、貴方もしかして下級生?どうしたの、ここ三年生の教室だけど?」
後ろから声を掛けられた、そのあまりにもナイスなタイミングに感動しつつその声に振り返り答える。
「実は、ちょっと道に迷ってしまって・・職員室を探しているんですけど」
振り返るとカールされた明るい髪が印象的な女生徒が立っていた。
「道に迷う?貴方もしかして転校生?」
その先輩は首をかしげてそう聞いてくる。
「はい、そうです。それでこの学校に来るのは今日が初めてで、職員室を探してたんですけど気づいたら全然違うところに来てしまって」
「なるほどねぇ、確かにこの学校は広いから初めてだと迷っちゃうかも知れないわね」
先輩はそう言いながら俺の横を通り越す。
そして、こっちに振り返って言葉を続ける。
「職員室まで案内してあげる、ついてきて」
「ありがとうございます!助かります!…えっと」
お礼を言おうとして少し詰まる、よく考えたらまだ自己紹介をしておらず、先輩の名前を知らなかった。
先輩はそんな俺の顔を見て、思い出したように笑顔で喋りだす。
「そう言えば自己紹介を忘れてたわね、私は巴マミ、三年生よ」
「えと、神木優人です。二年生です、よろしくお願いします」
流石に初対面、しかも上級生相手だと思うと少し緊張してしまってぎこちない自己紹介になってしまう。
「そんなに緊張しなくてもいいわ、よろしくね!優人君」
何故かいきなり名前で呼ばれたのは、まぁ気にしないでおこう、嫌な訳じゃないし。
ーーーーーーー
「優人君は見滝原は初めて?」
職員室へ向かう途中、巴先輩はそんなことを聞いてきた。
「いえ、親の実家がこっちにあるので何度か見滝原にも来てますね」
「そうなんだ。ならどうしてこっちに?」
「………」
先輩にとっては他意の無い何気ない質問だったのだろう。
俺自信も別に隠す必要も無いので問題なく話を続けられる筈だった、しかし突然の質問で俺は思わず口を閉ざしてしまった。
「えっと、話したくないなら話さなくて良いのよ・・立ち入った質問をしてしまってごめんなさい」
先輩はその俺の態度を見て慌ててそう付け加える。
「いえ、気にしないで下さい。突然だったので少し驚いただけですから」
俺は自分がやってしまった失態を後悔しながら、先輩に気にしてないことを伝える。
しかし、先輩は先程までの元気をなくしてしまっていた。
「「………」」
何だか空気が悪くなってしまって、お互いに無言のまま歩き続ける。
そのまま数分程歩いて先輩が足を止める。
「ここが職員室よ」
そう言って、先輩はドアの前に立つ。
「ありがとうございます!巴先輩のお陰で助かりました」
「どういたしまして。じゃあ時間も無いし私も教室に戻るわね」
先輩はそう言うと、背を向けて自分の教室に戻っていく。
「そうそう、何か困ったことがあったら遠慮なく相談に来て貰って良いからね」
「分かりました、その時は宜しくお願いしますね」
最後に振り返ってそう言うと先輩は自分のクラスに帰って行った。
「綺麗な人だったな巴先輩…」
先輩を見送ってからそう呟く。
それにしても転校初日でいい先輩に巡り会えたな、これからの学校生活が楽しみだ。
俺はこれから生活に期待を膨らませながら職員室のドアをノックして扉を開ける。
「失礼します」
ドアを開けると一人の教師に話し掛けられた。
「おはよう、もしかして君が神木君かい?」
「はい、そうです。えっと、今日からお世話になります」
「あはは、そんなに固くならなくても大丈夫だよ。時間が来たら教室まで案内するから、それまでそこに座って待っておいてくれるかい」
「はい、分かりました」
先生はそう言い残すと職員室を出ていった。
他の先生方は特に自分に意識を向けることなく仕事に取り組んでいる。
俺は所謂お客さま用のソファに座り目の前のテーブルに置いてある転入に関する資料に目を通す。
授業の進行具合は特に前の学校と変わりは無いみたいだな、これなら問題なく授業についていけるだろう。
あと・・これはクラスの座席表か。これは助かるな、これでクラスメイトの名前を覚えるのは楽になりそうだ。
一通り資料に目を通し資料をテーブルに置く。
その時、近くに資料がもう一部あるのに気づいた。
もしかして俺以外にも転校生が居るのか、クラスは・・・一緒みたいだな、名前は・・
ガラガラ
「失礼します」
そんな声と共に職員室のドアが開く。
時間を考えると、たぶん今入って来た生徒がもう一人の転校生なのだろう。
声からしてもう一人の転校生は女生徒のようだ。
何気なくそちらに目をやると、そこには落ち着いた雰囲気を漂わせる少女が立っていた。
彼女は腰まで伸びた綺麗な黒髪を揺らして職員室に入ってくる。
彼女の表情、そして全く迷いの無いその動作は、まるで何度も経験したことがあるような、そんな余裕を感じさせた。
ふと彼女と目があった、俺は出来るだけ自然に挨拶を交わすことにした。
「おはよう。もしかしてキミがもう一人の転校生?俺は神木優人、キミと同じで今日ここに転校してきたんだ。転入の資料を見る限りどうやら同じクラスみたいだから、これからよろしくな」
俺は一度目線を資料に戻し相手のクラスをもう一度確認してそう答える。
顔をあげると、その時彼女は少し驚いた表情をしていた。
「何か…?」
さっきまでの彼女と全く違う表情に思わずそんな質問をする。
「…いえ、何でもないわ。私は暁美ほむら。よろしく」
彼女は何事も無かったように元の無表情に戻り、簡単な自己紹介をして視線を俺から外す。
「「…………」」
特に話すこともなく無言の時間が過ぎていく、しかし長いようで短いその時間は暁美の一言で終わりを告げる。
「そろそろ教室に行くわよ。神木優人」
「先生が案内するって言ってたけど待たなくて良いのか?」
「どうせ待ったところで教室に行くのは同じことよ、なら別に早く行っても問題ないわ、教室は私が知ってるから」
「確かに、そうかも知れないけど。一応待った方が良くないか?」
「そう、なら貴方はここで待っているのね、私はもう行くわ」
彼女はそう言うとそそくさと職員室を出ていった。
「おい、待てよ!・・・ったく、分かった。俺も行くよ」
俺は彼女に聞こえるようにそう言うと職員室を後にするのだった。
ーーーーーー
---校舎内 教室---
暁美の案内に連れられ教室にたどり着くと、教室の中から何やら声が聞こえてくる。
「今日は皆さんに大事なお話があります。心して聞くように」
(大事な話し?先生のあの剣幕から考えるに俺達の紹介とは違うだろうし、何だろう?)
俺はその内容が気になって教室の会話に耳を傾ける。
「目玉焼きとは、堅焼きですかっ!?それとも半熟ですかっ!?はい中沢くん!!」
先生はそんな質問を真剣な顔で生徒に投げ掛けていた。
(いや、どっちでもいいだろ!!てかそれは人の好みの問題だろう!?)
あまりにも、予想外な内容に思わずズッコケそうになったが何とか踏みとどまる。
(さて、中沢くんはどう答えるんだろう?)
「えっと、どっちでもいいんじゃないかと」
(まぁ、この状況なら普通そう答えるよな、先生凄い剣幕だし)
「その通り!どっちでも宜しい!たかが卵の焼き加減……」
何か長くなりそうなので途中で聞くのを止めることにした。
そして待つこと数分・・・教室の中が静かになった。
どうやら先生、言いたい事を全部言い終わったみたいだ。
「はい、あとそれから。今日は皆さんに転校生を紹介しまーす」
「そっちが後回しかよっ!?」(そっちが後回しかよっ!?)
俺の心の叫びとクラスの女生徒の叫びが重なる。
(っお、あの子とは気が合いそうだな。えっと名前は?)
"美樹さやか"さんか覚えておこう。
「じゃあ、暁美さーん、いらっしゃーい」
暁美はその言葉を聞くと、何の躊躇いも緊張もなく教卓の脇まで行く。
その際、クラスのあちこちから「美人」やらなんやら言われていたが全く気にしてないみたいだ。
どうやら一人ずつ呼ばれるみたいだな。
「はーい、それじゃ自己紹介いってみようー」
先生が暁美にそう促す。
「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
そう言って深々とお辞儀をする。
・・・・長い沈黙・・
(って!?あいつの挨拶もしかしてあれで終わりかよ!?)
その、あまりのシンプルさに驚きが隠せなかった。
先生もクラスメイト達も皆唖然としている。
暁美は顔を上げると一人の女生徒に目を向けた。
目を向けられた彼女は困惑した様子で顔を伏せ、もう一度暁美の方に目をやりまた目を伏せた。
(何か可哀想になってくる状況だな。彼女の名前は?)
暁美に睨まれ?続ける彼女を不憫に思いつつ名前を確認する。
"鹿目まどか"さんか覚えておこう。
(さて、次はいよいよ俺の番か)
先生に呼ばれるのを大人しく待つ。
しかし、次に先生から発せられた言葉は予想を遥かに上回る発言だった
「はい、では今日のホームルームはこれで終了します。皆さん、この休み時間を利用して暁美さんと仲良くなって下さいね~」
「……は?」
あまりに予想だにしない一言により一瞬思考がフリーズする…
(あれ!?俺もしかして忘れられてる!?)
教室の中を見ると一人真実を知る暁美だけが、同情するような目で俺を見ている。
(あ~ずっと無表情だった暁美にあんな目で見られるなんて、何か凄い悲しくなってきた)
まぁ、現実逃避をしてても仕方ない。
とりあえず俺は、手遅れになる前に行動を起こすことにした。
意を決して教室のドアを開け言い放つ。
「あの、先生……俺の紹介は…?」
「「「……え?」」」
クラスの皆は全員が突然の俺の言葉にそんな声をあげ、暁美を除くクラスに居た全員の視線が俺に集まる。
こうして俺、神木優人の新しい学校生活は始まったのであった……
はい、第1話でした。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
それで1話についてですが…
修正入れてる時に、あれ?あまり変わらないって言ったのにこれって結構変わってるんじゃ…とか、マミさんの性格ちょっと違う気が…とか思ったりしたのですが、あまり気にせずそのまま投稿しましたww
感想、ご指摘等ありましたら遠慮なくドンドン書き込んでみて下さいね。
やる気が上乗せされて更新スピードが上がるかもしれませんのでww
それでは次は二話でお会いしましょう。ありがとうございました~