三崎鉄道物語   作:元町湊

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 お久しぶりです。
 受験勉強に嫌気がさしたので息抜きに書きました。
 駅の位置関係が分からないと思いますが、勘弁してください。
 路線図はあるんですよ?一応。ただ.xlsxなだけで。


樟葉と文
905仕業その1


「9056E異常ありません。当駅より905仕業担当運転士に引き継ぎます」

 

「905仕業担当運転士、9056E異常なしの旨、了解しました」

 

 

 この905仕業担当運転士―――千林樟葉は前の運転士との形式的な引継ぎを終え、雑談に入る。

 

 

「にしてもやっぱりこの時期お客さん多いよね」

 

「そうですね。まあ、大きな祭りですししょうがないですよ」

 

「そうなんだけどね。それに、交通機関だからお客さんが多いに越した事は無いけどね」

 

「ははは。そうですね」

 

 

 そんな話をして2、3言交わすと、

 

 

「あ、じゃあ、お疲れ様でしたー」

 

「あ、はい。お疲れ様ですー」

 

 

 と挨拶を交わしてそれぞれの持ち場へと向かう。

 樟葉は運転台へと入り、運転台にタブレット型の端末を挿す。

 そうすると、これから走るべきルート、従うべき制限速度や各駅における時刻が表示された。

 それを確認すると、運転台に時計をセットし、ブレーキハンドルを挿し込んでブレーキテストを行う。

 

 

『臨時急行、緑ヶ丘行きです。次は小室に停まります』

 

 

 ブレーキテストを終えたところで戸締め灯が点灯し、出発合図のブザーが鳴った。

 

 

「急行、出発進行! 次、小室停車!」

 

 

 緑色に灯るATC信号を指差し、ブレーキを解除してからマスコンを入れ、列車を加速させた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「急行、青葉停車! 進行9番! 停目10!」

 

『まもなく、青葉に着きます。9番線到着、お出口右側です。ドアから手を離してお待ちください。 この列車は当駅より快急の緑ヶ丘行きに種別変更いたします。予めご了承ください』

 

 

 ブレーキを常用最大まで押し込み、一気に速度を落としてから停車位置付近で一気に緩めて停める。所謂残圧停車と呼ばれる手法で樟葉は列車を止めた。

 ドアが開き、樟葉の後ろでは乗る客降りる客で騒がしくなっている。

 そんな中樟葉はタブレット型端末に手を伸ばし、種別の再設定を始めていた。

 

 

「(種別、快急……っと)」

 

 

 設定更新と書かれたボタンをタップし、樟葉は前面の種別が更新されているか、一旦外に確認に出る。

 

 

「(種別表示よし、っと)」

 

 

 運転席に戻り、端末の設定完了のボタンをタップすると、表示内容は時刻表に戻った。

 時刻を見ると、まもなく発車時刻だった。

 

 

『快急の緑ヶ丘行き、発車いたします。扉を閉めます、扉を閉めます。ドア付近の方はお荷物お体強くお引きください。ドア、閉まります』

 

 

 車外スピーカーから車掌の案内が聞こえ、ドアが閉まる音がしたが、戸締め灯は点かなかった。

 樟葉が編成状態と書かれたボタンをタップすると、各車の状態が一目で分かる画面に切り替わった。

 それによると、4号車でまだ扉が閉まっていないようだった。

 樟葉が押しに行こうと立ち上がり、乗務員室の扉を開けたところで、側灯は全て消えており、駅員が絞った赤旗を上げているのが見えた。

 するとその直後、車掌からの出発合図が送られてきて、出発できる状態になった。

 樟葉はすぐさま運転席に戻り、

 

 

「快急、出発進行! 次、大沢停車!」

 

 

 と、指差し喚呼して列車を発車させた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「快急、緑ヶ丘停車! 進行6番! 停目共通!」

 

『ご乗車ありがとうございました。まもなく、終点の緑ヶ丘に到着です。車内にお忘れ物をなさいませんよう、今一度お手回り品をお確かめください。 6番線に到着いたします、お出口は左側です。ドアから手を離してお待ちください。 この電車は到着後、回送電車になります。お客様のご乗車はできませんのでご注意ください。 本日は三崎急行電鉄をご利用くださいまして、ありがとうございました。 担当は青葉運輸区の狛田でした』

 

「P35信号確認!」

 

 

 今まで0km/hの位置にあった赤針が35km/hの位置まで跳ね上がり、そこから徐々に下がっていく。

 この赤針の示す速度より上回ると非常停止する為、そうならないように速度を下げていき、停止位置に停めた。

 

 

「緑ヶ丘、到着定時!」

 

 

 樟葉は前後切替スイッチを切位置にした後、ブレーキハンドルや運転台から時計や端末を抜き取り、運転士用の鞄を持って折り返しの運用のために反対側の運転台へと小走りで向かう。

 今日は臨時ダイヤでの運行なので、折り返しに余裕が無い。 ひっきりなしに来る列車を捌かなくてはならないため、早く線路を空けなければならないのだ。

 編成の中間辺りまで来たとき、向こうからさっきまで車掌をしていた狛田(ふみ)が私と同じく小走りで走っているのが見えた。

 

 

「運転お疲れ、くーちゃん」

 

「まだまだよ。これを車庫まで持ってかなくちゃ」

 

「そうだったね」

 

 

 そんな話をしていると、ホームの天井に吊り下げられているスピーカーから、

 

 

『業務放送、業務放送。6番車内点検終了、ドア、閉めてください』

 

 

 という放送が聞こえた。

 

 

「やばっ、早く行かなきゃ」

 

「そうね。じゃあ、また青葉で」

 

「うん。じゃあね」

 

 

 そう言って私達はそれぞれの場所に向かった。

 運転室に着いた私は、端末やらを設置した後、種別の設定に移っていた。

 

 

「(種別、回送っと)」

 

 

 種別変更し、外に出て確認、戻ってきて出発の時間を待つ。

 出発まで後1分というとき、文ちゃんからの試験ブザーが来た。

 

 

・・-・・(異常は無いか)

 

・・-・・(そちらも異常ないか)

 

(異常なし)

 

(異常なし)

 

 

 これを終えると、ATCの信号はすでに赤から緑に変わっていた。

 

 

「回送、出発進行! 緑ヶ丘定発! 次、郡界橋停車!」

 

 

 列車は郡界橋に向けて走り出した。

 




 喚呼は東急をモデルにしています。
 保安装置はATC-Pをモデルに。
 端末は私の想像です。モデルがあるとするならば近鉄の端末みたいなやつ。タブレットだけど。
 絵とか描きたいけど絵心無い。皆無に等しい。
 運転台とか描きたいなー。

 ちなみに、駅の位置関係について。

芝山美浜(最初の駅)ー小室ー青葉ー大沢ー郡界橋ー緑ヶ丘

 の順です。間にもっと駅あるけどね。

 12/24 路線図公開します。
 
 12/24 思うところがあり、内容を少し(?)変えました。

 02/04 ダイヤ改正ついでに路線図公開場所変更。見たい方は活動報告へ。
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