三崎鉄道物語   作:元町湊

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 メリークリスマス。
 って言うと東進の某先生に殴られるそうなので言わないようにします(遅

 クリスマスでいろんな作者さんが色々投稿してるので、そのテンションで書き上げたら書き上がってしまった。

 あ、前回の話を一部修正しました。それと、前回の後書きのところに路線図をアップしました。宜しければご覧ください。

 それでは第2話をどうぞ。


905行路その2

 郡界橋の車庫に向けて、列車を走らせていると、指令から呼び出しされた。

 

 

『こちらは青葉指令です。指令からC線(=青葉線下り内側線)の腰当、鴛日(おしび)間走行中の9021A担当運転士、応答願います』

 

作者注:緑ヶ丘〜青葉は方向別三複線で、下りの外側線からA線、B線、C線となり、上りの外側線がF線と呼ばれている。外側線は主に普通列車、中側線は準優等列車、内側線は優等列車が走行している。

 

 私は制帽についているマイクで指令との交信を開始した。

 

 

「はい、こちら9021A運転士です。どうぞ」

 

『えー、これより、当列車の行先変更の通告を行います。どうぞ』

 

「続けてどうぞ」

 

『はい、それでは、9021Aは、行先を所定の群界橋から青葉へと行先変更となります。青葉での着発線や各駅の通過時刻につきましては、端末を参照してください。

 よろしければ復唱どうぞ』

 

「それでは復唱します。

 9021Aは行先を郡界橋から青葉へと変更、各駅の通過時刻、青葉到着番線は端末参照、以上、承知しました、どうぞ」

 

『はい、復唱オーライです。それではよろしくお願いします。 続きまして、相手変わりまして同列車の車掌、応答願います』

 

 

 指令との交信を終えた直後、端末に表示されていた内容が変わり、郡界橋の先まで開通情報や通過時刻が表示された。

 それを横目でちらりと確認し、私は意識を前方へ向けた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「回送、青葉停車1番! 停目10!」

 

 

 この駅でもORPの赤針に引っかからないように気をつけて減速し、停車位置に停めた。

 停車位置では引継の運転士さんが待機していて、私はその人と交代する為に急いで乗務員室を出た。

 

 

「9021A異常ありません。当駅より937仕業担当運転士に交代します」

 

「937仕業担当運転士、9021A異常なしの旨了解しました」

 

 

 最期に軽く敬礼して引継を終え、私は運輸区に向かう為に階段を上った。

 階段を上るとそこは駅のコンコースで、花火大会帰りと思われるお客さんで混雑していた。

 私はその流れにのって改札口まで来た後、一番端にある職員用の出入り口から外に出た。

 しばらくそこで待っていると、遅れて文ちゃんも出てきた。

 

 

「ごめん、待った?」

 

「ううん、そんなには」

 

「いやー、人が多くて大変だよー」

 

「そうね。でも、私達はお客さんがいてなんぼの仕事だから。多いほうが嬉しいのよね」

 

「分かってますってー」

 

 

 そんな話をしながら私達は駅前のロータリーを歩き、駅のすぐ近くの5階建てのビルに入った。

 ここが私達の所属する青葉運輸区の入っているビルで、私達は階段を使って2階まで上がった。

 上がってすぐ右手のドアを開けると、そこには私達と同じような制服を着た人たちがたむろしていた。

 この中にはこれから帰る人、これから寝る人、これから仕事に行く人など、様々な人が休憩中で、同僚達と談笑していた。

 私達はその中を縫うように歩き、乗務終了の点呼のために助役の前まで歩いていった。

 助役の前に着くと、私達は互いに敬礼した後、点呼を取った。

 

 

「905仕業担当運転士、ならびに車掌、乗務終了しました」

 

「はい、お疲れ様でした。掲示板に張られている連絡事項などを確認してから、気をつけて帰宅してください」

 

「「分かりました」」

 

 

 最後にまた敬礼して、終了の点呼は終わった。

 その後、言われた通りに掲示板へと向かい、連絡事項などを確認する。

 特にこれと言って重要なものは……。

 

 

「ねえ、文ちゃん」

 

「何? 先に言っておくと、臨時列車の希望は私出さないよ?」

 

「え!? 何で……」

 

「私は余計な仕事増やしたくないですしー。 それに、これくーちゃんの行きたかったイベントに対しての臨時じゃん。 希望出して当たったらイベントいけないよ?」

 

「え!? …………ホントだ」

 

「よく見なよ……」

 

「ありがと、文ちゃん」

 

「そうだ、私はありがたいんだ。もっと崇め奉れー……ってね。さ、着替えてさっさと変えろ? もうこんな時間だし」

 

 

 そう言って文ちゃんが指した時計を見ると、既に23時になろうとしていた。

 

 

「そうだね。早くしないと最終が出ちゃう」

 

「そうそう。ほら、行くよ」

 

 

 そう言って文ちゃんは人の間を縫って行った。私もその後に続いて部屋を出て、更衣室へと向かう。

 更衣室はこの階の1個上で、階段を上った左側にある。

 女性用更衣室と書かれたドアを開け、中に入って自分のロッカーの前で私服に着替える。

 着替えていると、私のすぐ後ろで着替えている文ちゃんが話してきた。

 

 

「夕飯どうする?」

 

「夕飯? まあ、この時間じゃどこも閉まってるだろうしねえ……」

 

「昨日のカレーまだあったっけ」

 

「アレは今日の朝と昼で食べちゃったじゃない」

 

「え、アレで最後だったの!?」

 

「そうだよ? 言わなかったっけ」

 

「聞いてないよ~」

 

 

 そう言うと、文ちゃんは力なく床に座り込んだ。

 

 

「夕飯……私の夕飯……」

 

「…………あ」

 

「なに? どうしたの……?」

 

 

 私は今思いついた事を文ちゃんに言った。

 

 

「そういえば、この近くに私の知り合いがやってる店があったっけ」

 

「そうなの!?」

 

「たぶん。あまり行かないからあやふやだけど、確かこの近くで夜遅くもやってたはず」

 

「じゃあ、そこに行こう! 今すぐ行こう!」

 

「はいはい、分かりました。でもその前に、まずは着替えちゃいなさい」

 

「はーい」

 

 

 そう言って文ちゃんは着替えを再開した。

 私も最後の1枚を着て、制服をハンガーにかけて荷物を取り出してロッカーを閉めた。

 

 

「文ちゃん、準備はいい?」

 

「いつでもオッケー!」

 

 

 振り返ると、既に行く気満々な文ちゃんの姿が見えた。

 私はそれを見て少し笑ってしまう。

 

 

「ふふ、それじゃ行きましょ」

 

「レッツゴー!」

 

 

 そうして、私達は更衣室を出て店へと向かった。

 

 




 前回保安装置のモデルはATC-Pと言ったな。アレは嘘だ。

 ……スイマセン。よくよく考えたら機能的にはメトロのCS-ATCじゃないですかヤダー。
 回送列車における車掌の乗務場所とかも変えるし、なんなんでしょうね、この作者は。
 ……スイマセン。もう変える所は無いと思います(無いとは言ってない)。
 
 変更点が出たら随時お知らせしたいと思います。すみません。

 次はダイヤとか公開できたらいいなぁ、なんて。

 それでは、また次回。
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