旅館大和においでやす   作:たくみん2(ia・kazu)

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どうも、自分でも失踪かと思い始めたたくみん2です。待っていた皆さん、申し訳ございません。どうにか失踪はしていませんよ。一応…。

この話は四条通に行く話です。なので、旅館であってからこの話までは飛男さんの作品を見てもらえばつながると思います。結構設定をかみ合わせるのが難しく時間がかかってしまいました。そんな作品ですがどうぞ、ご覧ください。


コラボ② 四条でお買い物

 京都の名所である清水寺を巡るツアーも終盤。夕食まで時間があるのだが、それまでに見に行けるスポットも清水にはあったが、せっかくなので四条に向かうことになった。四条とは、京都で一番の繁華街といえる場所であり、いろいろな店を構えている。東京の銀座には到底及ばないが、見て回れる程度には店が並んでいる。そんな店がたくさん並んでいる商店街があり、そこを進んでいる。俺は唐突に話始める。

「ここが京極通り。で、隣が寺町通り。ここが京都で一番華やかな所やな」

 俺が自信持って紹介する。というのも今まで行った八坂神社や清水寺はさすがの京都人でも2,3回しか行ったことがない。近くにある有名どころだからこそ、あまり行ったことないのだ。逆に四条はゲーセン行ったり、カラオケ行ったりと、遊びに行くならとりあえず四条と言った感じに、俺の学生時代があると言っても過言ではないくらい通っていたためとても詳しい。まだ案内できるだろう。まさかここを案内するようになるとはなぁ…。そういうことを考えながら後ろを見ると俺以外の一行は20メートルくらい後ろで立ち止まっていた。

「聞いてないんかい!」

 俺は一人ツッコミを入れる。なんか悲しい。関西人じゃなかったら心折れてたわ。そんな中、彼らの目の前にある店を指さしながらなにかを語っていた。

「こ、これは…」

後ろで声がする。ふりかえると、一行ずつ一行がとある店の前であしを止めている。俺はすぐに戻り、何があったか聞いてみた。

「どうかしたん?」

「なぁ…、このミリタリーショップ、見てってもいいか?」

店を見るとよくFPSでてきそうな武器や服が並んでいる。そういえば、彼らは根っからのミリオタだ。気になるのも仕方のないことなのかもしれない。特に行くあてもなく、時間にも余裕があるので寄っていくことにする。

「どうぞ。ゆっくり見てってええですよ」

「やったぜ、サンキュー。七星、行こうぜぇ!」

サムソンが一番乗りで入る。それに続いて他の男メンツも入っていく。そして、気づくと男は俺だけ、後は艦娘らが残っていた。

「ごめんなさいね、拓海さん。あの人たち、こういう類の事に目がなくて…」

蒼龍が俺の困っている様子を見て声をかけてくる。

「大丈夫、大丈夫。楽しんでもらえるならこっちはオーケーやで」

何も気にしない顔で答える。それと同時に大和も笑みを見せる。どうやら大和もそれには賛成のようだ。俺ら二人がこの一行と旅ができているだけで楽しいのだ。日頃の生活も楽しいのだが、それとは違う楽しさが生まれていた。それがちゃんと伝わったのかどうかはわからないが、蒼龍は安堵の表情を見せる。その時だ。

「おーい、夕張。ちょっと見てくれや」

サムソンの声がする。それに対しはいはい…と二つ返事で店内に入っていく。その様子を見ていた飛龍は、七星さんが入店してからずっと迷っているような表情をしていたが一変し、にやけた顔で蒼龍の耳元で囁く。

「じゃあ、私も提督と店内でも散策しますかね」

「ちょっと待ってよ、飛龍!」

もう言い返したころには飛龍の姿が店内の中へ消えていってしまった。

「もー、飛龍ったら…」

蒼龍は頬を膨らませながら怒っている。勝手な行動をした妹を怒る姉…、この二人を見ているとなんか本当の姉妹みたいだ。その一部始終を見ていた俺は蒼龍に声をかける。

「行かなくてもいいん?」

「え?」

「別に俺らはかまへん。蒼龍さん自身も楽しんで来たらええんやない?七星さんと店内散策したいんやろ?」

「え、いや、別に…」

少し赤面する。どうやら正解だったようだ。でも蒼龍は一向に入ろうとしない。先に飛龍が行ってしまって行き辛くなったからだろうか…。すると、蒼龍が話し出す。

「実は、清水寺の時にずっと七星さんの近くに居させてもらったのは、飛龍が気を使ってくれたからなの…。だからお返しじゃないけど、ここでは飛龍に譲ろうかなぁって…」

そういえば、清水寺の時、飛龍は七星さんとともに行動していなかった。それは、蒼龍と七星さんとの時間を妨げないため…、いや、勝手に決めつけるのも良くない。かといって本人に聞くのも良くない。ダメだ、考えれば考えるほどこの場の空気がだんだん重く感じてくる。俺がどうにかしようと考えたその時、先に行動が起こす。

「行きますよ、蒼龍さん。一緒に見て回りましょ?」

「え!?えっと…」

ふと隣を見ると大和の姿はない。そう、文字通り大和が蒼龍の背中を押してやる。そのまま二人とも店内へ入っていく。その姿を見て、また俺の仮説が正しかったのかを考えだす。たとえ、自分の楽しみである七星さんとの時間を削ってまで飛龍に七星さんとの時間を譲る。今日、半日の生活を見ていて、彼女が一番良い笑顔になっていたのは彼と話している時なのに…。まぁ、もう深く考えるのはやめだ。せっかく彼らが来ているのに変な雰囲気にするのもアレだからな。

俺は自分が深く考えすぎたことを鼻で笑い、店内にいるみんなの元へ進みだした。

 

でも、やっぱり彼女には少し悪いことをしてしまったかもな。

 

*

 

中のことはさっぱりわからん。フランス、ドイツ、アメリカ、イギリス…?わかるのは服とかについている国旗くらいだ。あとはさっぱりだ。それでも彼らの中では宝の山が映っているのか、キラキラした目をして店内を散策している。俺も店をうろうろしているとヘルブラと店員さんが話している。何かあったのかと思い、話に耳を傾ける。

「すいませーん。これって?」

「はい、これは戦時中に使われていたヘルメットのレプリカです」

「まじっすか!?」

「この値段かぁ…悩むなぁ…」

「んんん!興奮してきましたぞ!!」

アカン、興奮する理由がわからん。このヘルブラとは5次元ぐらいずれているようだ。俺は静かにその場から離れる。すると、サムソンが目に入る。俺はすかさず頼りつこうとする。

「サムソー…」

「夕張、このバックどう?普通に使えない?」

「とても似合ってますよー!」

俺は凍りつく。どうやらサムソンも手遅れのようだ。その場にいられなくなり、また移動を開始する。次に目が入ったのは七星さん。サムソンの時と同じく近寄ろうしたのだが、また足が止まる。

「提督、これどうです?」

「おー、飛龍。目の付け所がいいな。これはなぁ…」

「こっちは?」

「ちょと待って、一つずつゆっくり見ようぜ」

 いろいろ進めてくる飛龍と仲良く散策している七星さんの姿があった。一人で探索したそうな感じもあったが、それでも今の様子を見る限り楽しめてそう。俺は静かに少しずつこの場から離れいった。結局行く場を失った俺は大和と合流することにした。またしばらく店の中を回っていると彼女の姿を見つける。その隣には一緒に入店した蒼龍の姿もあり、二人で何かを見つめている。

「どうしたん?」

「いや、これを見ていまして…」

 二人の目線の先にあるものを見る。それは日本海軍の階級章だった。額縁の中に入っており、店内の壁に品物として飾ってある。それを二人そろって見ていたらしい。

「ほー。てか、なんでまたこれに?」

「なにか見覚えがありまして…」

「そうですね、特にこれなんか」

 蒼龍が指さす。そこにあった階級章のとなりには“大佐”と書かれてある。そういえば、大佐って艦長クラスだったかな。某ガン○ムのオンラインゲームで高い階級が脳内で崩壊しているが、決して低くはなかったはず…。まぁ、そんなことは置いといて、俺は1ついい考えが浮かぶ。

「なぁ、これ、ほしい?」

「え?」

「せっかくやから買ったるがな。記念や。でも3人で階級章をつけといたらなんか面白そうやし」

「いいんですか?」

「おう、みんな大佐でええな。よしそれじゃあか…、か?」

「か?」

  “買ってくるわ”と言おうとしたのだがなんか1200とかいう文字が見える。これを3つ…、3600…。イタイ、すごくイタイ…。でも引き戻れないんだな…やっちまった…。

「か、か…、買うけど俺やっぱり階級変えようかなぁ。どれがいい?」

 どうにか誤魔化せた。買うことには変わりないのだがな…。

「これとかいいと思いますよ。少尉」

「少尉!?」

「大和さん、それはひどいですよ。これにしましょう。大尉」

「大尉!?」

 結局下の方かよ。提督をどう思ってるのかちょっと疑問になる。で、結局中佐になった。それならもう大佐でいいじゃないかよ…。俺は3つ注文し、金を支払う。そして店前に待機している二人の下へ行き、二人に渡す。

「ありがとうございます、拓海さん」

「すいません、私まで」

「いいよいいよ、記念やろ?」

 なんか複雑な思いな俺だったが、二人も楽しんでいたのでこっちも笑顔になる。とりあえず、一安心だ。その時、他の連中も店を出てきた。

「みなさん、堪能できましたか?次に観光…」

「みんたく!次の店行くぞ!」

そう言って彼らが先に進みだす。後からわかったことだが、姉妹店のようなものがあり、その店へ向かっている。

「えっ、え!?」

 俺はこの言葉しかでなかった。

 

*

 

「本当にすまない。どうしても気になるったもので・・・」

「ごめんね、大和さんと蒼龍。私も我を忘れて・・・」

七星さんと飛龍が揃って謝る。それに対して大和がなに気なく言葉を返す。

「二人ともやめてくださいよ。楽しんでもらえたならこっちは大丈夫ですよ。私ら三人も仲良く見て回ってましたし…。ね、拓海さん?」

「・・・」

俺は返事しなかった。というよりも気づかなかった。一人、このあとの予定を考えていたからだ。ミリタリーショップという究極の時間つぶしが出来たものの、ちょっと問題ができた。実は清水寺の参拝中におばさんからメールが届いていた。内容を簡潔に言うと『料理をいつもより豪華にしたいし、観光時間を増やすのを兼ねて午後7時くらいに帰ってこい。観光だぞ。絶対観光名所に連れてくるんだぞ』ということらしい。今は6時半。丁度このまま帰ればいいのだが、最後に観光名所に連れていきたい。さて、帰る前にどこを回ろうか・・・。すると、肩を叩かれる。

「みんたく?もしかして、すねてたり・・・?」

「え?」

七星さんが尋ねる。唐突に言われて正直驚きの方が大きい。他のみんなも心配そうな顔をしているのが見え、すぐに否定する。

「いやいや、違いますよ!ちょっと考え事を・・・」

「みんたっくん、もしかしてここに来て計画立ててくれていたとか?で、俺らが店を見たせいで計画が崩れた…的な?」

「いえ、そんなことしてないで。ただ、ちょっと旅館戻る前にもう一つ行きたいところがあって…、てかみんたっくんってなんや!?」

 いつの間にかキヨさんが作っていたあだ名にツッコミを入れる。その様子を見て他のみんなも表情が和らぐ。その様子を見て俺も和らいだ。

「でも、迷惑はかけてしまったからなぁ…、そうだ、お詫びもかねて何か奢らせてほしい」

「おお!」

「うるせぇ、お前らはちげぇぞ」 

屈強な男達が煽りを入れてくる。それを見事に返す。関西人も顔負けだ。

冗談はともかく、“何か”と言われても特に思いつくものもない。というもの「あのアニメCD買って!」とか「あのフィギュアほしいな」という願望はあるものの、頼む物が違う気がする。せっかくの心遣いだが、私欲のために好意を無駄にはしたくない。俺は最適の方法がないか考えていると、飛龍が前を指さす。

「人通りが急に増えた道があるけど、あそこって何?」

 指した方を見ると、人通りの多い通りがあった。人通りが多い割には道が狭い。こんな道があったかと思いこの辺の地図を思い出してみる。

「たしか…ここは錦通り…うん?錦通り!?」

 確信が持てず若干自己暗示だったが、復唱しつつ通りに近寄るにつれ、答えがあっているという確信に変わっていく。そして、通りに差し掛かる直前俺は少ない知識で説明を始める。

「この通りには肉屋や魚屋はもちろん、漬物屋とか京都らしい店も並んでるで」

「へー」

 みんなが相槌を打つ。それに合わせて追加情報を付け加える。

「結構新鮮な素材が集まってるからよく高級料理店の人が仕入れるところの一つでもあるんや。ここで買うにはちょっとお高いかもしれんけど、味は格別やで!」

 そう言って、七星さんの方を見る。すると、彼は少し動揺していた。

「おい!そ、それは…」

「やったぜ、みんたく!まぐろ丸ごと一匹頼んじまおうぜ!」

「おい、やめろ!」

 クビニキが冗談を炸裂させる。また場に和みがもたらされたところで、丁度錦通りへと入っていく。入ると横から見ていたよりも大勢の人で賑わっている。通りの幅が短い分人が多く感じられるのかもしれない。そんなこともあり、俺と大和、七星さんとキヨさん、蒼龍と飛龍、サムソンと夕張、そしてヘルブラという順に並び、複縦陣で通りを進んでいく。

 今度はミリタリーショップの時と違って各店舗に時間を考えて入る。時間がカツカツということもあり、若干急ぎ足で散策する。ちょっと落ち着いたところで連絡を入れておこう…。

実際通りに入ると俺が例で挙げなかった湯葉とかお豆腐を売っている店や若者でも入れるおしゃれなカフェなどもあり、京都人でも新たな発見があった。でも、やはり彼らに人気だったのは“漬物”。試食できるところが多く、たくさんの種類を口にして食べ比べをしていた。

 

*

 

 数店舗寄り道したのちに通りを抜ける。さすがに端から端までは時間的に大変だと判断したため、途中で抜ける。

「ふぅ、どこも“京都”って感じがしていい店ばかりだったな」

「見れば見るほどお腹が空いてきますね。ここで食べちゃおうかな」

「飛龍、そんなことしたら旅館で食べられなくなっちゃうよ」

「それはマズイ…」

 蒼龍に注意され、飛龍が食べるのを我慢する。でも正直我慢しているのは最低でも一人ではない。というのも、俺がかなり空腹に近い。多分だが、ほかの連中も空き始めていると思う。そこで、キヨさんから一つ提案がでた。

「いいんじゃない、少しなら」

「というと?」

「何か一つ摘まむくらいならいいでしょ。どうせ旅館までまだ時間もかかることだし」

 確かに片道約三十分かかる。そのため、少しくらい腹に入れといたほうが良いかもしれない。すると、サムソンが言う。

「でもヘルブラがマジ食いしそうだぞ」

「ギク!?なぜばれたし」

「おい!」

「てかダメなの?」

「ダメに決まってんだろ!」

 結局、何をどんだけ食べるのかはともかく、何かを食べることは決定した。俺は携帯を取り出す。旅館の方に理を入れておくためだ。でも、どこへ行くかの相談に乗らなければいけないので、この仕事を大和に託すことにする。しかし、彼女の姿が見えない。

「あれ❓大和は?」

「あそこにいますよ」

 夕張が目線を向ける。その方向を見ると大和が背を向けて錦通りの方を見ている。俺は近寄り声をかける。

「どうした?」

 大和はこちらを見て少し驚く。

「あっ、すみません。これからどうするんですか?」

「軽く何かを腹を入れるつもり、だから悪いけどメール打ってくれない?」

「わかりました」

俺はスマホを手渡す。その時に、一つ聞いておいた。

「ちなみに大和は何食べたい?」

「えっと、私は・・・」

大和はそう言っておそるおそる錦通りの方を指さす、その方向を見ると一軒の店をさしていた。

「分かった、大和の意見も考慮してみるよ」

と言って俺は他のみんなが雑談している他のみんなのもとに向かう。

それと同時に七星さんが聞く。

「大和は?何かあった?」

「いや、ちょっと見とれていまして…」

「何に?」

 俺も大和がやっていたように指さす。

「へぇ、あんな店あるんだな」

 キヨさんが感心していると、

「小腹を満たすにはちょうどいいんじゃない?」

 と蒼龍が提案する。それに対しみんなが意見を述べる。

「お、いいんじゃないか?」

「申し訳ないけど大和が食べたいって言うてたから賛成かな。つまむのにもちょうどええし」

 俺や七星さんは肯定的な意見だ。

「まじで食うの?正直ここで食うものじゃないでしょ?」

 とサムソンは否定。確かにサムソンの言う通りでこんな道端で食うものじゃない。食うとして少し抵抗があるかもしれない。しかし、そんな事も吹っ飛ばすようにこの話に終止符をつけた。

「もういいじゃん、はやく食べましょうよ!ね?」

 飛龍はサムソンの背中を押していく。疑問詞で終わったのにもう行動に移っていた。

「ちょっと、まって。まだ決まって」

「統治、せっかくだ。もういいだろ。な、みんな?」

 七星さんの発言にみんなが揃って頷く。

「うーん?統治一人ですぞォ、どうするんだい?」

「んんん、夕張までこっち派ですぞ」

 そういえば夕張も賛成派だった。それが功を制したのか、サムソンも観念したようだ。

「もう、わかったよぁ。じゃあいこうぜ」

 飛龍に押されていたが、もう自発的に店に向かっていく。丁度その時、すれ違いざまに大和が戻ってくる。

「メール、送っておきました」

「ありがとう」

「で、どうするんです?」

 大和が聞く。すると、俺は大和の肩を軽く叩いて言う。

「いくぞ、大和の行きたがってる店に」

 そうして、俺もサムソンの方に歩き出す。他のみんなもだ。よく見えなかったが、大和は嬉しそうな表情をしていたかのように見えた。

 

*

 

「本当に旨かったなぁ」

「一味違いましたね」

みんなからも、好評だったようだ。なかでも一番食べたそうだった大和に尋ねる。

「どうやった?」

すると、笑顔で話す。

「本当に美味しかったです。口に入れた途端、頬っぺたがとろけ落ちるかと思いましたよ。こんなだし巻き卵を食べたの初めてです!」

そう、みんなで食べていたのはだし巻き卵。このよくわからないチョイス。いろんな点で違和感を感じていたが、いざ食べてみると真剣にやばかった。だし巻き卵なめてました、申し訳ありませんでした。それくらい絶賛しているので他のみんなからもかなりの好評価。旅館とのクオリティーと比べられないのかが心配になる。まぁこの件は置いといて、俺らの中で一人だけ顔色が違う人がいる。そんな彼にヘルブラの弟が話し掛ける。

「んんんー、とても好評じゃぞ、七星」

「確かに美味しかったけど・・・な?」

といって財布をこちらにちらつかせる。それには思わず苦笑い。さすがに少し払った方が良かったのか?すると、その言葉に返すのかの如く、キヨさんが俺に言う。

「心配すんなって。なんせ七星だぜ」

「おい、俺はただの大学生だからな」

また場に笑いが生まれた。その間に俺は不意に時計をみると、そろそろ帰らなければいけない時間じゃないか。

「あーそろそろ駅の方に向かうで。もうこんな時間やし」

「おう、そうだな。そろそろ駅に向かおう」

 とりあえず確認を取り、その通りに駅に向かう。しかし、ここで事件が起こった。

「お、ここにゲーセンあるじゃねぇか」

 キヨさんが左側になるゲーセンを見ながらつぶやく。

「そこ、俺の学生時代にお世話になったところやね」

 何気なく俺は答える。よく通っていたなぁ。と、そう思い出に馳せつつ、そのままこの前を流れて行こうとした時、一人の声がした。

「拓海さん、待って」

「ん?」

 そう、拓海さんと言うのは一人しかいない。そう、大和だ。彼女はゲーセンの前に立ち止まっていた。俺は若干急いでいるため、急かす。

「どうした?なにか?」

「あ、あの…」

 もじもじしている。でも俺にはよくわからない。ちゃんと言ってくれないと…。すると、蒼龍と飛龍が大和の隣に立つ。

「大和さん、私たちはいいですよ?」

「行きましょうよ?ね?」

二人が大和に話しかける。すると彼女は何かを決したのか突然俺の前に立ち言う。

「あの!アレ、やってきていいですか?」

 大和が指差す方向には、そのアレ―外にでている見覚えのある機械があった。たしか、あれはプリクラと言ったか…。まぁそれくらいなら…。

「おう、ちゃっちゃっとやっておいで」

「ありがとうございます!」

 大和は嬉しそうに駆けだすと、飛龍も「まって」と追いかける。そして、蒼龍は夕張の手を取り―

「行きますよ、夕張さん」

「はい!」

 先走った二人の後を追いかける。その様子を俺らは見つめていた。

「ふぅ、あいつら楽しそうですな」

「なんだ、じゃあ俺らもなんか思い出作りに行くか?」

「何をするんだい?」

 さすがに男だけでプリクラ撮れるわけもなく、彼女らの中に入っていく気もない。その時、七星さんが質問する。

「みんたく、ここにPODってある?あのPODだよ」

POD…?あ、ま、まさか。

「は、はい。確かあった気が」

「よし、出撃じゃあ!」

「ファ!?」

 彼らが走り出す。待ってくれと言っても彼らは聞かない。

「みんたく、お前も来いよ!」

逆に誘われてしまう。もう、なんか時間っていう概念がぶっ飛んだ感じだった。一人になった俺は一つため息をして走り出す。

「行きますよ。もう…」

 俺も彼らとともに戦場へ絆を深めるべく足を踏み入れた。

 

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