君を殺す100の方法   作:さぶだっしゅ

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遅くなってしまい申し訳ないです…

今後ものんびりとやらせていただくと思いますが、よろしければ見てください


2話

 

 

一度殺されたときは夢だと思った。

二度殺されたときは現実を信じることができなかった。

三度殺されたときは自分の正気を疑った。

 

でもこれは夢物語なんかではない。

すべて実際に起きていることだ。

彼女に刺された痛みも、自身の体を伝う血の生暖かさも、いつも最後に感じるアスファルトの冷たさも、目が覚めれば全て消えている。

しかし、毎朝繰り返される彼女の来訪が嫌でも現実だということを教えてくれる。

彼女と行動する時間をずらそうとしても、夜道でどこからともなく現れる彼女に背後から襲われた。

彼女から離れようと遠くへ逃げようとしても、気がつけば横に彼女が笑って立っていた。

いっそ家から出なければ、と思い部屋にこもれば窓ガラスを破って侵入してきた。

そしていつも彼女はこう言いながら僕を殺すのだ。

「愛している、いつまでも一緒にいよう」と。

 

 

今日で何度目だ?

おそらく二桁にはいっていないはずだ。

100回殺されれば僕も彼女と同じく不老不死になるらしいが本当かどうか分かったものではない。

そんな妄想のような話をどう信じればいいのか。

すでに何度も今日を繰り返しているのも、何かカラクリかもの、心理的なトリックか何かがあるはずだ。

だから、こうして家のドアの戸締りをして窓も何かで塞いでおけば…

家でじっとしていれば何も起こらない。

彼女は何もできないはずだ。

母親や妹には不審がられたが、こちらの命がかかっているのだ。

何日立て篭ることになるかは予想できないが、いずれ彼女も諦めるに違いない。

このまま陽の光を拝むことができなくなっても生きていればどうにでもなるのだ。

 

だが、彼女の行動は僕の甘い考えを簡単に超えていった。

異変に気づいたのは部屋でこれからの予定をノートに書き始めた頃だっただろうか。

部屋の温度がやけに暑い。

まだ朝の早い時間だったせいもあってクーラーを付けていないせいだろうか。

確かに夏が近くなっているし、クーラーを付けてもい時期なのかもしれない。

思い立った日が吉日とも言うしな、と自分を無理やり納得させてリモコンを探す。

しかしこういった類のものは欲しいときに見つかりにくいのは世の常だ。

探すのに数分掛かってしまった。

今度からはもう少し部屋を片付けておく必要があるな…

だがリモコンは見つけた。

これで快適な部屋になる…

 

…あれ?

いくらスイッチを押しても反応してくれない。

まさか、掃除をサボったせいでフィルターが詰まってしまってるのだろうか?

機械的なことに専門の知識はないから正しい原因は分からないが、すぐに使えないということだけはわかる。

ここは少し危険かもしれないが窓を開けて換気をしよう。

そうすればこの暑さも少しは和らぐだろう。

恐らく来るかもしれない彼女のためにいつまでも暑さを我慢するのもよく考えれば馬鹿らしい。

そうと決まれば、と窓に手をかけると、その窓の縁が焼けるような熱さだ。

今日は天気予報を見ていないから知らないが、そんなに気温が上がる日だったのだろうか。

この時窓を布で覆ってしまっていた故に気付けなかった

しかし、それはある意味幸運だったのかもしれない。

身を焼かれる苦しみを知らずに、一瞬であの世へと旅立つことができたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女は狂っている

 

彼女にとっては、世界とは自分と僕、それ以外で構成されている

 

僕以外の人間は、たとえ肉親であっても塵芥も同然らしい

 

僕を手に入れるため以外のことを思考できないようにプログラミングされているかのように

 

ただ僕だけを求める機械のように僕を付け狙ってくるのだ

 

一度彼女の家に逃げ込んだこともある

 

流石に肉親の前では、と思ったのだが彼女は躊躇なく僕を撲殺してくれた

 

逃げ場なんてあるのだろうか

 

このままあと数十回殺されるのを待ったほうがいいのではないか

 

諦めてしまえば楽になるのではないか…

 

 

いや、まだだ

 

やれることはまだあるはずだ

 

最後まで抗え

 

何か方法はある

 

まずは彼女に気付かれずにいられる時間を作る努力をしなければ

 

 

 




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