それと今回文字数が少ないです。
「で、なんか用?」
「なんか用じゃねぇ。分かってるんだろう」
「おうおう、目付きギラギラさせちゃって」
「てめぇ」
俺のふざけた言葉に、沢村はさらにキレる。そんな中、俺は話を続けた。
「たく、そんなに小森と一緒に居たかったのか、この寂しがり屋さんが」
「そんなんじゃねぇ。せっかくの荷物持ちがいなくなるから……」
「いい加減にしろ!」
俺は沢村の言葉を遮って、怒鳴った。沢村は俺の迫力に負けて、一歩後ろに下がる。
「たく、一人王様気分てか。調子に乗るなよ、ガキが」
「なに……」
「そんなんじゃ、いずれ周りの奴なんて、直ぐにいなくなっちゃうぜ。というか、既にそれに近い思いはあるんじゃないのか?」
「黙れ!」
沢村は俺の言葉を力強く否定すると、俺に向かって殴りかかってくる。俺はその拳を冷静に避けて、沢村の顔を軽く殴った。殴ったところからは少し血が出ている。
「痛ぇ……ちくしょう、小森にもこんなことはしてなかったぞ」
「あっそ」
「えっ……」
沢村は俺の言葉を聞き、驚きで固まった。
「いや、別にそんなの関係ないし」
「なんだと!」
「いいか、てめぇは少しの悪ふざけのつもりで小森のことをいじめてたようだが、そのてめぇの傷とは違って、小森の心の傷は一生治らないかもしれないかもしれないんだぞ」
「……」
小森は心が強かった……いや、友達がほしかった故の執着心か。まぁ、結局優しかったんだよな、だから小森は挫けることはなく、沢村たちの理不尽な命令に耐えることができた。
沢村は俺の話を聞くと、顔を下に向けた。
……ようやく、自覚したみたいだな。
俺はそんな沢村を置いて、校門の方に歩き始める。そして、沢村が俺に声を掛けて来た。
「俺はどうしたらいいんだ」
「それは自分で、考えろ」
「……」
「ただ、小森は屑な命令をしてきたお前たちを友達だと言ったんだ。これだけは忘れるなよ」
俺は最後、沢村に一言を告げて校門から出て行った。
本当は吾郎たちの様子でも、覗きに行こうと思っていたが、そんな気分では無くなってしまった。
たく、俺も甘いな……男に説教なんて。あーあ、可愛いい女子高生でも探すか。
俺は自分の変わった行動に溜め息を吐きながら、可愛いい女子高生を探すべく歩き出した。
この次の日、屋上で俺と吾郎、小森についでに清水が沢村に呼び出されていた。
「すまなかった、小森」
「えっ」
小森は突然の沢村の発言に驚く。吾郎、清水は突然の展開で、頭がついてきてないようだ。
「やっぱり、俺のこと恨んでるよな」
「沢村くん……」
小森は小さく呟いた。ただ謝りに来ただけだろうか。今日の沢村は朝から何か考えてたみたいだし、やっと答えを出したか。
「そうだ、亮太」
「何?」
「俺も野球チームに入っていいか?」
……なんやて、コイツサッカーチーム入ってなかったか。
「罪滅ぼししたいんだよ……人数は集まってるだろうけど、人は多い方がいいだろ。ベンチでもいいから」
「だってさ。小森、どうする?」
「え、えっと、僕は大丈夫だよ」
「そうか……ほかの二人は?」
「小森がいいなら、俺はいいぜ」
「同じく」
「つーかお前、サッカーチームはどうするんだよ?」
「それは仕方ないさ……」
「そっか……」
まぁ、いつ怪我するかとか、誰が辞めるとか分からないし、沢村の言う通り人は多い方がいいだろう。
とりあえず、決まりだな。
「じゃあ、これでメンバー集めは終わりだな」
「よっしゃー、俺がお前たちの実力を見てやるぜ。清水ほどではないことを願う……」
「おい、それどういう意味だよ」
また吾郎が清水に余計なことを言って、喧嘩をしている。俺と小森、沢村はその光景を見て、お互いに笑っていた。
さて、後は監督とポジションの相談だな。
こうして、俺と吾郎のメンバー探しは幕を閉じた。
この後は四人でキャッチボールをしたんだが、結局一番下手だったのは清水だった。俺からしたら、沢村も同じようなものだったが……。
ちょっと投稿ペースが落ちます。2日に1話更新でやってこうと思います。