あの約束を   作:厨二王子

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すいません。色々トラブルがあり、投稿が遅れてしまいました、本当に申し訳ない。貯めてあったストックも間違えて消してしまい、まっさらな状態です。投稿ペースは落ちてしまいますが、しっかりと投稿します。


16話 バッティングセンター

「おい、これ最新ゲーム機じゃないか」

 

「すごいね、沢村くん」

 

「ああ、一緒にやろうぜ。小森」

 

「こら、学校の帰りにゲームセンターはダメだろうが」

 

「いや、ここはゲームセンターじゃないし、別にいいだろ」

 

「んっ?そうか、別にいいのか……」

 

 沢村は最新のゲーム機を見つけて、小森とやろうとする。しかし、清水が注意をしようとするが、見事に言いくるめられた。

 

「たく、お前ら俺たちはバッティングをしに来たんだろーが。ヤル気あるのか?」

 

「冗談だよ。分かってるって」

 

「あははは……」

 

 ついに我慢の限界か、吾郎が大声を上げた。

 

 

 

 

 

 今俺たちはバッティングセンターに来ていた。来た理由としては、やっぱりバッティングの練習をするためだ。清水と沢村に関しては広いグラウンドが使ず守備練習ができないので、俺と吾郎と小森がバッティングホームを二人に叩き込んでおいた。

 さらに、後から監督から連絡があって元々いたメンバーが一人いなくなったらしいのが、沢村が入ってくれたのでなんとかなった。いやー、沢村がチーム入ってて本当に良かったよ。俺は一人感動の涙を流し、この事を吾郎にも伝えると同じく感動の涙を流した。

 

「おいおい、見ろよ亮太。本田のやつ130キロのボール打ってるよ。あんな球、誰も投げないだろうに」

 

「小学生では投げれないだろうな。ただ、次の対戦相手は大人だぜ。もしかしたら、これと同じくらい速い球を投げてくるかもよ」

 

「はっはっは。どうせ、腹がぼよんぼよんな親父ばっかりだよ」

 

 沢村はまだ見ぬ対戦相手を鼻で笑う。しかし、俺はそれとはまったく逆の事を考えていた。

 

 なーんか、嫌な予感がするんだよな。

 

 俺はあの自信満々の沢村の親父を思い浮かべる。いくら相手が小学生とはいえ、あの自信がそれだけとは考えにくい。俺は考えてるのをやめて周りを見ると、吾郎だけではなく清水もバッティングを始めていた。沢村と小森が後ろから、見守っている。

 俺はもう一つ次の試合で懸念している事があった。それは吾郎のことだ。あいつは普段の行動を見ていると、少し自己中な行動が目立つ。なんか、全部俺が完投するなんて言っているが。あいつの球、小学生にとっては脅威だけど、大人にとってはちょうどいい速さなんだよな。まぁ、あいつの球が打たれなきゃいい話なんだけど。

 

 イタァーーーーーーーーー!

 

 突如清水の方から、絶叫が聞こえてきた。まぁ、清水と沢村の件については言うまでもないか。

 俺は次の試合に不安な感情を抱きながらも、次の大人が投げられそうな110キロあたりのバッターボックスに入っていった。

 

「はっ!」

 

 俺はしっかりと球を見て、バットを振る。俺が振ったバットは見事に球を捉えて、高く打ち上げた。しかし、その球はホームランの的のわずかに右に逸れる。

 

「ちっ、なかなか当たらないもんだな」

 

「110キロの球を普通に打てるなんてすごいよ」

 

「んっ、そうか。まぁ、コントロールがなー」

 

 いつの間にこっちに来たのか、小森が俺のバッティングを褒めてくる。俺は清水や沢村の様子を聞いた。

 

「予想は付くが、二人の様子はどうだ?」

 

「あははは、練習通りにバットを振れれば、大丈夫だと思うんだけど。今は本田くんが見てるよ」

 

「まぁ、俺としては守備の方をなんとかしたかったんだが……」

 

「グラウンドが使えないんじゃあ、仕方ないよね」

 

 実は放課後学校のグラウンドを使おうと思ったが、申請が必要らしく、通るのに一週間掛かるらしい。普通に間に合わない。キャッチボールはやってるんだが。

 

「やっぱ、俺と一緒で外野かな」

 

「亮太くんよろしく」

 

「はぁ、よろしくしたくないな」

 

 俺は溜め息吐きながら、答える。すると、吾郎がこっちの方にやって来た。

 

「お疲れ」

 

「たく、困ったもんだぜ。特に清水」

 

「あはは、今度は僕が行くよ」

 

「おう、頼んだぞ小森。俺ももう少ししたら変わるから」

 

 俺の言葉を聞くと、小森は清水と沢村のもとへ向かった。

 

「亮太は130キロいかないのか?」

 

「いや、今回はいいよ」

 

「て言うことは、お前は130キロ打てるんだな」

 

「はて、どうだろうな」

 

「次の試合、期待してるぜ」

 

「はっ、お前のピッチングもな」

 

 俺と吾郎はお互いを見て、笑い合う。そして、数日後、グラウンドを賭けた試合が始まる。

 

 ギャーーーーー!

 

 …………始まる。

 




今回文字数少なくて、すいません。

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