インフィニット・ストラトス ~ぼっちが転校してきました~   作:セオンです

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お久しぶりです。

サブタイは俺ガイルから取りました。
何かすいません。
でも、文化祭って言う共通点があるからいいと思うんですよ。
え?言い訳だって?
ナンノコトデスカ?
はい、すいません。

という訳で、第12話、どうぞ。


第12話 彼ら彼女らは最高にフェスティバる

文化祭当日、八幡と一夏は執事服に着替え、教室に待機していた。

 

何か馬子にも衣装で、全く似合ってねぇな…。

織斑の方がカッコよく見えるのはあいつがイケメンだからに違いない。

まぁ、別にいいんだけどね?

それよりショックなのは、クラスの女子に顔はイケメンだけど目が腐ってるから今のままでも十分なんだけど、今回はメガネ掛けてね、って言われたことなんだけど。

確かに腐ってるけどさ、もうちょっとオブラートに包んで欲しかった。

 

そんなことを思っていると、続々とクラスメイト達が教室に入ってくる。

中にはメイド服を着て接客する人、コック姿で料理する人と様々だが、喫茶店なので、そんなに凝った料理でもするわけではないが、料理する人までメイド服だとやりにくいと要望があったらしい。

それを八幡は後から聞かされた。

 

後から聞いたって俺に決定権ないじゃん。

俺も料理作りたかった。

今さら言ってもしょうがないか…。

…働きたくないな~。

 

そんなことを思いながら目を腐らせていると、IS学園、学園祭開始の音楽が鳴り響くのと同時に八幡のクラスはやる気に満ち溢れていた。

 

「よーし、頑張るぞー!!おー!!」

「「「「おー!!」」」」

 

謎の掛け声をしていたクラスメイトを見て、八幡は照れながらも、小さくそれをやっていた。

それに気づいた一夏はニヤニヤしていたが、気にせず、お盆を手に持つとそこから離れていった。

やがて、客がどんどん入ってきた。

それどころではなく、行列も出来ており、次から次へと仕事が入ってくる。

しかも、悪いことに男子がせっかくいるため、男子に接客して欲しいとほとんどのお客がそう言うため、一夏と八幡がやらなくてはならない状況になってしまっていた。

 

「お待たせいたしました。アップルパイセットでございます。」

 

一夏は臆することなく、接客していく。

 

あ、あれがリア充の余裕なのか…!!

 

一方の八幡はと言うと…。

 

「お、お待たしぇいたしましゅた。チーズタルトしぇっとでごじゃいましゅ。」

 

…噛みすぎだろ俺ええええええ!!

恥ずかしい恥ずかしい死にたい死にたい死にたい。

アイデンティティがクライシスしちゃって個性が壊れちゃったよ。

どんだけ壊れてんだよ、て言うかどこの何縄くんだよ。

手をくねくねさせちゃうの?

…誰だよ何縄くんって。

 

そんなことを思っていると、必ずお客の女子たちはこう言う。

 

「可愛い。って言うか、何かイメージと違うけど、これはこれで凄くいい。」

 

何が可愛いんだよ、それにいいって何だよ。

…女子の言ういいとは100%どうでもいい人だから気にしないよ。

 

目を更に腐らせていると、のほほんさんが八幡のもとに走ってきて耳打ちする。

 

「ひっきー、指名が入ったよ~。」

「お、おう。」

 

何だよ指名って。

何、ここはホストなの?

 

そんなことを思いながら、指名してきたと言う人物の方へ歩み寄っていく。

 

「い、いらっしゃいましぇ。」

 

また噛んだ…。

いい加減になれろよ俺…。

でも、ぼっちに会話を求める方が悪いよね。

つまり、俺は悪くない。

何でも会話で済まそうとする社会が悪い。

違う?違うか。

 

「君が比企谷八幡くん?」

「あ、はい。」

 

急に聞かれるとあ、とかつけちゃうからやめてくださいね。

 

「ふーん…。」

 

謎の女性は、金色の髪を靡かせながら、胸元が開いているスーツに身を包み、品定めをするかのように、八幡を眺めていた。

何となく居心地が悪くなり、八幡は一歩後ろに下がろうとしたが、彼女がスッと視線を戻したため下がることはなかった。

 

「ごめんねいきなり。私は、ナターシャ・ファイルス。シルバリオ・ゴスペルの操縦者よ。」

「はぁ。で、何か用ですか?」

「君にお礼を言いたくて。本当はもっと早く来たかったんだけどね。あの子を回収したり、壊れちゃってたから直してたりしてたらなかなか行けなくて。」

「い、いえ、別にお礼なんていいです。」

 

八幡はナターシャにお礼を言われることなんてないと思いながら、一歩下がる。

 

「ううん。そう言う訳にはいかないよ。だから、お礼させて?」

 

そう言うと、ナターシャは一気に八幡との距離を縮め、顔を近づける。

その瞬間、頬に何か柔らかいものが当たった感触がした。

八幡は一瞬何をされたのか分からず、硬直していたが、理解した後には顔を真っ赤にしてあたふたしていた。

 

「え?は?え?」

 

何、いきなりそんなことするなんてさすが外国のかたですね。

これって挨拶だよね?

そうだよね?

 

内心パニックになりながら、口をパクパクしていると、ナターシャは微笑み、耳許でこう囁いた。

 

「私、君の事気に入ったから、また会いに来るね。」

 

ファイルスさん、そんなこと言うと勘違いしちゃうからやめてくださいね。

わかったらこれから、近寄らない、話しかけない、ボディタッチしないを徹底してくださいね?

 

顔を赤くしながら、抗議しようとしたが背後からの殺気を感じ取り、顔が真っ青になる。

 

「あら?ライバルは多い感じかな?でも、私も参戦しちゃうからね。」

 

そう言うと、またね。と手を振りながら、颯爽と去っていくナターシャ。

八幡は呆然としながら、これから起きるであろう最悪の事態を想定して心の中で泣いた。

 

ファイルスさん、あなたとんでもない爆弾を落としていって…。

小町、助けて。

こういう時、お兄ちゃんどうすればいいの?

 

その質問に誰かが答えてくれるわけもなく、シャルロットとラウラにお仕置きされた。

 

**********************************

 

シャルロットとラウラからのお仕置きが終了し、教室に戻ってくると、扉を開けてすぐのところに楯無がメイド服を着て、そこに立っていた。

八幡はそれを見ると、扉を閉め、逃げていく。

 

…何か知らんが、今捕まると絶対面倒な気がする。

それに、チラッと見たが、あのとき織斑と話していたのってあれだよな?

 

八幡は携帯を取り出し、束にメールを送ろうと思いながら、何時だったか束が言っていたある組織の中にいる人だろうと考え、特徴を書き綴り送信したのと同時に、なぜか目の前には楯無がいた。

 

え?何でいるの?

瞬間移動とか出来ちゃうの?

怖いんですけど。

逃げていい?逃げれませんね、はい。

 

八幡は色々と諦め、大人しく捕まることにした。

 

「八幡くん、何で逃げるのかな~。おねぇーさん、悲しいな~。」

「気のせいですよ。」

「ふーん…。素直に言わないと、小町ちゃんに色々と聞いちゃうぞ。」

「な、何で会長が小町に聞くんですか?って言うか、連絡先知りませんよね?」

「え?この間、八幡くんの誕生日の時に聞いたよ?例えば、八幡くんの欲しいものは本も…。」

 

本物と出てくる前に八幡は言葉を遮る。

 

「わかりました。逃げました。すいませんでした。」

 

もう速さが足りないとは言わせないぜ。

…誰に言ってんだろ俺は。

 

八幡は自分で自分を突っ込むと、楯無と向かい合う。

 

「それで会長、何か用っすか?」

「八幡くんに会いたくて。」

「会いましたね。それでは。」

 

そう言うと八幡は立ち去ろうと振り返る。

だが、楯無はそれを見て慌てて八幡の肩を掴む。

 

「待って。ちょっとお話があるんだけど。」

「…何ですか?」

「今から生徒会主催の演劇に織斑くんと出てくれない?」

「…いやで…。」

「本物…。」

 

断ろうとした八幡だが、楯無にぼそりとそう言われ、恥ずかしさのあまり即答してしまった。

 

「わかりました。すぐに出ますよ。」

 

何でそんなに本物で反応するのかって?

恥ずかしいからに決まってんだろ。

恥ずかしすぎて死ねるまである。

…マジで今後言わないでくださいね、会長。

 

八幡の返事を聞いた楯無は笑顔で案内すると、更衣室で衣装に着替えさせられ、王冠を頭に被され、コンサートホールのようなところへ行かされ、一夏と一緒に周りに演劇で使う物が置いてあったり小道具が置かれていたりと、様々だったが、始まる兆しが見えない。

 

「何か、おかしくねぇか?」

 

この事に疑問を感じたのか、一夏が八幡にそう言う。

八幡も、なぜまだ始まらないのか、不思議に思っていたところだった。

そんなときだった。

いきなり、照明が消えスポットライトが八幡と一夏を照らし出すのと同時に、二人の後ろにモニターが出て来て、何やら映像が写し出されていた。

 

「ワルキューレ、それは、戦う女の姿。そんな彼女らが戦う理由は、王子さまとの特別な関係になりたいと願うからである。」

「織斑、何か嫌な感じがするんだが…。」

 

八幡はこのナレーションの声に聞き覚えがあり、なおかつ今ここにいる状況を考え、嫌な解にたどり着いてしまった。

その間もナレーションは続く。

 

「奇遇だな。俺もだよ。」

 

そう答えたのとほぼ同時にこの舞台のあらすじが済んだのか、始まりの合図が鳴り響く。

 

「…逃げるぞ。」

「お、おう。」

 

八幡はいち早く逃げ、なぜかそこにあった煉瓦で作られているのかは知らない、塔の中に入る。

すると、外から叫び声が聞こえた。

 

「一夏!!早く出てきなさいよ!!出て来て私にその王冠を渡しなさい!!」

「織斑、呼んでるぞ?」

「いやいやいや、出てったら何されるかわかんないんだけど。て言うか滅茶苦茶怒鳴ってるからね?俺怖くて出れないよ。」

 

八幡の言葉に必死に言い訳を考えて、逃げようとする一夏。

 

それもそうだな。

捕まったら面倒だし。

 

そう思っていた時だった。

八幡のポケットから軽快な音楽が鳴った。

とっさに掌で押さえたが、八幡は全身から冷や汗が出てくる。

 

「…八幡、逃げようぜ。」

「…そうだな。」

 

二人は立ち上がり、逃げようと前を向くと、後ろから鈴の姿が見えた。

その手には青竜刀が握られており、ものすごい勢いでこちらに迫ってきた。

 

「一夏!!待てぇぇぇぇ!!」

「八幡、行こうぜ!!」

「いや、俺関係ないし動きたくないから。」

 

そう言うと、八幡はとばっちりを受けないように少し奥まった部屋に入ると、そこで息を潜める。

あっちの方では八幡の裏切り者とか、薄情者とか、叫び声が聞こえるが気にしないことにした。

八幡は鈴達が去ったことを確認すると、携帯を取り出し、メールの内容を見る。

 

やっぱりね。

となると、仕掛けてくるなら今か。

だったら早めに行動しておくか。

ったく、テロみたいな活動は止めて欲しいな。

俺が働くことになるから。

 

早速、活動をしようとすると、前と後ろからよく見知った顔が現れた。

 

「ゲッ…。」

 

シャルロットとラウラだった。

二人の姿は何やら西洋風の鎧を纏っており、端から見ていると物々しい雰囲気を醸し出している。

 

って言うか、何で鎧?

ワルキューレだから?

それはないでしょー。

…口調が変になっちまったよ。

 

そう思いつつ、どうやって逃げようか、考える。

八幡はとっさに浮かんだ作戦で逃げようと、さっきまでいた部屋の出入り口に近い壁に背中を預け、息を潜める。

やがて、シャルロットとラウラは部屋の中に入ってきたが、八幡を見つけられないのかキョロキョロしていた。

八幡はその隙に流れるような動作で外に出ていくと、走り出す。

足音に気づいたのか、二人が声を上げる。

 

「八幡、逃がさないよ!!」

「私の嫁ならば、黙って捕まれ!!」

 

いや、怖いから。

マジで怖いから。

って言うか、嫁じゃないからね?

捕まりたくないです。

何されるのかわかったもんじゃねぇから。

 

恐怖心に負けないように走っていると、一夏がセシリアに狙撃され、箒には刀で切りつけられたり、鈴には青竜刀で攻撃されていた。

 

…あれ、修羅場?

武器を取り出してやる修羅場とか戦場だけにしろよ。

思わずここが戦場かと疑っちまうだろうが。

 

一夏から目をそらし、どうしようかと頭を巡らせていると、なぜか地響きがした。

 

え?なに?

地震なの?

それとも織斑捕まっちゃったの?

 

何が起こったのか分からず思わず立ち止まってしまった。

 

「それでは、今から希望者による乱入です♪」

 

は?

 

余計に訳が分からず、フリーズしていると、周りに制服を着た女子がやたらと増えてきた。

 

「比企谷くん、私に王冠頂戴!!」

「ずるい!私も欲しい!」

「ひっきー、私にちょうだ~い。」

 

何か知らないけどヤバイ!

何がヤバイって一人一人が怖くてホントマジでヤバイ。

これなら肉食獣に追われてた方が良いかも…うん、どっちも嫌だわ。

ってか、王冠脱げばいいんじゃね?

 

そう思い、走りながら王冠を取ろうとしたとき、再び楯無の声が聞こえた。

 

「王子さまの王冠は大切なもの。自分で取るなんて考えられません。」

 

は?

なにそれ、脱いだらどうなんの?

え、何か怖いんですけど。

迂闊に取れないじゃん!

 

そんなことを思っていると、目の前から女子に追いかけられている一夏の姿が見えた。

そして、いきなり消えた。

 

「は?」

 

八幡は身近にあった隠れられそうなところに入り、シャルロットとラウラにやったようになんとか抜け出し、一夏の吸い込まれていった所へ八幡も強引に入っていった。

 

 

 




ストックが尽きてきたので、更新速度は遅くなります。
それでも自分なりの解釈で終わらせたいと思いますので、よろしくお願いします。

話はファントム・タスクがそろそろ登場です。
少し展開が早い気がしますが、これからはあまり早くならないようにしたいと思いますので、応援お願いします。

ではでは、また次のお話でお会いしましょう。

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