インフィニット・ストラトス ~ぼっちが転校してきました~   作:セオンです

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更新遅くてすいません。
書いては消し、書いては消しを繰り返していたら、こんなに遅くなってしまいました。

これからも亀更新かと思いますが、読んでくれると嬉しいです。

では、どうぞ。




第13話 彼らの前に現れたのは

八幡は一夏が消えた所から、下へと行くと広がっていたのは更衣室だった。

そのまま息を潜めてどうなっているのか耳を澄まそうとしたが、その必要もなく、大きな音がした。

その音を聴いて、八幡の体が少しビクッと跳ね、その後すぐ駆けつけようとしたが発砲音が鳴り響き、身を屈めた。

 

「くそっ…。何してんだよ。」

 

そう呟くと、目の前に白い機体が一瞬だったがいた。

次の瞬間には銃弾がそこに驟雨のように撃ち込まれてくる。

八幡は咄嗟に左腕にISを部分展開させ、星影を使いなんとか防いだ。

 

おいおい、これはヤバイな。

助けを呼んだ方がいいか?

いや、それだと織斑が危ない。

だったら。

 

八幡が結論に至っても相手は攻撃を休めることなく、一夏を狙って発砲していた。

その間、一夏はずっと逃げ続けていたが、逃げきれないと判断したのか、攻撃し始めた。

 

くそっ…。

自分から捕まりにいってるようなもんじゃねぇか。

ったく、めんどくせぇ。

 

八幡は静かにISを展開させ、流星を敵のISに向けて放つ。

敵のISの一部しか見えてなかったが、それで十分だったようで流星が攻撃を始めた。

 

「なっ!?誰だ!!」

 

敵が気づいたのか、少し苛立たしげに声を張り上げる。

八幡はそれに応じることなく、音もなく背後に近寄り、十六夜と朔光を蜘蛛の形をしている敵のISに斬り込む。

一夏をつかんでいた腕の一本が切り落とされ、一夏がその場を離脱し、八幡の後ろにつく。

 

「織斑、外と通信をしろ。俺がちょっと足止めしとく。」

「わかった。」

 

そう言うと、八幡は吹き飛んでいった敵、オータムの元へいき、十六夜と朔光から新星と鬼星に切り替え、オータムの頭に狙いを定め構える。

 

「よう、ファントム・タスクのオータムさん。」

「てめぇ、わかってやがったか。」

「とある情報提供者からね教えてもらったんだよ。」

「っち。」

「で?何が目的だ。」

「…。」

「無言か。どうせ、白式のデータとか盗もうとしたんじゃねぇの?」

「…っ!!」

「その反応、当たりか。じゃあそう言うことなら、お前を拘束しないとな。」

 

八幡がそう言うのと同時にオータムのIS、アラクネから糸が無数に出てきた。

捕まると思い回避行動をしたのだが、為す術もなく捕まってしまった。

だが、八幡は自分が思っているより冷静にこの状況を把握し、それと同時に対処の方法を見つける。

その時、通信がひとつ入った。

一夏からだった。

 

「八幡、大丈夫か!?」

「あぁ。それより、外との通信は出来たか?」

「何とか出来たけど、応援は来れないらしい。何でも相手にハッキングされてロックされてるらしい。」

「なるほどね。じゃあ俺が何とかするから、後は頼むぞ。」

「何とかって何だよ?」

「見てればわかるさ。」

 

そう言うと、勝手に通信を切り目の前のニヤニヤと薄ら笑いを浮かべて余裕そうな雰囲気を醸し出しているオータムを見て、ひとつため息を盛大に吐いた。

 

「何だよ。お仲間と仲違いしたか?」

「は?仲違いするまで仲良くなっちゃいねぇよ。」

「ならなんだよ。あぁ、自分の弱さに呆れたか?」

 

オータムは高笑いをすると、それを見ていた八幡の口許が上がる。

それに気づいたオータムは八幡を睨み付ける。

 

「何笑ってんだよ。」

「いや、案外お前って隙だらけなんだなって思ってさ。」

 

八幡は背中の流星をパージし、オータムに放ちそのまま月華を装備する。

オータムは流星の攻撃を防ぎながら、怪訝そうな目をこちらに向ける。

 

「さて、これからどうするでしょうか。」

 

楽しそうにオータムに質問する。

だが、それに答えられず睨み続けるオータム。

八幡は答えを言わず、一夏に通信を繋ぐ。

 

「織斑、俺の近くに来い。」

 

その一言だけを言うと、通信を切り、ゆっくりと言葉を紡ぎだす。

 

「答え合わせといこうか。答えは…。」

「八幡、何だよ?」

「っと、その前に織斑、月華を天井に向けてくれ。」

「何でだ?」

「いいから。」

 

意図が分からないようで、首をかしげていたが、月華に手を伸ばし天井へとその砲口を向ける。

 

「答えは…天井を吹き飛ばす、でした。」

 

そう言うと、八幡はファイアと叫び月華の攻撃を放ち、天井に大穴を開け、一夏に糸を切ってもらい外に出る。

八幡は月華をしまうと、流星を戻す。

オータムはボロボロになりながら這いずり出てくる。

その様子を眺めていると、後ろから声がかかる。

 

「八幡、大丈夫?」

 

振り返るとそこにはシャルロット、ラウラ、箒の三人がいた。

 

「おう、何とかな。他のやつらは?」

「セシリアと鈴はもう一機、ISの反応があったからそっち向かってるよ。」

「そうか。じゃあそっちに織斑と篠ノ之は応援に行ってくれ。何か嫌な予感がする。こっちは三人でなんとかするから。」

「わかった。八幡、気を付けろよ。」

「あぁ。」

「箒、行くぞ。」

「わかった。」

 

二人はこの場から離脱すると、セシリアと鈴の応援へと向かった。

八幡は再びオータムの方へ視線を移すと、ほぼ満身創痍な状態で立っている姿を見た。

 

「降伏はしないんだな?」

「当たり前だ!!お前らなんかに負けてたまるかよ!!」

「そうか。」

 

八幡は短くそう答えると、オータムの懐まで一気に間合いを詰める。

 

「イグニッション・ブースト!?」

 

シャルロットが驚きの声を上げているが、八幡は気にせず十六夜と朔光を手に持ち、斬り込む。

 

「くそがぁ!!」

 

複数ある足を器用に使い、攻撃と防御を交互にやろうとするが、八幡は足許に潜ると、次から次へと足の間接部を狙い、切り取っていく。

 

「なっ!?」

「さて、これでもまだやるか?」

「くっ…。」

 

オータムが舌打ちし、八幡が銃口を向けたとき、空から何かが降り立ってきた。

 

***************************

 

セシリアと鈴の二人を援護しに行った一夏と箒は、目の前にいる蝶を思い浮かべられるISと対峙していた。

 

「お前は誰だ!?」

 

一夏はその相手に声をかける。

その相手は何も答えず、口許だけを歪めて笑うと、セシリアのBT兵器と同じものを飛ばし、攻撃してきた。

 

「箒!」

「わかっている!!」

 

くそっ…。

隙がねぇ。

何か、何か、こいつに勝てる方法は。

 

一夏は避けながらそう考えていると、いつ移動したのか敵が目の前にいた。

 

「なっ!?」

「死ね。」

 

相手はそう言うと、一夏に砲口を向ける。

だが、それが火を噴くことはなかった。

よく見ると、箒、セシリア、鈴の3人が加勢し、相手に攻撃を始めたからだった。

 

これならいける!!

 

そう思った一夏だったが、相手が予想以上に強く、撃墜どころか足止めにもならず、八幡達がいるところまで飛んでいってしまった。

 

***************************

 

オータムに銃口を向け、相手が諦めの顔をした時、誰も気づかなかったが、いつの間にか一機のISが空いた天井からこちらを眺めていたが、オータムの事を見ると、BT兵器を使い、シャルロットたちも巻き込み、攻撃を繰り出してきた。

 

「くそっ…。」

 

八幡は小さくそうこぼすと、敵に向かって飛んでいく。

 

「八幡くん、行ってはダメよ!!」

 

その瞬間、楯無が八幡を止めた。

八幡は一瞬、迷ったが敵に向かわず、そのまま着地した。

その敵はオータムの所へ降り立つと、こちらに警戒しながらオータムを回収した。

その際、オータムはコアを回収し、逃げていった。

それだけだと思ったが、蝶のISを身に付けている敵がいきなりアラクネをこちらに投げた。

そこからは何か、カウントダウンのような電子音が鳴り響いている。

 

自爆か!?

どうする。

決まってる。

俺がやってやる。

 

八幡は両腕の星影を展開すると、身を守ろうとしたが、いかんせん距離が近すぎる。

 

防ぎきれるか?

 

不安が残りつつ、時間が来て爆発に巻き込まれる。

だが、思ったよりも衝撃がなかった。

それどころか、顔に柔らかいものが当たっている感触があった。

 

俺死んだのか?

じゃあここは天国?

え、マジで?

最後に小町に会いたかったよぉ!!

 

そんな風に嘆いていると、上から声が聞こえた。

 

「あん。」

 

は?

なに?今の声。

何か嫌な予感しかしないんだけど。

って言うか、どっちが上かなんてわからないけどね。

 

八幡は何やら不穏な空気を感じながら、恐る恐る目を開けようとする。

 

怖いから目覚めたくないです。

何でって?

だって目の前に人影がありそうだもん。

 

そんな風に思いながらも、意を決し目を開けることにした。

 

「は?」

 

目を開けたそこにあったのは、なぜか真っ暗な闇だった。

 

嫌だから何でだよ。

なに?目が覚めたら真っ暗って。

目が覚めたら真っ暗とか死んじゃったの?って思っちゃうだろ。

 

なぜ真っ暗なのか、さっぱりわからない八幡。

すると、真っ暗のその塊が動く感じがわかった。

 

え?ワームかなんかの腹の下なの?

怖いって。いや、マジで。

 

そう思っていると、予想外のものが目の前にアップで写っていた。

 

「ばぁ~。」

 

…はい?

なぜ会長が俺の目の前に?

って言うか、さっきの暗闇は何だったの?

 

「あれ?反応が薄いな~。おねぇーさん、ちょっとがっかり。」

 

八幡が黙っていると、なぜか楽しげな声を出しながらそう言う楯無。

 

「いや、何が起きたのかさっぱりわからなかったので。」

「そっかそっか。ところで、お姉さんの胸の感触はどうだった?」

 

そう言われた瞬間、八幡の思考がフリーズした。

それと同時に、段々と顔が赤くなっていく。

楯無は八幡のその顔を見て、くすりと笑いこう言った。

 

「その顔が見たかったのだ~。」

「…どいてください。」

 

からかわれたことがわかり、むすっとしながら八幡はそう言うと、楯無が抱きついてきた。

 

「拗ねないで~。」

 

ちょっ…マジで止めて!!

色々と柔らかくていい匂いで恥ずかしいので。

わかったらこれから俺に構わないでくださいね。

 

「拗ねてません。」

「まぁ、そんなことはどうでもいいけど…。八幡くん、織斑先生が怒ってたよ?」

「は?何でですか?」

「勝手に相手と交戦したから。それに、織斑くん達を別のところへ応援に行かせたでしょ?それがいけなかったみたい。」

 

え?マジで?

これ、俺マジで死んじゃうんじゃない?

…逃げなきゃ。

 

使命感にも似た感情を持った八幡だったが、その顔は青くなっていた。

 

「そ、それよりも、他のやつらは大丈夫ですか?」

「えぇ。デュノアさんとボーデヴィッヒさんならそこにいるわよ?」

「え?」

 

楯無が指を指した方向に首を向けると、そこには怒り心頭の二人がそこにいた。

 

「お、おい、何でそんなに怒ってるんだ?」

「八幡、惚けなくてもいいよ?きれいなお姉さんに抱かれてスケベ面をしてるのにね、ラウラ。」

「そうだな。シャルロット、嫁をどうしてやろうか。」

「そうだね。少し痛ぶってから、尋問だね。」

「シャルロット、そこは尋問じゃなくて拷問にしたらどうだ?」

「うん、それがいいよ。」

 

終始笑顔でそう言う二人。

八幡は体中から嫌な汗が止まらなかった。

楯無はそれを笑顔で見つめていた。

 

笑ってないで助けて!!

マジヤバイって。

何、二人ともヤンデレなの?

いやでもデレてないか、そうするとただの病んでる危ないやつだ。

ヤバイヤバイヤバイ。

逃げなきゃ、織斑先生に殺される前に殺されちまう。

だから会長、早くどいてください。

 

その願望を瞳に込めて楯無を見る。

だが、ただ笑顔でいるだけで抱きついたまま、その抱き締める力を強くしていた。

 

ちょっと!?

今のでわかったよね?

何で離さないの?

いや、いい匂いだし柔らかいし気持ちいいからいいんだけどね…って違う違う。

煩悩退散煩悩退散。

 

八幡は身動きがとれないまま、シャルロットとラウラの接近を許してしまった。

シャルロットは左腕にシールド・ピアースを。

ラウラは右腕のプラズマ手刀を部分展開し、八幡にそれを向ける。

 

死んだな。

小町に会いたかったよ。

ごめんな、最後までダメなお兄ちゃんで。

 

そんなことを思い、目を瞑る。

だが、一向にシャルロットとラウラの攻撃がやってこない。

不思議に思った八幡は恐る恐る目を開ける。

するとそこには、彼女が先程纏っていたIS、ミステリアス・レイディの武器、蒼流旋で二人の攻撃を弾いていた。

 

「おねぇーさん、八幡くんのこと気に入ってるんだよね~。だから手を出されると困るかな?」

 

いつの間に離れていたのかはわからないが、八幡は助かったことに胸を撫で下ろす。

 

「会長、僕は八幡に用があるんです。邪魔しないでください。」

「私と嫁はこれから大事な話をしなくちゃならない。だからそこを退いてもらおう!!」

「そういえば、まだ言ってなかったわね、君たちには。IS学園の長である生徒会長はある一つの事実を象徴しているの。何かわかる?」

「わかりません。」

「今はそんな話はどうでもいい。」

 

シャルロットとラウラはお互いに言い分は違うものの、それぞれ答えた。

楯無はそれを笑顔で聞くと、こう告げた。

 

「この学園最強であれ、ってね。」

「そんなの、やってみなきゃわからないじゃないですか。」

「そうだ。シャルロットの言う通りだ。」

「困ったな~。じゃあ、こうしよっか。模擬戦で証明してあげる。」

「わかりました。」

「嫁は誰にも渡さん。」

「ここで賭けるのは、八幡くん自身じゃなくて八幡くんが被っていたこの王冠。」

 

どこから出したのかわからないが、その手には八幡の被っていた王冠が握られていた。

それを見た瞬間、シャルロットとラウラの食い付きがよくなった。

 

って言うかいつ取ったの?

どこで取ったの?

よくこんな状況でとれましたね。

 

八幡は変なところで感心してしまった。

 

「わかりました。必ず勝って八幡の王冠を僕が貰います。」

「生徒会長だかなんだか知らんが、その王冠は私が貰う!」

「うん。盛り上がってきた~。じゃあ明日も文化祭あるから、明々後日、第3アリーナでって事でどう?」

「はい。それで構いません。」

「私もそれでいい。」

「うん。じゃあそう言うことで、じゃあね。」

 

楯無はそう言うと、この場から立ち去って行く。

残された八幡とシャルロット、ラウラはその後ろ姿を眺めていた。

すると、後ろから足音が響いてきた。

八幡はそちらに視線を移すと、素早く立ち上がり逃げ出そうとした。

 

何でここにいるの?

山田先生とかと解析してるんじゃないの?

怖い怖い怖い。

 

八幡の恐怖の対象、千冬は逃げ出そうとしている彼を見ると、駆け出し肩を掴む。

 

「比企谷、ちょっと聞きたいことがある。着いてこい。」

 

…早くね!?

おかしいって!!

相当離れてたよね?

何で一気に間合い詰められてるの?

これがブリュンヒルデの実力なのん?

っべーわ、マジヤバすぎっしょー。

……口調がおかしくなっちまったよ。

 

情緒不安定気味の八幡を引き摺り、千冬はこの場を去っていった。

後に残されたのは、破壊されたこのホールと二人の少女だけだった。

 

 




ファントム・タスク出てきました。

今回のお話はどうでしたでしょうか。
可笑しな所は指摘してください。
ちなみに学園祭は二日間となっていますので、ご了承下さい。

評価や感想お待ちしております。

という事で、また次のお話でお会いしましょう。
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