インフィニット・ストラトス ~ぼっちが転校してきました~ 作:セオンです
という訳で久しぶりの更新です。
不定期ですいません。
これからも頑張って書くのでよろしくお願いします。
では、どうぞ。
昨日、グラウンドの整備をしていたため、全身が少し痛む八幡は昨日と同じく執事服に着替え、眼鏡をかけ、教室へと向かう。
教室にはすでに数名が集まっており、何やら話し合っていた。
と、その中の一人が八幡に気づき、近づいてくる。
「比企谷くん、今日やることについて追加点あるから、これ見ておいてね。」
「お、おう。」
顔近いって。
名前は知らないけど。
確か相なんとかさんだった気がする。
まぁ、いいや。
八幡はもらった紙に目を落とすと、首を傾げた。
え?これは何、やらなきゃいけないの?
えー…めんどくさいし恥ずかしいんですけど。
って言うか、誰得だよいや、マジで。
その紙には、やって来たお客さんが希望したらツーショットを撮れるサービス、と書かれていた。
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学園祭二日目が始まり、八幡たちのクラスにはすでに行列が出来ていた。
そのうち、IS学園の生徒が大多数であり、一般客がなかなか近寄れない雰囲気があった。
それでも、並んでいる人は少なからずいたのだが。
「すいませーん。」
「こっちも注文いいですか?」
「あっ、ちょっと待ってくだしゃい。」
この通り、大忙しだった。
って言うか、何で噛んじゃってんだよ俺…。
それよりも忙しすぎるんだけど。
昼はまだだよ?
何、皆俺の執事服が似合ってないから身に来たの?
やる気なくすわー。
そう思いながら、注文を取りに行ったり、ツーショット写真を申し込まれたり、空いた席に客を案内したりと目まぐるしく働いて次のお客を呼びに行くと、八幡の見知った顔がそこにはあった。
「お兄ちゃん、見に来たよ。」
「小町。いや、お嬢様、こちらになります。」
「おじょっ…。」
可愛い。
小町の照れた顔、超可愛い。
写真に残しておきたいレベル。
八幡は少し気持ち悪い笑みをしながら、小町を見ていたのだが、仕事の事を思いだし、案内をする。
小町を席に座らせ、メニューを差し出す。
「ご注文がお決まりでしたらお呼びください。お嬢様。」
「お兄ちゃんが、しっかり仕事してる…。」
「バッカ、お前、俺なんてちゃんと仕事しすぎてこれから仕事をしたくないまで働いてるからな。」
「よかった。いつものお兄ちゃんだ。」
「何だよ。俺はいつも通りだ。」
「そうだね。」
小町は八幡に微笑みかけると、それに八幡も微笑む。
「じゃあ、決まったら呼べよ。」
「うん。頑張ってね、お兄ちゃん。」
「おう。」
小町は仕事に向かう兄の後ろ姿を見て、少し寂しいような嬉しいような複雑な心境だったが、メニューを見てそれが嘘のように消え去っていた。
「すいませーん。」
「はーい。」
小町が手を上げながら呼ぶと、八幡ではない声が返事すると、その人がやって来た。
「およ。シャルロットさんじゃないですか!メイド服似合いますねー♪」
「小町ちゃん?こんにちは。久しぶりだね。」
「はい!お久しぶりです!」
元気良く小町がそう答えると、シャルロットはメニューを聞き始める。
「あ、お嬢様、ご注文はなんでしょうか?」
「これです。執事のご褒美セット、ってやつです。」
「は、はい。わかりました。えっと、どちらの執事にいたしましょう?」
「んー、このクラスって二人いたんですよね?」
「うん、そうだよ。」
「一夏さんはいい人だけど、やっぱりここはお兄ちゃんがいいな。あ、今の小町的にポイント高い♪」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
シャルロットはそう言って下がると、八幡のもとへ向かっていく。
八幡はそれに気づき、シャルロットが来るのを待っていた。
「八幡、注文が執事のご褒美セットで来たから、小町ちゃんの所に行ってくれる?」
「………は?」
「いや、だからね?」
「意味はわかるんだが、何で小町がそれを?」
「僕だってわからないよ。でも多分わからずにたのんだと思うんだ。」
「えー…。妹相手にやるの?まぁ、小町だからいいか。ほら、小町って天使だし。」
「八幡、何言ってるの?」
おっと、心の中で留めておくつもりが、あまりにも小町が天使すぎて口が動いてしまったぜ。
だから、そんな変な人を見るような目で見ないでくれると助かるんだが。
八幡はジトッと見ているシャルロットにそう言いたかったが、小町のもとへ注文されたものを運んでいくことになり、何も言えなかった。
八幡の持っているお盆の上には、ジュースとショートケーキが乗っていた。
「お待たせしました。」
八幡は静かにそれらをテーブルに置き、椅子に座る。
いきなり座った彼を見て小町は少し戸惑う。
「お兄ちゃん、仕事はしなくていいの?」
「いや、これも仕事の一貫だから。」
「え?何が?」
「いや、お前の頼んだセットは執事が食べさせるセットなんだよ。」
「は?えっ!?そうなの!?」
「あぁ。」
八幡は小さくため息をはく。
一方の小町は顔を赤くしながらそわそわしていた。
そして、決心したのか八幡の方に目を向ける。
「お兄ちゃん、小町はケーキが食べたいです。」
「え?やるのか?」
「う、うん。たまにはお兄ちゃんに甘えて食べさせてもらうのもいいかな、って思って。ダメかな。」
「別にダメじゃねぇけど。」
そう言うと、八幡はフォークを持ち、ケーキを一口大に切りフォークに刺して小町の口元へと運んでいく。
小町はじっとそれを見つめ、口を開き、中にいれてもらう。
「ん。美味しい。」
「そ、そうか。」
おかしい。
食べさせてるだけなのに何でこんな気持ちになるんだ?
まさか、これが恋!?
いや、そんなわけないから。
小町は恋する相手じゃない。
妹だし、天使だからな。
理由になってない?知るか。
八幡は小町の食べるスピードにあわせて、次から次へと口に運んでいく。
小町も美味しそうに笑顔で食べているため、八幡の顔つきも心なしか柔らかくなっていた。
それに気づいていた周りの客や、クラスの人達が携帯やカメラなどを気づかれないように取りだし、写真に納めていた。
そして、それが八幡の気づかないところで広まっていたのは言うまでもない。
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最後の一口を食べ終えると、小町は嬉しそうにごちそうさまと言うと満足そうな顔をしていた。
だが、その口許にはクリームがついていた。
八幡はそれに気づくと、手を伸ばし、拭い取り、自分の口に運んでいく。
「お、お兄ちゃん、何したの?」
「は?クリームとっただけだろうが。」
「いや、取ったのは小町的にポイント高いけど、何でそれを食べたの?」
「もったいないだろうが。」
ちゃんと残さず食べないともったいないお化けが出るからな。
…子供っぽいな。
「お兄ちゃん、それにしても手慣れてなかった?まさか、他の女の人とやってるの!?小町のお姉ちゃん出来ちゃうの?」
目の前できゃーきゃー言っている小町を見て、八幡はため息を吐きながら呆れ返ってこう言った。
「あのなぁ…他の女子にやれるわけないだろ。」
「何で?」
「よく考えても見ろ。……俺だぞ?」
「すごい納得できる答え…。」
「だろ?」
なぜか胸を張る八幡を見て、小町は少しため息を吐く。
だが、それと同時に小町は安堵した。
どこかへ離れていくのではないかと、寂しさもあったからだ。
小町は八幡ほどではないがブラコンなのだから。
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小町は会計を済ませると、八幡に向かって敬礼しながらこう言った。
「では、小町は帰るであります!」
「何だよ、もう帰るのか?」
「うん。お兄ちゃんを見に来ただけだからね。あ、今の小町的にポイント高い♪」
「はいはい。それがなければな。」
いや、あっても可愛いからいいけどね?
今の八幡的に超ポイント高い。
二人は会話短く済ませ、小町は家に八幡は仕事へと戻っていく。
俺だけ仕事するとか…。
これはアレだな、今仕事しておけばこの先仕事しなくてよくなるんじゃね?
なりませんね、わかります。
働きたくない…。
そう思いつつ、段々と慣れ続けている自分のスペックを凄いと自画自賛し、社畜への道真っ直ぐな未来を想像し、目を腐らせていった。
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八幡は一夏と交代で休憩することになり、教室を出ようとすると呼び止められた。
「八幡、どこ行くの?」
シャルロットだった。
「どこって、休憩にいくんだが。」
「じゃあ、僕と一緒に休憩しよ?」
「いや、休憩ってのは一人でやらなくちゃいけないんだぞ?」
「何で?」
「誰かといると気を使って気疲れする。だが、一人でいれば誰にも気を使うことがなく休むことができる。だから休憩は一人でやらなくちゃいけないんだぞ、わかったか?」
それを聞いたシャルロットは盛大にため息をつくと、やれやれと言わんばかりに首を横に振る。
あれ?俺なんか間違ってる?
いや、そんなことないよね?
大丈夫だよね?
それとも何、俺の存在自体が間違っちゃってるの?
そんなのラノベぐらいにしとけよ。
タイトル、やはり俺の存在は間違っている。
売れないな。
それどころか、新人賞に出したら選考前に破り捨てられるまである。
…また話がそれちまったな。
八幡は現実に戻ると、シャルロットがジトッとこちらを睨んでいた。
「八幡、聞いてる?」
「あぁ。聞いてるぞ。聞きすぎて周りから引かれるまである。」
「うわぁ…。」
おい、何だその憐れみの視線は。
そういう視線は傷ついちゃうからやめようね、主に俺が。
「八幡、また現実から離れてるよ…。」
「そうか?」
「八幡ってそう言うところあるよね。」
「いや、ぼっちだからな。」
「またそういうこと言う。僕たちがいるじゃん。」
その上目遣いやめてもらえませんかね、めっちゃ可愛いから。
可愛すぎて告白して振られちゃうから。
振られちゃうのかよ、当たり前だけど。
「八幡?」
「ん?あぁ、なに?まぁ、最近はなんだ、アレだ、一人じゃなくてもいいかなとは、思ってる?」
「何でそこで疑問系なの?でも、そう思ってくれてるだけでもいいや。」
そう言うと満面の笑みを八幡に向けるシャルロット。
それを見た八幡は頬を染め、それを見られないように顔をそらし、明後日の方向を見ていた。
そんな顔はやめてね。
超可愛いから。
天使かと思っちゃうから。
いや、デュノアは俺みたいな底辺野郎に優しく接してくれるから、天使だったな。
そういえば、小町に夏休みの時言われたけど、俺変わったのか?
自分ではよくわからんが。
でも、確かに変わったのかもしれない。
優しさなんて嘘だと思っていた。
優しい子は嫌いだった。
いつだって期待して、いつも勘違いして、そしていつからか希望を持つのをやめた。
はずだった。
だけど、こいつらと会って本物なのか自分ではわからないし、それが嘘なのかもしれないけれど、その優しさに触れた。
そして、期待していいのだと、希望をもっていいのだと、俺が欲しい物に手を伸ばしてもいいのだと思えてきた。
例え、また裏切られたとしても。
人間早々変わるもんでもないって思ってたんだけどな…。
自嘲気味にうっすらと笑みを浮かべると、突如シャルロットではない人に声をかけられた。
「何を笑っている?」
「っ!?なんだ、ボーデヴィッヒか。」
「何だとはなんだ。まぁ、いい。嫁よ、どこかに行くのか?」
「あぁ、今から休憩に行くんだよ。」
「そうか。なら私と行こう。」
ラウラは八幡の腕を取り、そのまま外へ行こうとした。
だが、シャルロットがそれを阻止するような形で逆の腕を取った。
「何をする、シャルロット。」
「八幡は僕と休憩するんだよ?」
怖い、二人とも超怖い。
この二人に囲まれてるとかもう死しか思い浮かべられない。
しかも腕を取られてるから逃げようにも逃げられねぇんだよな…。
あれ、これ詰んでね?
その間も二人は睨みあっている。
八幡は極力彼女たちを見ようとせず、上の方を見る。
そんな修羅場な時、とある人物が八幡のもとへとやって来た。
その時、彼は後にあんなことになろうとは思いもしなかった。
文化祭の続きですね。
話がなかなか進みませんが、気にしたらダメですよ?
これからも頑張ります!!
という訳で次のお話でお会いしましょう。