インフィニット・ストラトス ~ぼっちが転校してきました~ 作:セオンです
今年もよろしくお願いします!
遅い?
はい、知ってます。
申し訳ございません!(土下座)
遅筆で本当すいません。
ほんとはですね、もうちょっと早く更新するつもりでしたが、なかなか時間がとれませんでした。
なのでこんなことになってしまいました。
楽しみにしてくださっている読者の皆様、こんな僕ですが、これからも作品を読んでいただけると嬉しく思います。
そして、完結までお付き合いください。
よろしくお願いします。
という訳で20話目となりました。
キリがいいですが、特に番外編を書くわけでもありませんが、どうぞお楽しみください。
では、どうぞ。
八幡たちの空気を壊したのは、意外な人物でもなかった。
この場にいて当然な人、更識楯無だった。
「八幡くん、さぁ行こう♪」
右腕に抱きつきながら、シャルロットとラウラを一瞥しそう言った。
ちょっ!
近いいい匂い恥ずかしい鬱陶しい近い柔らかい恥ずかしい!
俺の事を悶え死なすつもりですか、そうですか。
って言うか、何で俺は悪くないのにデュノアとボーデヴィッヒはこっち睨んでるのん?
嫌いなのはわかったから睨むのはやめてくれませんかね。
八幡は楯無が来たことにより、死んだ魚のような腐った目を更に腐らせてげんなりとしていた。
その一方で、楯無はシャルロットとラウラから八幡をとることができ上機嫌になっていた。
それを決して表に出さないように細心の注意を払いながら。
**********************
楯無は八幡を半ば引きずるようにして校舎の中に入り移動していた。
何かいきなり過ぎて状況がよく飲み込めないんですが…。
え?俺のことはどうでもいい?
知ってましたよ、えぇ。
というか、生徒会長さんはいつ着替えたの?
え、あの消えてた時間に着替えてたの?
なら納得です。
八幡は引っ張られながら、そんなことを考えつつ、これからどんなめんどくさいことがあるのか、と考えながらひとつため息をついた。
それと同時に楯無は立ち止まり、ドアを開ける。
中に入る前に八幡はこの部屋がなんの部屋なのか見ると、生徒会室と書かれていた。
「会長、お疲れ様です。」
「虚ちゃん、お疲れ。あ、八幡くん適当に座ってて。」
「あ、はい。」
八幡は適当に一番近くにあった椅子に腰を下ろし、この部屋に来たのも二度目か、と思いながら割りと広いこの部屋を眺める。
物は少なく、閑散としている。
うーん…。
あの生徒会長のことだからもうちょっと物が多いと思ったんだけどな。
意外とスッキリしてる。
…にしても、なにこの沈黙は。
それに、なんで虚さん?もずっとこっち見てるし。
え、何、目が腐ってるから睨んでるの?
それとも俺のことがキモいから睨んでるの?
どちらにしてもごめんなさいね?
文句なら生徒会長に言ってくださいね。
「よし。」
彼がそんなことを思いながらじっとしていると、楯無の声が響いた。
そして、彼女は虚の近くに座ると八幡の方を真剣な眼差しで見ていた。
え、何?
俺抹殺されるの?
物理的にも、社会的にも?
自分で言っといてあれだけど、物理的に抹殺されたら社会的に抹殺されても関係なくね?
違う?
若干ビビりながら、居住まいを正すと楯無が口を開きとあることを口にした。
「八幡くん、頼み事があるの。引き受けてくれない?」
「…めんどくさいです。」
「そこをなんとか!お願い!」
楯無は手を合わせながら頭を下げる。
それを見た八幡は少しキョドりながらもこう答える。
「…内容によって受けるか受けないか決めます。」
「ありがとう!」
八幡の答えに納得したのか、はたまた引き受けてくれるかもしれないことに喜んだのか、彼女の顔から仮面が外れとてもいい笑顔を彼に向けていた。
となりにいた虚も驚いたようで、少し目を見開いていた。
「八幡くん、次の専用機持ち限定タッグマッチトーナメントに私の妹の簪ちゃんと一緒に出てくれない?」
「…理由を聞いてもいいですか?」
「そうね…。あえていうなら、私のため、かな。」
そう言う楯無の顔はどこか浮かない顔をしていたが、すぐにいつもの笑顔に戻るが、八幡はどこか無理をしているように見えた。
「引き受けてくれる?」
いつもの調子はどこ行っちまったんだよ、生徒会長。
なんでそんな辛そうな顔してるの?
そんなに俺に頼むのが嫌なの?
いや、まぁ、何となく理由はわかりますけどね?
…しょうがない。
目の前で知ってる女子が辛そうにしてるんだからな。
助けないと小町に嫌われちまう。
「…わかりました。その代わり、条件があります。」
その条件を口にすると、その場にいた二人が目を見開き驚いていたが、その条件を飲むこととなった。
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しばらく、談笑していた三人だったが、いや主に楯無が八幡に絡んでいただけだが、八幡が部屋に戻ると言うと虚が彼の袖を指先でつまみ、静止させる。
え?何、これから告白?
いや、ねぇよ。
天地ひっくり返ってもないまである。
「その、4月は申し訳ありませんでした。」
「は?」
「私たちのせいであなたにお怪我をさせてしまって。」
「何の事です?」
「事故の事です。」
八幡はそれを聞くと、少しだけ顔を歪めさせる。
「あの時は私たちの犬を助けていただきありがとうございました。」
「別にあなたのために助けた訳じゃないんで。もし、そんなことで俺に優しくしようと思うのならやめてください。はっきり言って迷惑です。」
「ですが…。」
「はぁ…。もう一度言います。別にあなたのために助けた訳じゃないし、感謝される覚えもありません。なので、この話はもう終わりにしてください。」
「…わかりました。」
八幡の苛立ちが相手に伝わったのか、はたまたこれ以上口論していても無駄だと理解したのかはわからないが、今この場ではもう事故の話は終わった。
そして今度こそ八幡は生徒会室から立ち去っていった。
まぁ、正直なところ生徒会室なんて長居したくないしな。
って言うか、前のことを蒸し返されてそれに謝られるいわれもないのに謝られると、何か表現できないけど、あれだな。
まぁいいや。
とりあえず、生徒会長さんの妹をタッグマッチトーナメントに誘えばいいんだろ?
…めんどくさ。
気が滅入るようなことばかりだが、八幡はひとつため息をはいて、この事を忘れようと自室へ戻り休息をとろうと考え、少しだけ歩くのが早くなってしまっていた。
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八幡が去っていった生徒会室では、二人がお茶を飲みながら、片方は沈鬱とした顔を、もう片方はお願いを聞いてくれたことによる安堵ともう一人のことを心配した何とも言えない表情を浮かべていた。
「…あの、お嬢様。」
「なぁに?」
「私は何か間違えてしまったのでしょうか…。」
「…そうね。確かに間違えたかもしれない。でも、これで終わりじゃないでしょ?」
「え?」
「彼に言われたこと。」
「そう…でしたね。」
「それを彼と一緒にやっていくんだから。これからまた彼に会える。ならその時に間違えなきゃいいだけのこと。」
「そうですね。ありがとうございます。」
「ううん。私と虚ちゃんの仲でしょ?」
「ありがとうございます。」
虚の顔が少しだけ明るくなるのを見て、楯無は少しだけ頬を緩ませ、窓から見える空を眺める。
そして、彼が何を考え、何を感じ、何がしたいのか、そんなことを考え、少し眉間に力が入る。
八幡くん、あなたは何を考えているの?
何がしたいの?
もし、あなたの言っていることができたら…世界が変わってしまう。
良くも、悪くも…。
でも、そんな彼に着いていきたい。
いや、彼の背中を追ってみたいと思う私がいる。
どうしてなんだろう?
どうしてここまで私を彼は引き込むの?
わからない。
…もしかしたら、彼が、彼のことがわからないから?
でも、彼のことを知ろうとすると楽しくてしょうがない。
だから私は彼の後を追っていく。
ふふ、女が男の背中を追いかけるなんて、思いもしなかったわ。
比企谷八幡、本当に不思議な人。
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八幡は自室に戻るとすぐに制服を脱ぎ捨て、シャワーを浴びる。
シャワーを浴び終わり、寝巻きに着替えてからベッドの端に座り、これからどうしようかと考えていた。
今から食堂行くのもなぁ…。
しょうがねぇ。
自分で夕飯でも作るか…。
八幡は鍋を手に取り、休みの日に小腹が空いたら食べようと思っていた袋に入っているラーメンを手に取り、沸騰した水の中に乾麺を入れ、適当な具を鍋に入れて器に盛りつけ、椅子に座って食べ始める。
うん、袋ラーメンでも最近のは普通にうまいからな。
こういうときに技術の進歩ってすげぇって思う。
ん?ISはどうかって?
バッカ、お前あれはまだコアの部分がブラックボックスになってるんだぞ?
それが解明されてから技術の進歩って言うんだよ。
違う?
違うか?
あれ?
…まぁいいや。
理系のことなんて知らねぇや。
って言うかこれって理系なのか?
…話それたな。
そもそも俺は誰に対して解説?をしてるんだ?
そんなことを考えつつ、八幡はラーメンを完食し、器と箸を洗い、歯を磨き、いつでも寝れるように準備を終えると部屋をノックする音が聞こえた。
誰だよ、俺は眠たいんだよ。
…居留守使うか?
無駄だな。
電気つけてもぞもぞやってたわけだし。
はぁ…しょうがない、出てやるか。
八幡は扉を開け、相手の顔を見て少し驚いた。
そこにいたのは、一夏だったから。
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八幡と一夏はお互いに向き合いながら椅子に座り、コーヒーを無言で啜っていた。
…あれ?何か用があるんじゃないの?
口開いたの俺がコーヒーに練乳を入れてた時に少し話したぐらいだぞ?
無言で見つめ合ってるとか、赤い縁の眼鏡をかけてる腐ってる女子がこの場を見たらキマシタワー!!とか言って鼻血だして倒れてるとこだぞ。
って言うかキマシタワー!!って誰が言うんだ誰が。
…目を離せないのはこいつの顔がちょっと怖いからだ。
決して俺がホモなんかではないことだけは言っておこう。
俺にそんな性癖はない!!
そんなアホなことを考えつつ、八幡は一夏が話すまでじっと待つことにした。
だが、いっこうに話す気配がない。
八幡は痺れを切らして、自分から聞くことにした。
「おい、ずっと黙ってんじゃなくて何か話せよ。」
「あ、あぁ。悪い。えっと、助けてくれ!!」
「…は?」
「助けてくれ!!」
「いや、言い直さなくていいからね?聞こえてて、は?って言っただけだからね?」
それに、俺が難聴系になったら殺されるの確定だしな。
むしろ聞こえてても殺されるまである。
え、何それ八幡もう生きていけない。
「とりあえず、話を聞いてくれ!!」
「わかったから、ちょっと落ち着け。」
「お、おう。」
「で?俺に助けてほしいことって?」
「俺と、タッグマッチトーナメントに出てくれないか?」
「無理。」
「即答かよ…。ってそうじゃない!俺が八幡と組まないとヤバイんだって!」
「何がヤバイんだよ。」
って言うか最近の若者はヤバイしかいってなくね?
ヤバイしか言ってなくて頭ヤバイんじゃねぇかってぐらいヤバイ連呼してるよね。
あれ?俺も連呼してる?
ヤベェ…。
「俺が八幡と組まないと俺の命が危ないんだ!」
「何でだよ。」
「箒とセシリアと鈴が組まなきゃわかってるだろ?って言わんばかりに詰め寄ってくるんだよ!」
…想像できてしまった。
ってちょっと待て、織斑の方がそれということは…。
デュノアとボーデヴィッヒはどうなる?
あれ?俺の人生詰んだ?
…今のうちに言い訳でも考えておくか。
そう思いつつ、一夏の相談をどうしようか悩んでいると、いきなり扉がどんどんと激しく叩かれた。
「一夏!ここにいるのはわかっている!早く出て私とタッグを組め!!」
「そうですわ!!早く出て来てくださいませ!!」
「一夏ー!!さっさと出てこないとこのドアぶち抜くわよ!?」
おい、なんだこれは。
俺は借金なんぞしてないつもりだが…。
あ、これは借金取りじゃなかったか。
ハチマンウッカリ。
って言うか最後、ここ俺の部屋ってわかってる?
わかったらそんなに強く叩かないでくれませんかね。
八幡がそんなことを思っていると、ドアが破壊され鬼の形相をした三人が入ってきた。
あれ?
何で破壊しちゃってんの?
いくらなんでもやりすぎだろ。
八幡は腐った目を更に腐らせ、その瞳に怒気を含ませ三人を睨み付ける。
「おい、ここが誰の部屋なのか知っているのか?」
三人は鬼の形相で八幡を睨み付けたが、小さくヒッと悲鳴を上げガタガタと震え始めた。
「聞いてるだろ。ここが誰の部屋なのか、わかっているのか?」
「す、すまない!」
「つ、つい頭に血が昇ってしまいまして…。」
「ほ、ほら落ち着きなさいよ!」
「…言い訳はそれだけか?なら、歯を食いしばれ。」
その日、この寮一帯に謎の悲鳴がこだましたと言うが、詳細は誰も知らず、その事を一夏たちに聞くと顔を真っ青にして知らないと言うだけになったが、それは別のお話。
**********************
簡単にドアを修復し、まだ顔が青くなって歯をカチカチと震わせている一夏を前にして八幡は暫しの間、考え込む。
「よし、俺が解決してやる。」
「え?ほんとにいいのか?」
「まぁな。だが、どうなっても俺を責めるなよ?」
「え?」
八幡はサディスティックな笑みを浮かべると再び顔を真っ青にした一夏が震えたのは言うまでもない。
その後、八幡は一夏を自分の部屋に戻させ、ベッドに身を投げこれからどうなるのだろうと考えつつ、何とかなるかと思いながら眠りについていった。
その考えが甘いものだと気付いたのはずっと後のことなのだが。
はい、特に話も進まず、いつも通りの僕でしたね。
うーん、今後の展開はどうなるのでしょうか。
いや、僕としてはキャラを自由に動かしたいのですが、いざ書いてみると、え、こんなこと言うの?見たいなことが多いんですよね。
え?そんなことない。
ですよねー…。
僕の文章はすべてキャラに持ってかれてます(笑)
そんなことはどうでもいいとして、八幡の出した条件とは?
なんだと思いますか?
予想してみてください。
では、また次のお話でお会いしましょう。
追記
感想や評価をくれると嬉しく思います。
アドバイスなんかもくれると僕はとっても喜びます。
ではでは、次回にお会いしましょう。