インフィニット・ストラトス ~ぼっちが転校してきました~   作:セオンです

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更新するのが遅れてしまい、誠に申し訳ございません。

仕事が忙しかったり、体調を崩してしまったりと、なかなか筆が進まず、このように遅い更新となってしまったことをお詫び申し上げます。
これからも不定期な更新となりますが、引き続き読んでくださると嬉しく思います。
何卒、これからもよろしくお願い致します。

さて、今回のお話ですが、八幡が八幡じゃないです!
今更感が半端ないですが…。
ですが、これが僕の作品です!
…偉そうに言えることでもありませんが。

という事で、これからもよろしくお願いします。
頑張って更新しますので最後までお付き合いくださいませ。

最後に、感想や評価をしてくれると嬉しいです。

では、どうぞ。



第22話 彼は彼女に踏み込もうとする

生徒会長さん、もう俺には無理だよ…。

 

殴られた八幡は周りの騒ぎを静め、自分のクラスに戻り机に伏しながらそう思う。

その様子を見て何人か声をかけていたが八幡は適当に答えるだけで詳しくは話さなかったが、どこから聞いたのかシャルロットとラウラの二人は詳しいことを知っていたらしく、今現在八幡の頭元に怒りのオーラを出しながら仁王立ちしていた。

そういったことも含めて先程のように思っていた。

 

「八幡、どういう事かな?」

 

何がでしょうか。

 

「嫁よ、あの事は本当なのか?」

 

どの事でしょうか。

 

「ねぇ、聞いてるの?」

 

聞いてますけど顔をあげたくありません。

更に言えば話したくもありません。

怖くて。

 

「嫁!聞いているのか!!」

 

聞いてるよ?

答えないだけで。

 

「八幡、早く起きないと頭撃ち抜くよ?」

「嫁、早く起きなければシュヴァルツェア・レーゲンの餌食になりたいらしいな。」

「よう。二人ともどうしたんだよ。」

 

行動が早すぎるだって?

バッカお前、ここで早く起きなきゃ殺されるんだぞ?

だったら早く起きなきゃいけないだろうが。

だからしょうがない。

…しょうがないよね?

 

「それで、なんでタッグマッチのタッグが他の人なの?」

「いや、別にいいだろ。人それぞれで。」

「ほう。なら、私たちを選ばなかった理由を聞こうか。」

「言わなくても……言う、言うからデュノア、その銃をしまえ。それと、ボーデヴィッヒはその振り上げた手を下ろせ。」

 

シャルロットとラウラの二人は八幡に言われて、粒子変換で出していたショットガンと、プラズマ手刀をしまい、不満そうな顔をしながら八幡の方を見る。

 

「いや、何、俺のISと相性良さそうなのがなかなかいなくてな。」

「え?僕のリヴァイヴなら気にしなくていいのに。」

「シャルロット、それは違うぞ。私の方が嫁との相性はいいぞ。」

「いやいや、デュノア、お前のリヴァイヴと朧夜だと俺の流星が生かされないんだよ。お前の戦いかただと、近づいたり離れたり相手との距離を自分の有利にしていくやり方だと思う。だが、それが流星にとって邪魔なんだよな…。次にボーデヴィッヒだが、お前は俺にデュノアみたいな攻撃の仕形をしろってか。俺にはそんなことはできない。だからこそ、他のやつと組むんだ。わかったか?」

 

うわぁー。

何か自分で言っといてあれだけどすごい無理があるな。

 

八幡はそう思うのと同時に彼女たちの目から光が失っていくのを見て背筋が凍った。

 

「八幡は、そう思うんだね?ふーん。わかったよ。ラウラ、一緒に組まない?」

「そうだな。シャルロット、よろしくな。それから嫁。」

「トーナメントで当たったとき、楽しみだね?」

 

怖い怖い怖い。

まさかのヤンデレルートに入っちゃったの?

いつものデュノアさんに戻って!

それからボーデヴィッヒ、睨むな。

俺の防御力はこれ以上下がらない状態まで来てるから。

というか、元から防御力はないまである。

何それ、弱すぎ。

 

シャルロットとラウラの二人はにっこりと笑顔を八幡に向けると、立ち去っていった。

嵐が過ぎた後、目の前に襤褸雑巾のような物体が八幡の目の前をふらふらと通っていく。

 

「助けて…。」

 

そう一言言うと、教室の床に伸びた。

八幡は見てない不利をしようと顔を伏せようとしたそのとき、額に何かがぶつかった。

それを確認するため、顔をあげるとそこにあったのは青い物だった。

 

…これって、あれだよな?

あの金髪のビットだったような…。

 

なぜか命の危機を察し、八幡は急いで教室から出ていく。

 

ヤバイヤバイヤバイ!

何でかは知らないけど、逃げなきゃヤバイ気がする!

 

廊下を走っていると、百合百合している二人の女子とすれ違ったが、特に気にせず走り続ける。

そして、階段を駆け下りようとしたとき、目の前に再びセシリアのブルーティアーズが視界に入った。

 

「逃げ場…なさすぎだろ…。」

 

息を切らしつつ、咄嗟に隠れる八幡だが、後ろからただならぬ気を感じて恐る恐る振り返ると、そこには鬼がいた。

 

え、鬼?

作者さん、人じゃなくて鬼なの?

どんなファンタジーだよ…。

って言うか、そんなこと思ってる暇ねぇわ。

やべぇ…。

今度こそマジで死ぬかもしれない…。

 

そう思いながら、逃げるのを諦めた。

 

*******************

 

さて、早速だが今俺は正座させられている。

しかも廊下で。

冷てぇよ。

まるであれだな、俺の事を見る目と同じだな。

…俺の人生悲しすぎ。

というか、目の前にいる鬼「何か変なことを思ってないか、比企谷。」…もとい篠ノ之、鳳、オルコットは腕を組んで仁王立ちしてるんだが。

その視線も冷ややかでMじゃない俺にとっては地獄でしかない。

…って言うか、さらっと心読んでんじゃねぇよ。

 

「それで、何か言いたいことはあるか。」

「今なら許してやってもいいわよ?」

「えぇ。エリートなわたくしが許して差し上げますわ。」

「セシリア、比企谷に負けといてよくエリートとか言えるわね…。」

「うっ…。」

 

鈴にそう言われ、セシリアは口をつぐむ。

 

って言うか、さっきから何の話なの?

何も言いたくないし、許すような口調じゃないし、色々ツッコミどころは満載なんだが…。

 

「ところで、なんで俺はお前らから責められてんの?」

「とぼけるな!」

「あんた、よっぽどぶん殴られたいみたいね?」

「比企谷さん、正直に言ってくださらないとうっかりブルーティアーズが火を吹いてしまいますわ。」

 

別にとぼけてねぇよ。

おい、殴るとか女の子が言っていい台詞じゃないだろ。

オルコット、それはうっかりじゃなくて意図的と言うんだぞ。

わかってる?

 

「…いや、マジでわからんのだが…。」

「…なら、どうして一夏は私とタッグを組まない!!」

「そうよ!!普通なら私と組む予定だったじゃない!!」

「そうですわ!!一夏さんとタッグを組めたら、人の目を盗んでイチャイチャ…こほん、わたくしたちが勝つと思っていますのに!」

 

…え、何これもしかして織斑を巡る修羅場?

というか最後、学校でイチャイチャするなよ。

爆発させたくなっちまうだろ、全俺が。

やっぱり俺の敵だったか、リア充め。

 

そんなことを思いつつ、ひとつため息をつくと立ち上がり、彼女たちを少し見下ろしながらこう言った。

 

「そんなの知らねぇよ。織斑から何を聞いたのか知らんが、俺は会長と組めば、と言っただけだ。他のやつと組まれると嫌なら会長から奪って見せろよ。」

「なっ…!」

「あんたね!」

「か、会長から奪えって!」

「何だ、自信がないのか?だったら、出なきゃいいだろ。それに、お前らは俺がまるで罪人みたいに振る舞ったな。俺はあいつにアドバイスしただけだ。行動したのはあいつだ。なのにこの扱い。お前ら、いい度胸してるな。」

「そうだな。お前もいい度胸してるな。」

 

八幡の後ろから、ものすごいオーラを纏いながら千冬がゆっくりとこちらに歩み寄ってきた。

 

「いや、あの、そのですね?」

「なんだ、言い訳ぐらいなら聞いてやるぞ。私の授業をサボっている言い訳をな。」

「いえ、俺はべつゅにしゃぼってるわけじゃにゃくてでしゅね、しにょにょにょたちに追い回されてこんにゃ時間になってしまったわけでしゅよ。」

「そうか。で?その篠ノ之はどこにいる?」

「は?え?」

 

あれ?今までいたよね?

どこ行ったの?

早くない?

って、先生の後ろに忍者みたいに音を殺して走ってるの篠ノ之たちだと思うんだけど!

ちょっと、あれは放っておいていいのん?

おい、鳳何をサムズアップしてんの?

ムカつくんだけど。

タッグマッチ覚えてろよ…。

 

八幡はそう決意すると、目の前にいる千冬に目線を合わせ、どうやって逃げようか考える。

だが。

 

「比企谷、私から逃げられると思うなよ。」

 

…死んだな。

 

八幡はそう察すると、千冬に連れられどこかへと去っていった。

授業の最中、どこからかわからないが、校舎全体に誰かの悲鳴が響いたと言う。

 

**********************

 

千冬からお話を肉体的にされ、ボロボロになりながらクラスルームへと戻ると、自分の机に倒れるように座り顔を伏せる。

 

…死ぬかと思った。

いやマジで。

これからは怒らせないようにしないと…。

 

八幡はそう決意すると、寝ようとした時だった。

頭上から気の抜けるようなのほほんとした声が聞こえてきた。

 

「ヒッキー、どうしたの~?」

「…あ?いや、魔王を怒らせちゃダメだって思い知っただけだ。」

「魔王って誰?」

「バッカ、お前、そんなこと言ったら消されるぞ。俺が。」

「へぇ~。消されないようにね~。」

「お、おう。」

 

他人行儀過ぎだろ。

いや、他人なんだけどさ。

 

そう思いつつ、今度こそ顔を伏せ、眠りにつこうとしたのだが再び阻まれた。

 

「八幡くーん。」

 

…無視しようそうしよう。

みんなもそう思うよね?

…みんなって誰だよ。

そのみんなの中に俺入ってねぇよ。

ヤバイ、なぜか涙が…。

 

軽くトラウマを思いだし泣きそうになったが、八幡はこの教室にやって来た珍客を無視することを決め、泣きそうなのをグッとこらえた。

 

「…へぇー。お姉さんを無視するんだ。」

 

怖い怖い怖い。

あと怖い。

めっちゃ怖い。

冷たい声出しすぎですよ。

いやマジで。

 

「八幡くん、起きるなら今のうちだよ?」

 

起きてたまるか。

めんどくさい事になりそうだし。

絶対に起きない。

起きないったら起きない。

 

「そっか。なら、さっき八幡くんが織斑先生の事を魔王って…。」

「何のようですか、会長。」

 

対応が早い?

そりゃそうでしょ。

織斑先生にバレたら何されるかわからないしな。

最悪殺されかねん。

 

そう思いつつ、教室の外に出ていこうとする楯無を目で引き留めると、会話を続けようと口を開く。

 

「何か用があるのでは?」

「そうだったそうだった。簪ちゃんの方はどう?うまくいってる?」

「…。」

 

その質問をされ、八幡は押し黙る。

彼の反応を見て楯無は少し察した。

 

「うまく行ってないみたいね。」

「えぇ、まぁ。殴られましたし。どんだけ俺の事嫌いなんだよ。」

「え!?簪ちゃん、君の事殴ったの?そんな事しない子なのに。」

 

楯無は物凄く驚いた顔をして八幡の顔を見る。

その一方で八幡は目の濁りが酷くなり、何やらぶつぶつと呟いていた。

 

「うん。君なら簪ちゃんを任せられるね。」

「ちょっと?話聞いてました?」

「うん。聞いてたよ?」

 

そう言うと楯無は手に持っていた扇子を広げ、そこに書かれていたのはバッチリと、そう書かれていた。

 

ねぇ、それってどうなってるの?

なんで毎回違う文字が書かれてるの?

誰か知ってる人がいたらコメント欄にどうぞ。

あれ、この発言メタい?

 

「だったら…。」

「そうだね。普通なら、止めるよね。でも、あの子がそこまで感情を出すのはあなたが初めて簪ちゃんの感情を出させたの。だから、任せたいと思ったの。」

「…わかりましたよ。でも、どうなっても知りませんよ?」

「大丈夫だよ。君なら、ね。」

「俺の評価高いっすね。」

「八幡くんが自分の自己評価が低すぎるだけだよ。」

「…そんな事ないですよ。」

「そっか。」

 

楯無は何かを悟った風に頷くとじゃあねと言って教室から出ていった。

 

…俺はそんなに評価をもらえるやつじゃないですよ。

本当に…。

 

そう思うのと、授業の始まるチャイムのなる音が同時だった。

 

***********************

 

放課後、八幡は早速もう一度簪のいるクラスへと向かっていった。

中に入っていくと、心配そうにこちらを見る女子がいたが、その視線に気づかないふりして真っ直ぐ簪のもとへと歩み寄っていく。

 

「ちょっといいか。」

「…何。」

 

ぶっきらぼうだが、八幡の言葉に答えた。

八幡はその事に安心しつつ、次の言葉を紡ぐ。

 

「ちょっといいか?」

 

八幡は目で教室の外に行こうと簪に合図すると、彼女は小さく頷いて先に教室から出ていった。

簪の五歩ぐらい後ろから後を追っていく八幡。

二人は人気のないベンチに腰かけると、無言で真正面を向く。

その沈黙も長くは続かず、簪が八幡にこう問いかけた。

 

「で?何の用?」

「タッグマッチの事だが。」

「それは断った。」

「だな。まぁ、お前が本当にやりたくないんだったら俺も諦める。」

「なら、何で。」

「そうだな。お前の事を知ろうと、知っておきたいと思ったから、じゃ不満か?」

 

柄じゃねぇな。

本当に、こんなの黒歴史にも程がある。

…でも、彼女には俺が踏み込んでいかないとダメな気がするから。

それに、知りたい、知っておきたいってのは『本物』に近づく気がするから。

だから柄にもないが問うしかない。

 

自嘲気味に、呆れた風に自分のことをそう思いつつ、簪に問いかける。

 

「お前、何で俺の事が嫌いなんだ?」

「っ!」

 

いきなりそんな事を聞かれ、驚愕で目を見開かせる。

眼鏡に隠されていてもわかるそれは、ある意味で八幡の予想通りだった。

 

「答えたくないなら別に構わない。次行くぞ。お前、姉みたいになろうとしてるのか?」

「っ!!」

 

やっぱりな。

才能に恵まれ、学園最強の名を欲しいままにしている会長と比べられればそうもなるか。

それも更識家なら、尚更だな。

だったら…。

 

「もしそうだとすれば、お前は会長みたいになれない。」

 

現実を突きつけてやる。

俺が彼女に踏み込む前に、彼女に正々堂々と、真正面から、卑屈に、卑怯に、最低に、陰湿に、現実を突きつけてやる。

彼女が会長になれない事を知らしめ、自分と言う自分が決めた殻を破らせるために。

…ったく、何て事をやらせるんだよ、あの会長さんは。

 

そんな事を思いつつ、隣で小さく震えている彼女を見て罪悪感に苛まれながらも、心を鬼にして次の言葉を紡ぎだしていく。

それは簪にとって鋭利な刃物で傷口を抉られる感覚に近いものではあるのを知っていて。

 

 




…なんだこれ。
八幡が簪を苛めてるように見える?
やだなー、気のせいに決まってるじゃないですかー。

まぁ、そんな事はいいとして、何か書きたかったことと違う気がしますが、気にせず更新してしまいました、はい。
次回はどうなることやら。

こんな作品ですが、最後までお付き合いくださいませ。

ではでは、次のお話でお会いしましょう。


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