インフィニット・ストラトス ~ぼっちが転校してきました~ 作:セオンです
1か月ぶりの更新…。
遅い…遅すぎる…。
最近お仕事が忙しくて中々書けなかったのが原因ですが、もうちょっと早く更新できるように頑張ります!
なので、これからもよろしくお願いいたします。
という事で何時のまにやら23話です!
きり悪いですね(笑)
今回の話でも簪は出てくるのですが、キャラ感掴めない…。
だからキャラ崩壊あるかもです。
何ならキャラ全員が崩壊してるまである。
まぁそんなことはどうでもよくてですね、今回も八幡が八幡じゃないのでよろしくです。
では、どうぞ。
「お前は会長みたいになれない。」
その一言を言われた瞬間、私の中で何かが砕けた気がした。
私はお姉ちゃんみたいになれない。
頭の中ではわかっていても、こうして面と言われると何かモヤモヤした何かに覆われるような感じがする。
「お前は会長じゃないし、会長になれない。もしお前がなろうとするのであれば、それは憧れじゃないし、目指す目標ですらない。ただの依存だ。」
そんなことないって言えない自分がいる。
どうしてだろう。
わからない。
何もかもがわからない。
お願い、ヒーロー助けて。
「お前は会長に嫉妬したのか?嫉妬する前に自分で何かしようとしたのか?」
「わかった風に口聞かないでよ。」
「わかるさ。お前の事なんか、最底辺にいる俺が理解できるぐらいだ。お前だって本当は知ってんだろ?自分が最底辺にいる事ぐらい。」
「そんなことない…。きっといつかヒーローが…。」
「ヒーローなんてこの世にいねぇんだよ。何かあってから、何か起きてからしか動かねぇやつがヒーローな訳あるかよ。そんなのは二次元だけだ。」
「そんなこと…。」
「あるんだよ。いるとしたら何でお前の前に現れないんだ?」
私は何も言えなくなった。
もう、やめてよ。
これ以上聞きたくない。
そんな簪の願いとは裏腹に八幡の言葉はその耳に届いてしまう。
「現れないのは、いないからだ。だから自分でやらなくちゃならない。誰かに頼ろうとするだけじゃなく、一人でもできるようにならなくちゃいけない。」
簪は呆然と八幡の顔を見る。
その腐った目を見て心の闇が溢れ出るかと錯覚した。
だが、次の一言でそれがすべて消え去った。
「だが、お前はもう限界まで来てしまっている。だったら、誰かに頼れ。あの会長だって誰かに頼った。だったらお前のやり方は間違ってる。それにな、どうしてお前は自分自身を、何より自分の能力を肯定してやれない。否定するなとは言わない。だがな、肯定できないやつに否定なんて出来るわけねぇだろ。」
簪はその腐った目が少し優しい目に変わった気がした。
気のせいだろうと思いながらも、その目から目が離せなくなった。
私は…間違っていたの?
わからない…でも、もしかしたら、わかるようになるのかもしれない。
だったらどうするべきなの?
「わからないなら足掻き苦しめ。たぶん、きっとその先に答えがあると思うぞ。」
そう言いながら八幡は席を立ち、簪が自分で答えが出せるように一人にした。
*************************
俺は何であんな恥ずかしいことを…。
死にたいよぉ!!
明日授業受けたくないよぉ!!
何が正々堂々、真正面から卑屈に卑怯に最低に陰湿にだよ。
恥ずかしいことをペラペラとしゃべっただけじゃねぇか!
簪と別れた後、八幡は自分の部屋に戻るとベッドに仰向けでダイブし一人、悶えていた。
うぐおおおぉぉぉ!!
もうやだ。
こんなこと言ったのは俺じゃない。
すべて妖怪のせいだ。
もしくはこんなことさせた会長のせいだ。
俺は悪くない。
お、何か落ち着いてきた。
「はぁ…。」
ため息をひとつついてベッドから起き上がろうとしたとき、先程まで会っていた少女とよく似た少女がこちらをぽかんとした表情で見ていた。
彼女は乾いた笑みを浮かべながら、後ろに一歩後ずさる。
その動きでお互いにこの状況を認識したのか、何とも言えない空気がここを支配していた。
「えっと…どうだった?」
ねぇ、ちょっと?
その、え、なにこいつ。ちょっとキモいんだけど。みたいな目を向けながら困惑した表情するのやめてくれませんかね。
それに、話題そらすの下手すぎだろ…。
「いつも通りてひゅよ。」
やべぇ、俺もいつも通りじゃねぇわ。
って言うか、この人ほんとにここに居座るつもりかよ。
「そ、そっか。何か進展はあった?」
「さ、さぁ?あ、後はあいつ次第ですからね。」
「そ、そうだよね。」
「ところで…さっきの見ましたよね?」
「う、うん。」
うごおおおぉぉぉ!
超恥ずかしいんですけど!
やべぇやべぇやべぇよマジやべぇよ。
ヤバイがヤバイぐらい出てくるほどヤバイ。
死にたい…。
「わしゅれてくりぇましぇんかね?」
噛み噛みだわ。
しっかりしろ、俺の滑舌!
内心でまたもや悶えていると、楯無は小さく笑って舌を少し出しながらいたずらっぽくこう言った。
「忘れないよ♪」
何だそれ、あざとい。
…けど可愛いなおい。
その顔を見て、少し顔を赤らめていると楯無がそれに気づき、詰め寄りながらその事を指摘していた。
「あ、赤くなった~。照れちゃったの?」
「い、いえ。違いますよ。あんな姿みられて恥ずかしくて顔が赤いだけです。」
「えー?ほんとに?」
近い近い近い。
だから近いって。
後近い。
何、近寄らないとダメなの?
って言うか何でそんなに近寄るの?
意味なんてないよね?
更に近寄ってくる楯無から目を背けながらそう言うと、彼女は微笑みながら八幡の心を読んだような事を言った。
「近寄るのはね、八幡くんとスキンシップがしたいから。」
「ちょっと?なに勝手に心のなか読んでるんすか。別に俺はスキンシップとかどうでもいいですよ。って言うか、俺みたいな根暗にスキンシップ取るより織斑みたいなやつの方がきっと面白いですよ。」
「私は、八幡くんがいいの。」
そんなこと言うなよ。
勘違いして告白してすぐに振られちゃうだろ。
って振られるのかよ俺…。
いや、当たり前だけどさ。
八幡は小さくため息をはくと、楯無から距離を取り、ベッドから降りるとシャワールームへ向かった。
「どこ行くの?」
「ちょっとさっぱりしてきます。」
「おねぇーさんも一緒にいい?」
「はっ!?」
この後、八幡はシャワーを浴びたのだが、何故かぐったりしており、一方の楯無は顔がつやつやしていたと言う。
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八幡が退席した後、しばらく座っていた簪は、ようやくその重い腰を上げ、立ち上がった。
その途中も先程まで会っていた彼の言葉をずっと心の中で反芻していた。
私はお姉ちゃんみたいになれない…。
それはわかってた。
私がどれだけ頑張ってもお姉ちゃんには届かない。
でも、頭ではわかっててもたぶん実行できていなかった。あの人の言うとおり、お姉ちゃんを目標に見立てたふりをして、依存していたのだと思う。
でも、これから私はどうしたらいいの?
わからない。
けど、わからないで終わらせちゃダメなのはわかった。
だからこそ、私が今するべき事は…。
簪はどこかスッキリした顔になると、少し急ぎ気味に歩き出した。
その姿はまるで真っ暗な道の先にある小さな光を求めて歩く姿のようであった。
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連絡をもらった彼女は自分のクラスに一人、椅子に座って連絡してきた人物を待っていた。
しばらくすると教室の扉が開き、彼女が待っていた人物がやって来た。
「どうしたの~?突然呼び出して。」
のほほんとした口調の彼女、布仏本音は本音を呼び出した人物こと、更識簪にそう言った。
簪は本音に近寄っていき、いきなり頭を下げた。
「本音、私のIS造るの手伝って。」
いきなりの事で驚いた本音だったが、優しく微笑むとこう返事を返した。
「かんちゃんがそう言ってくれるのを待ってたよ。」
簪はその言葉にはっとしたのか頭を上げ、本音の顔を見つめる。
その目に写るのも、その表情からも嘘は見受けられなかった。
「よぉーし、早速他の人にも協力してもらってやっちゃおー。」
のほほんとした口調で今一やる気なのかそうでないのかわからないが、本音は早速誰かにメールを飛ばしていた。
簪はそんな彼女を頼もしそうに見ながら、待ってたという言葉を聞き、少し感動していた。
それと同時に、簪はもうひとつやることを心に決めた。
******************
八幡が簪と話してから数日がたった。
八幡からも簪からも会おうとはせず、ただ時間が経っていた。
ふむ。
来ないということは、きついこと言い過ぎたか?
いや、でもなんか恥ずかしいことを言ったような気が…。
うっ…頭が。
…って言うか、タッグトーナメントどうしよ。
早く決めないとな…。
そんなことを思っていると、八幡のもとに一夏が近寄ってきた。
「よう。八幡、タッグの相手決まったか?」
「まだだよ。早くしねぇと織斑先生にしばかれるな…。」
「千冬姉、容赦ないからな。」
小さく笑いながらそう言うと、いきなり神妙な顔になる。
「ところでさ。」
「何だよ。さっさと用件を話せ。」
「楯無さんの特訓、めっちゃきついんだけど…。」
「知らねぇよ。むしろもっと特訓しろよ。俺はしたくないけど。」
「他人事だと思って…。」
「いや、実際他人事だろ。俺に被害がなければそれでいい。」
「とか言いながら臨海学校で俺らを庇って大怪我したよな。」
「あれは、ああした方が効率がよかったからだ。」
「そう言いながら、結構八幡ってやることやるんだよな。」
「うるせぇ。」
八幡は若干ムッとしながらそう返すと、一夏が笑う。
そんな二人の光景を周りの女子達はほのぼのした気持ちで眺めていた。
その時だった。
教室のドアが開き、そこから一人の少女が八幡の方へ歩み寄ってきた。
八幡もその人物に気づき、若干驚いた顔を浮かべる。
「比企谷くん、私と…その…タッグ…組んで?」
簪は少し恥ずかしいのか、頬を赤く染め、少し吃りながら上目遣いで八幡にそう言った。
その表情に少し照れた八幡は頬を赤く染めながら、こちらも少し吃り気味で答えた。
「お、おう…。」
何だよ。
いきなりそんな表情は破壊力抜群すぎだから。
破壊力高すぎて、「んちゃ。」で地球壊れちゃうまである。
何それ、破壊力高すぎ。
「ありがとう。それと、ごめんなさい。」
「…別にもう気にしてないからいい。」
「ありがとう。これから、よろしく。」
「よろしくな。更識。」
「……でいい。」
「は?」
「簪でいい。」
そう一言言うと、走って教室から出ていった。
何だったんだよ。
わからん…。
そのやり取りを見ていた一夏のファンは少し暖かい目をしてその光景を眺めていたのだが、一方の八幡のファンは相手を射殺すような目をしていたという。
とくに金髪と銀髪の少女からはヤバイ視線が送られていたらしい。
その後、その少女達と八幡はどこかへと行ったらしい。
八幡は首もとを引っ張られながら。
あれ?
俺死んじゃうの?
って言うか、何でこの学園に来てから命の危機に何度も会うの?
モテ期じゃなくて、死に期?
何それ、そんなのいらないんですけど。
若干現実逃避していた。
その後に続く事がどんなことになるのかと思いながら。
**********************
助かった…。
マジあの人超天使。
いや違うな。
女神だな。
今日からずっと着いてく。
あのあと、八幡はシャルロットとラウラから責められることなく教室に戻ってきた。
その理由としては織斑先生に助けられたからだ。
いや、たまたまそこを通りかかった千冬が彼らを目撃し、授業前に何をしてるんだ、という展開になり引き摺られていた八幡には同情の眼差しを送り、見逃してくれたがシャルロットとラウラの二人はこっぴどく叱られたらしい。
俺は知らんけどね。
関係ないし。
というか、俺の場合は被害者だからね?
いやまぁ目は腐ってるけどさ。
たまに加害者に間違われることも…。
何それ悲しい。
自虐で心を痛めていると、いつの間にか昼休みになっていた。
あれ、さっきまで一時間目じゃなかった?
気のせいですか?
そうですか。
八幡が時間の流れがおかしいと感じていると、真ん前から声が聞こえた。
「お昼ごはん、一緒に食べない?」
その言葉に反応して顔をあげるとそこにいたのは簪だった。
八幡は何を言われたのか少し考えていると、さらにもう一度簪が同じ事を言った。
「お昼ごはん、一緒に食べない?」
「何でだよ。俺と一緒に食べてもいいことないぞ。」
何なら俺の顔見ただけで気持ち悪くなって食欲失せるまである。
何それ、俺超かわいそう。
「八幡とタッグ組んだから。」
はい?今なんと?
「はい?今なんと?」
心の声と一緒の事言っちまったぜ。
「タッグ組んだから。」
「いや、その前。」
「八幡。」
「なぜに名前呼び?」
「何となく?」
疑問系なのかよ。
って言うか、何となくで呼べちゃうの?
誰か教えて!
八幡が軽く混乱していると、簪が小さく笑った。
「何だよ。」
「何でもない。早く行こ。」
「おい、引っ張るな。」
袖を引かれながら八幡は食堂へと向かっていった。
その光景を見ていたシャルロットとラウラは新しい敵が現れたことを、内心で少し焦っていた。
一方で本音は簪の成長を驚きながらも嬉しく感じていた。
はい、どうもです。
最近話の続きが思い浮かばなくなってきた僕です。
次どうしようかな。
なんとかなるでしょ(笑)
次の更新が何時になるかわかりませんが、待っていてください。
ではでは、次のお話でお会いしましょう。