インフィニット・ストラトス ~ぼっちが転校してきました~ 作:セオンです
という訳で八幡が目を覚ますところからですね。
戦闘描写は前よりかは多いかと思います…。
では、どうぞ。
長い長い夢を見た。
実際はそんなに長くはないのかもしれない。
けれどなぜか長く感じてしまった。
本当に不思議な夢を。
ここはどこだ?
綺麗な場所だな。
天国か?
それにしては誰もいないな。
八幡は少しずつ歩きながら辺りを見渡す。
だが、そこには誰一人としていなかった。
まぁ、いいや。
八幡は木の根本に腰を下ろすと、自然の雄大さが感じられるこの世界をもう一度眺めた。
心が癒されるな…。
ずっとこうしていたい。
そう思い、目を瞑ろうとしたとき、隣から声がした。
「お前は帰る場所があるだろう?ここに留まるな。」
八幡は声のした方を驚きながらそちらに顔を向ける。
何時からいたの?
見逃していたのか?
って言うかこいつ誰?
知ってるような知らんような…。
「何か言えよ。」
謎の声の正体は、黒い服に身を包んだ少女が八幡の方を見ながら、八幡の隣にちゃっかり座っていた。
いやだから何でだよ。
「お前誰だよ。」
若干苛立ちながら少女に聞く。
その少女はため息を吐きながら質問に答えた。
「お前は私の事を知っているはずだが?」
「知らん。」
少女の問いに八幡は即答する。
再び少女はため息を吐く。
そんなにため息ついてると幸せ逃げちゃうよ?
何なら幸せなくて目が腐っちゃうまである。
俺じゃん。
何それ泣けてきた。
「全く…それでも私の相棒かよ。」
「は?意味がわからんのだが。」
「まぁ、いい。とりあえず伝言だ。あの銀色のを止めろ。いいか、止めるだけだぞ。まぁ、一部破壊ぐらいなら見逃してやる。」
念を押すように何度も言う。
八幡はそれを見て普通じゃないと思った。
「わかったよ。止めるだけ、なんだろ?」
「あぁ…ありがとよ。頼むよ。」
「相棒、なんだろ?礼なんて言うなよ。」
「それもそうだな。じゃあ頼んだぞ。せいぜい私を使いこなしてくれ。」
そういうや否や、彼女の姿は消え、世界が暗転した。
そして、体の感覚が戻ってくる。
体痛ぇ…。
あぁ、そう言えば福音の攻撃をモロ受けたんだっけ。
今どうなってるんだ?
めんどくさいけど、自称相棒のためにやんなきゃな。
起きるか。
八幡は指を少しだけ動かそうとするがピクリとしか動かない。
だから、目を開けようとした。
だが、日の光が眩しく、目を瞑ってしまった。
それでも開けると、目がなれてきたのか、知らないところで寝ていた。
「知らない天井だ…。」
言ってみたいセリフ言えた…。
八幡はしみじみと天井を見ていたが、急に現実に引き戻された。
「はちくーん‼」
束が目を覚ました八幡に気づき、飛び付いて抱き締めてくる。
ちょっ!
いいにおい、うっとうしい、柔らかい、恥ずかしい、痛い、恥ずかしい‼
離れて‼
「篠ノ之博士、痛いです…。」
ようやく出せた声で掠れながらも束を引き剥がそうとする。
だが、束は退こうとしなかった。
それどころか見せつけるかのようにずっと抱き締めていた。
それを見ていたシャルロットとラウラはムッとした顔をしたまま、八幡のもとへ歩み寄り、束を引き剥がさん勢いで八幡に抱きつこうとする。
え?
何で抱きついてるの?
これ犯罪にならないよね?
内心パニックになりつつある八幡だったが、体の痛みでパニックにならずに済んではいるが、彼女らに止めを刺されそうであった。
「姉さん、比企谷はけが人です。離れてください。」
「えー。はちくんともっとはぐはぐしたい~。」
「ダメです。」
箒は束を引き剥がすと、首根っこを持ったまま自分の前に座らせた。
それを見て他の人もシャルロットとラウラを引き剥がそうと立ち上がり、八幡から少し離れさせる。
すると、八幡が顔をしかめながら起き上がる。
「痛ぇ…。止め刺されかけたぞ。」
「ドンマイだな。」
「他人事だと思いやがって…。」
八幡の呟きに一夏が反応し、少し笑った。
それを見た八幡は一夏を若干睨み付ける。
「ったく…。ところで福音はどうなった。」
それを言うと一同の顔が曇るが、一人だけ嬉々として手をあげていた。
「はいはーい。はちくんから言われてた件、終わりました‼」
「わかりました。ありがとうございます。それは後に最終手段として持っておくとして、誰でもいいから現状の報告をしてくれ。」
一人一人の顔を八幡は見るが、誰一人として答えようとしない。
いや、答えたくないのか。
全く…誰か話してくれれば楽なんだがな…。
まぁ、いいや。
自分で確認するだけだ。
八幡は痛む体に鞭をうち、顔を歪めながら立つとそのまま部屋から出ていこうとした。
それに気づいたシャルロットは八幡を呼び止める。
「八幡、どこ行くの!?」
「織斑先生のとこ。」
「何で?」
「状況確認のためだよ。お前らは来なくていい。って言うか来るな。」
有無を言わせない、とでも言わんばかりに目に力をいれていた八幡。
その目を見てその場にいた全員が戦慄した。
その瞳の中に一匹の獣がいるかのような迫力だったからだ。
八幡はその場で動けなくなってる全員から視線を外し、そのまま宴会場まで歩いていったように見えた。
「追いかけなきゃ…。」
「そうだな。行くぞ、シャルロット。」
「うん。」
しばらく呆然としていたが八幡を追いかけることにした二人は部屋から出ようとした。
だがその前にこの部屋の扉が開いた。
「比企谷‼」
千冬が血相を変えてそこにいた。
一夏はそんな状態の千冬に驚きながらも尋ねる。
「どうしたんだよ千冬姉。」
「どうしたもこうしたもない。朧夜が福音と交戦を始めた。まさかと思ってきてみれば…。一人で福音を討つつもりだ。」
「何だって!?千冬姉、俺行ってくる‼」
「待て、お前だけでは力不足だ。だからこの場にいる全員で比企谷のサポート及び福音の討伐へ向かえ。」
「わかったよ千冬姉!」
一夏は全員を連れて福音の討伐へ向かっていく。
その間、何度か八幡に通信を繋げようとするが、向こうで拒否しているらしく一向に繋がらなかった。
「八幡、無事でいろよ。」
一夏は誰に言うでもなくそう呟くと白式を駆り、八幡のもとへと飛んでいく。
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あいつらに嘘言ったの不味かったか?
どうでもいいか。
とりあえず福音を破壊せずに何とかするか。
となると、シールドエネルギーを減らしきるのがベストか。
だがそうなると高機動型のこいつに月華を撃たなきゃならねぇが、それは難しいな。
だが、やるしかないか。
めんどくせぇがやるしかねぇ。
八幡は覚悟を決め、膝を抱えステルスモードになっている福音へ向かう。
それに気づいたのか、福音は起動を始め、サブスラスターで飛びながらこちらへ向かってくる。
八幡はとっさに十六夜と朔光をその手に持ち、斬りかかる。
サブスラスターだが機動力はあまり変わっていないように見える動きで鮮やかに攻撃を避けた。
くそっ…。
メインスラスターだけじゃなかったのかよ。
めんどくせぇ。
帰りたい。
宿じゃなくて家に帰りたいです。
ダメ?ダメですね。
八幡は背中の流星をパージし、福音へ襲いかかる。
福音はすべて避けきれないのか、いくつか受けながら八幡の方へ飛んでくる。
だが、その方向へ行かせないように流星が福音へ襲う。
このままいけるか?
まだわからんな。
だからここは慎重にシールドエネルギーを減らしていくのに限る。
八幡は両手に持っていた刀剣を粒子変換し、手に新星と鬼星を代わりに握るとその銃口を福音へ向け、発砲した。
何発かは避けられたが、残りの弾は当たり、徐々にシールドエネルギーを削っていく。
ある程度削れたと思ったとき、福音に異変が訪れるのと同時に後ろから八幡の事を呼ぶ声が聞こえた。
「八幡‼」
シャルロットが専用機、ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡを駆りながらこちらにやって来る。
もう来たのか。
思ったより早かったな。
そう思いながら振り返ると、ラウラの焦った顔が視界に写り込む。
その顔を見て急いで福音の方へ視線を戻すと、そこには姿を変えた福音の姿があった。
「くそっ…。セカンド・シフトか…‼」
福音のスラスターは外され、代わりにエネルギーで生成された翼を持っていた。
それを見た八幡と他の専用機持ちは驚愕し、一言も話せなかった。
だが、福音が攻撃モーションに入ると、八幡が全員へ通信を繋ぐ。
「攻撃が来るぞ。」
福音の翼の間にエネルギーの塊をつくり、解放する。
それは螺旋を描きながら八幡達の方へ向かっていた。
それを避けるが、福音の攻撃はそれだけに留まらなかった。
エネルギー弾を次から次へと放ち、近寄ることができなくなった。
「くそっ…。」
どうすればいい。
どうすればこの広範囲攻撃を止めることが出来る。
八幡は攻撃を避けながらも思案する。
それと同時に福音を観察する。
何か弱点がないかどうか。
だがそれはなかなか見つからない。
一か八かに賭けてあれしかないか…。
八幡はこんな考えしかできない自分がいやになるが、それが一番効率がよく、尚且つ破壊せずに倒す方法はこれしかなかった。
他に方法は山ほどあるのだろうが。
八幡は再び通信を繋ぐ。
「そのまま俺の考えた作戦を聞いてくれ。まずはオルコット、福音の攻撃が届かないような所から射撃をしてくれ。出来るか?」
「問題ありませんわ。」
「次に篠ノ之、凰、あいつの懐まで潜り込んで動きを制限できるか?」
「あぁ。やってやる。」
「誰に言ってるの?やれるに決まってるでしょ!」
「デュノアとボーデヴィッヒは全体のサポートを頼む。」
「任せて‼」
「嫁の頼みなら仕方がないな。」
「最後に織斑、俺が合図したら零落白夜で斬り込め。ただし、コアは砕くなよ?」
「わかった。」
「じゃあ行くぞ。」
各々が作戦通りに動いていく。
セシリアはいち早く適切な位置につき、射撃を行い福音の注意を引く。
その一瞬を逃さず、箒と鈴は斬り込んでいく。
福音は彼女らを振り切ってセシリアの元まで行こうとするが、シャルロットとラウラに阻まれ、一瞬動きが止まる。
それを見逃す八幡ではなかった。
「織斑、今だ‼」
それと同時に八幡も動く。
福音の真っ正面から斬り込もうとする一夏。
福音は回避行動をとろうとしたがそれは止められ、零落白夜の餌食となった。
なぜ止まったのか、福音の後ろから八幡が抱き抱えたからだ。
一同はその行動に唖然とした。
それを無視しながら八幡は未だ行動を続けようとする福音に向かって流星を使い、止めをさした。
福音は活動は停止し、長かった戦いがようやく終わりを告げた。
その後、福音をハッキングしていた国は何もせず、沈黙していると言う情報を束から千冬と八幡に連絡があったため、警戒だけしてなにもしなかった。
それと同時に、時間が空いたとき、束との関係と、何があったのかを詳細に聞かれることになった。
その後、福音と交戦した全員から、なぜ福音を抱き抱えたのか、問い詰められ、八幡は心身ともに疲れ果てていた。
零落白夜で落とせなかった理由ですが、回避行動は取れませんでしたが。防御ならできるという事で防御をしていた、というわけですね。
でも、防御しててもシールドエネルギーを大分減らせたという事です。
これ、本文中に書けばよかったと後悔しております。
すいません。
という訳で、また次のお話でお会いしましょう。