「悪意…」
「俺はこの世界で自分の無力さを感じて、力を持ったこと攻め。最後には悪意で人を殺した。俺は偽善だ。それでもいいか?」
聞いた。偽善者が師匠でもいいのかと。
「もちろんです。過去にどんなことがあっても私が好きなのは、現在の師匠ですから」
笑顔で言われた。照れるな…。いや、注目すべきはそこじゃないだろう俺。
「俺は、お前の師匠としてこれで言いかと聞いたんだが」
「え、私は、恋人として、師匠が良いと言ったんですが」
静かな時が流れた。
「助けてもらったときから大好きでした。結婚を前提にというか、結婚してください」
恥ずかしそうに頬を赤らめて笑って手をさし伸ばした。以前から言っていた俺の過去も受け入れられた。
なら、俺がすることなんて1つしかないだろ?
「反則だろ」
「え?」
驚いた表情で固まる。
「そういうのは男が言うもんだろう。女が言うのは反則だ」
驚いた表情はすぐに笑顔に変わった。
「女性に言わせる上にそんなひどい事。言うなんて師匠こそ反則です」
緑の瞳から透明な雫が落ちた。そんな彼女に手を差し出す。
「今までそばにいてくれてありがとう。君のことが好きだ。これからも一緒にいてくれ」
「もちろんです」
彼女はそういって、俺の手を取った。
お互いの気持ちを理解をした俺たちは繋がった手を離さないまま横になった。
幸せなひと時。そこでふと気になったことがある。
「そういえばさ。何で俺は師匠なんだ?」
40階層で再開したときから師匠と呼ばれ続けている。
「あの時は話題をそらされたけど実際のところはどうなんだ?」
二人の腕分離れている彼女を見た。
「言わなきゃだめですかね?」
目をそむけて恐る恐る問われた。
「気になるな…。特に教えたこともないきがするし」
「いえ、ほんのちょっとしたことなんですけど。私は師匠に自己紹介をされてませんから」
「え?」
「だから、28階層で出会った時。私は名前を教えてもらっていません。そして、出会ってからも自己紹介をされていません」
「それで、師匠と呼ぶことにしたの?」
「…はぃ」
返事はかなり小声であった。いや、普通なら聞こえていないレベルの声だ。
「あー…。そうだな。自己紹介をしてないもんな」
俺も恥ずかしくなってきて、頬を軽く掻く。
「じゃ、改めまして。元軍所属の疾風の異名を持つ剣士。クオンだ。これからもよろしく」
小さく簡潔に自分の自己紹介をまとめた。「異名とかかっこいいじゃないですか」とつぶやくと少し考え込む。
「改めまして。クオン君の妻。スラルです。これからもよろしくです」
スラルは初めて俺の名を呼び笑顔で「以外だったでしょ」と聞いてきた。
「やめてくれよ。人に自己紹介するときにそれは」
お互いに笑ってられるこの時間が何より大切だと思った。
時たま思うけど。こういったシーンってもっと長引かせるべき?