ソードアート・オンライン『疾風の狂戦士』   作:神滅

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狂戦士

 はっきり言って、前線は壊滅状態だった。

 ゴブリンとオレンジに混乱して離脱した者がいるのだろう。

 残っているのは4名だ。半分がオレンジ、半分がゴブリンを相手にしている。

 オレンジも5人ほどの減っている。良く見れば、クラインたちも生き残ってる。

「お前らの大将は討ち取った。死にたくないなら去れ!」

 前線に向かって大声で叫ぶ。

「な…。ゾックさんが…」

 戦意を落とすには十分の情報かと思った。

「クオン!俺たちもだがこいつらの仲間は引いただけだすぐ戻ってくるぞ!」

 クラインが俺に声をかける。

「クラインたちはゴブリンを倒しながら少し引くぞ。沸くところで狩を続けるとキリがないぞ」

「引けないんだよ見れば解るだろ!」

「大丈夫だ。こいつらを殺すからよ」

 俺が動き出す。オレンジははさまれた状態でどうすればいいかわからず動けずにいる。

 刀を持った奴が前に出てきて切りかかるが遅い。

 刀を横に弾き、片手で殴る。

「がぁ!」

 殴られた刀使いは刀を手放すほどの痛みに苦しみながら倒れる。

 そこに容赦なく止めを刺す。

「悪いが。お前らの未来は死だ」

 俺はこの場のオレンジ全員を殺すつもりでいる。

「クオンお前!」

 クラインが怒る。

「あぁ、何怒ってるんだよ。殺すって事は殺される覚悟はあるんだ。まさか、殺しはするけど殺さないでなんて奴いないよな?」

 脅迫交じりに聞く。この時オレンジたちは気づいた。俺は本気で殺しに来ている。殺されるかもしれないと…。

「クライン。お前は殺しに来る奴も生かすのか?それがまた殺しに来るとしても。始まりの街の住民を殺すとしてもか?」

「そんなことを言ってるんじゃない!」

 会話中に何人かが攻撃してくるがクラインの横にまで移動する。

「俺のHPは1だ。こっちは命賭けてるんだよ!」

「何でそこまでして戦うんだよ…」

 オレンジがこっちにめがけて武器を投げてくる。

「俺の殺人衝動かも知れない。でも、守りたいものがあるからだ」

 俺はしょせん偽善。殺人を正当化しているだけだ。

 飛んでくる武器を打ち落としていく。耳が位置を知らせバーサークで強化された力と速度なら容易な事だ。

「はぁぁ!」

 そのまま近くの奴に突進。

「ひぃ!」

 自身の死を直感したのか後ろに逃げようとした。しかし、遅かった。

 そのころには俺の発動した≪バーチカル・スクェア≫がそいつを切り裂いていた。

「うわぁああああ!」

 近くにいた奴は背を見せ逃げる。そいつが突然動かなくなりその場に倒れ、死んだ。

「クオンだったか?またしたな」

 大きな剣を持ったあいつは帰ってきた。

「俺の仲間3人分だ。今度は殺す!」

「逃げんなよクズ!」

「おぃおぃ…」

 二人の殺人鬼に何もできないクラインは情けない声を出してゴブリンたちを狩ることにした。

 剣が交わり剣風が起こる。

「あぁぁぁ!」「死ねらぁぁぁ!」

 二人の剣の連撃。

 二人とも剣を振り続ける。止まれば殺される。

 両手剣の振り上げられる。避けることできず剣で防御する。振り上げはかなりの威力で剣で防御した俺は空中に飛ばされる。逃げ場のない俺に向かって両手剣を突く。

 ガチン

 向かってくる剣先を片手剣で弾き、弾いた両手剣の上に乗る。

「終いだ」

 柄を持つ手に剣を突き刺す。両手剣を手放すが間に合わず左手に突き刺さる。

 立っていた両手剣が地に落ちる前に剣から飛び降りていた。

「左手が潰されたか…」

「ここで死んで行け」

≪バーチカル・スクェア≫

 四角形に切り裂く剣技。その4連撃を右手で拾い上げた両手剣で薙ぎ払う。

 剣技を力技で返される。反動で後ろに飛ばされる。

「恐ろしい力だ」

「お前も相当な力だ。しかし、剣が軽い」

「いや、俺の剣は重いぞ」

 なら試してみるか、そして、二人の剣撃が始まる。

 両手剣を片手で持ち上げる。左手は使えなくなったようだ。

 鉄と鉄のぶつかり合う音があたりに響く。

「頑丈な剣だな!」

 両手剣の軌道に軌跡が残るのを見て剣技が来ると悟った俺は後ろに引く。

「この剣を打った鍛冶屋はこの世界で最強だ。俺は、生きている間はそれを証明する」

「それは荷が思いだろ。俺が荷を降ろしてやる。だから、死ね!」

 両手剣の突進系の剣技。後ろに飛ぶことが読まれていた。

 自分の死を感じる。鼓動が早くなる。鼓動がうるさいと感じられる。

 自分の死が感じるが俺は、死を疑う。

 

 本当にHPが0になったときに俺は死ぬのか?

 

 自分の死を直前に何を考えているのだろうな。くだらないことを考えていたと自分でも思う。

「やっぱり、お前じゃ俺を殺せない」

 横から近づいてくる剣を俺の剣で叩き落す。

≪メテオ・スラッシュ≫

 右足を踏み出し剣を振り下ろす。

 

 バリン!

 

 片手剣と両手剣が折れた。

 両手剣が使えなくなりすぐさま捨てる。俺も同じく剣を捨てる。

 奴は素早くウィンドを開き武器を取り出す。

「ここで差がついた!」

 右手の指を伸ばし合わせた手刀で勢い良く奴の体を貫く。

「俺の勝ちだ。死んで行け」

「死ぬのはお前だ」

 ウィンドからオブジェクト化した剣をつかむ。

「「死ねぇぇぇ!」」

 零距離で二人が叫ぶ。

 俺は手を奥へと進め。奴は、剣で俺を狙う。

 殺しあう二人の近くに黒い影が来た。

 零距離の二人の境に向けて剣が振り下ろされる。

 お互いにその場を引いた。

 二人がいた場所にはあの男が立っていた。

「双方。剣を収めろ!」

 HP1バーサークの俺を止めた黒の剣士。

「収めないなら、俺が相手になってやる」

 すり足で後ろに下がって、俺たち二人が見える位置に移動する。つまり、どっちが急に襲い掛かっても大丈夫な位置に移動したわけだ。

「俺がそれで引くと思ってるのか黒の剣士」

「お前の目的は殺人か?オレンジに成り下がったのか?前線は二人で守られてる。時間の問題だぞ」

「っち…。命拾いしたな」

 収める剣がないので態度で表す。降参するように、手を上げる。

「お前はどうだ」

「両手剣があれば殺してやるのにな」

 剣を収める。

「お前、クオンと言われていたな」

「あぁ」

「俺はゾックだ。お前は俺が殺す」

「残念だが、お前じゃ俺を殺せない。死ぬのはお前だ」

 お互いに殺人宣言し、俺は戦場にゾックは町に帰った。

 走りながら黒の剣士と会話する。

「まだ、死にたいとか考えてるのか」

「俺は死にたいわけじゃないが死に渇いてる」

「殺し合いたいわけか…」

 死に渇いていると言う俺に黒の剣士は残念そうに言う。

「あの時の事は無駄だったのか」

「いや、感謝はしている。あの時の事があったから守るものも見つけれた」

「なら、何で死のうとする殺そうとする」

「俺は、殺人衝動的なものがある。俺は偽善者だ。守りたいとか言ってもそれと同等に殺したい感情がある。俺は死ぬべきなんだろう」

「どうだろうな、少なくても、帰りを待ってる人は死を望んでないだろ」

「そうだろうな」

 思い浮かぶのは元気な彼女の笑顔。

「今はゴブリンたちに集中しないとな」

「なぁ、戦いが終わったら俺の本気と戦ってくれよ。あの時の約束だろ」

 少し考えた表情をして「いいだろ」と返した。

「生き残ればな」

 俺に向かって黒の剣士が言って前線に参加する。

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