声の聞こえたほうに、歩いていく。
声が聞こえないスラルは、何をするのか隠れてみている。
「クライン、久しいな」
バンダナとおっさん顔が特徴のクラインだ。
「お前は…。あんときの…」
クラインが名前を言おうとするが思い出せないでいる。
後ろの仲間が「クオンだぞ」っとつぶやくが俺には聞こえている。
「クオンか」
「あぁ、そうだよ。ちなみに俺は、耳が良い」
苦笑いするクライン、知り合いと解ってスラルも来る。
「お久しぶりです」
礼儀良く挨拶をする。
後ろで、「かわいいな」とか「綺麗」言ってる奴はまだいいが、手を出そうとするなら殺す。
「とりあえず、キリトを探してるようだがどうした?」
「どうして…。いや、なんでもないぞ。最近、顔を見ないな、て会話をしていただけだ」
この時、クラインたちは何かを隠した。そんなのはスラルも解っている。
「そうか、今度あったら、寂しがってたとでも言っておくよ。じゃ、死ぬなよ」
「行くぞ」と声をかけ俺達はその場を離れる。
クラインたちが見えなくなってからスラルが口を開いた。
「クラインさんたち、なんで、探してたんでしょうね」
「解らないが、そこまで気にするものは無いだろ」
知らない連中なら、危険だが知ってる奴同士なら、殺し合いのようなことにはならないだろう。
「さて、続けようか」
一日を迷宮で過ごした。
宿に帰ってきて俺の部屋で二人で話をして盛り上がっている。
「寝るか」
いつもの寝る時間になって、声をかける。
「明日って、予定ありますか?」
スラルが言う明日は12月24日。クリスマスイブだ。
「無い。いや、あるか」
「え…」
「お前と一緒にいることだ」
うん。恥ずかしい。顔真っ赤なのは解るわ。
「はい」
スラルも頬赤くして、答えた。
「夜になったら行ってみたい所があって、付いてきてくれますか?」
「もちろん」
「おやすみなさい」
機嫌良く扉から出て行った。俺は鍵を閉めて、明日のことを考えて眠る。
夜になるまで、適当に今までの階層の街を歩いて話をした。
夜になってから、スラルの行きたいという場所に向かう。
街を歩きすぎたのか時間は22時である。
「どこに向かうんだ?」
「35層の迷いの森にツリーがでるらしいので、それを見に行きましょう」
スラルのテンションはMAXなのだろう。
「暗くて視界が悪いが、俺の耳と俺達の実力があるなら大丈夫だろ」
「さぁ、行きましょう」
俺の手を取って駆け出す。
引っ張られていく、深い森の中に入っていく。
森の中は暗く、片手で持った。明かりが周りを照らす。
片手で明かりを持って、もう片方には、スラルが引っ付いている。
「クオン君。そんなに早く歩かないでください」
知らなかったことがある…。スラルが暗いとこがここまで苦手とは…。
スラルが持ってる方の腕が解放された。隣を見れば、スラルが抜刀して、木を切っていた。
「こ、この木がこっち向いて…」
「いや、ここにゴーレムいないから。大丈夫か?帰ろうか」
振る振ると横に顔を振って帰りたくないとアピールする。
「なら、がんばろうな」
また、片腕がホールドされて、歩く。人がいたら、恥ずかしさで死ぬ…。
そして、今更なんだが、モンスターが現れてもすぐに行動できない…。
まぁ、 俺の耳は足音らしきものを聞き取っていない…?
何かがすごい速度でこっちに向かってくる。
「スラル、プレイヤーだ!」
「イヤー!」
大声を出した結果は強く握られて完全に行動できなくなるだった。
俺よりは遅いが、かなりの速度だ。
物陰に隠れようとしたが、スラルが腕を放さず隠れられない。
こっちに一直線だ。俺達のように、ツリーを見に来るにしては、1人で急ぎすぎだ。
もう、隠れるにも遅い。明かりをスラルに渡して、剣を取る。
走っている奴が見えてきた。全身黒の服を纏っていて、良く見えない。
相手は立ち止まった。
「お前もか…」
聞き覚えのある声。この声は…。
「キリトか。どうしたこんな日にあせって」
抱きつかれてる腕が見えないように後ろに隠す。
「お前も狙っているんだろ?蘇生アイテムを」
それを聞いて、俺とスラルが驚く。スラルが腕に抱きついてるのを見てキリトも驚く。
「蘇生ね・・・。少し興味がある」
「なら、倒してでも道を明けてもらう」
キリトが剣を取る。スラルを守りながらキリトと戦うなんて不可能である。
「待て待て、興味があるだけでほしいとは言ってない。もし、ゲットしたら効果だけで教えてくれないか?」
俺が剣を持っていても仕方ないのでしまう。
「解った。取ったら能力だけをメッセージで送る」
そういって、俺の横を通っていった。