ソードアート・オンライン『疾風の狂戦士』   作:神滅

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4人組

 メイアたちと約束をした時間の前に、キリトと会う。

「あの世界はどうだ?」

 キリトに問われる。

「一言で表すな、くだらない。あのゲームはオンラインゲームじゃない。ただの殺し合いの世界だ」

 あの世界よりひどい。そう付け加えた。

「そうか、世界樹はいけそうか?」

「あぁ、時間がかかるかもしれないがな」

 お互いのゲームの感想などを話した。

 その後に、お互いの考えを出した。

「話をまとめるとあの世界と繋がっている。これが結論だな」

「つまり、アスナがあそこにいる…」

 キリトの表情が変わった。

「必ずじゃないが、可能性は高い」

 そう、アスナだけじゃなく…。スラルも…。

 

 

 キリトに別れを告げて、自宅にもどる。

 速い昼飯を食べ、あの世界に閉じ込めた悪魔の機械をつける…。

「さぁ、行くか…。リンク・スタート!」

 

 

 世界に入った俺は、時間が早いから待ちの小さな武器やに行く。

 NPCの店長に売り物を見せてもらう。

 闇妖精(インプ)から奪ったアイテムの方が性能はいいな…。

 あの時殺した闇妖精(インプ)はかなりの実力者たちだったのだろう。

 売り物を見ている中で、気になるものがあった。

 エージス…。

 俺に英雄になれと言った奴が最後に渡した魔剣。

「この世界にもあったんだな…」

 なんとなく、エージスという名前の剣を3本購入した。

 主に投剣として使う予定だ。

 購入した後には、町の隅で剣を振る。この世界に慣れるためだ。

「ここにいたんですね」

 剣を振るのを止め声の聞こえた方を向けば、メイアが立っていた。

「こんちゃ。俺を見つけるのはお前だな」

 そういうと、「そうですね」といって笑う。

「クオンさんは、何でそんなに強いんですか?」

 俺のことを知っているやつは全員が思う疑問だろう。

「簡単な話だ。このゲームはステータスとかじゃない、才能が力を決めるんだから俺には才能があるんだよ」

 嘘だ。俺にあるのは才能でなく、経験だ。

 あの世界での2年の経験のおかげでこんなにも動ける。

 あの世界でのマネーもあるが、強さを言うなら経験だけだろう。

「そうですか、すごいですね…」

 納得したのか、黙る。

「あの時の…」

 剣を振る練習をしようかと思ったときに声をかけられる。

「あの時言っていた理由を教えてくれますか?」

「あの時?」

 心当たりが無い…。

「この世界が嫌いなのにいる理由です」

 メイアに言われて思い出す。

「あぁ、あの話な…。ソードアート・オンラインで、未帰還者がいるのは知ってるか?」

「はい、二千名ほどまだ帰ってきていないとは、聞いてます」

「その中に知り合いがいてな、偶然にもそいつが世界樹の頂上を撮った写真に写っていた。その真偽確かめるために俺は世界樹を目指す」

「そんなことが…」

 信じられないというように言う。

「確かに、あの世界の住民だった奴がこの世界にいるのはおかしいが…。手がかりがここしかない、だから進む」

 近くの木に剣で攻撃する。一瞬に8の連撃。

 オブジェクトエラーが出る。

「進むしかないんだ。ここで止まれば見失う」

 そういったところで、時間だから行こうと言って話しを終わらせた。

 

「世界樹に行くためには、水の中を潜って洞窟に入る必要がある。世界樹に行くには洞窟を通るしかない」

「潜るって俺は大丈夫なのか?」

 一回だけ隠れるために潜ったことがあるが長くは持たず。強制的に空気を求め、地上に浮き上がろうとする。

 きっと、長時間水中にいれば死ぬ…。

「長時間潜らないと思うから大丈夫だよ」

「もし、水中でモンスターたちに襲われても、私達が倒しますんで」

 自信満々に言う。

「なるほど、付き合わせてすまない」

 

 洞窟内部に入るが運良く…いや、不自然なくらいモンスターがいなかった。

「この先に誰かいるぞ」

 先頭を歩くウォルバが静かに言った。

「何で解る?」

「モンスターがいない。つまり、誰かが前で狩りをしているからだ」

 最悪な状況だ…。

「最悪ね。水妖精(ウンディーネ)だったとしても、風妖精(シルフ)がいるから…」

 最悪交戦もある。別種族だとしても同じだ。高確率で交戦。

 どうする…。進みすぎればぶつかる。

「道は一本なのか?」

「そうよ」

「クオンさん?」

 メイアが俺の発言に疑問を感じた。

「ここまで、ありがとな」

 そういって、走り去ろうとしたのを止められた。腕が掴まれた。

「ダメです」

 俺の腕を掴んだメイアが強く言った。その姿があいつと重なった…。

「これが最善だ。俺が単独になれば、水妖精(ウンディーネ)なら仕掛けてこない。他の種族なら俺が…」

 パン。

 叩かれた。

「甘く考えすぎです。闇妖精(インプ)の時と違うんですよ。危険すぎます」

「危険だろうが超える」

 険悪なムードになりウォルバとテルナは見守ってる。

「それで、世界樹の頂上へ行けると思ってるんですか?」

「知らないな。だって、世界樹のことを知らないからな」

「ふざけないでください」

 怒鳴られ、睨まれた。

「ふざけてない。俺は、進むしかない」

 足音が聞こえる。

「だから、前向いて進む」

 足音が止まった所に、向かう。

「交渉しよう」

 物陰に隠れている奴に言った。

「俺達は進みたいだけで、交戦は望まない。通してくれないか?」

 隠れている奴が出てくる。

 出てきたのは黒の妖精。確か、影妖精(スプリガン)だ。

「それなら通ればいい」

 影妖精(スプリガン)はそういった。

「ありがたい」

 俺は進む、前に…。

「ダメ!」「下がれ!」

 後ろでメイアとウォルバが言った。

 周りから、刃が光る。

 急加速して、攻撃を避ける。

「お前らの勝利は死んだ」

 久々に言う、勝利宣言。

 そのまま振り返り、片手剣を抜く。そして、一歩踏み出す。

 その一歩で襲ってきた影妖精(スプリガン)を切り裂いて通る。

 

 一瞬の間に俺の襲ってきた全妖精は死んだ。

 

「通してもらうぞ」

 通すと言った影妖精(スプリガン)に言ってやる。

「行こう。前には何も無いだろう」

「貴様!」

「前を向いて行こう。4人で良いんだろ?」

 横から影妖精(スプリガン)が片手剣を抜くが矢に弾かれ、剣を落とす。

「仕方ないですね。妥協しましょう」

 あきらめ半分に言われた。

「メイアが行くなら行くよ」

 テルナが続けて魔法で攻撃する。

「何で来たんだろうな…」

 ウォルバがあきらめていた。

「だが、思った以上に面白い」

 反撃をしようとする影妖精(スプリガン)を槍で突く。

「最終的に来るのは?」

「行きます」

「メイアが行くから行くよ」

「面白いからついていこう」

 リタイアする人はいないようだ。

 このまま一気に、世界樹を目指す…。

 洞窟を抜ければ、広い草原に出た。

「世界樹はもうすぐだね」

「この平原を抜けたら世界樹だ」

 とうとう、ここまで来た。

「この辺に落とし穴があるから気をつけてよね」

 テルナが注意する。

「落ちるとどうなるんだ?」

「落ちれば、下のダンジョンに入る。ダンジョンは強力なモンスターの邪神級がいるから落ちたら生きて帰って来れないかもね…」

「気をつけよう…」

 自分が強いと思っているが強敵と戦いたいわけじゃない。

「置いて行くぞ」

 ウォルバに言われて、俺も後を追う。

 

 

「到着だね。央都アルンだよ」

 世界樹のある都市に到着してメイアが入り口で言った。

 平原にはモンスターはでないので簡単に進むことができた。

 途中で一回、邪神モンスターの巣に落ちそうになったがとっさに飛行操作をして浮遊し、三人が助けてくれて巣まで落ちずにすんだ。

「大きな町だ…」

 それが俺の感想だ。

「町なんて規模じゃないよ。都市だよ」

「そして、あそこにあるのがこの世界の目的だ」

 ウォルバは世界樹を指す。

「あの頂上に…」

 アスナが囚われている…。

 

 

 

 私は、ずっと籠の中にいる…。

 あの世界で、クオン君がヒースクリフの正体を見てくると言ってから数時間後に『ゲームはクリアされました』というメッセージが流れた。

 理由はわからないがゲームは終わり、現実に帰れる。そう信じていた…。

 光に包まれる中、別れる前に言った彼の言葉を思い出していた。

『ここに残ってくれ、俺が罪を犯した後に帰ってくる場所を守ってくれ』

 心配です!私もついて行きます。そう言い返したが彼は笑っていった。

『俺の妻が罪人になるなんて許せないよ。心配するなよ。遠くになんか行かないさ、帰ってくる場所がある限りな。知ってるか?俺は死なない。死ねない剣士なんだ。だから俺は帰ってくるよ。お前と一緒にいるために』

 あの言葉を思い出す。

 リアルでも…。一緒に来てくれるかな?

 光の中を抜けて、何か見えてきた…。

 見えたのは薄暗い場所…。

 リアルなのかと思ったがすぐにその考えは無くなる。

「なにこれ…」

 鉄格子が目の前にあり、周囲に人が現れ、それぞれが私と同じことを言う。

 

 

 それから、何日か過ぎた。ここに飛ばされた皆はやる気をなくしている。

 そんな時に妖精王を名乗るものが来た。

 そいつは、この世界がゲームであることとゲームマスターであることを告げた。

「ここからだせ!」

 周囲からの言葉にキレた。その時、体が下に引っ張られる。重力が増したかのように体が重くなる。

 周囲からは悲鳴などが上がる。

「お前らは実験体だ。立場をわきまえろ」

 その後、暴言を吐き続ける。皆黙っているしかない。

 暗い部屋での生活が始まった。

 ゲームマスター達は時々1人を強引に連れて行く。何をやっていくか解らないが…。

 かえって来た人が行った時と全然性格が違うことを考えれば、かなり危ないことをされているのはわかる。

 きっと、非合法な実験をしているのだろう。

 

 久々に妖精王が来た。

「出ろ」

 とうとう、私の番が来た。抵抗をするが妖精王の後ろの大きなナメクジの触手みたいなものが絡まって連れて行く。

「離して!」

 無駄だと解っているが叫ぶ。

 初めて薄暗い部屋から出される。

 外は何も無い。白い空間だ。いや、良く見れば設定をいじるようなコンピュータと私達を閉じ込めていた鳥かごがあった。

 そして、鳥の中に綺麗な女性がいた。

「君の友達を連れて来てあげたよ」

 妖精王は鳥かごの彼女に私を紹介した。彼女は一目こちらを見て驚く。私も横顔しか見ていなかったが正面を向けば誰だか解った。

「アスナ…?」「ラル…?」

 お互いに再開を喜んだがつかの間だった。

「そういえば、君の彼氏の」 

 妖精王が急に私を指した。

「クオンだっけ?残念だったね。ゲームクリアする前に死んでしまうなんて」

 悪意に満ちた笑みを見た。

「え?」

 「どういうこと」そう、アスナに聞いた。アスナは顔をそらす。

「ヒースクリフに殺されたんだよ。ゲームをクリアする前にね」

「嘘だ。クオン君は死なない!」

 なみだ目になりながら言った。

「これが真実だよ」

 クオン君が死ぬ。

「アスナ…。どうなの?」

 キリトさんと一緒にボス攻略に行くと言っていたのは知っている。

 アスナは気づいた。ここにスラルが呼ばれた意味をしかし、理由が解らない。

「大丈夫。そんな言葉嘘だよ」

 アスナは嘘を言って、須郷の言葉を否定する。

 しかし、そのわずかな動揺が解ってしまう。

「そんな、嘘をついても良いのかい?最後に悲しむのは彼女だよ」

 最後にそういって、アスナの前から連れて行かれた。

 クオン君が死ぬ…。考えられない…。ずっと想い続けていた…。半年以上そばにいた彼が…。

 絶望する…。彼が死んでしまったこと、彼がいなくなってしまったことに…。

 私は…。彼のために…。

 妖(・)精(・)王(・)様(・)のために生きて行く。

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