ソードアート・オンライン『疾風の狂戦士』   作:神滅

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油断

 あれから2日後にボス部屋が発見された。

 発見した者は目を疑ったらしい。まぁ、当然だ。すでにボスはいなかった。俺が倒したのだ。

 KoBのヒースクリフが倒した者を探しているらしい。

「ここで、名乗り出れば有名になれますよ」

「無駄だ。俺の力は一人じゃないと発揮しない。有名になったらPTとか面倒なことが増える」

「そうですね。有名になってしまうと二人でいる時間が減っちゃいますからね」

「いや、それはどうでもいいかな」

 幸せな顔で言ったが一瞬で落ち込む。

「酷いです。師匠は酷いです」

 地面にのの字を書いて落ち込んでることをアピールする。

「さて、俺は行くぞ」

 掲示板から離れる。

「あ、待ってくださいー」

 それを律儀に追う。スラル。

 

44層

 見れるのはただの平原。

「それにしても一気に景色変わりすぎだろ」

 今まで雪ばかりを見ていたがいきなり緑の平原…。

「師匠、木も何もないから身を隠すことができませんね」

 あぁ、とうなずく。

「いつも通り、最初は2人で回ってどんな敵を軽く調べ終わったら、個々で動く良いな?」

「はぃ」

 とりあえず町の周りを回る。

 軽く狩りをしたがゴブリンという武器を持った敵がいるだけで問題はなかった。

「問題ないなこのあたりで、別れるか」

 そう言って、スラルと別れることを言い出した。

「いつも通り、何かあったら連絡をとろう」

 いつもと同じ、スラルとあってから新しい階層に来たときはこうしていた…。

 

 俺の剣がゴブリンの体に突き刺さる。ゴブリンは声を上げて消える。

「もう、攻撃パターンは読めたな」

 今まで出会った4つの異なる武器を持ったゴブリンの攻撃パターンをすべて覚えた。

「こいつらじゃ、俺を殺すことなんてできないか…」

 俺は飢えていた。死闘に飢えている。

 少し前に、戦った人との死闘…。その中で、俺はこの手で人の命を奪った。

 その時の感覚いや潤いを忘れる事ができない。自身の死を賭けた戦いによって俺は満たされた…。

「渇く…。俺の心が…」

 俺はメッセージが着ていることに気づく。

『タイトル:無題

本文:助けて』

 見た瞬間に走り出した。

 マップデータを開いてみれば見当違いのほうに走っていることに気づく。

「畜生!もう、何も失いたくないってのに!」

《リニアー・スラッシュ》

 一直線に高速移動する。俺はあせっていた。到着までどうしても5秒かかる。

 普通の世界ならば、5秒で何ができるだが…。

 この世界での5秒は人を殺して逃げることなんて簡単にできる。

「あぁぁぁ!」

 目の前に剣を持ったゴブリンが出てきたが俺はゴブリンの剣が俺の心臓を切るように動いた。

 片足を地面に付きそうになった。俺はこんなとこで止まってなど入られない。

 ひたすら走る。

 

 到着した現場には…。

 誰もいなかった。

 

 慌ててマップデーターを見る。データの中にスラルがいない。最悪のシナリオが頭の中に浮かぶ。

 その考えを頭の中から消し去り、別の可能性を考える。このマップデータでキャラの位置を見るシステムは遮断することができる。

 襲われた奴に捕まり、遮断されている…。

 それが俺が考えた。俺のためのシナリオ…。

 何かできることはないのかと、少し当たりを探そうとするが、新たなメッセージが来ていることに気づく。

『タイトル:無題

本文:軍が来た。ラース、と3人』

 軍という単語を見て心臓の鼓動が大きく鳴った気がした。

「ははは…。ここまで堕ちたか…。軍!」

 俺の叫びは近くに入たモンスターを呼ぶことなった。

 周りを囲むゴブリンの兵士。ライフはわずかだが…。

「邪魔だどけ」

 負ける気もしなければ死ぬこともないだろう。

 

 1分後。ゴブリンたちの亡骸も1つ残らず消えた。

 最後に立っているのは俺だけだ。

「スラル。生き残れよ」

 そこにいない彼女のことを想いながら言った。

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