ソードアート・オンライン『疾風の狂戦士』   作:神滅

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生きた者

 44階層の平原の町に俺たちは移動した。観客は軍の全員だ。

「ここがいいだろ」

 そういって大将は足を止めた。周りには家もなく、障害となるような岩も何もない。ただの平原。

「いいのか。俺と戦うのに障害物がなくてよ」

「2対1だ。お前の不利な条件を増やす必要もないだろう」

「後悔するなよ」

 そういって、剣を抜く。

 俺の抜いた剣は、いつも使っている物ではない。店長が作り出した剣ではなく。43階層で倒したボスの戦利品。

 氷の牙でできた氷の剣。切れ味がいいが、脆いそんな剣だ。

「さぁ、新入りの力を見せてもらう」

 片手剣を両手で持つ。

「氷の剣?なんだそれ…」

 フークスが問う。勘の良い大将が思いつく。1つの推論。

「43のボスか…」

 周りに電撃が走ったかのように反応する。ざわつく。

「さぁな。さぁ、殺ろうぜ。ライフが半分か大技が決まるその瞬間まで」

 決闘を二人同時に申し込む。これが数対1の決闘のしかたである。公式で書かれていた。

 二人が承諾し、カウントダウンが始まる。それが終わった瞬間が戦闘の始まり。

「さぁ、俺の飢えを充たしてくれるのか?」

 そういった時にカウントがおわり『DUEL』とシステムが告げる。

 一番に駆け出したのは俺だ。一歩踏み出しただけで二人に剣が届く場所に行く。

 そのまま横に一閃、二人に向けて振る。

 それをフークスの刀が受け止め、隣の大将の槍が俺に向かってくる。

 槍を左手の拳で殴り、あたる寸前に弾く。弾いた後にフークスを蹴り、後ろに飛ぶ。

「お前は速い。でも、力がない上にお前の全力を出すことができない」

 大将が言う。

「お前の強さは限界ぎりぎりのライフでのバーサークを発動させる事だろ。だが、この戦いではバーサークを発動することができない。お前に勝機はない!」

 悪役のように言う。

「あぁ、そうだな。俺は力のない剣士。だが、俺は俺のために剣を握る!」

 上段の構えで突撃する。

「甘い!」

 フークスが俺の剣を弾き飛ばす。俺の剣は空高く舞い上がる。

「終わりだ。疾風!」

 大将の槍が煌く。剣技を使った攻撃。すばやい3連突き。

 その瞬間から世界が変わった。俺の集中力をフルに使った時間。すべての映像が遅く見えた。スキルで聞こえる周りの音が消え去り、槍が動いたときの風の音だけがはっきりと聞こえる。

 まず、最初の突きを紙一重であたらない様に避ける。次の攻撃を右に飛ぶ、そのときに左足を掠った。最後の攻撃については何もしない。槍が纏う風の音が俺の顔の右側を通過する。

「な!?」

「悪いがお前たちの勝利は死んだ」

 アイテムウィンドから店長が渡した剣を取り出し。右足だけで飛び、大将の左胸の心臓に向かって剣を突き刺す。

「がぁぁ!」

 叫ぶ。それと同時に背中から風の音を聞こえた。ライフがまだまだ残っている大将の槍を掴みこちらに向かって引きながらそれとは別で大将の横を通り抜ける。

 後ろから切り裂こうとしたフークスの刀が大将を切り裂いた。

「1人」

「何!?」

 大将のライフが半分を切り敗北。

 これで俺とフークスの一騎討ちになった。

「チャンスを逃すな!フークス!」

 大将は俺の武器を掴んだまま離さない。

「はぁぁ」

 剣技を発動した高速の5連撃。それを大きくジャンプして避ける。

「言ったはずだ。お前たちの勝利は死んだ!」

 空中に弾き飛ばされた剣をキャッチしてフークスに向けて振り下ろす。

「甘いわ!」

 それを刀で受け止め左に受け流す。そのまま刀が俺に向かって突かれる。

 刀を持った手をそのままに掴んだとこを軸に回転する。そのまま片手でフークスにむけて振る。

 フークスは軽くジャンプをして俺の剣を踏む。脆い氷の剣は折れた。

 相手の刀の一閃を柄だけになった剣で受け止める。直に当たるよりはダメージを抑えれたがかなりのダメージだ。

「動き変わりすぎだろ」

「1人の方がやりやすいだろ?」

 笑いながら言った。それに対して苦笑しながら「違いないな」といっておく。

 アイテムウィンドから新たな剣を取り出し構える。

「さぁ、勝利を生き返らせようか」

「いや、無理だ。死んだら生き返らない」

 そうつぶやいた瞬間に俺はフークスの横にまで移動していた。

 《リニアー・スラッシュ》

 そのまま横の一閃、フークスは突然のことに行動が取れない。

「なぁ!?」

「俺もさっきまでのがトップスピードじゃないんだ」

 相手のライフがもう少しで半分というとこまで来ている。

「これでも食らえ!」

 最後の刀の攻撃。まっすぐに俺を突き刺すものだったのだろうが

「終わってるんだよ」

 横に切った勢いを殺さずに回転をしてもう一撃を食らわせていた。

「生きたのは俺の勝利だ」

 

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