魔法少女リリカルなのはStrikerS~機動六課と妖精の尻尾~   作:ZEROⅡ

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星と雷と妖精

 

 

 

 

 

 

機動六課が本格始動して、初めての一級警戒態勢。

 

ナツ達はヘリに乗り込み、現場へと向かって行った。

 

 

「新デバイスでぶっつけ本番になっちゃったけど、練習通りで大丈夫だからね」

 

 

「はい」

 

 

「がんばります」

 

 

「エリオとキャロ、それにフリードもしっかりですよ!」

 

 

「「はい!」」

 

 

「キュー!」

 

 

「危ない時は私やフェイト隊長、リィンがちゃんとフォローするから、おっかなびっくりじゃなくて、思いっきりやってみよう」

 

 

「「「「はい!!」」」」

 

 

「ナツ君とハッピーも大丈……夫?」

 

 

ふと、ナツとハッピーの方に顔を向けたなのはは言葉を詰まらせた。何故なら……

 

 

「うぷ……ま、まさかヘリってヤツが乗り物だったとは……おぷ…」

 

 

「ナツーしっかりー」

 

 

苦しそうな表情で座席に倒れるナツとそれを励ますハッピーの姿があった。

 

 

「ちょ、ちょっとナツ君! どうしたの!?大丈夫!?」

 

 

「む…無理……」

 

 

「ナツは乗り物に極端に弱いんだ」

 

 

「ってことは……乗り物酔い!?」

 

 

「あい。いつもの事なのです」

 

 

ナツの意外な弱点に驚愕するなのは達。

 

 

「そ、そう。とりあえずナツ君にはコレを渡しておくね」

 

 

そう言うと、なのははナツの片耳にマイク付きのイヤホンのようなものを着けてあげた。

 

 

「な…なんだこれ?」

 

 

「通信機だよ。これでロングアーチの人からの指示が送られるから、それに従ってね」

 

 

なのはがナツに説明していると、通信が入った。

 

 

『ガジェット反応! 空から!!』

 

 

『航空型、現地観測隊を補足!』

 

 

空間モニターに映し出されたのは、空から現場へ迫ってきている大量のガジェットの姿だった。すると、ここでフェイトから通信が入る。

 

 

『こちらフェイト、グリフィス。こちらは現在パーキングの到着。車を止めて現場に向かうから、飛行許可をお願い……』

 

 

『了解、市街地都市飛行。承認します』

 

 

それを聞いたなのはも行動を開始する。

 

 

「ヴァイス君、私も出るよ。フェイト隊長と二人で空を押さえる!!」

 

 

「ウッス、なのはさんお願いします!!」

 

 

ヴァイスはヘリの後部のハッチを開いた。

 

 

「じゃ、ちょっと出てくるけど、みんなも頑張ってズバッとやっつけちゃおう」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

四人の返事を聞くと、なのはは開かれたハッチから飛び出し、バリアジャケットを身に纏い、ガジェットのもとへと飛んで行った。

 

それを見送ったリィンが四人に任務の説明を始める。

 

 

「任務は2つ、ガジェットを逃走させずに全機破壊すること。そしてレリックを安全に確保すること」

 

 

空間モニターを表示し、確保対象であるレリックのある重要貨物室を映し出す

 

 

「スターズ分隊、ライトニング分隊で、ガジェットを破壊しながら、車両前後から中央に向かうです。レリックはここ。7両目の重要貨物室。スターズかライトニングのどちらか先に付いた方が、レリックを確保するですよ」

 

 

「オイラとナツはどうすればいいの?」

 

 

乗り物酔いをしているナツに変わってハッピーが質問する。

 

 

「ナツさんとハッピーはリニアの周囲にいるガジェットを、とにかく片っ端から破壊してくださいです」

 

 

「凄いわかりやすいね」

 

 

「壊すのは得意だ! 任せ…うぷ……」

 

 

意気込むナツだが、やはり乗り物には弱い。

 

 

「で……私も現場に降りて、管制を担当するです」

 

 

リィンも服装を変え、準備をする。すると、ヴァイスから連絡が入る。

 

 

『さぁて新人ども。隊長さんたちが空を抑えてくれてるおかげで、安全無事に降下ポイントに到着だ。準備は良いか!?』

 

 

「「はい!」」

 

 

開いたハッチの近くに立っているスバルとティアナが返事をする。

 

 

「スターズ3、スバル・ナカジマ」

 

 

「スターズ4、ティアナ・ランスター」

 

 

「「行きます!!」」

 

 

そう言うと二人は勢いよくハッチから飛び降り、新デバイス、『マッハキャリバー』と『クロスミラージュ』をセットアップし、バリアジャケットを装着して降下して行った。

 

 

『次、ライトニング!チビ共、気ぃつけてな!』

 

 

「「はい!」」

 

 

スバルとティアナが降下したことで今度はライトニングであるエリオとキャロの番。すると、キャロが不安そうな顔をしていることに気がついたエリオは、キャロに手を差し伸べる。

 

 

「一緒に降りようか?」

 

 

「え?………うん!」

 

 

そんなエリオの言葉にキャロは少し戸惑うが、エリオの真っ直ぐな目を見ると、すぐにその手を取った。

 

 

「ライトニング3、エリオ・モンディアル!」

 

 

「ライトニング4、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ!」

 

 

「キュルー」

 

 

「「行きます!!」」

 

 

手をつないで降下するエリオとキャロ、そしてフリード。二人も新しくなったデバイス、『ストラーダ』と『ケリュケイオン』をセットアップし、バリアジャケットを装着して降下していく。

 

 

『おらナツ! いつまでも腑抜けてねぇで、さっさと行って来い!』

 

 

「う、うるせぇ……言われなくてもわかって…おぷ……」

 

 

「仕方ないね」

 

 

そう言うとハッピーは自分の背中に翼を生やし、ナツの服を掴んだ。

 

 

「行くよナツ!」

 

 

「おう! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士、ナツ・ドラグニルとハッピー! 行くぞぉ!!」

 

 

「あいさー!!」

 

 

そう言って、ナツとハッピーはハッチから飛び出し、他のみんながいるリニアレールへと向かった。

 

 

そしてしばらくすると、ナツもリニアレール後部に到着する。と言っても、乗り物に弱いナツがリニアレールの上に立つと大変なことになるので、リニアレールと並走するように空中を滑空することになる。

 

 

「あれ? ねぇ、このジャケットって……」

 

 

「もしかして……」

 

 

「デザインと性能は、各分隊の隊長さんたちのを参考にしてるですよちょっと少し癖はありますが、高性能です」

 

 

四人は自分のバリアジャケットを見て驚いている。そんな四人に、いつの間にかナツの頭にしがみ付いていたリィンが答える。

 

 

「うわぁ……」

 

 

四人の中で特にスバルは憧れであるなのはとお揃いなので、感激している。

 

 

「っ、スバル! 感激はあと!」

 

 

ティアナがそう言った瞬間、数体のガジェットが屋根を突き破ってきた。

 

それを見たティアナはすぐにクロスミラージュを構え……

 

 

「シュート!!」

 

 

魔力弾を放ち、ガジェットを破壊した。

 

 

「オレたちも行くぞハッピー!」

 

 

「あいさー!」

 

 

そう言うと、ナツとハッピーはガジェットの大群に向かって飛んで行き…

 

 

「喰らえ! 火竜の鉄拳!!」

 

 

炎を纏った拳を叩き込み、一体のガジェットを破壊する。

 

 

「まだまだぁ!!」

 

 

当然それだけでナツは止まらず、さらに拳を振り回し、ガジェットを次々と破壊していく。

 

 

「今回は壊す仕事か。楽でいいなハッピー」

 

 

「あい。ナツはそう言うの得意だからね」

 

 

「へへ……行くぞぉお!!」

 

 

ナツは雄叫びを上げながら、さらにガジェットを破壊し始める。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

同時刻・機動六課のロングアーチでは……

 

 

 

『スターズF、4両目で合流。ライトニングF、10両目で戦闘中』

 

 

「スターズ1、ライトニング1、制空権獲得!」

 

 

「ガジェットⅡ型、散開開始!追撃サポートに入ります」

 

 

 

リインとの通信を開きながら状況をグリフィスへと報告していく通信士メンバー。すると、ちょうどそこへ聖王教会から戻ってきたはやてが走って入ってきた。

 

 

 

「ごめんな、お待たせ」

 

 

「八神部隊長」

 

 

「おかえりなさい」

 

 

「ここまでは比較的順調です」

 

 

「うん」

 

 

そう聞いたはやては少々安心したように椅子に座る。

 

 

「ライトニングF、8両目突入……!」

 

 

と、シャーリーがそこまで言うと、彼女は何かに気がついた。

 

 

「エンカウント、新型です!!」

 

 

そう言うと、モニターには新型のガジェットが映し出される。しかし、シャーリーが気がついたのはコレだけではなかった。

 

 

「大変です! 数名のアンノウンがリニアに接近中! 魔力ランクは……オ、オーバーSランクです!!」

 

 

『っ!!?』

 

 

この言葉にロングアーチ全員に衝撃が走ったのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は戻り、リニアレール上空。

 

 

「うらぁぁぁあ!!」

 

 

相変わらずガジェットを破壊していくナツ。だがその顔には疲労の色が見えていた。

 

 

「ハァ、ハァ……こいつら次から次へと……!」

 

 

「あい。キリがないね」

 

 

ナツとハッピーは毒づくが、そんなのはお構い無しにガジェットが襲い掛かってくる。

 

 

「コンチクショー! 喰らえ! 火竜の……」

 

 

ナツは大きく息を吸い込み……

 

 

「咆哮!!」

 

 

灼熱の炎を噴き出し、ガジェットを破壊していく。だが、それでもガジェットの数は一向に減らない。

 

 

「ハァ、ハァ……くそ!」

 

 

「ナツ……この状況で凄く言い難いんだけど…」

 

 

「なんだ!?」

 

 

「変身解けた」

 

 

そう言うと同時にハッピーの背中から翼が消滅する。

 

 

「え…えぇぇぇぇえ!!?」

 

 

そうなるとナツは必然的にリニアの上に落下する。そうなってしまうと……

 

 

「うぷ……おぉ……」

 

 

乗り物に弱いナツはこうなってしまうのである。

 

それを知ってか知らずか、数体のガジェットがナツを取り囲み始める。

 

 

「く、くそ……おぷぅ」

 

 

ナツは何とか立ち上がろうとするが、乗り物酔いで身体が言うことを聞かない。それでもガジェット達は容赦せず、ナツに向かって熱線を放とうとしている。

 

 

「くそ…くそぉぉぉぉおおお!!!」

 

 

「ナツーーーー!!!!」

 

 

ナツとハッピーの叫びが木霊する。

 

 

その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷欠泉(アイスゲイザー)!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「っ!!?」」

 

 

どこからか声が響き渡り、次の瞬間には全てのガジェットが凍り付いていた。

 

 

「この魔法は……」

 

 

「も、もしかして……!」

 

 

ナツとハッピーが驚愕していると、リニアの上にいくつかのが着地音が響いた。そこには……

 

 

「ったく…やっと見つけたと思ったら、情けねー姿だな……ナツ」

 

 

上半身が裸の黒髪の青年と…

 

 

「ナツさん! 大丈夫ですか!?」

 

 

長い黒髪をなびかせた小さな少女と…

 

 

「だらしないわね、ハッピー」

 

 

羽を生やした白いネコがいた。

 

そしてナツとハッピーはその三人に見覚えがあった。

 

 

「ぐ、グレイ!? ウェンディ!?」

 

 

「シャルル!?」

 

 

そう。この三人はナツと同じ妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士、『グレイ・フルバスター』と『ウェンディ・マーベル』そして『シャルル』であった。

 

 

「お、お前らどうし…うぷっ」

 

 

「話はあとだ。とりあえずウェンディ、ナツの乗り物酔いを治してやれ」

 

 

「はい!」

 

 

グレイの言葉に頷くと、ウェンディはナツの側に駆け寄り、手に淡い光を集める。

 

 

「トロイア」

 

 

そしてナツにその光を流し込む。すると……

 

 

「お? おお! 治ったーー!!」

 

 

先ほどまでの乗り物酔いが嘘のように元気になった。

 

『トロイア』とは、ウェンディが得意とする治癒魔法の一つで、対象者のバランス感覚を養わせる魔法である。

 

 

「さて、治ったところでナツ。ここは一体どこだ?」

 

 

「あぁ、ここは……」

 

 

と、ナツが言いかけたその時、ナツの耳についている通信機に通信が入った。

 

 

『ナツ君! 聞こえるか!? はやてや!』

 

 

「はやて? どうした?」

 

 

『どうしたやないよ! ナツ君がアンノウンと接触したから心配になって連絡したんやないか!』

 

 

「アンノウン?」

 

 

はやての言うアンノウンがグレイ達のことだと理解したナツは笑みを浮かべる。

 

 

「心配すんな。こいつらはオレと同じ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士だ!」

 

 

『えぇ!? 妖精の尻尾(フェアリーテイル)!? 一体どういう……って、それどころやあらへん! スバルとティアナのところに新型のガジェットが現れて苦戦しとるんや! ナツ君、フォローに向かってあげて!』

 

 

「なにぃ!? わかった!! エリオとキャロの方は!?」

 

 

『それは心配あらへんよ。だって……』

 

 

はやてがそう言うと同時に……

 

 

「な、なんだアレは!!?」

 

 

「ど、ドラゴン!!?」

 

 

グレイとウェンディの驚愕の声が響く。見てみるとそこには…

 

 

「グオォォォォォォォォォオオ!!」

 

 

白銀の翼をもつ巨大なドラゴンの姿があった。そしてナツはそのドラゴンに見覚えがあった。

 

 

「アレは…まさか!?」

 

 

『せや! キャロの竜召喚…フリードの本当の姿や!』

 

 

そう…そのドラゴンはキャロの竜召喚により覚醒したフリードリヒの本当の姿だった。

 

 

『せやからもうエリオとキャロの方は心配いらん! だから、スバルとティアナの方を!』

 

 

「わかった!!」

 

 

ナツはそう言うと、通信を切る。

 

 

「行くぞハッピー!」

 

 

「あいさー!」

 

 

そしてハッピーと共にスバルとティアナのもとへ向かおうとするが、グレイ達に止められる。

 

 

「待てナツ! どういうことだ!?」

 

 

「ちゃんと説明しなさいよ!」

 

 

グレイとシャルルは抗議の言葉を言うが、ナツは聞く耳持たない。

 

 

「そんなヒマはねぇ! オレの仲間が危ねぇんだよ!!」

 

 

ナツのその言葉を聞いた三人は目を見開く。そして、諦めたように息を吐く。

 

 

「しょうがねぇ…そういう事なら話は別だ」

 

 

「私も手伝います!」

 

 

「あとでちゃんと説明しなさいよ!!」

 

 

そう言うと、三人はナツのあとに続いた。

 

 

「ってかグレイ、服は?」

 

 

「おわっ!? いつの間に!?」

 

 

「最初からだったよ」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その頃スバルとティアナは、はやての報告通り、新型のガジェットに苦戦していた。

 

 

「どうしよう、ティア?」

 

 

「どうもこうも、援軍が来るまで持ちこたえるしかないでしょ!」

 

 

そう言うティアナだが、状況は最悪だった。二人とも先ほどまでのガジェットとの連戦でボロボロになっており、体力も魔力も尽きかけている。さらに新型ガジェットが発する広範囲のAMFフィールドの中にいるため、魔法も使えない状態だった。

 

 

「(くっ……とは言ったもの…どうすれば…!)」

 

 

ティアナは頭をフル回転させてどうやってこの状況を打破するか考え始める。だが彼女は気付かなかった。

 

足元にガジェットのコードのような触手があることに……

 

 

「っ!? しまっ…!!」

 

 

気付いた時には既に遅く、そのままコードはティアナを拘束した。

 

 

「ティア!? 今助け……っ!?」

 

 

そんなティアナを助けようとしたスバルも一瞬の隙をつかれ、コードに捕まってしまった。

 

 

「くっ……!」

 

 

ティアナは何とか抜け出そうとするが、コードはビクともしない。すると、ガジェットがティアナに向かって熱線を放とうとする。

 

 

「ティアーー!!」

 

 

「っ……」

 

 

スバルの叫びが響き、ティアナが覚悟して目を閉じたその時…

 

 

 

「アイスメイク…〝(シールド)〟」

 

 

 

ティアナの前に氷の盾が出現し、ティアナを守ったのだ。

 

 

「「っ!?」」

 

 

突然の出来事に二人が驚愕していると…

 

 

「火竜の…砕牙(さいが)!!」

 

 

聞きなれた声が響くと、二人のコードは切り裂かれ、解放される。

 

 

「よぉ、大丈夫か?」

 

 

見ると、そこにはナツとグレイが立っていた。

 

 

「な、ナツ!」

 

 

「と…誰?」

 

 

グレイと面識のない二人が首を傾げると、ナツが説明する。

 

 

「話はあとだ。ここはオレたちに任せろ!」

 

 

そう言って、ナツとグレイはガジェットと対立する。

 

 

「何だよナツ、仲間ってあの女たちか? お前もスミに置けねぇなぁ」

 

 

すると、グレイがからかうような口調でナツに言う。

 

 

「くだらねーこと言ってんじゃねぇよバーカ」

 

 

「あ? 何だとクソ炎」

 

 

「あぁ!? やんのかタレ目野郎!!」

 

 

「上等じゃねぇかツリ目野郎!!」

 

 

何と二人はそのままヤンキーのように睨み合いを始めた。

 

 

「ちょっと! あの二人なんで喧嘩してんの!?」

 

 

「あい。いつものことなのです」

 

 

「本当、懲りないわね」

 

 

「あれ!? ハッピーがもう一匹!?」

 

 

「ちょっと! 一緒にしないでよ!」

 

 

突然現れたハッピーとシャルルに驚くスバルとそんなスバルに怒鳴るシャルル。

 

 

「あの、大丈夫ですか!?」

 

 

そこへ、ウェンディが駆け寄る。

 

 

「えっと…君は?」

 

 

ティアナに尋ねられたウェンディは慌てて自己紹介をする。

 

 

「あ、初めまして! ウェンディと言います。ナツさんと同じ妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士です」

 

 

そう言ってウェンディは右肩に入れた紋章を見せる。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の……?」

 

 

「はい。とりあえず、お二人の治療を始めますね」

 

 

そう言うとウェンディはティアナとスバルの傷を治癒魔法で癒していく。

 

 

「うわぁ……」

 

 

「凄い…!シャマル先生と同等……ううん、それ以上の治癒魔法……!」

 

 

スバルとティアナは自分達の傷が瞬く間に治っていくのを見て驚愕する。

 

 

「……そうだ! ナツは!?」

 

 

スバルは思い出したようにナツとグレイが居る方を見る。そこには……

 

 

「だいたいテメェはいきなり消えたと思ったら、なにをこんな厄介事に巻き込まれてんだ!?」

 

 

「うるせぇ! 文句があんなら服着てから言えや!!」

 

 

殴り合いの喧嘩をしている二人の姿があった。

 

 

「ま、まだ喧嘩してる……」

 

 

「あのバカ……!」

 

 

そんな二人にスバルとティアナが呆れ返っていると、痺れを切らした新型ガジェットがナツとグレイに向かってコード型の触手を伸ばした。

 

 

「あぁっ!!」

 

 

「二人とも! 危ない!!」

 

 

それを見たスバルとティアナはナツとグレイに向かって叫ぶ。

 

 

「「あぁ?」」

 

 

そんな二人の心配を他所に、ナツとグレイは新型ガジェットをギロリと睨むと……

 

 

 

「「邪魔だぁあ!!!」」

 

 

 

ナツの炎の刃と、グレイの氷の刃が新型ガジェットを切り裂き、×印に切り裂かれたガジェットは爆発を起こして破壊されたのだった。

 

 

「い、一撃!?」

 

 

「す、凄い! 凄いよナツ!!」

 

 

と、スバルはナツに駆け寄ろうとするが……

 

 

「くたばれグレーイ!!」

 

 

「潰すぞナツー!!」

 

 

尚も喧嘩しているナツとグレイを見て、その足を止めた。

 

 

「……もうあの二人はほっといて、レリックの回収に向かうわよ」

 

 

「……そうだね」

 

 

二人は諦めたように溜め息をつく。

 

 

「ウェンディだっけ? 貴女も行きましょう。他のメンバーにも紹介したいし」

 

 

「あ、はい!」

 

 

「オイラたちも行こう、シャルル」

 

 

「そうね」

 

 

こうして一同は、喧嘩しているナツとグレイを放って行き、レリックの回収へと向かった。

 

 

 

 

 

因みにこの二人の喧嘩は、事件が解決してから駆けつけたなのはに止められるまで続いたのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ミッドチルダにあるどこかの研究所。そこでは大型モニターを映し出された機動六課のレリック回収作業を見つめる白衣を着た男がいた。

 

 

『刻印ナンバーⅨ、護送態勢に入りました』

 

 

「ふぅん…」

 

 

『追撃戦力を送りますか?』

 

 

「止めておこう。レリックは惜しいが彼女たちのデータが取れただけでも十分さ。それにしても、この案件はやはり素晴らしい。私の研究にとって興味深い素材がそろっている上に…」

 

 

男性の目の前のモニターに映し出されるのは、なのは、スバル、キャロの3人とガジェットが送ってきた映像でフェイト、エリオの二人が映し出される。

 

 

「ふっ、この子たち、生きて動いているプロジェクトFの残滓を手に入れるチャンスがあるのだからね。しかし……」

 

 

次にモニターに映し出されたのは、新型ガジェットを一撃で破壊したナツとグレイの姿だった。

 

 

「この二人は一体何者だ? 見たところデバイスらしきものは一切使っていないにも関わらず、この威力の魔法を使うとは……もしかしたら、プロジェクトFの残滓よりも、貴重なサンプルになるかも知れないな」

 

 

男性がそう言うと同時にモニターに通信が入り、片目に眼帯をした少女が映し出される。

 

 

『ドクター』

 

 

「ん? どうしたんだい、チンク?」

 

 

『研究所の近くで妙な黒髪の男と黒猫が倒れているのを発見したのですが、いかがいたしましょう?』

 

 

「ふむ。面白そうだ、連れてきなさい」

 

 

『了解』

 

 

男性がそう言うと通信が切れる。

 

 

「ふっふっふっふっ……」

 

 

その後、男性の不気味な笑い声が研究所に響いたのだった。

 

 

 

 

 

つづく

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