アイテム使いの神殺し   作:アルリラ

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プロローグ2

 小学校も、卒業し二度目中学校も終わりが近づいてきた。

 この3年間は良い事もあり大変な事があった。

 護堂は当然の如く野球に入った。自分は護堂からかなり誘われたがボランティア部に所属することにした。

ボランティア部とはその名の通り、様々なボランティア活動をする部活である。校内クリーン作戦なるものを始動させたり、川のゴミ拾いをしたり、敬老会の司会まで。ボランティアに関連するものをしたりする部活だ。活動日が基本的に平日だけなので休日は家でゴロゴロしたり外出も気楽に出来る部活でもある。

 

 休日では家でゴロゴロしたりする他に護堂の野球の試合を見に行く事が楽しみだった。

 

 護堂の野球は見てると楽しい。強肩と長打力のある捕手だったがそれ以上に司令塔としての能力高かった。相手のピッチャーの癖や性格を観察、そこからどのように相手に勝つのかを考えて勝利していく。そのような戦い方で勝っていきシニアリーグの日本代表候補に選ばれたりした時はそれはもう喜んだものだ。

 しかし、今から数ヶ月前相手の送球が肩に当たり右肩を故障、そして野球を引退してしまった。その時期の護堂は見ていられなかった。

 無理な笑顔でずっと心配しないでと言わんばかりに振舞っていて、我慢しきれず護堂と大喧嘩してしまった。

 なんやかんやで決着したが、秘密その二、特典が護堂にバレてしまった。

 まあ知られたからと言っても何も変わらなかったが。

 

 後は、護堂のモテっぷりについてだ。

 鈍感系主人公というのは傍から見ててとてもムカつく物だ。

 なにせどうあがいても他人の思い主人公には伝わらないのだから。

 護堂はそれを見事に再現して見せてくれた。

 ある日のこと自分と話しているときに唐突に護堂に向かって

 

「好きです!付き合ってください!」

 

 と、同級のクラスメイトが言ったが

 

「お、よかったな奈落。お前にも春が来たぞ、俺は此処にいちゃあ邪魔だな。じゃあな!」

 

 と、颯爽と何処かへ向かった。

 取り残された自分とクラスメイト。

 彼女はこの展開は予想してなかったらしく泣き出してしまった。まさか精神年齢は高いとはいえ中学のクラスメイトを宥める羽目になるとは。

 そのあとは迷わず護堂を殴り飛ばした事は言うまでもない。

 

 そんな様々なイベントが目白押しの中学校は終わり今日は卒業式。

 今は式も終わり、先生の最後の挨拶になっている。

 

「これからお前達は最後の挨拶をして中学生活が終わる、そして高校生活の一歩を踏み出すのだァ!」

 

 最後という事もあるのか担任のテンションが高い。前世の記憶では大体の担任はボロ泣きだったんだが。

 

「お前達の担任をして良かった…足立、お前は何時も眠っていて常私は羨ましいと思っていた。高校でもそれを生かしていけ!」

 

 居眠りをどうやって生かせと言うのだろう、内申点を下げるのに使っていけと言うんじゃないだろうか。

 そんなこんなで出席番号順に、担任が一人ひとりに送る言葉を始めた。

 護堂には

 

「護堂、お前は誰かと簡単に仲良くなるという素晴らしい才能がある。その才能を発展させて行き、何か、例えばハーレムのようなものを作ってみせろ!」

 

 一斉に女子から冷たい視線が突き刺さっていたのは言うまでもないだろう。

 護堂は頭を抱えて、「爺ちゃんみたいにはなりたくないない」と呟いている。ストレートな意思を伝える奴が現れたら一気にハーレムルートへの道を辿りそうな護堂である。

 草薙家の人間はそれぞれ凄まじい逸話を持っている。しかしその中でも一線を画すのは草薙一郎、護堂の祖父である。

 あの人の逸話は凄まじい。若い頃は遊び人で護堂と同じ位の年では年上の女性の家で生活していたり、今でもご近所の婦人様方からは大人気であるレベルの女たらしだ。

 先日も買い物で一緒になり話ながら帰宅していた時に

「あ、貴方は」

「おや君は…あの時の」

 昔はさぞかし美人だったであろう御婦人と創作の世界でしか見ないような事をやっていた。

 

 そんな草薙一郎を越える存在と言われている護堂、その言われが悩みの種らしい。もう片鱗は出始めてるから諦めろと言ってやりたい。

 

 で、自分は

 

「奈落、お前かぁ…まぁ、頑張れ!」

 

「なんでや!何か他に言う事あるでしょう!?」

 

 サムズアップと共に励ましの言葉が送られた。

 ちなみに中学校での評価は小学校から進化し、

『大人染みた何か』になった。

 授業中は至って真面目で成績もよく、休み時間や昼休み、放課後で騒いでいるその様子が仕事では真面目で働き終わったあとは飲み会で騒ぐ社会人とそっくりな事からこんな評価を貰った。なんでや

 

 まぁそんなこともありながらも

 

「じゃあな!お前達の事、俺は忘れない!」

 

「起立!気をつけ!礼!」

 

『ありがとございました!』

 

 こうして中学校生活は終わりを告げた。

 

 

 ●

 

 最後の中学校も終わり帰り道、両親と護堂母は車に乗って颯爽と何処かへ行ってしまっている。さり際の会話から真昼間から飲むんだそうで。大人は狡い。前世と合わせて精神年齢はそれなりに行ってしまっているがそれでもそう思ってしまう今日この頃である。

 

「奈落、今年はどうする?静花が今度は蟹食べに行こうとか言ってるけども」

 

 護堂が聞いてくる、毎年自分達は長期休みの時に草薙家ギャンブルで護堂と共に稼いだ資金を使い様々な所へ旅行に行ってる。去年は冬休みの時にスキーをしに長崎のスキー場へ泊まり込みで向かった。共に来ていた、一郎さんと静花ちゃんは手慣れたようにスラスラ滑っていて明日香っちは足の向きを逆八の字にしてでしか滑れなくてよく雪山に突っ込んで行っていた。

 自分と護堂は滑れるようになるやいなやスピード勝負で競い合って記憶しかない。

 本来なら護堂の妹、静花ちゃんと我らがツンデレ幼馴染み明日香っちと一緒に四人で遠出する気ではあったが予定がある。

 

「すまん護堂、卒業旅行でイギリスに行ってくる」

 

 なんと珍しく仕事がちな両親が休みをとり海外のイギリスに行こうと言う話になっている。

 場所はブリタニア、今でいうイギリスである。1週間かけてイギリス全土を回るらしい。

 あまりない海外旅行なのでとても楽しみだ。

 

「そうか…なら俺は家でゴロゴロしとくかな。静花と明日香と一緒に素材集めたり、デッキ構築したりでもするさ」

 

 護堂には最近の趣味にゲームとカードゲームがある。

 ゲームは自分が某狩りゲーにハマっている時に護堂が興味を持ちやり始めたのが切っ掛けである。

 四人プレイがやりたくて静花ちゃんや明日香に布教、その結果四人で出来るようになったので儲けものでもあった。

 先日に発売された続編を最近四人でやり始めたので自分がイギリス旅行に行ってる間に武器や防具等装備に差をつけられるのは正直悔しい。

 カードゲームは今年の草薙家ギャンブルのときに草薙家親戚一同+自分で賭けカードゲーム大会をやってから護堂が魅力にとりつかれ日々決闘者としての道を歩んでいる。

 デッキは我らが兄貴が使う【E・HERO】である。まだやり始めと言うことも有るので、そこまでギミックが回るデッキではない。が、主人公ばりのドローをピンチになるとしでかして来るので初心者などと油断が出来ない。

 これでまだ成長途中なので後々が怖くもあり楽しみでもある。

 

 そういうものもあり日々腕を上げる護堂と対戦出来ないことに若干心苦しくもあるが、前世と含めて始めての海外旅行だ、それに両親が自分の為に予定を建てていてくれているのだ。断るなんて事は到底出来ない。

 

「羨ましいが、両親が折角セッティングしておいてくれたんだ。行かない訳にはいかんからな、それにあまりない場所に行くから今から楽しみだよ」

 

「ま、奈落が騒ぎを起こさなくなるのはいい事だ、じっくり羽を伸ばさしてもらうさ」

 

 そう言う護堂はニヤリと笑っている。

 そこはかとなくムカつく。

 

「ま、春休みの話はここまで良いだろ。さっさと家に帰ってモン○ンしようぜ。今日はあの塔の上にふよふよ浮いてる奴狩ろう」

 

「お、いいねぇ。なら粉塵いるな、根性装備でいこぜ」

 

「静花入れて3人で狩るか?」

 

「いや明日香っち入れて四人でやろう、多分家にいるだろうし…あ、ついでに卒業パーティでもしようか」

 

「いいなそれ、じゃあ料理は何か豪勢になるものを作らなきゃな」

 

  卒業したのに何時もと変わらない帰り道、ずっとこのままこの日常が続いていくんだろうと思っていた。

  高校も時たま騒ぎながら勉強して大学行って就職、その後はよくある人生の流れに向かって行く物だと。

 考えても見ればそんなのは有り得ないことだった。

 転生して特典を貰っていた人間が普通の生き方等出来やしないと散々物語で読んだはずだったのに。

 

 前世の記憶にはこんな言葉がある、

 

『異端は異端を引き寄せる』

 

 人と人との引力を示す言葉。

  真面目にどんな世界か調べておけばある程度は防げたかも知れなかったのに、この世界は他のライトノベルと比べてどれだけ可笑しかったのかを知ることが出来たのかも知れなかったのだから。

 

 世界の歴史を繰り返す世界であれば良かったのに。

 

 超人達が命を賭け闘う世界であれば良かったのに。

 

 神様がバカンスに来る世界であれば良かったのに。

 

 もうそんな望みは許されなかった。

 どうあがいても、これからの生活が変わっていくのが確定的で闘争の渦に巻き込まれていくことは必然だった。

 

 

 

 

 春休みの卒業旅行、近頃様々な異常現象が発生していたイギリスで奇しくも護堂と同じ時

 

 

 自分はかくも美しき知恵の神を殺した





ついうっかり遅れながらも投稿、決してイカがインクを塗るゲームをやっていたわけでもないし、艦隊を指揮していた訳でもないです(大嘘)

やっとプロローグ終了、まあ色々端折っていますがこうでもしないとグチャグチャになりそうで。

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