さすがに明日はできないと思います。
同じ道を戻れば元の世界に戻れるかなって思ったけど、そんな甘いことはなかった。
普通によくわからん郊外にでた。さっきまで○○市だったんだけどなぁ。
バイクでこの周辺を回ってわかったことをまとめておこう。
一応、金銭は同じっぽい。どの店も日本円使ってたし、実際に自販機も使える。
少年たちの声からしても同じ日本語だった。決闘者ならコンマイ語だろって?知らんよ。
一つ大きく違うとすれば、至るところに遊戯王関連、こっちではデュエルモンスターズの名前で呼ばれているが、
それを専門とするカードショップがどの通りにも二~三件あったり、ビルの広告も遊戯王のイラストばかりだ。
しかも売ってるカードが異常に偏っている。なんというか、認知されているテーマとかのカードプール自体が狭い感じだ。
EXデッキに入れられるカードは品数も非常に少なく高額なのに対し、《エフェクト・ヴェーラー》や《幽鬼うさぎ》といった低ステでも高性能といったカードは安売りという混沌具合だ。思わず買っちゃったよ。
これはあれか?遊戯王GXとかで見られたステータス主義の影響か?まぁいいけど。安いことはいいことだ。
別にそういった主義とかなくてもパックで出やすいなら下落するとかも考えられるし。
それは置いておくとして、この後どうすればいいかを考えよう。
とりあえず遠征費として15万はもっていた。一応食いつなげるだろうけど、長くは持たない。
カードを売ることも考えていたがあのカードプールだ。それなりの値にはなるだろうが、売値から考察するに流通量が少ないということを考えると、どっかで独占しているか需要が高すぎるのかもしれない。
パック売りもあったが見たことがないパッケージで、入っているカードもよくわからん組み合わせだった。
そうなると売るカードによっては入手経路とか問われる可能性がある。カードの強奪とかの問題の方が多そうだ。
この世界は本当に謎が多い。少数とはいえ融合、シンクロ、エクシーズすべてがそろってることからZEXALまでのアニメ世界じゃないだろう。
今のアニメの世界観ならあり得るといったところだろうか。見てないんだよなぁ。
プロで稼ぐことも無理だったはず、ライセンスがいる設定だったというあいまいな記憶があったし、
路銀を稼ぐための大道芸もできなくはないが厳しいだろう。所詮宴会芸レベルだ。
となると大会で賞金をとるのが手っ取り早い。幸いにしてこの街では遊戯王の大会は非常に多い。いたるところで開催のポスターが並んでた。
アルバイトももちろんするが金が手に入るまでが遅い分心もとないしさ。
だからそれに使うデッキも考えないといけない。もしここがARC-Vの世界だとしたら、ペンデュラムはまずいだろう。
つまりクリフォート、EmEMや魔術師などは使えない。あとは店だけで判断するのもまずいとはいえ、EXデッキを多用すると怪しまれるかもしれない。
かといってエクストラに依存しないデッキをあまり使わないからなぁ。
エクストラギミックを削っても何とかなるデッキは・・・マイフェイバリットであるコアキメイル、撮影用に持ってきたワイト、
あとは帝あたりか?この三つなら何とかなるだろうか。対策とられないようにローテーションで使っていけばいい。
金策は一応目途がついた。次は決闘者にとって必須アイテムである決闘盤だ。
これについては問題ない。家電量販店に1万で売ってた。そこら中に無線が飛んでいるらしく携帯端末としての利用でもキャリア契約料とかがいらないらしい。
最も安い決闘盤だが、機能不足ならそこらのジャンク屋で改造すればいいようだ。せっかくだし設計図を見て学ばせてもらうとしよう。
デッキOK、決闘盤OK、覚悟完了。早速大会を荒らしに行こう。
意気込んだはいいものの・・・肝心の決闘風景が描写できるほどレベルが高くなかった。初心者大会だったのかもしれない。
大会ルールでライフポイント4000の時点で《ワイト・キング》とか火力過多だとは思ったけどさ。
まさかワンショットキルだけで優勝できるとは思わんでしょう。良い子のみんなはセットカードとモンスター効果の確認を怠らないようにね!一撃で消し飛ばされるぞ☆
優勝賞金で所持金が一気に倍の30万になりました。うん、賞金稼ぎいいかもしれんね。
いや長続きしないからバイト探すけどね。一応アパートを借りられる金額までは稼がせてもらおう。
先ほど寄った不動産じゃ月8万程度が相場だったし生活費考えるともうちょっと稼いだ方がよさそうかな。あともうちょっとだけ、ほんのもうちょっとだけ稼がさせてもらおう。
とりあえず今日はカプセルホテルに泊まった。ネカフェでもいいがこっちのが安全だろう。
当然だが目覚めても寝る前にみた天井だった。
二日目、今日は朝と深夜で計二回の大会がある。すでにエントリー済みだ。昨日はひどい大会だったが今度は楽しめるだろうか。油断はしないようにしておこう。
会場では早くも人が集まっていた。かなりの人数がいるが平均年齢は中高生くらいであろうか。めちゃくちゃでかいおっさんっぽいのも混じってるけど。
大会の係員に聞けば大会ルールの説明とトーナメント表をくれた。
初日と同じくライフポイントは4000、あとはマスタールール3と同じで決勝のみライフポイント8000制のシングルだった。
個人的にはこっちの方がなじみ深いが、同じように決勝の使用を聞いていた紫髪の星飾りを付けた少年が驚いていた。アニメ基準ならライフが倍だからか?
決勝進出には4回勝てばいいトーナメントで、全五試合の大会で、決勝の相手は必ず別のブロックの勝者だ。十分に時間はあるし対策はとれるだろう。
あと、デッキは申請さえすれば何個使ってもいいらしい。ただ、申請した時に受付さんが驚いていたので複数デッキを所持する自体が珍しいようだ。
さて一回戦の相手はぽっちゃり体系で漁師っぽい少年の大漁旗鉄平。見た目からは魚族か海デッキを使いそうだ。ダイダロスか海皇あたりを警戒しておこう。
「アンタがワシの相手か。なんや全然強そうに見えんなぁ。こりゃ楽に勝てそうや。アンタ名前は?」
「俺は上杉一二三だ。よろしく大漁旗君。いいデュエルをしよう」
楽に勝てそうと言う割には目にやる気が見える。言葉によるブラフだ。いわゆる心理フェイズというやつ。いいじゃないか。昨日の相手はどうにも動きがよろしくなかったからな。
「参加する皆さま準備はできましたね、では、デュエル開始ィ!」
審判の合図とともに一斉に決闘盤が起動する。
「「デュエル!!」」
「ワシの先攻、手札からフィールド魔法《海》を発動!自分フィールド上にモンスターが存在しない時《ジャンク・フォアード》は特殊召喚できる!でもって《ジャンク・フォアード》をリリースして《伝説のフィッシャーマン》をアドバンス召喚!カードを一枚セットしてターンエンドや!」
大漁旗君が《海》を使ったのは想定の範囲内だが、使うのは意外なモンスター、《伝説のフィッシャーマン》。あっちでも使ったことないカードだ。
ソリッとヴィジョンだとこいつめちゃくちゃイケメンじゃねぇか。すげーな、こんなロマンカード使ってみたいと思うが、俺じゃ《蛮族の狂宴Lv5》くらいしか活用法が思いつかないな。
さて、俺の手札は・・・うわ、これひどいな。手札誘発ないのか。
「たしか《伝説のフィッシャーマン》は《海》があると魔法の効果を受けず、攻撃対象にとられず、一体のみ場合で攻撃しようとするとダイレクトアタックになるって効果であってるか?」
「ふん、アンタ知識だけは一丁前やな。その通りや。このカードを突破は厳しいで!」
「たしかに処理は面倒だがその程度だ。じゃ行くぞ。俺のターン、ドロー。魔法カード《ナイト・ショット》を発動、そのセットカードをチェーンさせずに破壊する」
「セットカードは《ピンポイント・ガード》や。破壊されるで」
「《天帝従騎イデア》を通常召喚、《天帝従騎イデア》の効果で、デッキから《冥帝従騎エイドス》を特殊召喚。《冥帝従騎エイドス》の特殊召喚成功時の効果でこのターンアドバンス召喚の権利を追加する。
二体をリリースして《怨邪帝ガイウス》をアドバンス召喚。効果でフィールドのカードを一枚除外する。アドバンス召喚に闇属性をリリースしたため二枚選択することができる。
よって《海》と《伝説のフィッシャーマン》を除外して1000ダメージを与える」
大漁旗LP4000→3000
「じゃバトルフェイズ。《怨邪帝ガイウス》でダイレクトアタック」
「させんわ!手札から《バトル・フェーダー》を特殊召喚してバトルフェイズを強制終了や!」
「通さないか、じゃあメイン2に移行して、カードを一枚セットする。さてそっちの手札は使い切ってフィールドにはフェーダーが一枚のみ。どう返してくるかな?ターンエンド」
「ワシかて決闘者や!燃えてきたでぇ!ドロー!《バトル・フェーダー》をリリース、モンスターをアドバンスセットしてターンエンドや!」
ほう、まだ闘志が尽きていない。まだあきらめていないっぽい。いい精神力だ。感動的だな。
だが、無意味だ。
「メイン終了時にトラップカード発動、永続罠《連撃の帝王》。相手ターンのメインフェイズ、バトルフェイズにアドバンス召喚できる!
《怨邪帝ガイウス》をリリース、手札の《怨邪帝ガイウス》をアドバンス召喚!」
「レベル8モンスターなのに一体のリリースで出せるんか!?しかも相手ターンに!?」
「最上級帝はアドバンス召喚したモンスターならリリース一体でアドバンス召喚できる。
アドバンス召喚した《怨邪帝ガイウス》の効果でセットモンスターを除外して1000ダメージだ」
「くっ、《ネオアクア・マドール》は除外される・・・」
「もう大漁旗君の手札もなく、墓地も《ジャンク・フォアード》だけ。なにもできないな。
俺のターン、ドローしてバトルフェイズに入る。《怨邪帝ガイウス》でダイレクトアタック!」
「ぐあぁぁぁ!」
大漁旗 LP3000→2000→0
怨念をまとう帝の一撃が大漁旗君を弾き飛ばす。ソリットヴィジョンってここまで迫力出せるのか。
でもやっぱ食らった時のリアクションとらないとダメかな。必須っぽいよな。うーむ、考えておこう。
「くっそー負けたぁ!上杉言うたか。アンタ強いなぁ。弱そうとか言ってすまんかったわ。次は負けん!覚えとき!」
完膚なきまでに叩きのめされてまだ折れない。この世界の少年たちは心が強いな。なんというかこちらが申し訳なくなるくらい、うらやましくとてもまぶしい。
あおむけで倒れてる彼に手を差し出して起こしてやり、そのまま握手する。
「ナイスファイトだった、大漁旗君。あの状況で諦めないというのはなかなか難しい。君はいい決闘者だな。またデュエルしよう」
「おう上杉、ワシを倒したんや。絶対優勝せぇよ!」
そういうと彼は会場を去っていった。去り際かっこよすぎんよ。
その後、二回戦三回戦四回戦も帝の制圧力に任せた。早く終わらせて優勝候補がどんなデッキか知っておきたかったからな。
使ってきた帝デッキもエレボスもアイテールも隠したままだ。ほとんど除外帝の動きだけで戦ったし、
現に四回戦では除外対策で《異次元からの埋葬》を使ってきた。まぁ上から殴ってそのまま勝っちゃったんだけどね。
《D・D・R》だったら違ったとは思う。たぶん引けなかっただけだろうけど。
でもなー大漁旗君みたいに相手を激励していく子はいなかった。
握手しようとしたら涙目で逃げられたり、ふざけんなインチキ野郎とか叫んで走り去ったり。
ライフポイントよりも先に精神力が尽きそう。
さて、かなり早く終わらせたし向こうのブロックの見学に行くとしよう。
個人的に大漁旗鉄平というキャラはいいと思ってて、
若干腹黒く流されやすいとしか言われてませんでしたが、
それだけしたたかであると思ってました。
アニメでもミッチ―と一緒に早く復活してもらいたいですね。
あと、主人公の名前は「上杉一二三」となりました。以後よろしくです。