三浦玲二詩集   作:三浦玲二

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かぐや姫だって蹴鞠はしない。

前編。

 

『なよたけワルツ』

 

私はここにいて良いのでしょうか

遠い貴方の隣に座りたく

私はそこにいて良いのでしょうか

近い貴方の隣を離れたく

 

月も満ち欠け廻るように

私の心も行ったり来たり

夢は酸いも甘いも苦ささえ

 

都の景色は綺麗かしら

都の外は汚いのかしら

籠に入れられた鳥は泣くのみぞ

 

苦しかろう?

哀しかろう?

嬉しい訳ない知らない縁談

 

そろそろお月も泣いてる頃ね

今宵は布と舞を披露しようかしら

 

 

 

 

『私以外、私の果てを知らない』

 

最果てはどこにあるだろ?

幼い時分に自分に問うた。

「地平線の彼方を指すのだろ」

遠くを見据えて空に騙る。

 

同じような意味合いを探す。

現実を酷く知った時分の答。

「事切れるその時が己の果てぞ」

地を見つめながら涙を零す。

 

灰色の私は薔薇色の彼らを羨む。

けれど、羨ましいだけである。

私らしくない、だから不用である薔薇など。

「散る花に癒されはしないだろ」

 

夢路の先に、幼い私。

底意地の悪い事柄を伝えよう。

未来など不確定要素の塊だが、目の前の私は。

傷付き、苦しみ、底を歩いて来たきみだと。

 

だが、良い事もあったよな。

鮮血の事柄などは忘れはしないが。

同じよに、青空的な出来事も忘れないものだ。

生きて生きた意味こそ問われはしないが。

 

幸せだと思って逝ける、よに。

そこにたどり着くよに。

そこが、私の最果てだろう。

 

 

○◇□○◇□○◇□○◇□○◇□○◇□○◇□○◇

後編。

 

『咲き乱れんが為』

 

煌びやかな衣装を身に纏い

金色の簪刺して 銀色の帯締める

涙は宴の後に飾りとしよう

今はただ頬紅を灯して笑いましょう

紙片舞うあの輝く場所で

 

 

 

『撃ち抜かれた心臓と』

 

人間に無敵などはなくて

今日も私ら人間は何処かで死ぬ

誰かに知られようと知られまいと

ただ 最期にはありがとうとだけ

かみさんに伝えたいもんだ

 

 

 

 

『魔女の隣で笑う』

 

彼女は毒薬を毒味させる

不味いと走馬灯が走り抜ける

記憶すらも消されるようで

あったはずの走馬灯が灯を消した

 

彼女は布巾を私の額にあてる

脳に響いた冷感は背筋を通り抜ける

行き帰りも悪寒がするようで

繰り返される事が許される

黄泉の渡し賃持って召されよう

 

皺もいつの間にか増えていた

様々な感情を揺れ動いてきた

劇の酔いに醒めずに演じ続ける様に

 

いつかの時を思い出して忘れる

毒を飲んだ時の事だろうか

記憶すらも白い靄の中に吸い込まれ

知らない事が増えていく

私は 誰なのだろうか

隣で笑う彼女は誰なのだろうか

分からずにただ微笑み返した

 

 

 

 

『缶ジュースハイ!』

 

誕生日に与えられたのは夢も

詰まる事ない沢山の空き缶

希望をこれから言って叶う事もない

従兄弟がコークを冷たいと手離す

泡など吹き出る事知らぬ私は

出来るだけ空を飛ぶようにと

筋肉が痙攣をするまで思い切り

息切れを起こしてもなお振った

 

ただ、泡と液が噴き出ただけだった

 

 

 

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余地、無地。

2013〜2015.既存作品。

 

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