三浦玲二詩集 作:三浦玲二
シスターは銃を構える。
0+1=1
【蝉時雨】
しとしと 水滴が落ちる
暑さは変わらない中
蝉は唄う
輪唱は続く 夏の間
鈴虫にバトンを渡すまで
【散策】
歩く 歩く
知ってる知らないを歩く
ここは知っているけれど
このけしきは知らない知った
隣をいつの間にか歩いていた
猫もまたいつの間にかいない
私も私の場所から迷子か消えた
消えた事をあの子は知ってるかしら
いや 知らないでしょう
【紙切れ一枚】
同じ紙切れ一枚
価値が変わる
何も変わるよには思えない
なぜ変わるのだろか
あぁ人が顔や中身で価値が決まるのと
一緒なんだろか
【理由】
なくても良いのかもしれない
でも、欲してしまう
貴方ではなく私の生きる理由
生きてもよいという理由
本当はそんなのはきっと要らない
けれど、貴方に出会う前の私は
不安で迷い道ばかりを歩くから
理由、欲しいの
【戦争】
止めて、争わないで
どうして、傷つけあうの
そんな血みどろ見たくない
必要な戦争なんてないでしょう
だからやめよう?
そんな純真無垢な少女の言葉も
心が疲弊しきった戦場の兵士や
勝つ事が全てと思う指揮官などには
届きはしない
力無きは為すことも出来ず
ただ、悲観するだけよ
【夢二つ】
誰かのゆめと自分のゆめ
重なりあって溶けてゆく
けれど、現実では対岸にしか
お互いの姿は見えはしない
これは悲劇かはまたま喜劇か
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1+1=2
[天竺葵]
いつのときも
にげて まよって
足をとめていた
黒々とした感情に
押しつぶされそうで
光はただの一筋も一粒も
照らされない
でも 気づいた
立って歩かないと
光のあるところには
ずっと いけないんだって
だから地面を踏んで
前に歩いていこう
[夕化粧]
そっと手を握る
握り返してもらった
夕焼けに向かって歩く影
暗がりになって 影は消えた
秘めた思いと共に
[椿]
私は美しくない
けど世界が美しい
だから私は陰りが増す
完璧な魅力なんてないと
常々思ってはいるけれど
生きていたいと願うこの世界は
完璧な魅力に溢れている
私はまだ綺麗なこの場所で
飄々と生きていたいのだ
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1+2=3
【世界がどんなに辛くとも】
「1905~1999」
世界の皆があなただったらいいのにな
自分より他人を大切にするあなた
通学路でいじめられていた青年を助けて
小学生の君は痛めつけられていたよね
横断歩道で困っているお婆さんを助けて
君はトラックに轢かれそうになってたね
世界の皆があなただったらいいのにな
自分より他人を大切にするあなた
世界の皆があなただったらいいのにね
傷は少なくなったのかもしれないね
落ち込んでいる人を一生懸命励ましてたね
自分だって辛い時期もあったくせに
諦めかけてた他人を立ち直らせたのもあるね
自分も諦めかけてたくせにさ…
世界の皆があなただったらいいのにな
他人と一緒に生きているあなた
世界の皆があなただったらいいのにね
他人と一緒に立ち上がるあなた
…世界の皆があなたでなくてよかった
自分より他人を大切にする君だから
…世界の皆があなたでなくてよかった
自分の傷を増やしてゆく君だから
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余水、無粋。
2014.既存、改稿作品。