リズのアトリエ 麻帆良の錬金術師   作:マックスコーヒー

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11時間目「少女が知った衝撃の事実とは!」

side:リーゼロッテ/麻帆良学園女子中等部・2-A教室

 

 

 

「「何人なのー?」」

 

「なでなでしてもいいかしら~?」

 

「わー、私と同じピンクの髪だねー!」

 

「どんな本が好きです?」

 

「あ、あの、と、図書か――」

 

「彼氏いるの?」

 

「私と同じにおいがする……、金になる仕事を紹介してやろうか?」

 

「強いアルか?」

 

「ネギ先生との事について詳しくお聞きしたいのですが、よろしいかしら?」

 

「お近づきの印に山で取れた山菜をば。天ぷらにするとなかなかの美味でござるよ?」

 

「えっと、水泳部に……」

 

「……おいしそう」

 

 

「は、はひ?!」

 

 怒涛の質問ラッシュ! 皆さん、迫力ありすぎ!

 

 質問じゃないのも混ざってるし、というか最後のなんなの!?

 

「あ、山菜ありがとうございます」

 

 でも、ちゃっかりもらえるものはもらっておく。

 

 

「こらこら、リズちゃん困ってるでしょ!」

 

 見かねた明日菜さんからフォローが入る。

 

「この委員長である、わたくし雪広あやかを差し置いて、仕切らないで下さいませ!」

 

 すかさず雪広さんがつっかかった。

 

「何言ってんのよ? あんたがしっかりしないからじゃないの! 新聞の記事のことで疑ってるみたいだけど、ネギの事でいつもみたいに暴走しないでよね!」

 

「な! 言いがかりはおやめください。高畑先生が振り向いてくれないからといって、私に当たらないでくださいます?」

 

「ハァ!? やるの?」

 

「上等ですわ!」

 

 私への質問会だったのに、あっという間に乱闘騒ぎに。

 

 新聞のこと? 話の流れ的に私とネギ先生の事が書かれてるって事だろうけど、どういう事だろうか。

 

「委員長に食券1枚!」

 

「明日菜に2枚!」

 

 なんか、トトカルチョ始まってるし!

 

「あわわわわ」

 

 いや、ネギ先生、止めてくだせーよ。

 

 

 

「あ、これの事ね」

 

「あ、朝倉さん?!」

 

 いつの間にか、隣に新聞を差し出す朝倉さんがいた。

 

「まほら新聞?」

 

「うん、私ら報道部が出してる新聞。麻帆良内のローカルなニュースを扱ってるよ」

 

「はぁ。なるほ――って! ななななな、なんなんですか!」

 

 その新聞の一面には、どういう訳か、ネギ先生にお姫様だっこされた私の写真がアップで写ってる! しかも、カラーで!

 

 というか、この角度、パンツ見えそう。どんだけローアングルで撮ったんだよぅ!

 

「あはは! いやー、音無さんとネギ君、美少年・美少女で映えるねー!」

 

「はひ? び、びしょ、美少女? そ、そんな、私が美少女って」

 

「おかげでいつもの売り上げの1.3倍! いやー、音無さん、ありがとねー」

 

「あ、あの!」

 

 文句を言わなくては! こんな物が麻帆良限定とはいえ、ばら撒かれているのはかなり恥ずかしい!

 

「あ、これ、ボツにした写真なんだけどさ」

 

 朝倉さんは懐から一枚の写真を取り出した。

 

「はへ?」

 

 そこには、先ほどの新聞に掲載された写真の別アングルのものだった。

 

「いやー、この写真にすれば2倍の売り上げアップは期待できたんだけどねー。さすがに編集長からストップが掛かっちゃって」

 

 先ほどの写真との違いはアングルだけではなかった。

 

「何のとは言わないけど、青いストライプがばっちり写っちゃったからねー。さすがに、ね? で、この写真いる? 記念に」

 

「た」

 

「た?」

 

「たちどころに燃やして下さい!」

 

 

 

 

 そんなこんなしている間にホームルームの時間が終わり、ドンチャン騒ぎしていた所を、1時限目の授業にやってきた新田先生に、ネギ先生も含む全員まとめて説教されるという散々な一日目の始まりだった。

 

 ちなみに、私の席は一番後ろの席で、となりはマクダウェルさんとかいう、私よりもちっちゃな金髪の娘のとなりだった。

 

 マクダウェルさんは、なぜか私を見てニヤニヤしているけど、なぜだろう。

 

 

 で、あっという間に4時限目のネギ先生の英語。

 

 授業の合間の休憩時間になるたびに質問攻めにあって、ぐったりだよ。

 

 その上、苦手な英語の授業がラストに来るってマジ辛い。

 

 でも、希望があるかぎり、私は負けないのです! 私の希望、ヤキニク定食がっ!

 

「はい、じゃあ音無さん、この英文を訳してください」

 

「え?」

 

 唐突の指名。一瞬で集まるクラス中の視線と期待。

 

「えっと」

 

 静まり返る教室内。全員が振り返って私の一挙手一投足を見つめている。

 

 やめて! プレッシャーかかるからやめて!

 

「あー、その、私は私のアンコウと一緒にお米ケーキを食べたい?」

 

 どっと、沸きかえるクラスメートたち。

 

 笑われてるよー。は、恥ずかしい。

 

「惜しかったですねー。uncleは魚のアンコウじゃなくて、叔父って意味ですね。あと、rice cakeは日本語に直すとお餅って意味なんですよ~」

 

 フォローされると逆に惨めになるよ!

 

「これを踏まえて、え~~~と。じゃあ、朝元気に挨拶してくれた佐々木さん」

 

「えー! ネギ君、ひどいー。挨拶して損したーー!」

 

「ネギ先生、訳なら私がっ!」

 

「いいんちょはハーフだからだめー」

 

「な! ハーフじゃありませんわよ!」

 

 

 

 

 なんとか英語を乗り切って、昼休み。

 

 ヤキニク定食、ヤキニク定食! 肉汁たっぷり、ヤキニク定食♪ 食べなきゃソンソン、ヤキニク定食、らららーらららー、ヤキニク定食っ!

 

 んふふふふ! おなかすいたなー、楽しみだなー!

 

 あ、ネギ先生だ!

 

 他にクラスの人もいる! 明石さんと椎名さんだったかな?

 

「あ、音無さん、なんかご機嫌ですね!」

 

「おーっす、リズちゃん、なんか元気だねー」

 

「えへへー♪」

 

 世界に祝福された気分! もう、何も怖くないっ!

 

「それはそうと、なんか他のクラスの人たちピリピリしてますねー」

 

 ああ、確かに昼休みだというのに、なぜか教室に残って勉強してる人が多いかも。

 

「あーそだねー。そろそろ中等部の学期末テストが近いからね」

 

「来週の月曜からだよ、ネギ君」

 

「「へー、学期末テストですかあ、大変だなー」」

 

 不覚にもネギ先生とハモってしまった。

 

 それよりも、今なにげに大変なことを聞いてしまった気が。

 

「って、2-Aもなのでは?!」

 

「うん、そーだねー」

 

「転校生はテスト免除されたりとかはしませんか?!」

 

「あー、テスト前に転校して来た娘を知ってるけど、普通にテスト受けて結果が悪かったって、愚痴ってたよー」

 

「……そ、そんな」

 

「ま、うちの学校、エスカレーター式だからあんまり関係ないんだ」

 

 だ、だからといって、いきなりテストの不意打ちは!

 

 ああ、なんかこれからヤキニク定食だというのに、全然楽しめない!

 

「理数はともかく、国英は絶望的! 対策も試験範囲もイマイチよくわかんないし、私はこれからどうすればいいんだー!」

 

「勉強すればいいんじゃない?」

 

 横から明石さんからの冷静なつっこみが入った。

 

「あ、はい。そのとおりで御座います」

 

 

 よりにもよって、テスト期間中に転校してきてしまった私。

 

 本当にこれからどうしよ……。




【おまけ】リーゼロッテ・音無の九州の学校での成績

<一般科目>
国語1 数学5 理科5
社会2 英語1 保体2
音楽2 技家4 美術4

<魔法科目>
魔法史2 呪文学2 魔法薬5
薬草学5 占い学1 変身術1

※5点満点
※1点評価は落第(補修を受ける事で落第回避可能)
※SS界広しといえど、通知表を晒された主人公は中々いないだろうなぁ。
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