僕は今、血で汚れた体をシャワーから出るお湯で流していた。
彼は体にまとわりついた奴らと血の匂いを落とすようにシャワーを浴びる。
お湯は体についていた血と共に彼の体を伝い、流れていく。
1日中〈奴ら〉を殺した疲れも流れていくようだ・・・・・・。
そんな事を考えながら、シャワーからお湯が出た事に感謝をする。
だが、シャワーを浴び終わった後、あることに気付いた。
「服・・・・・・どうしよう」
さすがに〈奴ら〉の返り血で汚れた制服は着たくなかった。
僕は服を探そうと、腰にタオルを巻いてから服が置いてあるであろうタンスを探したが、僕にはサイズが合わなかった。
一応、下の店を見てみる。
期待はせずに見に行くと、奥の方に防犯とは全く関係ないモデルガンやサバゲー用の服があった。
その服の中に、真っ黒の服とズボンがあり、その服を着ることにした。
僕は2階に上がると、リビングの戸棚からコップを出してから水道水を注いでいき、それを一気に飲み干す。
風呂上がりで乾いていた喉が水で潤されるが、何か物足りなさを感じる。
「・・・コーヒーが飲みたいな」
元々コーヒーが好きだった僕は、あの香りと味が忘れられないでいた。
だが、僕には飲めないだろう・・・だって僕は人間じゃないんだから。
・・・・・・今日は色々あった・・・疲れたな・・・・・・・・・寝よう。
『研、あなたは傷つける人よりも、傷つけられる人になりなさい』
声が聞こえる。
『この世の全ての不利益は・・・・・・当人の力不足ぅ!あなたが傷つくのも!あなたに力が足りないから!』
声が聞こえる。
『覚えておきなさい・・・・・・生きるということは、他者を喰らうことよ』
声が聞こエル。
『研・・・・・・今日も頑張って
声がキコエル。
「はっ!・・・・・・はぁ・・・はぁ」
起きた僕は、汗で全身が濡れていた。
あれは過去の記憶?
昔の僕の記憶?
違う。
あれはきっと、カネキケンの記憶なんだ。
まだ、夜中の1時。
僕が寝てから3時間弱しか経っていない。
「まあ、いいよね・・・・・・お腹減ったし・・・」
僕が2階の窓を開けると、奴らはいなかった。
どういうことだ。
大きな音の方へいったのか?
そんな事を考えながら、僕は窓から飛び出した。
〈奴ら〉を求めて────
小室 孝(ハーレム野郎)side
何だよハーレム野郎って!
まあ、とにかく学園から脱出して色々あったけど・・・僕らは今、静香先生の友達の家にいる。
戦車みたいな車(平野が言うにはハンヴィー)とか違法な銃を持ってるってどんな友達なんだか・・・・・・。
小室がテレビを付けると、警察によって封鎖されている橋を解放しようとする左翼の連中が映っていた。
『警察の横暴を許すなー!! われわれはぁ、政府とアメリカの!開発した生物兵器によるぅ、殺人病の蔓延についてぇ! 徹底的に糾弾するぅ!!!』
「殺人病・・・・・・って」
「〈奴ら〉のことじゃないかな」
「正気かよ! 死体が歩いて人を襲うなんて現象、科学的に説明がつくはずないのに!」
「ってことは連中、設定マニアなのかな・・・それとも悪い病気か、左翼だよね?」
「確かに左翼は設定マニアで悪い病気だ・・・・・・極右の人種差別主義者と、同じくらいに悪い病気だよ」
小室はそう呟くと、平野に向けていた視線をテレビに戻す。
すると、突然テレビに映っていた左翼のリーダーらしき人物の───
───────頭がもぎ取られた。
「なっ・・・・・・!」
テレビを見ていた小室と平野はあまりの出来事に絶句してしまう。
頭をもぎ取った人物は、もぎ取った頭の耳の部分を口に運び、噛み切ると咀嚼し始めた。
「〈奴ら〉・・・・・・なのか?」
「いや、〈奴ら〉にこんな知性があるわけ無いよ・・・・・・狂った人間か・・・・・・・・・別のナニカだよ」
小室の疑問に平野は答える。
小室は謎のナニカによって、回線が切れて映らなくなったテレビを消す。
「これじゃあ、〈奴ら〉より知性があるぶん厄介だな」
「まあ、出くわした時は────」
平野は眉をひそめ、眉間にしわを寄せると、銃を顔の前に突き出すように構える。
「───────殺すまでさ」
ロックンロールッ!!!
あれ、平野がカッコいい・・・・・・!