さいよわ───チートなエルフと魔人が護る最弱な彼女が綴る異世界黙示録   作:ぴんぽんだっしゅ

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そうだ 温泉へいこう!4

 

 

「今からじゃ無理っす。夜道をデルラ山の麓まで走る事になっちまう。」

 

突然の事に、固まっていたジピコスが気を取り戻し、説明する様に喋る。

思い直してくれたらいいなと、言いたげな表情を浮かべて。

 

「それが?」

 

「・・・いや、だからガルウルフも出るだろうし、ギーガも出んじゃねえかって。」

 

説明なにそれ、もう決めたし!説得なんて納得しないよ?もう!とこんじきの瞳が語る様でぷりぷりと頬を膨らませた京が視線でジピコスを突っ張ねる。

控えめな口調で説得を続けたジピコスの声などこうなったらスルーされるだけでしか無い。

 

「行こう、温泉!」

 

注がれたばかりのグラスを掲げて、宣言するかの様に今日一番の上機嫌な笑顔で京はその場に立ち上がって明後日の方向向いて叫ぶ。

 

「魔人、帰っちゃったんでしょ?」

 

「・・・まあね。壁はゲーテにやって貰えばいんじゃない。」

 

不安そうに苦笑いを浮かべてジピコスは、最も心配している事を口にした。

横目でジピコスの表情を窺って、椅子に座りながら京は頷いてそう言い、ヘクトルが居なくなった事を認めた。

 

「ガルウルフはともかく、ギーガが出ちゃ、俺らじゃ無理無理無理!」

 

「全然。」

 

ヘクトルが居ない事に顔が青くなるジピコスが、夜道を山に走るのなんて嫌と言いたげに必死になって説得に気合をいれるも、そんなの知らないし?全部倒せばいいんでしょと、言いたげな表情の京に切って捨てられる。

 

「姐さんが強いのは解んすけど、ギーガは暴れだしたら止まんねえって話なんで・・・」

 

「前が時間稼いでくれたら、サクサクっと倒しちゃうから。ね、行こっ!」

 

「本気っすかぁー。」

 

「経験が足りないってゲーテも、ジピコスも言ってたでしょ?」

 

ジピコスの説得は京が折れるつもりが無いので、中身が全く意味を為さない。

逆に京に説得され兼ねない事になる。

 

「せめて、ねぇ。壁役を拾いましょうよ。剣鬼とかどうです?」

 

「えーーー。」

 

ジピコスが譲歩案を出しても真顔で京が断わる。

 

「じゃぁ、カイオット。あいつもデカいし、壁やれますよ。」

 

剣鬼もカイオットも連れて行った所でヘクトルの変わりにはならないし?ジピコスに言われた京がそう思って、

 

「いいから、皆集めて。温泉にレッツゴー!」

 

再びグラスを掲げて宣言するかの様に明後日の方向に向いて上機嫌に叫ぶ。

 

「姐さん、キャラ変わった?」

 

破壊神めいた雰囲気が全く感じられない、ジピコスが見たことの無いわーきゃーする京を目にして椅子からずり落ちる。

作ったとかじゃないし?周りがイラつかせるからピリピリしちゃう事にもなるじゃない?と内心思いながら、

 

「べっつにぃ、温泉が楽しみなだけだもぉーん。」

 

本心をジピコスに曝け出す様に京は、テーブルの上でジタバタしながら気持ち良く惚けた顔で叫んだ。

楽しみでしょうが無いみたいに。

 

 

 

 

 

しばらくして酒場の前に現れたジピコスが馬の手綱を手摺に軽く括り付けて扉を開くと京を手振りで呼び出すと、京は支払いをグリム金貨で済まして表に出る為に、入り口まで歩むとジピコスが口を開く。

 

「馬、こんなのしか借りれなかったんすよ。」

 

「デカ鳥・・・チョコ○思い出すわね。」

 

苦笑いを浮かべるジピコス、呆気に取られた京の視線の先には、酒場の前に括られて手綱の先に居たのは馬・・・では無くチョコ○大のデカい鳥、怪鳥と呼んで良いそれは口を開いて長い舌を見せびらかす様にヴェー!と一声鳴いた。

 

「馬よか早えんですよ、乗りこなせば。」

 

「知ってる。似たの、他のゲームで乗った事あるから。」

 

取り繕う様にジピコスが言うものの、京は別の機会にフルダイブで似たデカ鳥に乗り走らせた事があると言う。

その時は乗りこなすなんて出来なかったよね?と内心ごちる京。

 

「・・・こんなにデカくなかったけど。」

 

あっちは一人乗り用で、こっちは多人数を乗せて走る。

ジピコスを睨み付けながら京は咳払いをして呟いた。

 

 

 

 

フィッド村の昼下がり。

京は唐突に温泉に入りたい!と叫んでジピコスに用意させる一方、宿に帰って稽古を附けられている凛子と近所で遊んでいたクドゥーナを温泉に行こうと誘っていた。

 

「シェリル、本当にこれで行くの?」

 

そう言うクドゥーナは興味は惹かれるとは言え、あっちと同系統なら恐ろしい目に遇うんじゃ無い?と疑ってしまう部分もあり、簡単には乗れないでいる。

 

「借りれるのこれしか無いのよ、いいから乗る。」

 

クドゥーナの横から京がそう言い指差して促すと、渋々と言った感じで、クドゥーナが縄梯子を登り怪鳥の背中に上がる。

そこは当たり前に平坦では無いのだが、4隅に柵付きの鞍が乗せられて簡単には落ちない、安全策は講じられているみたいだ。

もともと多人数と荷物を乗せて移動する手段として、都市部でも活用されている怪鳥は一見便利そうだが、ある理由で一般受けしない。

 

「俺らは二人で前乗るんで、姐さんはそっちで・・・乗りこなしてやって下さいな。」

 

凛子と京が更に乗り込むとゲーテが同じ様に、クドゥーナ達の乗る、もう片方の怪鳥の背中から苦笑いをしながら声を掛けてくる。

乗りこなせと言われても、手綱が一つあるだけで乗馬笞の様なコントロールする道具も見当たらないので、京も頬をポリポリ掻いて考え込んでしまう。

暫し、思案を巡らせていると、

 

「これってチョコ○?」

 

凛子が怪鳥の背中のふかふかしたオレンジ色の長い毛を触りながら訊ねる。するとすかさず、

 

「それ、さっきわたしが言ったから。もういいってば・・・っ!」

 

何と言って良いか複雑な顔をして京が憂鬱そうに答える。

思うことは皆同じなんだなと、そう言いたげに。

 

デルラ山に先導してジピコスが前方を行く。

京が手綱を握る、もう片方の怪鳥を乗りこなせるのを暫らく待っているのか、まだ走ると言うよりのんびりと歩いている感じだ。

そのジピコスが手綱を見て思案する京に話し掛ける。

 

「コイツらシャダイアスってんです。気性は特に荒くねえんすけど、首を引っ張るとイラっとして速度が上がるんで。」

 

そう言われて、京はシャダイアスと言うらしい怪鳥の首をグイッと引っ張る。

すると、

 

「振り落とそうとして、なんすけど。」

 

それを見て慌てた様に、まさかいきなり首引っ張るかよ?と思いながらもジピコスが続けるがもう遅い。

狐耳がピンと立つ。

 

ヴェー!と一声甲高く鳴いた怪鳥が、オレンジ色の顔を真っ赤に膨らませて先程までの、ゆっくりと歩いていたとは思えない驚異的な爆発力を伴ったスピードで、ジピコスの視界から一瞬で消えてしまったからだ。

 

「行っちゃったな。追うぞ!」

 

急加速したシャダイアスは手綱を握った京を、振り落とそうとジグザグに走りながら更に加速していく。

それを視界に捉えてゲーテも、怪鳥・シャダイアスの手綱を引いて後を追うのだった。

 

「きゃああああああっ!!!」

 

鞍に付いた柵に縋り付く凛子が、愕然とした必死な表情で叫ぶ!

 

「ッ────っっっ!!!」

 

「ひゃああああああ!!!」

 

 

同時に、普段は見せない恐怖に引き釣った表情で、京も声に出せない叫びを上げ、飛ばされそうなクドゥーナも柵に両手だけで掴まって必死の形相で叫んだ。

 

「と、とっまれええええっ!!!」

 

「止まってええええーーー!!」

 

クドゥーナが飛ばされそうな事に気付いた京が猛スピードが生み出す、目も開けられていられない様な暴風の中、鬼神めいた顔で叫びながら必死に手綱を引き絞る。

叫ぶと同時に凛子も手を伸ばしてクドゥーナを助けようと必死に頑張ったが、あと少しの所で涙を振り撒きながら、クドゥーナが振り落とされてしまった。

 

 

「ね、早かったっちゃあ早かったっしょ、姐さん。と、愉快な仲間の人達。」

 

「死、・・・死ぬかと思った・・・」

 

「クドゥーナなんか、振り落とされてたわよっ?」

 

「飛べるからぁ、いいんだけどねぇ・・・ジェットコースターに、ベルト無しで乗ったらこんな感じぃ?うっ!」

 

程無くして、停まったオレンジ色のシャダイアスの隣に、白いシャダイアスが並ぶ。

ゲーテ達の乗るシャダイアスが、京達に追い付いたのだ。

 

シャダイアスから降りて、休んでいる魂が抜けかけた京にジピコスが話し掛けると、同じ様に魂が抜けかけた凛子がべそを掻きながらボソリと。

凛子とほぼ同時に京も非難の声を上げる。

 

その後ろからふよふよと浮かんでいるクドゥーナが、話ながら京を落ち着かせるべく、背中に手を置いて摩っていたがまだ気分が悪かったらしく、急いで付近の木の根本に少しリバースした。

 

「シャダイアスは臆病者なんすよ。ついでに肉食で、さ。働いたら、肉要求して来るのが面倒っちゃあね面倒って。」

 

一見便利そうなシャダイアスの最大のデメリットである肉食、それもジピコスとゲーテの訳有り顔を見ればかなり燃料効率が悪そうだと思える。

 

「クドゥーナ、肉あげてっ!こいつら、わたしを餌にしようと見てる気がする。」

 

そう言った京が唇をギュッと結んで悲壮の表情を浮かべた、オレンジ色のシャダイアスがヴェ、ヴェー!と鳴いてから舌を出して、睨み付けながら順繰りに品定めをしている様子に見えたからだ。

 

「お前は、美味そうだな。」

 

極めつけはオレンジ色のシャダイアスが京の鼻先を長い舌でレロリと舐めて喋ったのだ。

 

「あっちのは骨と皮しかねえや。」

 

オレンジ色が喋ると白いシャダイアスも促れた様に口を開いて喋る。

 

「ッ────っ、!」

 

鼻を舐められた舌を見て、オレンジ色のシャダイアスに視線を移した京が愕然として声にならない叫び声を張り上げた。

その後で、白いシャダイアスの背中から降りてきていたジピコスに、

 

「──ジピコス、こいつら喋るの?」

 

そう言って問い掛けるとクドゥーナの襟元を引っ張る困り顔の京。

 

「さぁ、俺は知りませェん。シャダイアスに気に要られたら喋るかも解んねえかも?」

 

問いにジピコスは答える解を持っていない風で、顎をしゃくり考え込むも良い答えは浮かばずに余りに曖昧な返事しか出来なかった。

その声に凛子もクドゥーナも、ましてや当人の京は当然の様に引き釣る。

 

「喋ってるよ!」

 

 

「クドゥーナも理解る?」クドゥーナがオレンジ色を指差して声を上げると、

気分悪そうな京が問い掛ける。

 

「何でだろ、わたしも解るかも。あ、喋った。」

 

やはり、凛子も白いシャダイアスを見上げて口を開く。

怪鳥・シャダイアスは喋ったのだ。

 

「おい、お前喋れんのか?何でもいい、肉よこせ。よこせば又乗っけてやる。」

 

その口振りから、肉さえあれば大人しく走ってくれそうではある。

肉食なので、いつ襲ってくるか、と言う不安が京、凛子、クドゥーナの三人の間に広がっていく。

まさか食べられる事はないとは思うのだが、そうは言い切れないのが現状かも知れない。

 

「ジピコス、何でこんなの借りたの?」

 

不機嫌そうな顔でジピコスを憎しみすら感じさせて睨み付けながら京が問い掛けると、

 

「馬は高いんすけど、こいつらは餌さえ与えとけば安いんでね。財布と相談したら、即こいつらの世話なるしかなかったっつー。」

 

そう言ってバツが悪そうにジピコスは苦笑いをして俯きながら頭を掻いた。

すかさず、ゴゴゴゴ!と響いて来そうな怒りのオーラを背に背負った京が、

 

「へえー?餌はジピコスでいい、いいよね。わたし達を怖い目に逢わせたんだもん。うん、そうしよ。」

 

微笑んでは居ても、目蓋は開いているか解らないほど細く、喋りながらぐいと眉が吊り上がり、

額には青筋マークも浮かんでいそうなその光景にジピコスだけで無く、関係のないクドゥーナや、凛子までが顔を強張らせ震え出した。

 

 

「姐さぁん、勘弁して下さいっ。そんな最期いくらなんでも、嫌っすよ!」

 

堪らずその場にペタっとひれ伏し、ガタガタと震えあがるジピコスは涙声になりつつ弁解する。

それでも怒りのオーラは収まらず凛子とクドゥーナは京の後ろでひしと抱き合い恐怖にしばらく震えていた。

クドゥーナの言葉を借りたなら、空気が恐いぃぃい!て、事だったりする。

 

踏んだり、蹴ったり、に発展しないだけで鬼神の如き気迫で周囲を震え上げさせ続けた京だったが、やーめた!と、思い直すと。

 

「うーん・・・、解った。そうね、丁度いい速度はどうしたらいいか教えて?それで許すわ。」

 

そう言って、地面でガタガタ震えるジピコスの腕を引っ張って立たせる。

内心は、ここで続けたって温泉入るまでは村に帰れないし、どうせなら村に帰ってからジピコスは締め上げたらいっか。とこうである。

 

「そ、そんなの、なぁ、ゲーテ?知らねえよな。」

 

腕でぐしぐしと涙を拭って赤くなった瞳でゲーテに視線を移してジピコスはそう言って縄梯子に手を掛けると、一気に駆け上がる様に白いシャダイアスの背中に飛び乗った。

明らかに京の気迫に気圧され、逃げ出したとしか言えない。

聞かれたゲーテも首をぶんぶん左右に振って、知らねえと言いたげである。

 

「シェリルー、話せたんだからぁ、交渉したらいい!」

 

 

深呼吸をして青い顔のクドゥーナはそう言って、メニュー画面から取り出したウルフの肉塊を恐る恐るオレンジに差し出すと、長い舌を使って肉を器用に巻き取りオレンジは大きな口へ運び、一口で咀嚼しようとしてボトリと肉を落としてしまい、それをすかさず白いシャダイアスが嘴を器用に使って真上に放り上げると、大きく開いた口で受けとめバクッと閉じた後で咀嚼音をさせてから飲み下す。

その光景を見た一同が思った。

こいつら飢えていると。

 

氷付いたその場の空気を、引き裂いたのは当のオレンジだった。

肉を差し出したクドゥーナに向かって舌をレロリと出して、

 

「肉くれた奴となら、話したっていいんだぜ。」

 

そう言ってヴェヴェッと笑う様に鳴いた。

どうもクドゥーナからなら肉が貰えるのが解ったぽく、オレンジだけで無く白いシャダイアスもぐぐっと顔を近づけてクドゥーナのご機嫌伺いだろうか、鼻をふん!と鳴らして口を開くと、ビクビク震えるクドゥーナは頭を抱えてその場にしゃがみこんで現実逃避を図り、周囲はうわぁ・・・とそれを遠巻きに見ていた。

青い顔をして何やらブツブツと呟いていたクドゥーナが背負ったリュックを降ろし、

 

「そうだ!ぐーちゃんに交渉して貰おう・・・ぉ。」

 

震え声でそう言いながらリュックを開くと中ですやすや寝息を立てているグラクロが居て。

温泉に行くからと、京に強制的に連れてこられた時、ぐーちゃんをリュックに入れた事を思いだしたクドゥーナは、雷の妖精トロンがグラクロを畏れた事を覚えていた。

もしかしたら、目の前の不遜な態度のオレンジも、ぐーちゃんが従える事ができるんじゃないか?と、そう言う淡い期待。

 

「──なんだ?」

 

リュックから取り出して、クドゥーナがぎゅっと抱き締めると、何事か?と眼を覚まし、間近で見詰めている主の碧の双眸を見つめ返すグラクロ。

朝からセフィス達三人組と、クドゥーナと一緒に遊んでいた所を、強制的に連れてこられたのはこのぬいぐるみサイズになったドラゴンも同じだった。

グラクロの場合は、クドゥーナに付いてきたと言った方が近かったりするのだが。

 

間近で見詰め返してくる、こんじきの瞳を見て安心したのか、震えは止まり、

 

「起こしちゃって悪いねぇ、ぐーちゃんとお話したいってヒトが。」

 

「んん、クドゥーナ。これは人じゃないぞ?」

 

にっこりと笑顔を取り戻したクドゥーナがそう言って、ぐーちゃんを優しく撫でる様にポンポン叩いてから視線をオレンジに向けてからぐーちゃんに戻すと、ぐーちゃんもオレンジに視線を移してからクドゥーナに向かって、ニタリ嘲ると間違いを指摘する。

そのやり取りを見ていたゲーテ、ジピコスが口をポカんと開けたままになっている事に京も気付いたが敢えてスルーした。

今は怪鳥をなんとかする方が先だと、京も思っていたからである。

 

「ええっ!何でこんなのになっちゃってんです?」

 

オレンジが、ぐーちゃんを見てギョッとしてから俯きながら声を上げる。

ここに居ては、行けないものに出逢ってしまってどうしたらいいか解らずに戸惑って居たのかも知れず、その声は上擦ったものだった。

少なくとも間近のクドゥーナにはそう聞こえた。

 

「暇潰しだ。」

 

「そ、そうなんですか。」

 

身も蓋もない答えが返ってきてオレンジより先に、声を上げたのはしかし、白いシャダイアスで威圧する様な視線をオレンジに送り、オレンジも凄まれた為に下がり、変わりに白いシャダイアスがぐーちゃんに近寄ると、その長い舌を姿を変えてしまった彼のドラゴンの小さな掌に重ねる。

 

クドゥーナも勿論、その場に居た全員が何をやっているか解らなかったが、シャダイアス達なりの服従と親愛の礼をとっていたのだった。

 

「ぐーちゃん、その調子で。丁度いい速度で走って貰えるか、このヒト達に話して。」

 

間近までやってきた白いシャダイアスにビビりつつもクドゥーナは、胸に抱いたぐーちゃんに縋り付く思いでお願いをした。

 

すると、ぐーちゃんが暫くクドゥーナを見詰めてから、白いシャダイアスに向かう。

 

「──と、そんなワケだ、振り落とさずに言われた通り走ってくれるだけでいい──俺は、寝るから。起こすなよ。」

 

その後、彼のドラゴンと白いシャダイアスが交渉を始める。

と、言っても白いシャダイアスは何も要求はしなかった。

寧ろ、本来話す事はおろか姿を見る事も難しい存在と、会話をする幸運に身を打ち震わせているかの様だ。

 

「ハイッ!」

 

 

 

 

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