さいよわ───チートなエルフと魔人が護る最弱な彼女が綴る異世界黙示録   作:ぴんぽんだっしゅ

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グラクロと小さな影3

 

 

それでも、何千年と喋る相手の居ないと言う、グラクロの待遇よりは幾分はマシなのかも知れない、神であるならば神々とは交信できただろうから、グラクロが対話出来たのは滅ぼそうとやって来た敵に限られる。

 

「──解ってくれてありがたいな。じゃぁ、俺はクドゥーナのとこに行く!ばいばーいっ。」

 

小さな影と言葉を交わしていると、寂しい気持ちに押し潰されそうになって、グラクロは思わず口に出していた。

 

最初こそシェリルに目が止まったものの、実際partyに加わると、一番の会話の相手はセフィスを除外すると、クドゥーナだ。

寂しい気持ちに襲われて、まず最初に浮かんだ顔はクドゥーナだった事からも、グラクロとの距離はかなり、近いものになっていたのかも知れない。

 

「ばいばーい、って、じゃなーい!」

 

グラクロが手を振って去るのをついつい、小さな影も同じく手を振って返し、刹那ハッと気付いて突っ込む。

その時、ピンクの瞳を目蓋で塞ぎ、目の形は><こんな感じだったりする。

 

「──なんだ?違うのか?」

 

「約束、してくれたら。独りになんてさせないよ?あなたの生を護るよ、わたしが。だから、たまにでいい、オリテバロー本体に戻って神気の循環をして、それだけでいいから。ね?」

 

呼び止められて嫌そうに、溜め息をついて答えるグラクロに、小さな影が必死に訴える。

 

「──理解った。クドゥーナにそれは頼むとしよう。」

 

すると、いつのまにか威厳も消え失せて、セフィスと話してる様な気さえしてきたグラクロは、小さな影を見詰めて頷いた。

 

神がここまで威厳やら何やら捨ててお願いをするんだから、グラクロにしか出来ない事、そう言うことだったのかも知れない。

小さな影は、グラクロが強大なマナの塊であると説明した。

 

「うんうん、良かった。じゃぁ──わたしが来た事を無かった事にするね。あ、約束だけは置いていくし、わたしが護るよ、『独りにさせない』っ!」

 

グラクロが前向きに約束をしてくれた事に、大変満足したようで両手を肩の前に合わせると小さな影はニコッと微笑んで、コテンっと可愛く小首を傾げて発言し、うっしゃとガッツポーズをすると斜めに片腕を突き上げて叫ぶ。

 

この記憶ごと、存在がなかった事にするという小さな影、いや神であるならばそれくらいの芸当、出来て当然だったのかも知れない。

 

「──ガチャ(?)は何だったんだ?」

 

「・・・忘れちゃってた、てへっ!」

 

「・・・。」

 

「えっとね、これはねー。君の魔法──ブレスよりは弱いよ?アレは本来の君のマナが吹き出してるんだからね。あ、も一つひんと、主は強くなれる。」

 

ふと気になって、グラクロが亜空間に消えかけて左手だけ、見えていた小さな影を呼び止めると、いけねっと可愛く舌を出してへぺろ☆を決める小さな影が、亜空間から再びにょきっと姿を現した。

 

神の威厳がどこにも無くなった小さな影にグラクロが半目で無言の抗議を浴びせると、そんな顔すんなよー!と言いたげな表情であの包み紙に包まれていたモノを取り出してグラクロに見せる。

と、幾条もの閃光となって融ける包まれていたモノ──一つのマナ。

 

そしてまた、解りづらいヒントをグラクロに与えた。

 

「じゃぁね、ばいばーい!あっ、それとね?ふふふっ、雌雄無いよ?グラクロデュテラシーム──────オリテバローは、どっちを──選ぶの。」

 

グラクロが見送る中、手を振りながら亜空間に消えそうなその時、捨て台詞ぎみに今のグラクロにはかなりなショックを与える言葉を虚空に投げた。

 

神である小さな影が消え去るとまるで、そこには最初から何も無かった様にグラクロすら、リュックの中に戻された状態で、まさに『来なかった』かの様な光景が広がっていた。

 

残されたのは小さな影との約束と、最後の捨て台詞だけが何故か木霊の様にその場に留まっていたが、やがてそれすら消え失せた。

 

 

 

 

 

 

 

温泉編fin.

 

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