さいよわ───チートなエルフと魔人が護る最弱な彼女が綴る異世界黙示録   作:ぴんぽんだっしゅ

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ぐーちゃん、それってぇどうゆーことぉ?

 

「とか、行ってもね。もう役人が見れば居なくなってるの解って、外に出れるから・・・」

 

「だぁよねー、凛子は寂しくないのぉ?」

 

ゲーテみたいな冒険者とかが村に居るのは、ドラゴン退治の為に集められたから。

そのドラゴンが居ないのは役人が行けばすぐ、解っちゃうだろーしねぇ。

 

あ、それはいいんだけど、凛子、バイト行かなくていいの? 稽古の後だし、休憩はいいけど、行こう?最後だし。

 

「妙に関わっちゃったからそりゃまあね、寂しくないって言えないよ、強がりになっちゃうだけだし。」

 

「うん、でもここに留まっても、そうなんだよね?」

 

みやこ程じゃないけど、凛子も毎日ゲーテやジピコスに稽古つけて貰ってて、寂しそうな顔してる、ちょっとだけね。

 

うちは、ま、あんまり関係無いけど、ぶっちゃけ。

凛子の薄い蒼の瞳にうっすら涙が浮いてるの見たら、ケインやデフックそれにセフィスと別れを言わなきゃいけないと思ったら、アレちょっと、やだなぁ。

 

「意味ない、うん。通過点、こんな事が積み重なってくんだよね、きっと。」

 

凛子はうんうんって頷いてうちの瞳を覗き込んでくる。

近いって、近いからぁ。

あ、そっか。

帰る、あっちに帰るってなったら凛子とも、みやこだってヘクトルとだって、家族みたいに一緒してたから考えなかったけど、そうだよぅ・・・。

お別れなんだ・・・気づいちゃった、今ぁ。

 

うちは今のままが、居心地がいいんだって、なるだけ・・・帰るの、時間掛かったらいいなぁ。

 

「仲良くなって、お別れして。また違う人達と出逢って。」

 

泣きそうだよぅ。

・・・そっか、通過点。

ケインも、デフックも、セフィスも、それに・・・ぐーちゃんともいつか。

これから、会う人とも。

 

「そうそう、帰るために。前に、一歩でも進まなきゃ。」

 

飛びきりの笑顔で、凛子がそんな事言っちゃうから。

また、考えちゃうんだ。

いつか来る、別れを、さ。

 

 

 

 

凛子もバイトに重い足を引き摺るみたいに向かった後。

皆居なくなって、昼になればちょっとした食堂に変わって賑わうこの宿の厨房には、宿の主であるナーボルさんが仕込みをする為に入る頃。

 

「帰るために、・・・かぁー。」

 

うちは一人。

物思いに耽るのです。

恥ずかしいなんてぇ、思わないですよぅ?独り言を。

喋ったら胸がすっきりするの知ってるから。

口は災いの元?のんのん、仲直り、すればいいんだもん、あれだけ嫌いあってたみやことだって、仲良くなれたんだからぁ。

 

「うちは、どうしたい?・・・解んないやぁー。」

 

別れを知っちゃったら、怖い。

ぬるま湯に浸かってるみたいな、いい気持ちの時間が毎日続く。

嫌いな科目だって無いし、嫌な人も居ない。

あっちのうちが望んだ・・・求めて、入り浸った希望の世界。

手放したくない、でも・・・

 

「──クドゥーナ、昨日の話だが。」

 

あ、何か独り言を喋ってたら、スッキリするより暗い子になっちゃうとこだったよぅ、危ない危ない。

 

ぐーちゃんに聞かれちゃった、かなっ?

 

「ぐーちゃん、うん。本来のぐーちゃんの躰に一度還らないと行けない、そうだったっけ?」

 

ぐーちゃんも良く解らないらしいんだけど、温泉から帰ったら、どうしても還らなきゃいけないって思ったんだって、本体のぴんち!とか?まさか、本体から離れすぎたら本体が弱って死んじゃう?みたいな、まっさか・・・違うよねぇ。

 

振り向いたら、ぐーちゃんじゃなくて・・・みやこが居た。

吃驚して、二度見しちゃった。

でもやっぱり、みやこの姿がそこにはあって、立ったままうちを見詰めてる。

 

アレ?でもさっき出てったし。

うちに話し掛けたのはぐーちゃんだった・・・よねぇ?

 

「──そうだ、神気の何か。重要な事が躰に行かないとダメだと、そう言っているんだ。」

 

あ、みやこの悪ふざけかな?とも、思ったけどやっぱ違うなぁ、コレ。

 

「・・・ぐーちゃん?」

 

解ってないのかな?

 

「──何か?」

 

うちの言葉に、みやこの姿が反応する。

コレ、ぐーちゃんだよ、うん。

何でかは解んない、けどぐーちゃんが、ぐーちゃんの姿が!

 

「姿が違うとかぁ、気付かない?今日はぁ、やけに視点が高いとか、さ。」

 

うちがそう言ってぐーちゃんともみやこともつかない物体──みやこモドキを指差したら、みやこモドキは一瞬ハッとして、自分の両手を見る、何故か匂いを嗅ぐ、頬を触る、そのまま前髪を掻きあげて・・・

 

「──どうゆう事だ?クドゥーナ、教えてくれ。なぜ、俺はシェリルの姿に?」

 

みやこモドキのぐーちゃんは恥ずかしいのか、照れてるのか顔を真っ赤にして俯いちゃう、うゎあ、可愛いぞ。

なんだこれ、姿がみやこなのに態度が違うと、おぉ、これがギャップ萌えってゆーやつなのかなぁ?

 

「んー、好き過ぎて姿が変わっちゃった・・・トカ?」

 

「──出逢った時よりは好意はクドゥーナ、お前か、セフィスに傾いていると、思うんだが。」

 

なぬ?ぐーちゃん、セフィスが好きぃ!あ、えっと、うゎあ、・・・うん。

 

うち、今、何気に告られた?

 

「ちょ、ちょっと待ってみて。・・・今、なんて?」

 

「──?。クドゥーナかセフィスの方が好意は高いと。」

 

「あっ、あのねー!告白はそんなアッサリしちゃだめなのぉ。」

 

不思議とぐーちゃんの声音が、みやこが喋ってるみたいに聞こえて変な気持ち。

嫌っ、て訳じゃない。

けど、セフィスと同列なのかぁ、うちは。

なんか顔、熱いよ!

えっ、なんで、なんで?・・・そ、それより。

 

「神気がなんだっけ?」

 

話をすり替える事にした、見事せいこうぅ!

 

ぐーちゃんがうちを好きって言ってた。

でも、姿がみやこだったからみやこがうちに告白したみたいな気分で、なんか、変な気持ち。

 

だから、昨日の夜の話に強引にすり替えちゃう。

 

「──神気が。俺に還れ、還らなきゃならないと、訴えてくる。」

 

真面目な顔でみやこモドキのぐーちゃんが。

“俺”って。

スッゴい変。

 

「それだと、良く解んないね。で、どこに置いてあるの?」

 

でも今は気にしない、気にしないよっ!うちは、気にしない事に決めたっ!今、決めたっ!

顔が妙に熱いのは・・・そう、きっと何かのびょーき、多分びょーき。

 

顔に出さない様にぐーちゃんと、きっと真面目に話せてる・・・はず。

 

「──それはな──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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