さいよわ───チートなエルフと魔人が護る最弱な彼女が綴る異世界黙示録   作:ぴんぽんだっしゅ

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天使はその時──お肉が食べたいですぅ。と叫んだ

 

 

 

凛子がバタバタと飛び出して行ってから、少ししてみやこも伸びしながらスッと、立ち上がり二階の部屋に上がって行く。

 

 

 

今ね。

 

うち、六堂愛菜ことクドゥーナでーす、ヨロシク♪

 

じゃなくて・・・うちとぐーちゃんの二人だけでロカ肉の焼き肉してます・・・焼き加減は外ぱりっくらいで、噛めば肉汁じゅわっ!ってのが好みなんだけど、ある程度焼けるとみやこモドキのぐーちゃんに、横からんぐんぐかっさらわれるの・・・素手で熱く無いのかな?

 

 

 

生地ピンクのふりふりレースが、これでもかって縫い付けられたワンピースなドレス、と言っても間違いないそれを着たみやこモドキは黙って座って居ればどこかのお姫様みたい・・・なんだけど。

 

 

 

みやこモドキ──みやこの姿したぐーちゃんが黙って座っている訳が無いのよ、これが。

 

 

 

網の上に並べた焼けた熱々の肉を、ぐーちゃんは素手で取ってタレ皿に浸してそのまま手で掴んで口に運んでんぐんぐ、眉を釣り上げながら食べてる。

 

口の周りベッタリだし、頬っぺたにもタレは飛んじゃって。

 

こんなお姫様居たら嫌かも、そんな例題に出来そうー・・・思わず、うちはそんな事を考えちゃう。

 

ぐーちゃんは口の周りを汚すなんて気にもせずに、うちが生暖かい視線を向けてるのも知らんぷりで、焼けて無い・・・と思う肉でもタレ皿に、ちゃぽちゃぽ浸して次の瞬間にはんぐんぐと口の中。

 

笑える、うちはまだ納得出来そうな肉が焼けて無いよ。

 

 

 

ロカ肉の塊3つ、みやこがバラして、うちがバラして、結構・・・量あった、のにな?

 

あと、ひいふうみいよ・・・8枚しか残ってないしぃ。

 

ぐーちゃん、みやこのランチにも手出してたじゃん?

 

お腹大丈夫?じゃなくて・・・うちのお肉ぅ・・・。

 

 

 

見たまま、みやこの体の細い胃の何処に、肉の塊3つ分ほとんど入ったんでせうか。

 

 

 

脂ののった牡丹色のお肉、イイ感じに差しの入って思わず、ヨダレが出てきちゃう脂の焼けるいい匂いだけ散々、嗅いだだけのうちからこのお肉まで奪おうってゆーの。

 

 

 

「ぐーちゃん?お肉独り占めなんてズルいゾ?」

 

 

 

精一杯の抵抗。

 

うちの背後ではゴゴゴゴ!と音が聞こえたかも知んないよ、いつまでお預け食らうのー!

 

ニッコリ無理して笑った・・・つもり、ぐーちゃんに張り合っても生焼け食べるのヤダしぃ。

 

 

 

「──美味いよ?」

 

 

 

いや・・・いやね?

 

お肉が美味しーのはうちだって、誰だって解る・・・と思う、ここに居る人は。

 

ランチを食べてるお客さん、カウンターに3人、テーブルに2人。

 

皆からチラチラ見られてる、見られてるよぉぉお!

 

 

 

みやこだとお客さんには見えてる筈のぐーちゃんが、生焼け構わず、お肉を手掴み食いしてるのを見てるかー、単にロカ肉の脂の焼ける匂いに釣られて見てるか?

 

どっちにしても注目をこんな事で浴びたく無いなぁー。

 

 

 

「今からお肉乗せるので最後だよー、うちだって食べたいから取らないで欲しい。」

 

 

 

瞳をキラキラさせて、訴えるようなつもりで。

 

ぐーちゃんは頬をポリポリと掻くと前屈みになり、無防備なうちの頬っぺをレロリと舐めた。

 

 

 

「──ご馳走さま?」

 

 

 

なぜ、首傾げて疑問系?

 

なぜ、うちの頬っぺ舐めたし!

 

 

 

でも、目の前にタレに汚れたお姫様居たら、思わず汚れをぐしぐししたげたくなるよね。

 

みやこモドキの、ベットリ付いた口の周りを親指で拭き取り、親指をペロリ。

 

ご飯粒付けたヒロインの頬っぺからご飯粒をそっと取って口に運ぶぽく。

 

 

 

するとみやこモドキ、ニコリと微笑って、

 

 

 

「──どうした?」

 

 

 

表情と発言が!

 

なんか違うと思うの、うち。

 

そこはありがとう。で完璧、ちょっとはにかみ気味ならなおヒロイン属性のポイント高い。

 

 

 

中の人がぐーちゃんだからねぇー、これが精一杯なのかもよ。

 

 

 

ぐーちゃんのご馳走さまに安心して、うちが牡丹色のお肉を網に乗せたその時。

 

みやこモドキのぐーちゃんが壁に向かって、あさっての方向に視線を向け、瞬間固まる。

 

 

 

なんか変だな、横目でチラチラ窺うけどそれより、お肉がやっと食べられるっと、胸がどっきどき。

 

タレは失敗したけど、まだ生産の新作はあるもんにぃ。

 

出来上がって無いだけで。

 

お肉をトングで引っくり返し、つんつんと。

 

んー、そろそろかなぁ。

 

うゎあ、いー匂い!

 

 

 

お箸出すのも手間だし、トングのまま掴んで、タレにちゃぷと浸けてから口に運ぶ。

 

ん、ンマーい!

 

あ・・・段々クるわぁ、ぴりぴりと舌先を噛んだみたいな痛み、何でぇ?

 

 

 

失敗したってもー、痛みがあるタレってどーなの?

 

 

 

マスタードの上位種なのも、不思議って言えばそーなんだよねぇ。

 

マスタードの生産に一手間、二手間で焼き肉のタレ・・・運営のおふざけだとは思うけど、焼き肉焼いても家焼くな!とは違う、老舗の焼き肉のタレにソックリ。

 

3種あるうちの甘口だったりする。

 

 

 

お肉は美味しーので食べるンだけどぉ。

 

3枚目がいい感じでじゅわっとしてそうに焼けたからトングで挟んだ時、あさっての方向に視線を向けてたぐーちゃんが壁を見詰めたまま、小さく叫ぶ。

 

 

 

「──おお・・・」

 

 

 

チラと見ただけでうちは次のお肉を並べた。

 

カウンターのお客さんの、痛いほどの視線も気にせずスルー。

 

 

 

今、うちはお肉が食べたいです、グリム金貨1枚渡して追っ払ってもいいくらい。

 

 

 

これも食欲、肉欲!

 

 

 

 

 

 

 

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