お風呂掃除を下着一枚でやるものじゃありませんね。
後、感想の方ですが返信はしておりませんがしっかりと読ませていただいております。ありがとうございます。
では、錬鉄と騎士王のduetをお楽しみください
「先生、あたしはアイツの隣に座りたい」
そういって指を指した先にいたのは呆然とした様子の遠山キンジがいた。
指を指したのは先ほど高天原先生が「うふふ、じゃあまず去年の3学期に転入してきたカーワイイ子から自己紹介してもらっちゃいますよー」と紹介をうけた桃色のツインテールが特徴的な少女だ
名前は神崎・H・アリア
私も含めこれから一年間授業を共にするクラスメイトが一瞬絶句し、私とアルトリア以外の全員が
わぁー!と歓声をあげた
ズリッと、キンジが椅子から転げ落ちる
その拍子に、椅子に後頭部をぶつけているが大丈夫なのだろうか
「な、なんでだよ!」
「よ・・・よかったなキンジ!なんか知らんがお前にも春が来たみたいだぞ!先生、オレ、転校生さんと席代わりますよ!」
そういったのは190㎝に近い男ー武藤 剛気ー
乗り物であればスクーターからロケットまでなんでも乗りこなせるといった特技を持つ車輌科の優等生だが時々理解ができんことがある
神崎がキンジの隣に座りたがっているのはわかるのだがなぜそれいいことなのだろうか
それに春が来たと言っているが春ならもうとっくにきているはずだが
相変わらずアイツの言っていることはわからんな
「キンジ、これさっきのベルト」
いきなりキンジの名前を呼び捨てだと...
それに何故彼女がキンジのベルトを...
「理子、分かった!分かっちゃった!--これフラグバッキバキに立ってるよ!キーくん、ベルトしてない!そしてそのベルトをツインテールさんがもってた!これ謎でしょ謎でしょ!?でも理子には推理できちゃった!」
峰か...
探偵科のAランクと能力的には問題ないのだが彼女も武藤とは少し違うが話が少しわかりにくいうえに調子が狂わされることが多いので苦手な部類に入っている
「キーくんは彼女の前でベルトをとるような
ほう・・・・
つまりキンジは神崎と会っていたから始業式に遅れたと・・・
クラスが盛り上がる中、私はキンジの後ろに立ち、頭にグロックを突きつけた。
「・・・キンジ。貴様、朝に始業式には確りと出るようにといっておいたはずだが。それを貴様は神崎と会うために休んだと。・・・・・・キンジ。言い訳があるのなら聞こう。無いのなら、
劣情を抱いたまま、溺死しろ」
まぁ、こうは言ったものの、おそらくこいつはなにもしていないのだろう。神崎となにかはあったにしろ峰がいっていたようなことはないと断言できよう。
こいつは極度の女嫌いだからな
それに、そんなことをする度胸もあるまい
「おいっ、シロウっ!?何で俺の頭に銃を突きつけるんだよっ!俺はなにもしてないっ、朝にチャリジャックに会ったときに助けて貰っただけだって!」
チャリジャックか
先ほど教務科から送られてきた周知メールでの自転車爆破事件の被害者はこいつだったのか
色々と事件に巻き込まれるものだ
「ほぅ、では何故、お前のベルトを神崎が持っている。ベルトなど、落とすものではあるまい」
「それは神崎のやつのホックが壊れてたからベルトを貸してやっただけだっ!」
「なるほど、では貴様は一切やらしいことは無かったと言えるのだな」
その言葉にキンジは言葉に詰まった。
「言葉に詰まったな、キンジ。ということはなにかしらあったということだな。正直に言え、さもなければ星伽にこの事を言うがどうするかね」
この言葉にキンジの顔が青くなっていく。
恐らく、頭の中では星伽からの制裁がよぎっているのだろう
神崎の方を見てみれば顔を真っ赤にしながらプルプルと震えている。
どうやら、少しふざけすぎたようだな。キンジのお仕置きもここまでにした方が良さそうだ
しかし、遅かったか
ずぎゅぎゅん!きんっ!
突然、鳴り響いた二発の銃声がクラスを一気に凍りつかせた。
神崎がガバメントの2丁を抜きざまに撃ったのである。
「れ、恋愛なんて・・・くっだらない!それにあんたもいちいち検索なんてしてんじゃないわよ!全員覚えておきなさい!そういうバカなこと言うやつや聞いてくるヤツには・・・」
これが神崎・H・アリアご武偵高の生徒達に発した最初の言葉だった
「ーーー風穴開けるわよ!」
「ほぉ、風穴を開けるのか、貴様は。しかし、妙だな。私は今、先ほどの条件に当てはまっていなかったようだが、何故貴様は私の大切なものに風穴を開けた?
ーーーーアリア」
風穴を開けるといった神崎の後ろに黒いオーラを纏ったアルトリアがそこにはいた
口調も変わっている
手には私が昼食にと持たせたサンドイッチの欠片が...
とりあえず、何故彼女が早くも弁当を食べているのかは置いておくとして
アルトリアの机を見ると机には弾痕が一発あった
私は全てを悟ってしまった
恐らく、先ほど神崎の撃った弾が跳弾しアルトリアの食べていたサンドイッチを貫いたのだろう。
なんという偶然。少しずれればアルトリアが死んでいた。
まぁ、当たる軌道なら直感で避けていただろうが
「・・・・あ・・・アルトリア!な、何であんたがここにいるのよ!イギリスにいるはずじゃ!?」
「いつの話をしている。私は去年からここに通っているが...ああ、そう言えば貴様には言っていなかったか。まぁ、それはいい。それよりも、貴様のせいで台無しになった昼食をどうしてくれる!シロウが私のために作ってくれた昼食を!」
「そんなもの知らないわよーー!」
そんな神崎の声が武偵高中に響き渡った。
▼▼▼
あれからアルトリアを宥め、なんとか一日を乗り越えた。
私は両手に数日分の食料を入れたビニール袋を持ち、学校では聞けなかった神崎のことをアルトリアに聞くことにした。
「そういえば、アルトリア。君は神崎と面識があるような会話をしていたが、いつ会ったんだ」
「アリアとですか。アリアとあったのはイギリスにいた時ですね。イギリス武偵高での任務で一緒になったのが始まりです。その任務のあとにしつこくパートナーになりなさいと迫られて大変でした」
なるほど。イギリスに居たときにあったか
それにしても、アルトリアをパートナーとして選ぶということはあの神崎は相当な実力者ということになる。
武偵というものはパートナーを探すとき、なるべく自分と同等の実力を持つ者を選ばなければならない
動きが違いすぎるのだ
実力が離れすぎると動きに差が出てきてしまい、両者とも本来の実力が発揮できない
ゆえに武偵は実力が同等のものと組む必要がある
「なるほど。では何故、アリアとパートナーにならなかった?流石に君ほどの実力は無いにしろ、相当な実力者なのではないか」
「確かに彼女は優秀ですね。確か、強襲科のSランクの筈ですから。CQCや拳銃の扱い、剣術も大したものでした。しかし、私のパートナーはシロウ。貴方をおいて他にはいないと出会ったときにもいったはずですが」
アルトリアが真摯な瞳で私の方を見てくる。
その瞳には一切の迷いはなく、心からそう思ってくれているのが感じられる。
あの戦いで私はアルトリアと共に戦えなかった
いつも足手まといにしかならず、実力が無いことを嘆いた。
だが、この世界でアルトリアはパートナーは私だと言ってくれた。アルトリアに追い付こうと足掻き、夢を果たすために親しい人を置き去りにして、果てに絶望した私を彼女は認めてくれた。
それが嬉しくもあり、恥ずかしさもある
私がやって来たことは無駄ではなかったとそう思えるのだから
つい、アルトリアから目をそらしてしまう。
そんな私を見て、アルトリアはクスクスと笑っている。
「何かね?人の顔で笑うとは君はいつからそんな失礼なことをするようになったのかね」
「すいません。やはり、何時まで経ってもシロウはシロウなのですね」
「・・・私はもうかつての私ではないと思うがね」
それだけ言うとアルトリアの顔を見ずに寮へと歩を進めた。
「いいえ、貴方は変わってなどいませんよ
貴方は私が愛した貴方のままです、シロウ。」
風にのって、そんな言葉が届いた気がした
▼▼▼
私に割り振られた寮の部屋に戻るとまず目についたのは見に覚えのないトランクが鎮座していた
ブランド物のストライプ柄のトランクだ
誰のものだ?
この部屋に来るものは限られている
この部屋の住人である私とキンジを除けば、アルトリアと星伽のみ
来客でも来ているのか?
疑問に思ったが取り敢えず、食材を冷蔵庫に入れねばならないので、リビングの扉を開くと
「ーーーキンジ。あんた、あたしのドレイになりなさい!」
耳を疑う声が聞こえた。
リビングには窓付近にいる神崎とテーブルにいるキンジ
すると、神崎が私に気づいた。
「あっ、あんた。朝にキンジの後ろにいたヤツね。あんたもこの部屋なんだ」
「そうだが、どうやらお取り込み中だった様だな。すまないが食材を冷蔵庫に入れねば、痛んでしまうものもある。少しだけ失礼させてもらう。何、用事が終われば直ぐに部屋から出ていこう。君達が何をしていようが私は関与はしない」
他人の性癖にとやかく言うのは筋違いだ。キンジがどの様な性癖を持っていようと私は気にはすまい。
「おいっ、シロウ!何か勘違いしているだろう、お前!」
「そんなことよりもキンジ!あんたはお茶のひとつも出さないつもり!無礼なヤツね!」
キンジが非常に不服そうな顔をしている。しかしそれでもコーヒーを淹れるためなのか台所に来た
「キンジ、結局これは一体どのような状況だ?ああ、それとコーヒーは私が淹れておこう。どうせお前のことだ、コーヒーの種類などわかるまい」
「ああ、サンキュー。それと理由なんて知るかよ。いきなり押し掛けてきてドレイになれって言われただけだ」
「そうか、まあこのあと彼女が説明してくれることを祈るとしようか。・・コーヒー出来たぞ。お前の分もあるから飲むといい」
キンジはありがとと言いながら神崎の分のコーヒーも持っていった
神崎はキンジから受け取ったカップを両手で持ち鼻を近づけ匂いを嗅いでいる
「へぇ、いい匂い」
「シロウが淹れてくれたんだ。有り難く飲めよ」
「ずず・・・・美味しい。日本でここまで美味しいコーヒーが飲めるなんて思わなかったわ。シロウって言ったわね、中々やるじゃない」
どうやら私のコーヒーは彼女のおきに召したらしい
コーヒーはここ最近淹れていなかったから不安だったが大丈夫のようだ
「そうか、それはよかった」
「それよりだ、今朝助けてくれたことは感謝してる。それにその・・・お前を怒らすような事を言ってしまったことは謝る。だからって何でここに押し掛けてくる」
「わかんないの?」
「分かるかよ」
「あんたならとっくに分かってると思ったのに。んー・・・でも、そのうち思い当たるでしょ。まあ、いいわ。ねぇ、そんなことよりお腹すいた」
キンジと神崎の話を聞いているが話が全く噛み合っていない。
神崎の自分主体の話し方のせいだろう。自分が分かっていることを他人に強要している、この手の人物は大抵人の話を聞かない。故に知りたければ自分で考えるしかないだろうな
「なんか、食べ物ないの?」
「知らねーよ」
「知らないってことはないでしょ。あんた普段なに食べてんのよ」
「シロウがいるときはシロウが作ってくれるものを食べてる」
「へぇ、あんた。料理もできるんだ。じゃあ、私の分も作りなさいよ。そろそろ、夕飯の時間でしょ」
何故、神崎に命令されているのか謎だがまあ構わんか。
アルトリアがいるから、多目に作るということに慣れている。一人増えたところで手間はたいして変わらん
では、神崎にも満足のいく夕食を作るとしよう
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