以前他の作者さんの作品読んでて細かいところはいいから早く戦闘に入ってくれないかなとか
思ってましたが書く側になってみると面倒な段取りが要りますね。
まだ1話バトルまでに入りますがそこで恵那さんとのイチャイチャ(殺伐)が入ります。なんとか頑張りますので応援よろしくお願いします。
恵那と祐理がある問題人物の人品に関して話し合った翌日の放課後。祐理と将悟はつれ立って七雄神社まで足を運んでいた。
もちろん草薙護堂との会談に赴くためであるが難攻不落の大和撫子が異性と共に帰路につくという稀少を通り越し絶無であったその光景に周囲の男子達は驚愕と悲憤のあまり血涙を流し見送っていた。
いうまでもなく彼らが邪推した艶っぽい雰囲気など二人の間には微塵も見受けられず、逆に居た堪れないような緊張と沈黙が二人の立つ神社の空間に満ちていた。
「お、来たか」
目の前の少年の存在とこれから始まる二王の会談がもたらす緊張に深呼吸を繰り返していた祐理に相変わらず気負いの感じられない声が届く。これから東京の命運を左右する会談を前にしているとは思えないほど緊張の無い自然体だ。
その姿を見て祐理はこっそりとため息を吐く。
何度となく軽率な行動を避けるよう嘆願したがいずれも聞き流された。本当に直接的な行為に及ぶつもりが無いからか、それとも単に馬耳東風なだけか。例え将悟がどんな邪智暴虐を行っても残念ながら祐理にはそれを止める手立てが無い。
昨日恵那に諭されたものの祐理は神すら殺める力を持ちながら自重する気配が無く、しかも気紛れな将悟を一人の人間としてどうしても信用しきれない。こればかりは一朝一夕でどうにかなるものではなかった。
とはいえ恵那の言葉が祐理に何ももたらさなかったわけではない。霊視の力に優れるが故に己の直感に信頼を寄せている祐理だが、だからこそある種の第一印象に左右され、将悟に偏見を持っていたことは否定できない。
赤坂将悟は決して善人ではない。日本に新たな王が誕生してから一年、彼の行状を耳にするたびにその印象は強まっても弱まることはなかった。
だけどそれだけではないと恵那は力を込めて語った。親友の言葉を否定できるほど祐理は将悟のことを知らない。だから見てみようと思う。怖くとも、恐ろしくとも赤坂将悟のありのままを自分の目で見てその上で誤っているのなら自身の不心得を正し、誤りがなければ命を懸けて暴君を諌めよう。
密かな決意を込めて将悟に視線を送るもやはり柳に風と受け流されてしまう。祐理を無視しているというよりこちらに歩み寄ってくる少年に注目しているのだと気付く。その証拠に微かに頬が歪み、闘争の場にある時の喜悦の表情に近いソレを浮かべている。
下手な話の切り出し方をしては最悪この場で二人のカンピオーネが激突しかねない。祐理は緊張を使命感と意志の強さで追い出し、改めて東京の命運を握る会談に向けて気合を入れる。できるだけ不敬にならないよう表情に気をつけながら、改めて赴いてくる少年の方を見遣る。
欧州各地で破壊活動に関わっていたという前情報の割にごく普通のどこにでもいそうな見た目の少年だ。甘粕から聞かされていた評判から作り上げていたマイナスイメージとの落差からか、こちらに足取りを向けてくる精悍な容貌の少年は朴訥で温厚そうな印象を受けた。
二人の目の前まで護堂はどちらに声をかけるか迷うそぶりを見せた後、連絡を寄こした相手である祐理に視線を固定した。祐理もまた最前まで緊張した様子を見せていたのが嘘のように落ち着いた様子で対応した。
「よくいらして下さいました、草薙護堂さま。カンピオーネである御身をお呼び立てした無礼、お許しくださいませ」
深々と頭を垂れる。
流石媛と讃えられる身分に就いているせいか何気ない挙措が一つ一つ洗練されていた。
「万里谷祐理と申します。昨日はいきなりお電話をおかけして、失礼いたしました」
そしてそのまま頭を下げたままでいる。
どうやら自分の返答を待っているようだと数秒かけて察した護堂が慌てて声をかける。
「いや、全然迷惑とかじゃないから頭を上げてくれないか。どう考えても君にそんなに気を遣われるほど大した人間じゃないぞ、俺は」
日本に現れた新たなカンピオーネの第一声はなんとも掲げた看板らしからぬものだった。端的に行って魔王という単語から連想されるドスの利いた雰囲気が感じられない。むしろ朴訥で誠実そうな人柄に見える。
やっていることはともかく言動と外面は俺より大分まともそうだ、と身も蓋も無い感想を抱く将悟。
「そっちの人も初めまして。城楠学院一年の草薙護堂です」
将悟に対してもそう言って軽く頭を下げる。体育会系らしい、キビキビとした動きだった。
「赤坂将悟。同じく一年だ。ところで全員同じ歳なんだし、敬語は無しにしないか」
万里谷もな、と付け加えると大げさに慌てる祐理。それを横目に将悟の名乗りに驚きと困惑が顔に出る護堂だが素直に分かったと返す。当初はどんな展開になるか予想の付かなかった会談だったが一先ず順調な滑り出しを見せていた。
「えーと、勘違いだったら悪いんだけど。そっちの赤坂…さんは知り合いから色々、その…」
言い辛そうな様子の護堂に将悟の方から言葉を継ぐ。
「カンピオーネだって聞かされていた、か? あとさん付けは要らないから」
「……そう返すってことは確定でいいのか?」
「少なくとも日本の呪術師達に王様扱いされてる赤坂将悟は俺しかいないな」
少なくとももう暫くは神様やカンピオーネと無縁な平和な生活を過ごしておきたかったのだがイタリアから帰国数日で既にその願いは叶わぬものとなってしまったらしい。護堂は深い溜息をついたが一先ず棚上げしたようだった。
「……それじゃ万里谷の方は魔術師の仲間ってことでいいのか? 日本の連中に合うのは初めてだ」
「十把一絡げにされては困りますが、その御認識で概ね誤りはございません。私は日本の呪術界を統括する正史編纂委員会に巫女として協力している身です」
はあ、と分かったような分からないような相槌を打つ護堂。元々は魔術やら武術やらと縁遠い世界に生きていた一般人ならば無理も無い反応だろう。事実将悟も成り立ての頃はそこらへんのことはさっぱりだったから良く分かる。
「ところで俺がカンピオーネだってなんで分かったんだ? イタリアだと結構信じられるまで時間がかかったんだけど」
「パオロから直接お前の話を聞いてたからな。それに“同類”を見間違えたりはしないさ」
俺がカンピオーネだと知って、その上で何の反応も見せない奴はあんまりいないからな、と将悟。
「私の眼はこの世の神秘を読み解く霊眼ですから。それに既に二人の羅刹王とお会いしたことがある身です。草薙さまの素性を見誤ることはありません」
祐理もまた目を伏せながら静かに確信を込めた言葉を紡ぐ。
「前置きはこれくらいにして本題に入ろう。お前がイタリアから持ち帰った代物を見せてくれ」
ゴルゴネイオンとかいう神具のことだ、と将悟。
「ちょっと待ってくれ……あった、これだ」
そう言って学生鞄の中をかき回して無造作に取りだしたのは妖しい呪力を放つ黒曜石のメダル。一目見て内包された叡智と力に身振いする祐理。将悟もまた一見何ということのないメダルに潜む妖しくも力強い、大地そのものを思わせる呪力を感じ取った。神を招来するという特性を差し引いても間違いなく危険な物品である。
「これがゴルゴネイオンか…」
ひょいと護堂の手から黒曜石のメダルをさらうとその視線が茫洋と、意識が身体から離れているような不思議な表情となる。ゴルゴネイオンが発するなにかしらのサインを読み取ったようだ。
「間違いないな。女神がこいつ目指して向かってきてる。思ったより近い、猶予はあまりないな」
「…待ってくれ。それ、ホントか? そもそもなんで赤坂にそんなことが分かるんだ?」
「普通なら分からん。ただこいつを狙ってる女神様はどうやら俺が最初に殺した神様の遠い親戚筋くらいに当たる神格だ……“視えた”のはそのせいだろうな」
突然奪われたことに抗議の声を上げようとした護堂だが唐突に齎された不吉な情報に思わず問いただすと返ってきたのは予想以上に確信が込められた言葉。いまだ半信半疑だが先日エリカから将悟にまつわる妖しげなエピソードの数々を思い出すと途端に説得力が感じられてくる。
それでも信じたくない護堂は反射的に気になった点を問いかける。
「待ってくれ。あいつら日本の位置どころか国名も知らないはずだぞ!」
「これだけ強い《蛇》の気配が漏れ出てれば神様どころか俺でもかなり遠くまで探れる。アジア圏くらいなら余裕だな」
ましてや神具の対になる女神様なら地球の裏側からでも分かるんじゃないか、と。
他人事ライクに言い放つ割に内容はかなり不穏かつデタラメだ。
「イタリアから追っかけてくるなんてどれだけ目茶苦茶な連中なんだ…」
「デタラメじゃない神様なんて俺は遭ったことが無いな」
突っ込みを入れつつ、これ以上不毛な話題を続ける気はないらしい。
「とはいえ俺じゃこれ以上視えないし、視たらこっちの正確な位置がバレそうだな…」
視ると言うことは視られる可能性がある、と分かるような分からないようなことを呟く将悟。事実魔術に造詣の深いまつろわぬ神なら己が霊視されたことに気付き、逆に霊視した者の位置を探知するくらいのことをやりかねない。
「万里谷、パス」
無造作に祐理に向けてひょいと放る。慌ててキャッチするがその適当な扱いに祐理が眉を吊り上げる。
「赤坂さま! 仮にも神具に対してこのようないい加減な扱いはおやめ下さい!」
「火山に放り込もうが権能使おうが傷一つ付かない代物に丁寧もクソもないだろ。それよりソレ何か視えないか?」
もう、と憤慨する少女を適当に宥めすかして、というより宥める気すらない言葉で霊視を促す。話に聞いていた以上のアバウトっぷりに苦労してるんだなァ…と同情の視線を向ける護堂だった。
「エジプト、アルジェリア…古き太母と大地を巡る螺旋…最古の《蛇》…。なんとなくそんな言葉が思い浮かびます」
「最古の《蛇》……ふん、幾つか予想はつくがよしておくか」
どれが当たっててもロクなことにならないし、と将悟。
「こんな危険物よく自分の住む国に持ち込もうと思ったな。逆に感心したぞ」
「ああ…やっぱりこいつってヤバイ代物なんだよなァ。いや、俺も正直断りたかったんだけどいまイタリアにはドニの野郎がサボってるせいでカンピオーネがいないんだ。お陰で俺にお鉢が回ってきて…」
今更ながらにやっちゃったかーという表情を浮かべている護堂に生温かい視線を向ける。その感想はどう考えても遅すぎる。だが言っては何だがこれがカンピオーネの平常運転である。後から考える愚者、エピメテウスの申し子という異名は伊達ではない。
何事もなかったのようにスルーして話を進めようとする将悟だがそれに待ったをかけた者がいた。
「―――お待ちください」
そこにいたのは目が据わった般若……もとい祐理だった。
「先程からお話を伺っておりましたが……草薙さんには少々申し上げたき儀がございます」
この一言からは唐突に始まった祐理のお説教。曰く周囲への配慮が足りなさすぎる、愛人の女性にせがまれるままこのような危険物を故国に持ち替えるなど言語道断、己が所有する大いなる力への責任を自覚し云々……。
会談前に『王』と相対する緊張で体を強張らせていた少女とは別人のような苛烈さ、さながら静かな怒りを内に秘めた夜叉女の迫力で護堂に迫っている。良かれ悪しかれ礼儀正しい対応がデフォルトな祐理がこれほど己の地を晒すのは珍しい……と思わず止めるのを忘れ観戦モードに入る将悟。
ひょっとすると万里谷祐理と草薙護堂の相性は極めて悪い、あるいは極めて良いのかもしれない。この一幕を見て何となく感じる将悟。なんというか初めてこの二人の掛け合いを初めて見たはずなのに妙にしっくり来るのだ。
そう考えつつ止める気のない将悟を余所に二人の王の前でヒートアップしつつあった祐理を制止したのは本来この場にいないはずの人間であった。
「―――そこまでにしてもらおうかしら。草薙護堂は仮にも王の位に在るモノ、如何に優れていようとただの人が掣肘していい存在ではないわ」
静かな怒りを湛える祐理、拙いながら弁解しようとする護堂、他人事ライクな視線で両者を観察する将悟と中々混沌として来た七雄神社に乱入者が現れる。
日に照らされ王冠のように輝く豪奢な金髪、いまだ成人年齢になっていないものの十二分に“女”として成熟した肢体。人体の黄金比を体現した芸術品の如き美貌。
「何より草薙護堂を虐めるのも愛でるのもこの私、エリカ・ブランデッリにのみ許された特権よ! それを蔑ろにされては愛人の面目に関わるというものだわ!」
数々の外見的長所とそれ以上の内面的長所。及び一般人からかなり逸脱した感性の持ち主。言うまでも無く草薙護堂の第一の騎士、エリカ・ブランデッリであった。
出待ちしていたんじゃないだろうな、と思わず将悟が邪推してしまうほど絶妙かつ鮮やかなタイミングで登場したエリカ・ブランデッリ。ここにようやく会談を纏めるために必要な全てのピースがそろった。
あまりに唐突な、それでいて舞台女優のように鮮烈な登場に唖然とした顔をした護堂を余所にエリカはあくまで優雅な物腰で祐理に語りかける。
「ごめんなさいね、私から声をかけたあなたの相手をしたいところなのだけれど騎士として礼を払わねばならない方がいらっしゃるの。そこをどいてもらえるかしら」
笑顔の裏に込められた不思議な迫力に祐理が一歩退くと将悟の目の前へ進み出ると身を屈め、初めて遭遇する“王”に騎士の礼を示した。
「僭越ながら名乗りを上げさせて頂きます、王よ。私はエリカ・ブランデッリ、《赤銅黒十字》の大騎士。叔父パオロから『
どこまでも華麗で、さながら宮廷絵巻の一幕の如き鮮やかな口上。あのパオロの姪なだけはあると感心する将悟。あの男、イタリア最高の騎士と謳われるに相応しい人格と力量の持ち主であるが意外と見栄っ張りで目立ちたがりなのだ。
「初対面のはずだがよく俺のことが分かったな?」
「叔父様から赤坂さまの人となりは良く伺っていますわ」
「警告の意味を込めて、だろ? まあいいさ、話を進めよう」
ふんと鼻息一つ鳴らすとエリカの乱入を認める将悟。派手で目を惹き、能力もある。だが結局将悟が相対するべきは草薙護堂のみなのだ。王に対抗できるのはただ王のみであるが故に。
「草薙の、率直に聞くが今回の一件どう始末をつけるつもりだよ?」
「どうって言われても…」
「お前の起こした一件でこれから東京都民一〇〇〇万が迷惑を被るんだ。既に女神が目覚めている以上遅かれ早かれここに来る。そうなった時、お前はどうする?」
指摘する人物の普段の行状が非常に気になるものの指摘自体は実にまっとうである。護堂としても非難するようなもの言いに反発する気持ちはあったが理性でこらえ、“常識的な”対応を口にする。
「どうって……そりゃまずは話し合って―――」
「すまん。なんだって?」
カンピオーネの発言とは思えない常識的に思えて実は非常識な言葉に耳を疑う将悟。存在そのものが非常識的かつぶっ飛んだ思考の持ち主である神様相手にも自分のペースを貫けるのはある意味カンピオーネらしいと言えるのかもしれない。ただし将悟の伝えたいことを十分に理解した風には思えなかったが。
将悟と同じものを感じ、呆れた様子のエリカが横から護堂の発言をアシストする。
「護堂、ここは私に任せて―――恐れながら王よ、我が主は未だカンピオーネとなって年月の浅い若輩。彼の騎士として御身に直答する僭越をお許しください」
「許すから手早く頼む」
仰々しい言葉に背中が痒くなりつつも端的にエリカの会話への参加を認める。多分彼女に任せた方が色々と話が早い。
「は…。此度の一件、基を糾せば我らローマの結社が持て余したゴルゴネイオンを我が主の義侠心を恃み預かって頂いたもの。無論事前に御身に話が行き届かなかった非礼、深く承知しております。ですが草薙護堂を招聘した時点でゴルゴネイオンを求める女神がローマに足を踏み入れていたことを鑑み、何卒裁定に慈悲をお加え下さるよう騎士エリカ・ブランデッリが
面倒くさそうに頷く将悟。彼の中でローマの結社への処遇は既に決めていた。わざわざ彼女から願われなくても似たような対応になっていただろうから彼女の懇願は将悟にとって終わった話である。
「そっちの主張は分かった。とりあえずお前個人に対して何か干渉するつもりは俺にも正史編纂委員会にも無い」
「感謝致します」
予定調和的に頭を下げるエリカ。
儀礼的なやり取りに内心面倒くさいと愚痴を吐く将悟だった。
「とはいえ思うところはある。次はもうちょっと上手くやれ、パオロの抜け毛の種を増やさないようにな」
「…ええ、今後は留意致しますわ。叔父様のためにも」
甚だしく優雅さに欠ける王の発言にさりとて抗弁も出来ずひくりと目元を引き攣らせたエリカの表情になにを見たのか将悟の頬が悪戯の種を見つけた子供のように釣り上がった。
「適当に言ってみただけだったが…なんだ、もしかして当たってたのか? 抜け毛」
親しい身内しか知らない話だが伝説的な聖騎士パオロ・ブランデッリも最近では加齢に伴って生じる不可避のアレコレを密かに気にしているのは事実だった。
いまの発言にはそういったニュアンスを含ませたつもりは微塵もなかったにも拘わらずあっさりと真実を見抜き、しかも確信した様子ですらある。思わず虚を突かれ、なにも言えないエリカを放ってそのまま一人納得したように頷く将悟。
くつくつと底意地の悪い笑みを浮かべる将悟に意図せずとはいえ弱みを漏らしてしまったことを内心で叔父に詫びたエリカであった。
同時に敬愛する叔父から将悟に向けられた『曲者』との評を思い出す。何気ない雑談からでも的確に知られたくない隠し事や真実を突いてくる、曲者揃いの王の中でも特に“関わりたくない”のだと。
話を聞いただけではいまいち理解しづらかったのだがアレはこういう意味だったのか、と思わず腑に落ちる。
そんなおかしな処でカンピオーネの不条理さを体験したエリカを置いて話の筋を基に戻す将悟。
「それとローマの連中も俺がわざわざ潰しに行くほどの興味はない。もちろんタダで済ませる気はないがな」
交渉の余地ありと見たエリカがさらに言葉を継ごうとしたが手を振って遮る。そういう話は正史編纂委員会とやれ、と言い捨てて。
「俺が聞きたいのはこの騒動の始末の付け方だ。まさか俺の街に爆弾投げ込んで後は放りっぱなしにするわけじゃないだろ?」
笑顔で問いかける将悟からそこはかとなく放たれる重圧に気圧されたのか視界の端で祐理が後退り、エリカの肩に一瞬震えが走る。それを押し殺し、敢然と視線を上げたエリカは堂々と魔王との交渉を再開する。
「御身が静観していただけるのであれば来襲した女神は我が主が総力を以て討ちましょう。その後ゴルゴネイオンは御身に献上致します」
「献上? 押しつけるの間違いだろ」
「否定はしません。しかしアレは旧き女の英知を秘めた魔道書でもあります。御身が進める事業の一助となりましょう」
要するに寄ってくる女神と言う面倒を始末すればゴルゴネイオンはいい研究材料になるということか。確かに神具は時にまつろわぬ神を招来する危険な代物だが資料として、儀式魔術の祭具として見ると極めて大きな価値を持つ。静観していれば美味しいところだけ持っていけると主張したいのだろう。
「もちろん今後このような事態に陥ることは避けるよう努めること、騎士の誇りにかけて誓約いたしますわ! 我が主は決して御身との争いを望んではいませんもの。でしょう、護堂?」
最後の一言だけはフランクに。エリカの確認に黙って話を聞いていた護堂は黙然と頷く。エリカの言う通り護堂は目の前のカンピオーネと争うつもりはない、これから嫌でも顔を合わせていく可能性が高い以上出来れば仲良くしたいとすら思っている。
同時に背筋を走るチリチリとした感覚が目の前の少年と何時か激突することもまた予感していたが。
「なるほど、まあそれでいくか。今回、俺は草薙が死にでもしない限り直接手は出さないし、草薙は女神ときっちりケリを付ける。少なくとも当分日本に来る気が失せるほどボコり倒してもらう」
「感謝致します」
「ただしペナルティも付ける。もし草薙がこの一件の後始末にしくじったらこの国から出ていってもらう」
突如振られた己へ発言に護堂の理解が及ぶまで半瞬、咄嗟に言葉が吐いて出るまでもう半瞬だった。
「…待ってくれ。それはちょっと重すぎるんじゃないか。いや、今回は俺が全面的に悪いのは分かってる。だけど俺にも家族や友達がいるわけで―――」
「ってもなー。自分の尻も拭けないカンピオーネなんざいるだけでどうしようもない産廃だろ。日本の平和を守るため、俺の面倒を減らすためにもお前には出てってもらった方が正直楽っぽいんだよ」
せっかくだから愛人と一緒にイタリアに移ったらどうだと他人事ライクに移住を勧める将悟に対し遂に護堂がなけなしの丁重さをかなぐり捨てて叫んだ。
「あんた絶対最後の辺りが本音だろう!? それと俺は平和主義者なんだ、市民の敵みたいな言い方は止めてくれ!」
「流石に世界中の観光名所を破壊して回ってきてその発言は説得力が感じられないぞ、
「いや、そんなつもりは…」
なかったんだ、抗弁する護堂の声にも流石に力が無い。己の所業を思い出し、良心の呵責を感じていれば無理もない話ではあるが。
「隠蔽工作でテロリストの声明が出されてる辺りで自分のやって来たことがそういうもんだと認識しておくと良いんじゃないか」
早く開き直れば楽だろうにと同じ穴の狢めいた思考がよぎる辺り将悟も糾弾する権利など持ち合わせていない。将悟自身は理解していても順守する気のない常識というルールにこだわる後輩を単にからかっているだけだ。ある意味護堂以上に性質が悪い男であった。
視界の端でちょいちょいと手招きしたエリカはこっそり護堂の耳に顔を近づけると、
「護堂、良い機会だからあなたの掲げる平和主義者の看板を外してみてはどうかしら? 正直そこにこだわっているのは貴方だけの気がするのだけれど」
「そんなことできるか! ただでさえカンピオーネの持つ能力は無茶苦茶なんだから平和的な話し合いで済むならそっちのほうが良いだろ」
「問題はまつろわぬ神と遭遇して話し合いで済んだ例が一度もなかったことじゃないかしらね」
一部エリカに突っ込みを入れられつつも、護堂の熱弁はこくこくと祐理を頷かせた。同時に非難の視線を将悟に向けるキッカケにもなったが将悟の鋼鉄並みに分厚い面の皮に弾かれ、その場の誰にも気づかれることはなかった。
エリカの巧みな弁舌に形勢不利と悟った護堂はその矛先を将悟に向ける。
「大体俺のことばかり言いたてるけどあんたも世界中でメチャクチャな被害出してるって聞いたぞ! あんたこそ平和の敵じゃないか!?」
「仕方ないだろ、だってカンピオーネなんだから」
護堂の糾弾に反論もせず全くもってその通りだと将悟は深々と頷いた。その上で平然と居直る辺り彼の面の皮の厚さは他のカンピオーネにも全く引けを取らないことは明白であった。誰かに知られればそんなところで張り合ってどうするんだというツッコミが入れられるのもまた必然だったが。
「良い訳あるか! 俺達の力はただでさえデタラメなんだからもっと周囲に気を遣えよ!」
言っていることは極めて正論かつ人道的な護堂であった。何故彼は全力で自分にブーメランを投げているんだろうという周囲の疑問を抜きにすれば。
「阿呆、
光の国の宇宙警備隊が登場する特撮作品まで持ち出して悪びれもせず言い放つ辺り一欠けらの反省も感じられない。だが本物のカンピオーネが言うだけあって発言自体には問答無用の説得力が宿っていた。
クソ、なんて適当な奴なんだと内心毒づく護堂だが非常時におけるアバウトな状況判断と傍迷惑っぷりは彼も負けていない。あるいは普段の行状がまともなだけに鉄火場における爆発力で言えば上かもしれない。
ともあれ目の前のカンピオーネに常識を説く無為を悟った護堂は疲れたような溜息とともに自身の願望を吐露する。
「そもそも俺はこんな物騒な事件に関わるのはもうコリゴリなんだよ…。俺は神様も魔術もない、平穏無事な生活を送りたいだけで」
その余りに魔王らしくない小市民的な願望を聞いた祐理は驚き、エリカは往生際が悪いと嘆く。そして同じカンピオーネである将悟はというと―――憐れみと嘲笑を同居させたなんとも筆舌しがたい表情を浮かべていた。
「馬鹿かお前は。そんなまっとうな人生を俺達が送れるわけないだろ」
そのささやかな願いをばっさりと切り捨てられ、ムッとした護堂にも構わず滔々と言葉を紡ぎだす。
「
踏み潰した何かが自分にとって大切な物じゃなければいいがね、と皮肉を交えたそれは紛れもなく忠告だった。先達から後進への贈り物だった。あるいは将悟自身の経験から紡ぎだされた言葉かもしれない。
それを聞いても護堂は己の意志も、行動も変える気は無かった。何時だって己が赴くままに選択肢を、勝利を掴み取るための選択肢を掴んできた。100%正しいと思ったことは無いし後悔したことも多いが間違ったと思ったこともない。
ただ忘れまいとは思う。まがりなりにも将悟が伝えようとしたものを受け止めようと。
「……覚えておくよ。ただ、俺は俺のやり方でいく。誰にも文句は言わせない」
「カンピオーネなんてそんなもんだ。好きにしろよ、誰も期待してねぇ」
眼光を鋭くした両者の視線がぶつかり、空気が震えたと錯覚するほどの呪力が瞬間的に放射される。まともにそれを身に受けた祐理とエリカは根源的な死への恐怖から等しく顔色を青褪めさせた。そんな彼女たちを余所に二人の少年王はどちらからでもなく同時に視線を外す。
いまの一幕を見ても二人がただ安穏とした関係に終始するはずが無いことは明らかであった。エリカははっきりとした警戒を浮かべ、祐理は不穏な未来の光景を幻視し危機感を抱いた。
視線を外した二人がお互いにそっぽを向いたまま数秒の時間が流れる。そして将悟が話は終わりだとばかりに護堂とエリカに対し手を振った。
「ああ……最後になったが正史編纂委員会は女神と後輩が出した被害の補償はローマの連中に出してもらうつもりらしいぞ。多分無理だろうが周りには気を遣えよ」
と、思い出したようにさらりと重要な一言を追加する。
「ま、事後承諾で揉め事持ち込んで東京で怪獣大決戦やろうってんだからしょうがないよな? 別に草薙とドニの野郎を楯に断ってもいいぞ。思い出した時に報復するだけだ」
朗らかに笑いながらの脅迫であった。そして彼らにそれを拒否できるようなカードは無い。究極的に人類はカンピオーネに対して無力であるからだ。護堂やサルバトーレ・ドニ個人を狙ってくるのならともかくローマの結社を何時までも守りきれるわけがないのだから。
ぎしりと固まる二人を余所に話は終わりだとばかりに背を向け、歩き去ろうとする―――直前。
ふと歩みを止めると思い出したように、
「万里谷はどうする?」
とまったく唐突に祐理に向けて疑問を投げかけた。
返答には一瞬以上の間が空いた。
「…私は」
不意に投げかけられた問いに祐理は決意の表情を浮かべ、己の裡から湧いてくる強い思いを言葉という形で表明する。
「許していただけるのならば草薙さんのお手伝いをしたいと思います」
それが彼女の本心であった。
神に抗うのは恐ろしい、死を賜わるかもしれない。それでも祐理は自分が生まれ育った街を守りたかった。僅かだが草薙護堂という無鉄砲ながら不思議と憎めない少年を手伝ってやりたいと思う気持ちもある。
そんな彼女の胸中を全て見抜いたかのような超然とした気配が一瞬だけ将悟の顔に浮かぶと同じくらいの速さで消え去り、いつもの掴みどころのない表情に戻る。
「好きに動けばいいんじゃね? まあ委員会も今回は文句を付けないだろう」
後半の台詞に疑問を抱きつつ、より優先すべき事柄を確認する。
「赤坂……さんはどうなさるおつもりですか?」
「静観しつつ草薙のフォロー、だな。この辺りには知り合いも多いんだ。俺の街で好き勝手させるつもりはない。神様でも魔王でもな」
―――
なるほどと、恵那が言っていたのはこういうことかと不意に祐理は得心する。
将悟は己の欲求に忠実だからこそ偽ることが無い。興味の外にある事物に無関心だからこそ思い入れのあるモノは力を尽くして守ろうとする。
自身と身内を最優先、その癖他人には呆れるほどに無関心。
馬鹿馬鹿しいほどに単純な将悟のルールを理解すれば、昨日まで抱いていた酷薄で気紛れな印象も無視できる程度のものになる。もう一歩踏み込んで将悟の身内として認められれば……恐らく本当の意味で恵那の気持ちも理解できるのかもしれない。
一度懐に踏み込んで接してみれば思わず助力し、手を差し伸べたくなるような魅力がこの魔王にはある。横暴ではあっても屈折した所の無い素直な性格がそう思わせるのかもしれない、分かりやすい人格的欠点と少々の物言いでは気にも留めない鈍感さ、意外なほど忠言を受け入れる素直さを持つからこそ安心して足りないところを補ってやりたくなるのだ。
「私も赤坂…さんと同じ気持ちです。この街は、私にとっても大事な場所ですから」
儚げな声音に確固とした決意を乗せた祐理に驚きの表情を浮かべると苦笑を頬に刻み、そうだなと相槌を打つ。適当に言っている風ではなく、将悟の真情が籠っているように思えた。きっと彼と自分は今同じ感覚を共有している…抱いていた蟠りが溶け、等身大の赤坂将悟を見ることが出来たと思えた。
確かに彼は人でなしかもしれないが、だからこそ恵那の気持ちを裏切ることは決してないだろう。多くの点で信用に値しない行状を現在進行形で重ねている魔王様だがその一点だけは確かに信頼していいはずだ。霊視ではない、祐理自身の思いだった。
「それではここで失礼致します」
「ああ…。言っても無駄かもしれんが、気をつけてな」
「はい。御心配ありがとうございます」
そして綺麗なお辞儀で一礼するとエリカと密着しながら話し合っている護堂に向けて協力を表明すべく歩みを進めた。男女が神聖な場でみだりに触れ合うのはお止め下さい、という般若のオーラ付きで。
将悟は二人の美少女に挟まれ、あたふたする後輩をゲラゲラと笑いながら今度こそ七雄神社の長い階段を下りていく。
ともかくこれが長くに渡って日本を舞台に時に味方、時に敵として否応なく長い付き合いを続けていく赤坂将悟と草薙護堂の初の会談を締めくくる一幕であった。
そしてそれからすぐ。
世間話と言うには重大で、会談と言うには当事者たちに重みの無い会話を終えた将悟は七雄神社から去ると適当に駅のある方向へブラブラと足を向けていた。魔術を使えばそれこそ瞬きの間に移動できたが日常生活であまりその類の妖しい技術を使う気はなかった。意味も理由もないが、強いて言うならなんとなくだ。
ただ今日に限っては別の理由がある。一瞬たりとも気配を感じさせることなくふと横を見るとそこには風に揺れる長い黒髪、微かに神力の漏れ出る竹刀袋を背負う快活な笑顔を浮かべた少女。
「やほ」
「おー」
言葉短く適当なあいさつを交わすのはもちろん清秋院恵那。先程の交渉でドンパチになった時に備え、恵那を近くに伏せていたのである。それにしても天災規模の荒事に踏み込む心構えをしていたとは思えないほど彼女は自然体だった。
「もうちょっと揉めると思ったけど意外とあっさりとまとまったねー。草薙の王様も聞いてたよりだいぶまともっぽいし」
「少なくとも表層意識の上っ面のあたりじゃ自分は平和主義者という認識らしいな。本性はともかく」
「ああうん、なんだかんだいって本物の魔王様だもんねェ…」
彼女独特の感覚が一見温厚な護堂の気配に潜む不穏な“力”を感じ取ったらしい。
本人が好むと好まざるにかかわらず、騒動を起こし災厄を撒き散らすのはカンピオーネのお家芸である。幾ら護堂が戦いを厭おうとも、その闘争こそが彼を逃がさない。そして一度戦端が切り開かれれば途端に自重と言う言葉を投げ捨てるに違いない。そういう意味でこの二人は護堂の良識的な発言の全てを一瞬たりとも信じていなかった。
「祐理は大丈夫かな? あの子の性格だと危険を承知で荒事のど真ん中に突っ込んで行きかねないだよねェ」
慨嘆風の恵那に将悟が不吉な者を見た表情で答える。
「んー。ヤバイ、かもしれん。一瞬だけだが死相が見えた気がする。勘だが」
「それ、ホント?」
普通なら戯言で片付ける話だが発言者の勘の鋭さを考えると中々無視もできない。鋭い目で問いただすが、不穏な発言をした本人はというと困惑した表情で後頭部を掻いている。
「けどなーんかあのまま放っておいた方が良い目が出る気がするんだよな」
「良い目っていうのは誰にとって?」
「さて? 俺か後輩か、さもなきゃ東京都民かはたまたその全てか」
「無視は出来ないけど当てにも出来ないんだからホント王様の勘っていい加減だよねー」
「言うなよ。これでも結構な回数助けられてきたんだ。荒事を避けるのに役立ったことはあんまりないけどな」
肩を竦める将悟にひとまず強張っていた全身の力を抜く。将悟の勘が全て当たるわけではないし、そもそもこれから神様が襲来する東京に安全地帯など無い。気になるのは確かだが動きようが無かった。
祐理の話題は一先ず棚に上げ、話を変える。
「ところで王様はさっきの話し合いで出た条件で本当に満足なの?」
「面倒事は後輩に丸投げ、美味しい研究材料はタダ取り。後始末で苦労するのは甘粕さんだ。クレームは付けたから大分気が済んだ。だから感情的になっているかと言われると微妙だな。後はこっちに被害が来なければどうでもいいよ」
「あはは、王様らしいね! 恵那もこういう話はさっぱりだからさ。知ってる人が怪我したりしなかったらそれで十分だよね」
ちなみに“こっち”とは将悟の知人友人も含まれるため魔王同士の決闘による東京消滅の危機が完全に回避された訳ではない。
政治のことなどさっぱりな将悟だが交渉事で一度譲歩すればナメられるだけという真理は野生の直感で理解している。とはいえここから先ローマの結社とのやり取りは委員会に放り投げる形になるだろう、ひょっとすれば三日後には忘却の彼方となっているかもしれない。将悟は興味のないことには本当に興味が持てない性格だった。
「でも珍しいよねェ…神様まで動きだしてるのに王様が働かずに済むなんて」
「おい馬鹿やめろそれはフラグだ」
なんていうことのない馬鹿話。フラグも建て過ぎれば自重で折れるのである。そんなノリでグダグダと話を続けながら二人並んでブラブラと歩く。特に意味はないが悪い気分ではなかった。だから珍しくこのまま恵那を伴ってどこかに足を向けようか、と思いついたのも束の間。
―――ふと恵那が見えない誰かに呼びかけられたかのように視線を天に向ける。
そこには先程まで晴れ模様だったにもかかわらず急速に黒雲が湧いてくる。たちまちの内に空を覆い尽くし、ざあざあと強い風と共に横殴りの雨まで吹き付けてきた。
「ありゃ、珍しい。おじいちゃまからだ」
さっきのフラグが早速仕事をしやがったか、と本気で毒を吐きながら恵那を引っ張って近くの軒下に避難する。魔術を使って雨避けしてもいいが下手にやれば目立つこの上ない。この程度のことで委員会の人間を記憶改竄作業に従事させるのも気分が良くなかった。
「うん、聞こえてるよ―――それで用件は? わざわざそっちから繋げてくるんだから普通の話じゃないんでしょ?」
電源の切れた携帯電話を片手に会話を続ける恵那。元より世間話なんぞとはこの世で一番縁遠い存在との会話である。ズバズバと本題に切りこんでいく。
「―――はァ!? なにそれ! もうちょっと詳しく聞かせて……ああもう、切られちゃった」
将悟には聞こえない声の主から伝えられる情報に恵那の声に憤りと混乱、焦りがそれぞれ等分に混ざる……加速度的にきな臭い予感が増していく。得意の直感に頼らずともこの時点で将悟は確信していた、絶対にロクな事態ではあるまい。
そしてその予感を裏付けるように恵那が混乱を鎮める余裕もなく将悟に向けて叫ぶ。
「来るよ、王様―――まつろわぬ神が来る。これから出雲の地に《鋼》が顕現する!」
彼女は守護神たるスサノオから渡された爆弾をそのまま将悟に投げ渡したのであった。
そしてその神の名は―――、
「武蔵坊弁慶が《蛇》を討ちに
弁慶と鋼の関連についてはWikipediaの『武蔵坊弁慶生誕伝説』にて!
や、煽っといてなんですが弁慶と鋼の関わりについてはあまり深く掘り下げる気は無いので。
それと活動報告にカンピオーネ最新刊の感想及び思い切り外れた作者なりの最後の王考察を置いておきました。恥をさらして悔しさを晴らし、心機一転執筆に向かいたいと思います。
暇な人は読んで構っていただけるとしっぽを振って喜びます。