fate/stay night shaman king 作:鉄爪
一通りこの冬木の地を散策し終わりどの辺りになにがあるのか
という地理を把握したのは桜との出会いから1週間くらい過ぎた頃だった
いつものようにふらふらと街をぶらついていた時とある人物とすれ違った
その人物は赤い眼で金の髪、そして凄まじい自我を持った男だった
普段から他者の心の声を聞くことができるハオにとってここまで強い自我を持った人間が存在したことに驚き思わずその男の方へと振り返る
するとその男の方もハオが気になったのかこちらへと目線だけを向けていた
「へぇ、君が王か」
その男へとハオが放った言葉はそれのみだった
そしてその男はその言葉を聞き満足そうに腕を組みハオを見つめる
その眼はまさに悪鬼のそれといえる代物である
「その王を前にしてどうして貴様は頭を垂れずただ突っ立っていられる?王を前にした雑種がとるべき行動は一つであろう」
声色こそ穏やかではある
しかしその眼は虫ケラを見る眼でありこの男はハオを毛ほども脅威と感じていないらしい
「まあそう熱くなるな。今ここでなにかやろうって訳じゃないだろう」
「ほう、この我を前にしてその不敬。本来なら極刑であるが今の我はたまたま機嫌がいい。これからの貴様の無様な足掻きを高みで見物するというのもなかなか面白いではないか」
男は声高らかに笑いながらそう言った
この男はハオが今回の聖杯戦争関係者であることを、英霊であることを見抜いた上で見逃そうというのだ
これになんの思惑があるかはわからない
もしかすれば本当に機嫌がよかったから見逃そうとしたのかもしれなければただこんなちっぽけな存在が聖杯戦争を勝ち抜くなどありえないと判断したのかもしれない
その真意はわからないがこの男は本当にハオを見逃すようだ
「ここで見逃すと言ったのだ。そう簡単にくたばってはくれるなよ?我の酒の肴が減ってしまうではないか」
男はそう告げると優雅にくるりと振り返りハオから視線を外しそして
「この世のものはすべからく我のものだ。宝物だろうが民だろうがな。それを侵すというのなら例え貴様のような雑種であろうが関係ない」
という言葉を残してこの場から去っていった
その言葉を聞き流石のハオでも苦笑いをするしかなかった
「まさかこんな形で古代ウルクの王、あの英雄王に出会うとはね。パスカルアバフに言えば腰を抜かすだろうさ」
あの男と今後できることなら関わってはならない
そう肌で感じたハオはそれでもあの男を倒す手段を考えねばならないと思案する
最後のあの言葉、それはこの聖杯戦争の優勝商品である聖杯もそしてハオが滅ぼそうとしている人類も全てあの男の所有物だと確かにそう言った
確か伝承ではこの世全てのあらゆる財という財を手に入れたとされている
それが例え彼の死後生まれたものであろうが関係なくこの世という世界に存在するものは全て自分のものだということを意味している
ならばどれだけあの男を避けようが最終的にあの男と対峙するのは避けられない運命なのだ
よし、と意気込んだハオは目の前にある長い階段を見上げた
ラスボスとラスボスは惹かれ合う