fate/stay night shaman king 作:鉄爪
「別に強要はしないさ。話がしたいと言っても少しばかり興味深い奴が居たもんだから気になっただけさ」
キャスターは笑いながらそう言う
だがその目は俺たちの表情のさらに奥を見通している
セイバーとバーサーカー以外の考えていることがわかるというのはそういうことだ
たとえ俺たちがなんとかしてこの場を乗り切ろうとすればそれを全て知られた上で乗り越えなければならないという途方もない事をやらなければならないのだ
「それでその気になった奴ってのは誰?」
俺の後ろから強気な声が静かなこの場に響き渡る
紛れもなく遠坂の澄んだ声だ
「あぁそれを伝えてなかったか。僕が気になったのは君だよ」
と、キャスターが指をさしたのは俺の方向だった
その指の先を見てこの場のみんなが俺を見つめた
「え、俺?」
誰かとかぶっているのかと思って振り返ったが誰もいない
確かにキャスターの指は俺をさしていた
「そう、一体君はなにを抱えて生きてきた。それを問いかけたくてつい声をかけてしまったんだよ」
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ハオが3人のマスターと2騎のサーヴァントに話しかける少し前
魔力の変化を察知したハオはその現場へと駆けつけた時のことだ
変わった奴らだ
最初この場に居る者達へのハオの感想がそれだった
1人は憎しみと愛情を抱えその2つの感情がごちゃまぜになっている小さくそして儚くも大きな少女
そしてもう1人は言葉にするなら「あかいあくま」といった印象の少女
やるからには徹底的にやるという根性のある強気であるがそれでも人情に弱いどこまでも人間くさい少女
だがこの2人よりもハオが惹かれたのはあの場で唯一状況が一番理解できていない少年だった
彼の心そこに彼というものがなかった
どこまでも空っぽでどこまでと空虚でどこまでも人間であろうとしていた
それでも彼の心は人間と呼ぶには程遠いものだった
だからこそ惹かれたのだろうか
などと考えてはみるが答えはわからない
何故なら少年にはその心というものがないのだ
言葉を言い換えるなら自分が存在しない
自分という存在は全て他の全てのみんなのためにある
いわゆる『正義の味方』であろうとする、そんな印象を受けたのだ
だからこそ彼の『なかみ』が気になった
自分を持たない少年の『真のなかみ』がだ
「葉、人間を滅ぼすのは少し待ってみようと思う。あの少年を見届けてからでも遅くはない」
だからこそなのだろう
今まで見たこともない変わった少年を、人間を見つけたこと
それがハオの行動を、心境を変えたのだ
自分の半身であり弟である麻倉葉とは違ったタイプの人間の全てを見たいというとんでもない気まぐれを起こさせる程度には…だったがそれでもそれは今後の聖杯戦争の行方をガラリと変えた
開始早々本気になったハオを止めることができる英霊が聖杯戦争において召喚されることはほぼありえないのだから
「さてと、それじゃあ行こうとするか」
そうやってハオはこの場の皆に話しかけたのだ