fate/stay night shaman king 作:鉄爪
あの夜キャスターは一通り満足したのか本当に俺たちに手を出さずに帰って行った
手を出しはしなかったがキャスターが俺たちに与えた衝撃は凄まじいものだった
他のみんなも同様で結構なショックを受けたのだろう
バーサーカーのマスターはなにも言葉を発さずいつの間にかこの場から立ち去ったし、遠坂は黙ったまま唇を噛み締めていた
「マスター。今この場にそのままいるのは得策ではありません。万が一のこともありますのでこの場から離脱を」
そんな中唯一冷静でいたセイバーがそう提案してくれる
もし彼女が居なかったら俺たちは立ち直るまでこの場で突っ立っていただろう
「あぁそうだな、セイバーの言う通りだ。一旦帰ろう」
「仕方ないわ。とりあえず衛宮君の家に行くとしてそれから作戦会議ね」
「…え、どういうことだ?」
俺は遠坂の言葉にピンとこなかったがために思わず聞き返した
「どうってなにもあいつに聖杯を渡したら人類が全滅する。ならあいつを倒す他ないじゃない。けどあなたのセイバーは万全じゃないし私のアーチャーも今は養生中。お互いのサーヴァントが十全じゃないんじゃ協力するしかないでしょ?」
と、当たり前だという表情でそう言い放つ
よく考えれば確かにそうだと思うし俺自身遠坂とは協力関係でいたいという気持ちもあったから俺はその案に了承する
「それじゃあ行きましょ」
そう告げると遠坂は俺の前を歩いて進んでいった
「マスター」
その姿を眺めていた俺を心配したのかセイバーが声をかけてきた
「あぁ、悪い。いま行く」
俺はセイバーに促されるままその後を追って自分の家に帰っていく
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「それでいい」
街の住民が寝静まった闇に染まった世界で1人の男が笑みを浮かべた
先の問いかけで満足する答えを得られたわけではない
あの正義の味方であろうとする衛宮士郎という少年と明確に敵としての立場にあることによってその真意を理解するつもりだった
実際聖杯に望む願いが『全人類の滅亡』であることに間違いはない
だからハオはあの場で嘘をついてはいない
そしてそれを横にいた少女、遠坂凛にも聞かせることによってあの2人を協力関係に立たせることで少しでもこの聖杯戦争を生き延びる確率を上げたのだ
「流石に始まってすぐ脱落なんてつまらない。そうだろう?」
ハオが後ろに立つ姿なき者に声をかける
その影は黙って首を縦に一度だけ振ると再び姿を消した
「わざわざ壁を超えて君に来てもらったんだ。面白いことになったほうが君のためにもなるだろうからね」
その場にさっきいた影はない
その影の正体を知るのはやはりハオのみ
だが確かにその影は消える寸前にこう呟いていた
「私はもう迷いません」