fate/stay night shaman king 作:鉄爪
「今のは…?」
ゾワッとした感覚を覚えた少女が呟く
その呟きに答えるようにもう一人が口を開いた
「どうやらよくないものがこの聖杯戦争に混じってるようだ」
ある方向を見つめる
その先にあるのはひとつのある寺だった
「どうやらただ聖杯を手に入れるだけじゃダメなようだ。仕方ないけど僕はあれのありかを調べなきゃならない。ジャンヌ、手伝ってくれるかい?」
ジャンヌと呼ばれた少女は微笑みながら「はい」と答えた
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不吉な気配を感じてから次の夜
ジャンヌとハオはあるものを調べていた
だがそれはこの世界では過去に存在していたという記述はあってもどこに存在していたのかというのはわからなかった
「やはりパッチの奴らを呼ぶしかないか…」
奥の手を使うしかないとハオは顔を顰めながら呟く
「もう少し調べてみましょう。この世界に私を呼ぶことが出来たということはアレの存在は確定しているのですから」
その状態のハオをジャンヌは優しく諭す
その姿はかつて聖少女とよばれたあの姿を体現していた
「わかってるよ」
とハオは答えると再び目の前のパソコンに向かっていく
「でもね、どれだけ調べても出てくるのは昔存在していた、今は海の底、オリハルコンがどうやこうや。こんなんじゃやる気もなくなるよ」
「やはり進展がなければ辛いですね」
ぐだぐだと文句を垂れながらもその調べ物を続けるハオ達
だがそれもすぐに終わりを迎えることとなる
「どうやら今回のマスター達は早々にケリをつけたい奴が多いらしい。この感じからしてやつもいるようだ。仕方ないけどあいつがいるなら僕はいくよ。君はここに残っていてくれ」
「では、私はできるだけ調べておきますね」
なぜここででジャンヌを置いていこうと判断したのか
この時、ハオはそれがわからなかった
だがジャンヌを連れて行ってはならない
そう直感が告げていたがゆえにそれに従ったまで
「どうも妙な胸騒ぎがするんだ」
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「やっぱり…か」
下に広がる光景を見てハオは思わず呟いた
そこに居たのはこの間の翁、間桐臓硯、セイバーとそのマスターである衛宮士郎、アーチャーとそのマスターの遠坂凛
そして異形の存在である謎の“影”だった
「こいつは驚いた。まさかこんなんが来るなんてね」
まだあれに自分の存在は気付かれていない
が、遠くから見てるだけでもあれが異なっていることがわかる
それはみたこともないなにかだった
影が直立した立体感のないなにか
吹けば飛ぶような軽い存在
だけどそんなものでもこの空間を支配している
知性、理性など存在しない
はたから見れば生物だと判別できない
けどそれでもハオはそれを誰かわかってしまった
「あり得ぬ」
しわがれた老人の声
この場でそんな声が出せるのはアーチャーによって胴を真っ二つにされた翁のみ
「あり得ぬ、あり得ぬ、あり得ぬわ!」
という悲鳴をあげながら這いずっていく
そのままこの公園から離脱していく
「こいつはマズイな…」
ハオはひやりと背筋に汗が流れるのを感じ取る
この停止し、静まり返った空間を支配するあの影に魅入られたように動かないセイバーにアーチャー
あの影に受けた戦慄から動けない二人のマスター
空気が凍った現状でその影がなんの予兆もなく唐突に動き出す
一瞬で数十メートルの地面を覆いながら遠坂めがけて攻撃を繰り出した
「スピリット・オブ・ファイア!!」
この位置からは自分では間に合わない
ならばと自身の宝具、持霊を急行させる
「くっ、間に合わないか!?」
S.O.Fの後を追走するが恐らく間に合わない
そのまま影の一撃を遠坂が受ける
そう思われたのだがそれを弾き飛ばした姿があった
衛宮士郎だ
衛宮士郎は遠坂凛を突き飛ばしあの影の一撃を代わりに受けたのだ
「これが奥の手か?間桐よ」
その影を見ながらハオは憎々しげに呟いた
衛宮士郎に攻撃を加えたその影は動揺したように姿を揺らすとこの場から消えていく
まるで攻撃した事実を悔いるように逃げていく
「それなら僕だって手がある。流石の僕でも怒ったよ」
「キャスター?」
突然現れたハオの姿を見て驚いたように声を上げる遠坂凛
「うるさい、今は君に用はない。それとそこを退け、魂が死んでないなら『なんとかなる』」
ハオはダメージを受け倒れている衛宮士郎を抱える
「いいか、衛宮士郎。心に刻め、例えどんな状況になっても魂だけは死ぬな。肉体が死んでも魂さえ死ななければなんとかなる。どんな状況下でも諦めることだけはやめろ。運命に抗え。わかったな」
ハオは意識がハッキリしていない衛宮士郎にそう告げるとなんらかの術をかける
「ちょっと状況が変わったな。これは本格的にアレを見つけないといけないらしい」
と、なにかの決意を固めたハオはこの場から立ち去ろうとする
「待ちなさい」
しかしそんな声が響きハオは後ろを振り向く
「あなたの目的はなに?一体なにがしたいの?」
突然現れ、そして敵であるマスターを助けた
これはなにか裏があるのではと疑いをかける
彼の目的を聞いている身とするとこの行動は些か不可解に思える
「………まぁいいか。それじゃあ話してあげるよ。僕のことを」
おいで、と鳥の姿を取ったS.O.Fに乗るように促した