FF逃走中   作:知恵の欠片

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 新しい逃走場所であるジドール。どんなミッションが待ち受けているのだろうか。また大きさのイメージは街の南端から北端を逃走者が5分くらい走ると到着する(1km前後)くらいを想定しています。範囲は1平方km弱くらいでしょうか。従来の家、建物に加え裏路地(階段下の通路)があるとイメージしてみてください。オペラ劇場はその規模の半分くらいだと思ってください。


上流階級の街、ジドール

 逃走者がジドールの街に降り立つ。実際に降り立ってみるととても広く感じる街だ。さっきのガーデンとは違い、最初から町の住人が歩き回っている。また、今回逃走者はあらかじめくじを引き、それによってスタート地点が変わるらしい。一方ハンター放出地点はすでに決まっていて、この街にあるチョコボ屋からスタートするそうだ。ハンターが出払った後、自首用の電話をする場所となる。このスタート地点はそこから半径200m以上離れているため警戒しながらいれば最初は安全だろう。そしてちょうどいま場所の抽選が終わった。逃走者がそれぞれ魔法で移動すると、ハンターがチョコボ屋から出てきた。それと同時にタイマーが再び1時間から時を刻み始め、賞金金額が増えていった。

 

「ここはどこなのかしら…」

 

 エリアが心細く呟く。だが陳列されているものには鎧や盾中心にあったため防具屋なのだろうと判断できた。ただ地図を見て確認すると、チョコボ屋のすぐ近くであることに気付いた。

 

「何とかカウンターの裏に潜り込んで…隠れてましょう…」

 

 息をひそめ潜り込んだ。ハンターが過ぎ去るまで動けない。

 

 その北側にはユフィがいた。店内に飾ってあるアクセサリーの山に見入っていた。

 

「これを換金すると一体いくらくらいになるのかなー?ふふっ」

 

 手をにぎにぎして怪しい行動をとっているのでスタッフが念を押して警告する。

 

「んなもんわかってるってー、冗談だよ冗談ー」

 

 冗談に見えないから困るのだ。

 

 ミンウは薄暗いところにいた。トンネルの内部なのだろうか。電灯の明かりでは薄暗いうえに自分の格好が白をベースにした色で、ここにいてはわずかな光が反射して格好の的になってしまう。なんとか光のある方に進もうとする。

 

「そこのターバン、そっちは危ないよ、ハンターが放出された方向だからね」

 

 振り返るとそこにはリルムがいた。

 

「ターバン…それより今どこにいるかわかるのか?」

「そりゃぁ、私たちの世界の街だからね、こっちから抜けると宿の裏側に抜けられる。そっちのほうが比較的安全だよ」

 

 リルムのあだ名に肩を落としつつも、彼女に促されてミンウは移動を始めた。だが彼女は彼にはついていかなかった。

 

「一緒に来ないのか?」

 

「うん、ここであんたと一緒だと目立っちゃうから、私は私で違う道を行くよ」

「そっか、それじゃまたな」

 

 リルムは彼と反対方向へと向かっていった。

 

 ラーサーはオペラ劇場内にいた。2階から階下を見下ろすとカウンターが見えることから入り口付近にいることが推測された。

 

「入り口で輝いているものが、ワープクリスタルですね」

 

建物の内部は立派に作られていて、彼の世界の帝国にも引けを取らないほど立派である。だがクリスタルの存在がやや浮く形となっていた。

 

「民の心の平穏を生むためにはこのような娯楽施設も増やさなければいけませんね…ん?」

 

 彼の目線の先のクリスタルがまばゆく輝くと、ハンターが現れた。彼は身をかがめハンターの動きを注視した。

 

「あれが輝くと誰かが移動する仕組みになっているみたいですね…」

 

 相変わらずの洞察力で見抜いていくラーサー。ハンターが彼から見て左手側の階段に進むのを確認するとゆっくり後退し、壁を盾にし視界に入るのを防ぐ。

 

 客席の方にはファリスとアーシュラがいた。オペラが上演されていない今は静けさがこの場を制圧していた。

 

「アーシュラ、そっちは大丈夫か?」

「ええ、こっちからはまだハンターの姿は見えません」

 

 お互いに扉を見張って警戒していた。距離は100mくらい離れているが、声のトーンを低くしてもこの設備ではよく音が聞こえるのだ。ハンターに気付かれないよう会話にも注意を払わなければならない。

 

「何か変わったことがあったらよろしくな」

「ええ、…あっ、来ました」

「よし、静かにこっちに来るんだ」

 

 ファリスはアーシュラを手招きし、静かに移動させる。先ほどまでアーシュラがいた場所を見るとハンターが通っていくのを確認。視界から消えるのを見届けると小さくハイタッチをする二人。お互いに気が強いお姫様同士うまくやっているようだ。

 

 エドガーはさっきのオペラ劇場と打って変わって賑やかな場所にいた。競売場である。ここにはすでに多くの人が詰めかけている。

 

「私も以前はこの競売に参加して魔石やアクセサリーを競り落としたものだ…おしゃべりチョコボ?河童ロボット?1200分の1飛空艇?一体何のことだ?」

 

 スタッフが何も聞いていないのに彼はかつて忌まわしき競売のことを思い出してしゃべっているようだ。

 

「しかしこの人だかりは何かこの競売場で何か競り落とされるのだろうか」

 

 彼が観客(女性のみ)に話していくが、競売の開始はあと10分少々待たないといけないらしい。

 

「何かのミッションの前触れかな?っ!?」

 

 彼が見た先に、ハンター。どうやらこの中に入ってきたらしい。何とか人ごみの中に紛れ出ようとするが、ハンターの視界に運悪く入ってしまった。全力で逃げようにしても人が多く走りづらい。

 

(それはハンターも同じはず…まだ距離は…)

 

――なかった。そのまま確保されたのだった。

 

「くっ…まだまだ女性を守り足りないのに、こんなところで終わるとは…」

 

 誰か(女性オンリー)を助けてやられるなら彼の本望だったに違いないが、単独で捕まってしまったため悔やんでも悔やみきれなかった。だが彼と違ってハンターは誰に対しても平等だ。情け容赦は一切なく逃走者に襲い掛かる。そんな彼をバックにハンターは次の獲物を探しに行った。

 

 Rrrrr!Rrrrr!メールだ。

 

「エドガー確保。残る逃走者は10人…エドガーさん…」

 

 確保情報を聞いて肩を落としたリディア。先ほど泣き崩れていた時に追い出されてはしまったが自分を心配してくれた人であったのでそれなりに気にかかっていた人物ではあった。

 

「エドガーさん…あなたのためにも頑張ります」

 

静かな決意を胸に秘め先へ進む。そんな彼女は今アウザーと言う人物の屋敷の中にいた。上流階級の人の中でもこの人は特に上流の人なのだろう、内装はとても煌びやかだ。

 

「あの階段の上には何があるのかな…?まだハンターはこっちに来てないはずだし、大丈夫だよね」

 

 彼女の好奇心で上を見に階段を駆け上がる。

 

「ひっ!?」

 

 彼女が見た先は異様な光景だった。サングラスをかけた男女が3人リディアを見下ろしていた。驚きのあまり身が硬直する。数秒遅れて後ずさりをするが、その3人はただ見下ろすだけで何もしてこない。いずれにせよハンターらしい存在がいるだけで圧迫感を感じる。

 

「なっ、なんなのよ…」

 

 彼女は静かに離れ、入り口の近くの階段を上る。こちらは先ほど確認済みなので安心だ。どうやらベッドの下に潜り込み隠れる作戦らしい。先ほどの件で緊張が一気に高まったため、一度クールダウンも行える。一石二鳥だ。

 

 ノエルは劇場の中にいた。彼がたどり着いた部屋はスイッチが並ぶ部屋だ。

 

「ここの施設の何かを操作するものなんだろう、と言っても使い方わからないしな」

 

 分からないものを下手に触るとロクなことにならない。だが彼の背後にハンター…。

 

「ここは隠れる場所もないし他の場所を――」

 

 気付かれた。だが逃げ場のない彼は無意識のうちにレバーを適当に操作し始めた。右から2つ目のレバーを操作すると彼の足場が突然消失した。

 

「うあああああああああっ!?」

 

 一気に10mくらいの高さから滑り落ち、彼はステージに放り出された。

 

「っててて…、ハンターは…うぉっ!?」

 

 ハンターも一緒に向かってきていた。彼はとっさに立って出口に向かって駆けだした。だがハンターは着地に失敗したようだ。一瞬ほど立ち上がりの動作が遅れた。その間のおかげで彼は何とかステージから脱出し入り口方向へとたどり着いた。彼の眼には建物の太い柱が目に入った。何とかこれを使って撒く作戦らしい。ハンターが出てきて辺りを見回す。

 

(ひとまず出られたけどここで終わりなのか…!?)

 

 ハンターの足音に合わせ柱の今立っている位置から少しずつハンターの死角に合わせてずれていくノエル。緊張がノエルを襲ったが、ハンターには彼の姿は捕らえることができなかった。ハンターは歩き出し違う部屋へと向かっていった。

 

「助かった…」

 

 彼がほっとして辺りを見回すと、吹き抜けからラーサーが微笑みながら覗いているのが確認できた。

 

 シドはアウザーの屋敷一帯に広がる森にいた。街の中でも比較的高い位置にあるこの場所からは街のある程度の状況を判断することができた。それは逆に言ってしまうと見つかるリスクもあるということだ。しかし仮にハンターに見つかったとしても、距離があるうえ、背後の森に潜むということも可能である。彼の視線の先には競売場付近を歩くハンターが見えた。

 

「けっ、割と近えところにいやがる。ちっと下がるか」

 

 彼が後ろへ向かう際中メールが入った。

 

「何々、女優マリアをエスコートしろ。彼女は今ジドールの街のどこかで囚われの身となっている。彼女を救出し、オペラ劇場に新たに追加される金髪のハンターに送り届けろ。マリア無しでそのハンターに遭遇した場合は他のハンターと同様確保される。…何ぃ!?」

 

ハンター追加の情報を聞きシドはそりゃねえぜとばかり肩を落とした。

 

 

 

 一方指令室ではルーファウスが各逃走者たちの表情を見てほくそ笑んでいた。

 

「またハンターを増やすとは…社長もなかなか人が悪いですね」

 

 確保した逃走者をジドールの牢獄へと移動したイリーナが指令室に戻ってきて彼に言う。

 

「なに、これはゲームだからな、楽々と突破されても面白くない。幸いにもまだ半分も逃走者がいる。もっと数を減らさないといけない、そうだろう?」

 

 彼女も「そうですね」とだけ返し腰を掛けた。残り時間55分、賞金は78万ギル。

 




 ジドール編、ゲームがスーファミの時代なのでマップを見ると結構小さいです、ゆえにイメージで膨らませるのがなかなか難しい…。なお追加ハンターはダンチョー(FF6)です。ミラクルシューズで強化されていて、50m6秒中盤くらいのスピードで走ります。(走力イメージ タークス>FF8軍人>ダンチョーと考えていてください)
 またリディアがベッドの下に潜り込むシーンがありますが、DS版の姿で考えてみると…うん、なんか非常にエロいですね(笑)やっていることはユフィと同じなのに色気が桁違いです。読者様の脳内補完でよろしくお願いします。
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