FF逃走中   作:知恵の欠片

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 前回のミッションは誰も参加せず無事に終わった。だが恐ろしいミッションが発動する…


ハンター追加!?

ライブ会場につくと先ほどまでは誰もいなかったガーデン内だったが、ここにだけ人が集まっていた。ここの職員、生徒は魔法で連れてこられたらしい。開場はバンドのメンバーによってやや興奮した雰囲気に包まれていた。舞台上にいたのは…、

 

「セルフィ、キスティス、それにアーヴァイン!?」

 

 ゼルが驚いて声を上げる。彼の仲間である3人が舞台上にいたからである。

 

「まみむめもー!」

 

壇上のセルフィはマイクを取って大きく言った。ガーデンの人々は口をそろえて返事をする。ゼル以外の逃走者には意味が通じなかったがこれも挨拶のうちの一つなのだろう。

 

「みんな、ライブに来てくれてありがとうー!今日のライブにはスペシャルゲストがいまーす!檻の中にゼルいますかー?」

「お、おう、いるぜ」

 

 セルフィの突然の指名にやや戸惑っているゼル。

 

「至急ステージに上がって来て!」

 

 そう言われるとイリーナは檻の鍵を開け、ゼルを出す。ほかの仲間が見守る中セルフィは小刻みにジャンプしながらゼルを急がせた。ゼルが壇上に到着するとセルフィからギターを手渡された。

 

「これはまさか…あれをやるのか?」

「そう、あれをやるの!」

「俺が捕まってなかったらどうするつもりだったんだ?」

「ちゃんと裏にスコールが待機してるよー」

 

 セルフィが舞台裏の方を指さした。

 

「あいつギター弾けたのか!?」

 

ゼルが驚いて聞き返す。

 

「裏できっと『悪かったな』って言ってるわよ」

 

 キスティスが微笑みながら答えた。

 

「前はガーデンでできなかった学園祭、みんなのおかげで今回はここでできることになりました!本当にありがとう。それじゃ、本番、はっじめっるよー!」

 

 セルフィが会場の全員に向かって挨拶をして、演奏が始まった。開場のボルテージは一気に上がっていった。

 

 その様子を見ていた指令室のルーファウスは呟いた。

 

「仲間を信じた結果誰も損をせず…か。さすがは各世界の救世主たちだ。本当に頭が下がるな。だが、まだまだ面白いミッションを用意してある。たっぷり楽しませてくれ…」

 

 彼はパネルを操作しミッション発動のボタンを画面に表示した。不敵な笑みを浮かべながらボタンに触れた。

 

 

 

 時は戻ること5分、各逃走者たちにメールが届いた。

 

「逃走者の中で学園祭ライブに参加したものはいなかった。よってハンターの数は引き続き3体である…か」

 

 再び食堂に向かって歩いていたミンウが呟く。危うく味方を売るところだったと自分に反省しつつ、また自分を支えてくれたあの少女に感謝もしつつ逃走しようと決意を新たにしていた。そのメールを確認した直後、彼のもとに一本の電話が入った。

 

「…どうやって出るのだろう…、とりあえず何か押してみるか…」

 

 一方ユフィは学園祭ミッションが終わるとすぐに保健室に戻ってしまった。

 

「ユフィさん大丈夫ですかね?」

「あいつぁ大丈夫だ、ほっとけほっとけ」

 

 シドとラーサーはのんびり歩きながら学生寮の方向へと向かっていた。ハンターはきっと近いが、万一の場合に備えて銅の砂時計もあるので安心である。

 

 エレベーターホールにはエドガー、リルム、ファリスの3人がいた。周囲のハンターを警戒しつつ、ファリスとリルムはエレベーターの監視をしていた。この位置からは大きな円を描くホールを眺め下すことができるためハンターの位置がわかりやすい。リルムとファリスはそれぞれ学生寮から出てくるハンターと図書館の方へ向かうハンターを確認し、エドガーに告げる。その間、エドガーは携帯で連絡をとり情報を収集していた。エドガーは機械の扱いに長けているのでファリスが押し付けたのも理由の一つである。

 

「ふむ、わかった。ありがとう」

「確認とれた?」

「ああ、これできっとうまくいくさ」

 

 エドガーは逃走者全員が1階の範囲で逃げているかどうかを確認していた。彼らが考えていた作戦はこうだ。リルムの証言通りハンターが2階にまだいて、かつ逃走者全員が1階にいると仮定した場合、3人が監視しているエレベーターのうち一基が動けばそれはハンターが乗っている証拠でもある。その間彼らが反対側のエレベーターに乗ればハンターのいない2階へと逃げ込める寸法になっている。

 

「あ、こっちのエレベーターにスイッチが入った」

「ファリス、頼む!」

 

 エドガーの合図で表側のエレベーターを押したファリス。3人は急いでエレベーターに乗り込む。2階についた3人は自分たちの乗ってきたエレベーターを注視する。これが動かなければ降りて行ったハンターが昇ってこない証拠にもなる。仮に反対側から改めて乗ってきたとしても、こちらには銅の砂時計が2つもあり盤石の態勢が整っていた。はたしてハンターは来るのだろうか……。

 

 学生寮にいたリディアは先ほどエドガーから連絡を受けてその時ハンターの動きの情報交換を行っていた。どうやら彼女たちも比較的安全な場所にいることがわかった。

 

「どうやらさっきここで見かけたハンターは出て行ったようでしばらくは来なそう。他のハンターも2階にいるのと図書館付近らしいからひとまずは安心ね」

 

 リディアの報告でパンネロはほっとした表情を浮かべ、アーロンも幾分か緊張を緩めたようだ。

 

「個人的にはミッション抜きでライブを見たかったのはあるかな」

 

パンネロが残念そうに呟く。

 

「まぁいずれ放送があるって言ってたからその時のお楽しみでいいんじゃないかな」

「それをのんびり待ちますか」

 

 割と気楽に待ち構える3人なのであった。

 

ゲートのあたりにいたエリアたちにもエドガーの電話は届いていた。ハンターの位置はつかめたがリディアたちとは違って事態はそう芳しくなかった。

 

「図書館方向にハンターがいて…、駐車場付近にもハンター…、これが意味するってことは…」

「最悪挟み撃ちに遭うかもしれないってことだな」

 

 ノエルが状況を推理する。

 

「このような状況では一度散開して全滅を防いだ方がいいかもしれませんね」

「確かにな…とりあえずやばいとしたら図書館側のハンターが真っ先に来ると思う、俺は一度そっちに引き返して様子を見るぜ、あんたらは入り口の方の木陰なりに隠れていてくれ。状況は後で連絡する」

 

 ノエルはイデア達と別れ偵察を行うため戻る。だがわずか数100メートル先には2階から降りてきたハンターが近づいて来ていた。ガーデンの中を覗おうとしたその瞬間ハンターと目が合ってしまった。とっさに反転し逃げようとしたが頭にあの二人の姿が浮かぶ。

 

(ここで思いっきり逃げたらあの二人が捕まってしまう…、ならここは引きつけて…)

 

 ハンターをできるだけ引きつけた後彼は獣のように横に飛びついた。一瞬ハンターの隙をついて後方へ逃げようとしたが、ハンターの瞬発力にはかなわず数秒で捕まってしまった。

 

「くそっ…ここまでか…」

 

 そのまま大の字になって空を見上げるノエル。ハンターを偵察するのは常にリスクを伴うのだ。凶報はすぐさまエリアたちに届いた。

 

「ノエル確保、逃走者残り12人…ってことは私たちのすぐ近くにハンターが!?」

 慌ててほかの場所に逃げようとするエリアを少し離れたところで隠れるイデアが制す。

「慌てずに状況をよく見て判断しましょう。ハンターは反対側からも来るかもしれないのです」

 

 ハンターの恐怖は冷静な判断をも奪うのだ。

 

 

 

 一方ライブ会場では一曲終わって演奏がいったん終わった。

 

「よーし、それじゃこれから別の会場に行って暴れるよー!」

 

セルフィが会場全体に叫ぶ。その場にいた人たちが大きな声で返事をする。

 

「べ、別の会場?」

「ええ、あなたたちは見ているだけですが」

 

 ホープのつぶやきにイリーナが答えた。

 

「それじゃイリーナ、お願い!」

 

 セルフィの掛け声とともにイリーナが魔法を放つ。エスケプの魔法だ。ここにいたメンバーはそれぞれ別々の場所に移動していった。残り時間は70分を切ろうとしていた。

 

「な、何が起こっているんだ」

 

 突然何もなかった場所から人が現れて戸惑うエドガー。

 

「制服を着た人たちが急に…」

 

 ファリスが唖然とする中各逃走者の携帯のメールの音が鳴り響く。

 

「やぁ、俺はエスタ大統領のラグナだ。これから君たちを俺たちの飛空艇ラグナロクに招待する。エレベーターが3階まで移動できるようになっているので3階のフロアに来てほしい。だけどただそれだけだと面白くないからライブ会場にいたガーデン生徒職員合わせて100人がガーデン内をうろつくことになるぞ、気を付けたまえ!…だって」

「それなら楽勝ね」

「だといいがな」

「「え――」」

 

 安心しているパンネロ、リディアにアーロンが釘を刺す。その数秒後新たにメールが入ってきた。

 

「追伸だ!なお残り時間が60分を切るまでに3階にたどり着けなかった場合はこの100人が全員ハンターとなって君たちを襲い掛かるぞ!それとハンターが3人だときつそうだから新しくこの間だけキロス君とウォード君にも手伝ってもらってハンターになってもらう。よってハンターが5体の中頑張って3階まで来てくれ。以上!……」

 

 メールを読み終わったミンウは開いた口が塞がらなかった。最も彼は口にも布を巻いているため空いていようがいまいが見分けがつかないのだが、非常にまずい状況なのは一目瞭然であった。

 

 

 

 指令室で逃走者を見守るルーファウスは手元のワイングラスを転がし口に流し込んでいた。

 

「さて、バラムガーデン最後の修羅場だ、くぐり抜けてみろ」

 

 彼の最後の一言…バラムガーデン最後の…が意味するのは一体何なのだろうか…。残り時間は70分を切り、賞金は60万ギルを突破した。

 




 新たに追加されるウォードとキロスについて、ジャンクションされているため走力はやや高めですが、50mを6秒台前半とタークスよりは遅めの設定です。服装は黒服ではなくゲーム登場時の服装(軍服ではない)とサングラスです。
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