黒子はバスケ   作:ワラスペ

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黒子っちの技が制限付きまくりで苦労する。なら黒子っちをチートにすればいいじゃな〜い?と軽く考えた作品です。


開花

黒子テツヤ。

彼は帝光バスケ部の幻の6人目と言われている男である。中学生相応の幼さを残した顔には不安、悩み、迷いがあった。

その原因はキセキの世代と呼ばれる五人のチームメートの覚醒。その多彩なプレースタイルは異彩を放ち日本全国のバスケファンを魅了していた。

 

「このままではいけません。早く何とかしなくては…」

 

彼の頭に五人の顔が浮かび上がる。

 

”親でも殺す”

”俺に勝てるのは俺だけだ”

”俺のシュートは外れん”

”捻り潰すよ?”

”黒子っち!”

 

「完全に黒歴史確定です」

 

どうすればいいのか?それが分かれば彼は苦労しない。

 

「一回僕が1on1でギャフンと…は無理ですね」

 

考えれば考えるほど泥沼に沈んでいく様な感覚が彼を襲う。

 

「はぁ…疲れました。何か飲み物を…」

 

気分転換に近くにあったコンビニに入る。だが彼は雑誌コーナーにあった漫画雑誌が気になったのか一冊手に取った。

 

「SQジャンプ?」

 

パラパラとページをめくる。すると某テニヌ漫画が目に映った。その内容は超人的な力を持つテニヌプレイヤー同士が血反吐を吐くまでボールをひたすら打ち返すという物だ。その中でも彼はある一人のテニヌプレーが彼の目に入った。

 

「これです…!これですよ!これで勝てる!」

 

すぐさま雑誌を戻し急いでコンビニを後にする。

 

「僕が相手の視界から消えるんじゃない…僕が相手の視界を''奪えばいいんだ”」

 

彼の顔に迷いは消えていた。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

そして数週間が経ったある日、黒子テツヤはキセキの世代を体育館に呼び出した。

 

「これで全員だ。で、話とは何だテツヤ?」

「はぁ、めんどくさ〜い」

「早く用件を済ませるのだよ黒子」

「緑間の言う通りだぜ。さっさとしろテツ」

「まぁまぁみんな落ち着いてくださいっす」

 

五人それぞれ色々な反応をする中、彼は衝撃的な言葉を発した。

 

「5対1…君達五人全員で僕と勝負してください」

「「「「「はぁ?」」」」」

 

これが悪夢の始まりである。

 

 

一方その頃未来の相棒たる火神大我はゴールリングを見つめていた。

 

「…跳べる」

 

ただその一言だけ言い残し、彼はコート上のハーフラインに立ち、片手にボールを弾ませ走り出し3Pラインで跳躍、自身の巨体を遥か空中へ誘う。

 

「オラァァァァァァ‼︎」

 

そして片手に持っていたボールをリングに叩きつけ静かに地面に着地した。

 

「まだいける!」

 

次はさっきのハーフラインのまた一つ後ろの3Pライン上に立った。そして再びボールを弾ませ走り出しハーフラインから跳躍、たまたま飛んでいた烏に顔面衝突しながらも空中で体勢を保ち、そしてボールをリングに叩きつけた。

 

「流石にここまでだな」

 

彼の言う通り先程の跳躍により彼の足は疲労を訴えるかの様に震えていた。

 

「さて帰るか」

「まだだよタイガ」

「‼︎」

 

いつの間にか目の前に彼の兄弟子である氷室辰也がいた。

 

「タツヤ‼︎」

 

家族に等しい親友に会えたのか火神は顔を喜びへと染める。

だが、その瞬間氷室の体が空中へ溶けるかの様に消え去った。

 

「えっ?」

「残像だ」

「‼︎」

 

突如背後から氷室の声が聞こえ振り返ると、そこには氷室が立っていた。

 

「タイガ今こそ限界を超えるんだ。」

「でもよ。足が…」

 

震える足を手で抑える火神。そんな火神の肩に手を置く氷室。

 

「なら助走なんてしなくていいんだ。その場で跳ぶんだ」

「‼︎」

 

氷室の言葉に驚きを隠せない火神。だが火神の野生の感は氷室の言葉が正しいと訴えかける。

 

「分かったぜタツヤ」

「良し、なら今度は自陣の3Pラインから…」

「いやゴール下からだ」

「‼︎」

 

氷室は一瞬火神の言葉が分からなかった。

ゴール下、つまり火神は自陣のゴール下から相手のゴールリングまで跳ぶ事になる。しかも助走せず、その場での跳躍。

 

「出来るのかタイガ?」

「ああ!」

 

火神はボールを手にしゴール下へと立つ。その目からは赤い一筋の光が糸を引く様に光り出す。

 

「いくぜ‼︎」

 

溜め息をそのまま深呼吸に変えた後、ゆっくり自身の膝を曲げ重心を落とし、足の裏で地面を叩き空中へと跳んだ。その高さはコートの周囲を囲んでいる柵の二倍、いや三倍に達していた。だが彼の体に重力が襲い、そのままリングへ向かう様に自然落下する。

そして手にしていたボールを轟音と共にリングへと叩きつけた。

 

「やった!タツヤ!出来た!」

「あぁ、おめでとう」

 

開花した彼の才能。それはまだ氷山の一角に過ぎなかった。

 

 

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