魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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昼休み

勧誘週間が始まって一週間。

初めての山場を乗り越え、入学式関連のイベントは一段落したところだ。

つまりどのクラスでも本格的な魔法実習になるのである。

 

 

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時は昼休み。

達也はレオとエリカに懇願されて居残りをしていた。

 

「1060ms…ほら頑張れ。もう一息だ。」

 

レオとエリカは授業中に仲良く一秒をクリアできなかった。

それで達也にコーチを頼んだのである。

そうして達也が色々2人にアドバイスをしていると達也の背中に遠慮がちな声がかけられた。

 

「お兄様、お邪魔してもよろしいですか…?」

 

そんな声に反応したのは達也ではなくエリカだった。

 

「深雪…?と、斎藤君と光井さん、北山さんだっけ?」

 

「エリカ、気をそらすな。すまん深雪。次で終わりだから、少し待っててくれ。」

 

「へっ?」

 

「分かりました。申し訳ございませんでした、お兄様。」

 

振り向いて謝罪する達也に、深雪は微笑んで軽い一礼を返した。

深雪が後続の3人に合図してドアの陰に身を隠す。

それを見た達也は小さく頷いた。

 

「よし、2人とも、次で決めるぞ。」

 

「おう!」

「うん!」

 

2人は気合いを漲らせてCADのパネルへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく終わった~」

「ダンケだぜ、達也。」

 

2人が達也にお礼を言うと、達也は深雪に声をかける。

笑顔を浮かべながら歩み寄る深雪。

遠慮がちながら深雪の後ろをついていくほのかと雫。

へらへらしてる翔人。

4人の態度はバラバラだった。

 

 

「2人ともお疲れ様。お兄様、ご注文の通りそろえてまいりましたが…これだけで足りるでしょうか?」

 

「いや、時間もないことだしこれくらいが適量だろう。ありがとう、深雪。それに3人もありがとう。手伝わせて悪かったね。」

 

そんな達也の少し恐縮気味な声は仕方のないことだった。

なぜならほのかと雫は、深雪か翔人をはさんだ知り合いでしかないのだから。

 

「いえ、この程度のこと、何でもないです!」

 

「大丈夫、私はこれでも力持ち。」

 

「おい雫…荷物持ってんのは俺だろ?」

 

そんな3人のやりとりを微笑ましい顔で見つつ、深雪から袋を受け取りエリカとレオに向かってそのまま差し出す。

エリカとレオは笑顔で袋を受け取り、近くの椅子に腰かけた。

それに習うように他のメンバーも椅子に座る。

 

「深雪さんたちは、もう昼食を済ませたんですか?」

 

「ええ。お兄様に先に食べてるように言われたから3人と一緒に先にいただいたわ。」

 

飲み物しか持っていなかった4人に気を使ったであろう美月の問いかけに深雪がそう答えを返すと、

 

「へぇ、ちょっと意外。深雪なら『お兄様より先に箸をつけることなどできません』とか言うと思ったのに。」

 

ニヤニヤしながら茶々を入れるエリカ。

そんなエリカに対して、

 

「あら、よくわかるわね、エリカ。いつもならもちろんそうなのだけれど、今日はお兄様のご命令だったから。わたしの勝手な遠慮で、お兄様のお言葉に背くことはできないわ。」

 

そう深雪が返し妙な雰囲気になったのを振り払うように美月が不自然にトーンの高い声を発した。

 

「深雪さんたちのクラスでも実習が始まっているんですよね?どんなことをやっているんですか?」

 

そんな美月の声にほのかと雫は顔を見合わせる。遠慮と気まずさが入り混じった表情だ。

そんなクラスメイトの態度に深雪はもったいもつけず、即答した。

 

「多分美月たちと変わらないと思うわ。ノロマな機械をあてがわれて、テスト以外では役に立ちそうもないつまらない練習をさせられているところ。」

 

「確かにそうだな~。ホント時間の無駄だよ」

 

二人の言葉に達也を除いた5人がギョッとした表情を浮かべた。

そんな空気を晴らすようにエリカが深雪に告げる。

 

「あっ、そうだ!参考までにどのくらいのタイムかやってくれない?これと同じCADを使ってるんでしょ?」

 

「えっ?私が?」

 

自分を指さし、目を丸くする深雪にエリカはわざとらしく大きく頷いた。

達也に目で問いかける深雪。

 

「いいんじゃないか?」

 

苦笑いを浮かべながら頷く兄を見て、

 

「お兄様がそうおっしゃるのでしたら……」

 

深雪はためらいながら頷くと計測器に向かった。

一番近くにいた美月が計測器をセットし計測を開始すると美月の顔が強張った。

いつまで経っても結果を告げない友人に焦れたエリカは結果を催促した。

 

「……235ms……」

 

「えっ…?」

「すげっ…」

 

そしてたちまち硬直が伝染する。

 

「何回聞いてもすごい数値よね……」

 

「深雪の処理能力は、人間の反応速度の限界に迫ってる。」

 

溜息をもらしたほのかと雫だったが、そんな二人に深雪は反論する。

 

「やめてよ2人とも……それに斎藤さんの方が私よりも早かったじゃない。」

 

「「「えっ?」」」

 

深雪の言葉に驚くエリカ、レオ、美月。

また、先ほど深雪のタイムを見ても驚かなかった達也だったが、その達也でさえ少し驚いているようだった。

 

「なぁ翔人…お前もやってみてくれないか?」

 

レオがここまでずっと静観していた翔人に声をかける。

 

「あぁいいぜ。…でもちょっとこれ食べ終わるまで待っててくれ。」

 

そう言ってバウムクーヘンをほおばる翔人。

そんな翔人を見てこの場にいるメンバーは、

 

(どこから出したんだろう…?)

 

と不思議に思っていた。

ほのかだけはうれしそうな表情を浮かべ翔人を見つめていたが…

 

 

 

 

 

 

 

 

「おしっ、食べ終わったことだしいっちょやるか!」

 

そう気合いを入れ測定器に向かう翔人。

計測するのは先ほどと同じ美月だ。

翔人は他の人と同じように、パネルに指を置いた。

計測開始。

想子光が煌めくと、美月の顔が深雪の時以上に強張った。

 

「ね、ねぇ美月…どのくらいだったの?」

 

そんなエリカの問いには答えず、美月は深雪へと問いかける。

 

「深雪さん…これは機械の故障じゃないですよね?」

 

「ええ、そのタイムで間違いないはずよ。」

 

「ちょ、ちょっと美月!結果を教えなさいよ!」

 

いつまでも結果を告げない美月に声を荒げるエリカ。

 

「……99ms……」

 

「「「えっ?」」」

 

「99msです。間違いじゃありません。」

 

美月がそう告げると達也も含め驚愕の表情を露わにしていた。

 

「おっ、二桁いったか。まぁまぁだな。」

 

「…何回聞いてもすごい数値よね……。」

 

苦笑いしながら先ほどと同じことを告げるほのか。

 

「翔人はもう人間じゃない。」

 

呆れたように告げる雫。

 

「ちょ、ちょっと雫さん!それはあんまりにもひどすぎやしないですか!?」

 

そう声を荒げる翔人。

 

「私も処理速度にはそれなりに自信があったんですけど…。斎藤君の結果を見たら自信を無くしました。それにこのCADは旧式なのできっと実力の半分も出せていないでしょうし…。」

 

そう苦笑いで告げる深雪。

 

そんなA組の4人を見て口をポカーンと開けて固まるE組メンバーの4人。

そんなE組メンバーを見て何か言わないと!と思った翔人は

 

「まぁこんな起動式じゃそうだよな~。だからみんなも実力だせば、こんな結果軽く超えられるぜ☆」

 

と、精一杯作った笑顔で告げるが、

 

(そんなの一生かかっても無理…)

 

と、何とも言えない表情で笑い返す二科生メンバーであった。

 

 

 




翔人君…化け物です(;´・ω・)
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