魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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カフェテリアにて…

その日の放課後、翔人は用事のあるほのかや雫を残し一人帰ろうとしていた。

考えてみれば高校に入ってからあまり自分のことに時間をかけられていなかった、と考えた翔人は久しぶりに帰ってCADでもいじるかなぁ~なんて考えていた。

しかしその考えは一瞬にして壊れることになる。

 

「あなたが斎藤翔人君?」

 

翔人は声のした後ろへ振り向く。

するとそこに立っていたのは美人な先輩だった。

しかしなぜ?と翔人は疑問に思う。

なぜなら制服を見ると二科生だったからだ。

達也たちみたいな例外はいるが、少なくとも一科生にあまりいいイメージを持っているとは思えない二科生がどうして俺に?と考え込んでしまう。

 

「あれ…?もしかしたら斎藤君じゃない?」

 

「あっ、すみません。その斎藤であってますよ。」

 

「良かったぁ…私は二年の壬生紗耶香です。」

 

壬生…?聞いたことない名前だな。

やっぱり人違いかな?と考える翔人。

 

「ちょっと斎藤君にお話ししたい事があるんだけど……。今から少し、付き合ってもらえないかな?」

 

話?と疑問に思うことは多々あるがどうせなら全て聞いてしまえばいいと思った翔人は、

 

「ええ、構いませんよ。」

 

と告げ、紗耶香と共にカフェテリアへ向かった。

 

 

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「ほのか、翔人と再会してからずいぶんと時間がたつけど何も進展はないの?」

 

「ゴ、ゴホッ…急にどうしたの雫?もしかして今日用事があるってその話?」

 

急に予想外のことを告げられせき込むほのか。

 

「もちろん。」

 

そう完結に告げる雫にほのかは頭を抱える。

 

(私の心配をしてくれてるのはわかるんだけど…)

 

そんなこと考えているなんて知らずに雫は声をかける。

 

「このままだと本当にだれかにとられちゃうよ?私の持っているデータでは1年女子の9割が翔人に対して何かしらの感情を抱いていて、その中の7割が確かな好意を持っている。2、3年の先輩も翔人に興味をもっている人は多いみたい。」

 

その言葉に唖然とするほのか。

 

(ま、まさか翔人君がそんなに人気だったなんて…しかも上級生も翔人君を狙ってるなんて…)

 

と考えているとある一つの疑問が頭に浮かぶ。

 

「…雫。その情報はどこから手に入れたの?」

 

「それは言えない。でもこの情報は確かなもの。」

 

そう断言する雫。

さらに話を続ける雫。

 

「もういっその事その豊満な身体を使って…」

 

「そんなことできるわけないでしょ!!…ってどうしたの雫?」

 

雫は会話の途中で黙りある一点を凝視していた。

どうしたんだろう?と雫の見ている方を向いてみるとそこには…

 

「翔人君!?」

 

翔人が歩いている、その事実だけならよかったのだが、隣にはかなり美人の上級生がいたのだ。

それも2人して笑いながら…。

その光景にほのかはショックを受け、泣きそうになる。

 

(まさか雫の言ってた通りになっちゃうなんて…これなら雫の言う通りもっと積極的になればよかった…)

 

そんなほのかを見ていた雫は内心焦っていた。

 

(まさか冗談で言ったことが本当になるなんて…でもこれはほのかにもっと積極的になってもらうチャンスかも…)

 

そう思った雫はほのかに告げる。

 

「ほのか、あれが現実。…でもまだ遅くはない。」

 

「…えっ?」

 

「とりあえず翔人とあの人との関係を確かにする。そのために…あの二人をつけるよ。」

 

「えっ?そんなのだめだよ!そんなストーカーみたいなことするなんて…」

 

「ほのか、もう私の言ったこと忘れたの?そうやって積極的になれないから翔人との関係が縮まないんだよ?さっき分かったばかりでしょ?」

 

そう言われたほのかは雫に何も言い返すことができない。

そんな様子を見た雫は、ここだ!と言わんばかり、ほのかの手をつかみ、

 

「ほらっ、行くよ。積極的にならないと。」

 

とほのかを引きずる。

 

「えっ?ちょ、ちょっと放してよ雫~。」

 

そんなほのかの声は雫には届かず2人は翔人の後をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

翔人のあとをつけたほのかと雫はカフェテリアに来ていた。

雫がチラッと翔人と紗耶香を見ると仲良くおしゃべりをしているようだった。

 

「ほのか、もっと翔人の近くに行こう。」

 

「えっ?でもあんまり近づくと気づかれちゃうんじゃ…」

 

「大丈夫、翔人なら。」

 

一体何が大丈夫なんだろう?と、疑問に思うほのかであったが、したかなく雫について行くことに。

そうして翔人の後ろの席に座ると翔人の声が聞こえてきた。

 

「いやぁ、先輩みたいな美少女に急に声をかけられたんでびっくりしちゃいましたよ。」

 

「美少女…!」

 

そんな紗耶香の囁きは翔人には聞こえないようだったが、よく耳を澄ましていたほのかと雫にはしっかりと聞こえた。

 

「やっぱ翔人君もこういうすらっとした美人な人が好きなのかな…?」

 

「ほのか、少し黙って。何か話してる。」

 

独り言のようにつぶやいたほのかであったが、雫に黙るように言われ仕方なく話の続きを聞くことに。

 

「それで話って何です?」

 

「私はね剣道部に所属しているの。…魔法科高校では魔法の成績が最優先される……そんなことはもちろんわかって入学したのは確かなんだけど、それだけで全部決められちゃうのは間違っていると思わない?」

 

「まぁ確かに自分にも思うところはありますね…」

 

「そうでしょ?…授業で差別されるのは仕方がない。あたしたちに実力がないだけだから。でも、高校生活ってそれだけじゃないはずよ。クラブ活動まで魔法の腕が優先なんて間違ってる。」

 

「魔法がうまく使えないからって、あたしの剣まで侮られるのは耐えられない。無視されるのは我慢できない。魔法だけで、あたしのすべてを否定させはしない。」

 

「壬生先輩っ、少し落ち着いてください。」

 

と、翔人は焦ったように紗耶香に告げる。

 

「あっ…ごめんなさい。ついつい熱くなっちゃったわ…。それでね私たちは非魔法競技系のクラブで連帯することにしたの。剣道部以外にも大勢賛同者を集めた。今年中に、部活連とは別の組織を作って、学校側にあたしたちの考えを伝えるつもり。魔法が、あたしたちのすべてじゃないって。そのために斎藤君にも協力してもらいたいの。」

 

紗耶香の話を一通り聞いた翔人は考え込む。

確かに紗耶香の言うことは一理ある。しかしこの一週間色々なクラブを見てきたが学校側が非魔法協議のクラブに対して抑圧をかけているという印象は受けなかった。

その辺は紗耶香の勘違いであることも考えられる。

しかし、そのことで一科生と二科生のわだかまりがなくなることにつながるのなら協力してあげたいとも思う。

翔人にとってそのわだかまりをなくすことは大事なことだと思うからだ。

 

「話は分かりました。自分でもよければ協力します。…しかしいくつか疑問に思うことがあるので、質問してもいいですか?」

 

「ええ、どうぞ。」

 

「それでは…まず一つ目。なぜ自分に白羽の矢が立ったのでしょう?」

 

「実は司波君にも頼んだんだけど断られちゃって……。他にこの話にのってくれる人知らない?って聞いたら斎藤君なんかどうでしょうって言われたから…。」

 

あの野郎…

と、翔人は心の中で達也に文句を言った。

 

(次あったとき覚えてろよ…)

 

「なるほど…。じゃあ次の質問なんですが、考えを学校に伝えてそれからどうするんですか?」

 

「司波君と同じようなことを聞くのね…私たちは学校に待遇改善を要求したいと思ってるわ。」

 

待遇改善…ね。

翔人は随分踏み込んだなと思った。

 

「改善って言いましたけど何を改めてほしいんですか?」

 

「それは……あたしたちの待遇すべてよ。」

 

(すべて…か。どうも何か怪しいな。クラブ活動に対して何かを言うつもりだったのに、いつの間にか待遇すべてになっている…。とりあえず何が起こっているか調べたほうがよさそうだ。…にしても七草がしっかりしないからこういう事態になるんだよな。ホントに生徒会長なのか?)

 

と、翔人は真由美に対する嫌悪感を高めていた。

 

「なるほど、わかりました。僕からは以上です。」

 

「そ、そう?良かったぁ…。司波君みたいに断られちゃったらどうしようかと思ったわ…。やっぱ二科生だけじゃやれることに限度があるから…。主席の斎藤君がいれば安心よ!」

 

緊張がとけたのか溜息をついて笑顔でそう告げる紗耶香。

 

「まぁ僕も一科生には思うところがたくさんありますから。頑張っていきましょう。」

 

「ええ!これからよろしくね。」

 

そう言って握手した2人はその後も30分ほど談笑し、カフェを出た。

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ雫…。私たちもしかし、とんでもない話を聞いちゃったんじゃ…。」

 

顔を青ざめながら雫に告げるほのか。

声色からも顔からもショックを受けているのが分かる。

 

「翔人はもともと一科生に対していい印象を持っていなかったから…。二科生の味方をするのは自然かもしれない。」

 

「確かにそうだよね…でもそれじゃあ…!」

 

「分かってる…今は翔人を信じよう。ほのかは自分の好きな人を信用できないの?」

 

「そんなことない!私はいつだって翔人君を信じてるもん!」

 

「ならいいじゃん。今は信じることしかできないんだから。」

 

「そうだね…」

 

そうして2人は当初の目的も忘れ、カフェテリアを出て自宅へと帰っていった。

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