魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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クラスにて

翔人がA組に戻ると、ざわついていたクラスは一瞬にして静かになった。

 

(まぁ当たり前か…あんなことがあれば普通の反応だろ)

 

そして、この教室にいても居心地が悪いと感じた翔人は自分の席へ行き、荷物をすぐにまとめ帰る支度をする。

 

「ほのか、雫、帰ろうぜ~。なんかこの教室雰囲気悪いから、とっとと帰りたいんだ。」

 

誰のせいだよ!とクラス全員は思う。

しかし事情を知っているほのかと雫の二人は、

 

「うん!」

「…わかった。」

 

と告げた。

その二人の反応にクラスは少し騒然とするが、翔人はそんなのおかまいなしに帰ろうとする。

そんな教室を出ようとした翔人だったが、ドアの前に男子の群れが立ちふさがった。

 

「……どいてくれ。邪魔だ」

 

「ふざけるな!お前自分が何をしたか分かっているのか!」

 

そう声を荒げる男子の群れの一人、モブ崎。

そんな二人の会話にクラス中が緊張感につつまれる。

 

「一科生のくせに二科生なんかに手助けしやがって!お前にはプライドはないのか!!」

 

「………ハァ。それだよそれ。そういう意識がお前らにあるから俺は彼らに力を貸したんだ」

 

翔人のその言葉にモブ崎は反論しようとするがその前に翔人は言葉を紡いだ。

 

「大体さっきから聞いていればなんだ?二科生なんかに?プライドがない?そんなことを言ってるからお前はいつまで経っても成長しないんだよ」

 

「なんだと!」

 

「今の一科生と二科生に一体どれだけの力の差があるかお前は本当に知っているのか?確かに一科生の方が国際的な評価基準となっている3項目の力はあるんだろう。しかしそれがどうした?実際に戦えばそんなものだけでは勝てない。勝てるのは想子保有量や変数の処理速度などすべてを含めた総合的な力だ。はっきり言ってお前たちなんかより強い二科生は両手じゃ数え切れないほどいるぞ?」

 

翔人が長々と告げるとモブ崎は黙ってしまった。

きっと心当たりでもあるのだろう。

しかしそんなモブ崎たちに追い打ちをかけるように翔人は続ける。

 

「もし今の説明でも納得がいかないなら俺とやるか?お前たちなんて瞬殺だぞ?もちろん言葉通りの意味だ。やるなら手加減はできないがどうする?」

 

そう翔人がイライラしながら告げると、翔人たちの前に現れた男子の群れは全員腰を抜かし、その場に座ってしまった。

よく見ると顔も青ざめているのが分かる。

 

「翔人君、早く帰ろ」

「そうそう。早く帰りたかったんでしょ?」

 

「そうだな…じゃあ帰るか。…よかったなお前たち命拾いして」

 

翔人は目の前で座り込んでいる男子たちにそう告げクラスを後にした。

 

 

 

 

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「翔人君!いくらむかついたからってあれは言い過ぎだよ!」

 

「そうそう。言い過ぎ言い過ぎ」

 

「ごめんなさい」

 

俺は現在廊下を歩きながら二人に説教されていた。

内容はもちろん先ほどの話だ。

最初の方の話は二人とも同意してくれていたのだが、最後の方は言い過ぎだ!と怒られているのである。

 

「でも翔人が最後に言った、『命拾いしたな』はしびれた。」

 

「やめてくれ雫!恥ずかしい」

 

「『お前たちなんて瞬殺だぞ?』ってやつもちょっとかっこよかったよね」

 

「ほのかまで…俺が悪かったから許してくれ…」

 

いつの間にかいじられていることに癖々しながら歩く翔人。

この風景を見ていると先ほどあったことなど忘れてしまいそうだ、なんて翔人が考えていると後ろから声をかけられる。

 

「ちょっといいか、翔人」

 

「達也か…いいぜ。俺に聞きたい事があるんだろ?俺たち今から帰るところだから話なら帰りながらしようぜ」

 

「…わかった。では先に校門辺りで待っていてくれ。深雪が来たらすぐに行くから」

 

「はいよ~」

 

そう告げると達也は去っていった。

そんな去っていく達也を見ていると隣を歩いていたほのかが尋ねてくる。

 

「達也さんが聞きたい話ってやっぱりブランシュのことかな?」

 

「そりゃあそうだろ」

 

「これまであったこと全部達也さんに話すの?」

 

「まぁ聞かれたことにはなるべく答えるようにするつもり。別に今更隠すことでもないだろうしな」

 

まぁどこまで知ってるかはしらないけど、と付け足して翔人はほのかの質問に答える。

二人の会話が終わると、横から見ていた雫が呆れたような目で翔人に話しかけた。

 

「……翔人は大事なことを話さないから後で面倒なことになる。今回だって渡辺先輩にでも言っておけばここまでの事態にならなかった。」

 

「いやいや雫さん、それは違いますよ?俺はあえて面倒なことになるように行動しているんだから」

 

そう雫に告げニヤニヤ笑う翔人。

 

「相変わらず面倒くさい人……」

 

「雫、それは俺にとって褒め言葉だぞ?」

 

翔人がそう告げさらにニヤニヤすると、雫は溜息を一つ吐き黙って翔人の後をついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな、翔人」

 

翔人は先ほどの会話の後まっすぐ校門まで来たため、達也が来るまで少し長い間待っていた。

しかし待つと自分が言ったのだから文句を言うつもりは毛頭ない。

 

「いや、いいさ。…それより話なら歩きながらしようぜ」

 

「あぁ」

 

翔人の問いに達也が答えると、翔人、達也、ほのか、雫、深雪の五人は歩き始めた。

 

 

 

「早速なんだが聞いてもいいか?」

 

歩き始めてすぐに達也は翔人に問いかけた。

しかし予想していたことなので、翔人は、どうぞ、と簡潔に言葉を返す。

 

「翔人、お前は俺たちに一体何を隠してる?」

 

(何を…ねぇ。さて何から話すべきか…)

と、翔人が一人頭を悩ませていると、

 

「言えないことなのか?」

 

翔人が考えている沈黙をそのようにとらえた達也が話しかける。

 

「いや、全然言えないことじゃないぞ?別に今更隠してもしょうがないしな。じゃあまずは壬生先輩との話から話そうか―――――――――」

 

その言葉をはじめとして翔人は達也と深雪にこれまで起こったことを話した。

壬生先輩との話のこと。

ブランシュのこと。

そして、一高がブランシュにのっとられようとしていること。

話を一通り話し終えた翔人は一つ息を吐き、達也に告げる。

 

「以上が俺の知っている情報のすべてだ。まぁ今回のようになった大きな原因は、達也が壬生先輩に俺のことを紹介したからだな」

 

翔人は少し笑いながら達也へと告げる。

その言葉の意味を理解した達也は溜息をつき、

 

「悪かったな」

 

と、形だけの謝罪を翔人に告げた。

翔人は達也のその言葉に満足したのか、気にすんなと告げる。

 

「まぁ実際壬生先輩たちの話は共感できる部分があったのは事実だから、ブランシュなんかが絡んでなければ全力で一科生をつぶしたのになぁ~」

 

ぼそりとそう告げた翔人に、残りの四人は顔を見合わせ、

 

((((ブランシュが絡んでいてよかった!))))

 

と、内心感じていた。

 

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