魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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試験結果

季節は夏、定期試験も終わり校内は九校戦の話題で持ちきりだった。

無理もないだろう。

九校戦は毎年魔法関係者だけでなく、一般企業や海外からも大勢の観客とスカウトが集まる大舞台だから当然である。そのため、どの魔法科高校も九校戦には力を入れている。

そんな中、その九校戦のメンバーがいつ発表になるのか一高では話題になっていた。

そんな九校戦の話題が多い中、一高では本日試験の結果が発表されていた。

まず総合順位だが、

 

総合順位

一位 斎藤翔人

二位 司波深雪

三位 光井ほのか

四位 北山雫

 

となった。

結果からわかるように総合順位はA組が上位を独占していた。

次に実技順位は、

 

一位 斎藤翔人

二位 司波深雪

三位 北山雫

四位 森崎駿

 

となった。

こちらもA組が独占していた。

このままいけば理論もA組独占か?と思うところだが、理論の結果は誰もが予想していない結果になった。

 

一位 斎藤翔人

一位 司波達也

三位 司波深雪

四位 吉田幹比古

 

一位の翔人はもはや文句を言うものはいないだろう。実技でも総合でも一位なのだから。

しかし問題はその次だ。

二科生である達也そして、吉田という生徒が上位だったからだ。

今A組ではその話で持ち切りだ。

 

「ったく、どんなせこい手を使ったんだよ!」

 

とか、

 

「実技の感覚がわからないのに理論が理解できるはずがない!」

 

とか、くだらない意見が飛び交っていた。

そのクラスの光景に翔人は癖々していた。

結局そのままなのか…と。

翔人は四月にあった討論会のことを忘れているのか?と聞きたいほどだった。

しかし今更言ったところで変わるはずもない、と思った翔人は黙ってそれらの話を聞いていたのだが、そんな中雫が文句を言っている生徒のところへ行き、

 

「成績の良かった相手を貶めて、何か得るものがある?授業の機会に恵まれない二科生が、自分たちより結果がよかったことには貶すより自分の努力の足りなさを恥じるべきだよ。私を含めてね」

 

と告げた。

その雫の言葉に何も言い返せないその生徒たちは足早に教室を出て行った。

そんな雫に翔人は声をかける。

 

「いやぁ~、さすが学年4位の雫さんが言うことは違いますね~」

 

「黙って。深雪に大きな差をつけて一位になった翔人が何を言ってるの?」

 

「何?雫俺に負けて悔しいの?」

 

「…そんなわけない」

 

「嘘だ~顔を見たら丸わかりだぞ」

 

悔しそうな顔をして翔人を睨む雫。

しかし、そんな場にいつも仲裁役を任されているほのかが登場する。

 

「二人ともその辺にしておきなよ。目立ってるよ?」

 

ほのかにそう言われクラスを見渡す翔人と雫。

ほのかに言われたことが事実だったため雫は大人しくなるが、翔人はそうはいかなかった。

 

「いいんだよ、目立って。こそこそ隠れて、負けたことに文句を言うやつよりはいいだろ?」

 

そうわざと大きな声で告げる翔人。

そして、たまっていた鬱憤を晴らすためにさらに翔人は続ける。

 

「確かに常識で考えれば、実技ができない奴が理論をできるはずがないと思うことは当然かもしれない。まぁそこのところは百歩譲って理解はできる。でもだからと言ってそれをどんなセコいてを使ったんだ、とか、カンニングしたんじゃないのか?なんていうのはおかしいだろ。二科生だって頑張ってるんだ。人の頑張りを認められない奴はいつまで経っても成長できない…」

 

翔人がそう告げると騒がしかったA組が静かになった。

おそらく翔人に言われたことについて考えているのだろう。

その光景を見て一瞬驚く翔人であった。

もしかしたら少しずつ意識が変わっているのかもしれない、と思ったからだ。

そう思った翔人は、何も言わず教室を出た。

 

 

 

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翔人が廊下を歩いていると正面から歩いてきた摩利と遭遇する。

 

「あっ渡辺先輩、こんにちは。どうしたんですか?こんなところに」

 

「やぁ翔人君。実は君に用があってなちょっとだけ話せないか?」

 

「いいですよ」

 

そう言って二人は風紀委員本部へと向かった。

 

 

 

 

 

 

本部へと着くと摩利がすぐに尋ねてくる。

 

「さて、翔人くん。君を呼んだのは九校戦についての話をするためだ。」

 

「九校戦の話?」

 

「そうだ。本当なら真由美や十文字と共に話したいところなんだが、それだと君は嫌だろ?」

 

「はい。気をつかってくれてありがとうございます」

 

「即答か…まぁいい。早速本題に入るが君は一年生の中で最も実力のある生徒だ。期末テストはもちろんのこと、この私を無傷で倒したんだ。実力も申し分ない。だから君には自分の得意な競技を優先的に選んで欲しいんだ。」

 

摩利のその言葉に翔人は納得する。

実力のあるものが得意な競技に出れば勝率はぐっと高くなる。

三連覇を狙っている摩利としては是非とも勝ってほしいのだろう。

しかし、幸いと言っていいかわからないが翔人は自分の出る競技を決めていた。

 

「そうですか。なら俺は棒倒しとモノリスコードに出たいです。」

 

翔人がそう告げると摩利は少し顔をゆがめた。

無理もないだろう。

その二つの競技は…

 

「一条…か」

 

「ええ、そうです」

 

クリムゾンプリンスこと一条将輝が出ると思われる競技だからだ。

 

「十師族と戦う機会なんて、そうそうないですから。せっかくのチャンスなんでボコボコにしたいんです」

 

翔人は嘘偽りない気持ちを摩利に伝える。

それをくみ取ったのか摩利は少し悩んだ後、翔人に告げる。

 

「翔人君、君は新人戦でならどの競技でも優勝できると我々は考えている。しかしその二つの競技は別だ。まず棒倒しだが一条の爆裂は知っているだろう?あれは棒倒しと相性が良いから勝つのは困難だと考えられる。次にモノリスコードだが、一条に加えカーディナルジョージも参加するんだ。団体戦なのだし君だけの力では勝てないと我々は考えている。」

 

その摩利の言葉に翔人は人の悪い顔を浮かべながら話す。

 

「大丈夫です。もちろん爆裂の対処法というか解決法は考えてあります。それにカーディナルジョージ…でしたっけ?そんな十師族でもないやつに俺は負けるつもりはありません。インビジブル・ブリットなんて使われたところで不利になることは何一つありません。…というかその二つじゃないと俺出る気ないんで 」

 

そう摩利に告げると、摩利は大きく溜息をつき、

 

「分かった…二人に伝えておこう」

 

と告げ、その場は解散となった。

 





吉祥寺くん、なめられてます
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