魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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エクレール・アイリ

宿舎にバスが到着しても翔人は動こうとせず、ずっとバスの中で考えていた。

 

(さっきの車の運転手…あれは自爆攻撃だ。偶々か…?それとも誰かが狙われているのか、それとも…一高が狙われているのか…狙いが分からないな)

 

翔人がそう考えていると、不意に誰かに肩をたたかれる。

不思議に思った翔人は振り向くと、ほのかが心配そうに翔人を見ていた。

 

「大丈夫?何回話しかけても返事がなかったから…」

 

「あぁ…ごめんな、ずっと考え事してて周り気にしてなかった」

 

「それならいいんだけど…さっき怪我でもしたのかなぁって心配しちゃったよ」

 

翔人の言葉を聞き、胸をなでおろすほのか。

 

「事故の件ならなんともないさ…あっ、そういえば雫あのとき魔法すぐに発動してたよな?ちょっと注意しておかないと…」

 

「それなら大丈夫だよ。雫、結構反省してたみたいだから」

 

「そうか…ならいいんだけど。まぁ咄嗟に行動できただけ良しとしとくか」

 

翔人はそう告げると、ほのかと共にバスを降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえばなぜ翔人たち一行を乗せたバスは、前々日の午前中という早すぎる到着を予定していたのかと思う人も多いことだろう。

それは、夕方に予定されているパーティーのためである。

これから勝敗を競う相手と一同に会する立食パーティーは、プレ開会式の性格が強く、例年和やかさより緊張感の方が目に付く。

そんな中、翔人はそんなことを気にする様子もなく食事に没頭していた。

普段ほのかが作ってくれる料理もおいしいのだが、このような場所で出される料理は家庭的でないものばかりなので新鮮だ。

だから翔人はまわりの目を気にせず食べまくっていた。

 

「翔人君……さすがに食べ過ぎじゃ…」

 

「ふぁいふぉうふふぁよ。ひっはりへーふひへるから」

 

口の中に入れながらそう告げる翔人。

そんな中、翔人はふと周りの自分に対する視線が多いことに気が付いた。

同じことに気が付いた雫は、

 

「翔人はかっこいいからね。他校の女子もほっとかないんじゃない?」

 

と、ほのかや翔人に告げて一人どこかへ去っていく。

しかし、翔人はというと、

 

「ったく、俺は見世物じゃないっての。ここまで人に見られてると動物園の動物の気分になるぜ…」

 

「アハハハッ…」

 

そんなくだらないことを話していると、三人の女性が翔人に近づいてきた。

そして、その中のリーダー格である生徒が翔人へと告げる。

 

「さ、さぞかし名家のご出身とお見受けするわ。私は第三高校一年、一色愛梨。そして、同じく十七夜栞と、四十九院沓子よ」

 

愛梨の少し緊張した自己紹介と共に、横にいた二人がお辞儀をする。

そんな三人に翔人は自己紹介をする。

 

「第一高校一年、斎藤翔人だ。」

 

今回はさすがにエイミィの時のような自己紹介はしない。

流石に時と場の弁え方は翔人でも考えているのだろう。

すると、そんな翔人の挨拶に愛梨は笑う。

どうしたんだ?と翔人が告げる前に愛梨は翔人に告げる。

 

「あらぁ、一般の方でしたか。名のある方かと思ってお声がけしましたの。勘違いで、お騒がせしてごめんなさい。試合頑張ってくださいね」

 

そして言いたいことだけいうと愛梨は去っていこうとする。

そんな光景を近くで見ていたほのかは憤慨する。

が、翔人はつまらなそうな顔で愛梨に告げる。

 

「あんたもうちの一科生共と同じ考えのやつか。他校にはどんな生徒がいるか楽しみにしてただけに、アンタみたいなのと初めに会っちゃうなんてショックだよ。もしかしてうちだけじゃなくて他校もあんなのばっかなのか?」

 

そう翔人が告げると、愛梨はひきつった笑顔で振り向く。

そして翔人に告げる。

 

「あら、一般の方は口の利き方も知りませんのね」

 

「あっ?まだいたのか、アンタ。自分たちの学校の集団に戻ったんじゃなかったのか?」

 

「あなたは!!人をどれだけバカにすれば気が済みますの!?」

 

「はぁ?別にバカになんてしてないんだが…というかアンタいつまでここにいるんだ?もしかしてボッチか?」

 

「なっ…!?」

 

そんな言い合いを眺めていたほのかは、自分が憤慨していたことがばかばかしくなる。

そしてプッと笑い、翔人に話しかける。

 

「翔人君、戻ろっ?向こうにおいしそうなデザートあったよ」

 

「ホントかっ?じゃあ行くかっ」

 

そう言って愛梨のもとを去っていく翔人たち。

しかし愛梨はそんな二人を呼び止める。

 

「待ちなさい!私をこれだけばかにしてただで済むと思ってますの?」

 

「だからなんなんだよアンタは。しつこいなぁ。ってかアンタそんなに偉い人なわけ?」

 

「私は師補十八家『一色』の令嬢よ!あなたとは違うの!」

 

そう叫ぶ愛梨。

しかしその姿を見た翔人は、

 

「少し黙れ」

 

少し殺気を込めた声で告げる。

 

「大した力もないくせにいばるな。俺はお前みたいに家を後ろ盾にして、過信したやつが大っ嫌いなんだ。…ほのか、行くぞ」

 

「う、うん…」

 

そうして、その様子に怯えたほのかと殺気を周りに振りまいた翔人は今度こそ去っていった。

 

 

 

 

 

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「なぁ愛梨。なぜあの男に話しかけたのじゃ?」

 

翔人が去ったあと、沓子は愛梨に話しかける。

 

「畏怖を感じたのよ…」

 

「畏怖?」

 

そんな愛梨の言葉を疑問に思った栞が、愛梨に尋ねる。

 

「ええ…なんていうか、本能的に感じたのよ…」

 

「確かにあの男は普通ではないな。あれほどの殺気を出せるものなど、なかなかいないじゃろう。」

 

「確かに。私も怖くて動けなかったし。」

 

(本当にそれだけなのかしら……)

 

しかし、そんな二人の会話など頭に入らず、愛梨は翔人のことで頭が一杯になっていた。

 

頬を少し赤く染めながら…

 

 

 

 

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「翔人君、大丈夫?」

 

愛梨の元を離れてから一言も話さない翔人に、ほのかは声をかける。

 

「あぁ…ちょっとむかついてな」

 

「確かに嫌な感じだったよね…翔人君のことバカにするのにもほどがあるよ!」

 

自分で言っていて、怒りが込み上げてきたほのかが叫ぶ。

 

「まぁ落ち着けよ。って俺が言える立場じゃないか」

 

そう苦笑いしながらほのかに告げる翔人。

そんな翔人を見てなんとか落ち着くほのか。

 

「でもさっきはあんなこと言ったけど、実際それなりの力はありそうだったんだよな」

 

「えっ?そうなの?」

 

落ち着いたほのかを見て翔人は話す。

 

「詳しくは知らないが、少なくてもほのかや雫と同等、もしくはそれ以上の実力はあると思うぞ。まぁ深雪ほどではないだろうけど…。後で雫に聞けば詳しくわかるんじゃないか?」

 

「そうだね~。でも深雪くらいの実力があったら大変だよ…」

 

と苦笑いするほのか。

そんなほのかに翔人が続けて話した。

 

「そういやあいつも一年生だし、ほのかと戦う機会もあるんじゃないか?」

 

翔人がそう告げると、ほのかは燃えた。

いや、実際に燃えているわけではないのだが、やる気がみなぎっていた。

 

「安心して翔人君!敵は私がとるから!!」

 

「敵って…俺別にそこまでのことされてないんだけど…」

 

そう嘆く翔人だったが、ほのかはそんなのお構いなしに一人で気合いを入れていた。

まだ戦うかどうかもわからないのに…なんて思う翔人だったが、モチベーションが上がるならいっかと思い直し、一高が集まるスペースへと戻る翔人であった。

 





初優等生キャラ降臨!!

って思ってたけど、亜実さんすでに出してましたね…
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