魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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再会

「あれが七草真由美…。七草家の長女か…。」

 

達也たちの元から会場へと向かう翔人はそんなことを嘆いていた。

 

(憎き十師族…入学初日から会うなんてな。はたしてこれはめぐり合わせなのか…。)

 

その他にも様々なことを考えているといつの間にか会場へと着いていた。

そして中へと入ると、すでに席の半分以上が埋まっていた。

そこで講堂を見渡すとある規則性が見られた。

前半分が一科生、後ろ半分が二科生。

同じ新一年生、同じく今日からこの学校の生徒となる身でありながら、前と後ろできれいに分かれている。

そんなこと決まっているはずもないのにだ。

 

(ここまで綺麗に分かれているとすがすがしいな…。実にくだらない。)

 

とは思いつつもあえて逆らう理由もないので前半分の空席へと適当に見繕って座った。

式まであと20分。

することもないし寝るかぁ~と思った翔人は浅い眠りについた。

 

 

 

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「ほのか、いつまでそわそわしてるの?」

 

「だって…!」

 

私は今過去に覚えがないほどそわそわしていた。

いや、これが落ち着けないでいられろうか?

ずっと会いたかった幼馴染と数年ぶりに会えるのだ。

雫から彼が第一高校へ来ることを聞いてから彼女は勉強により身が入り、総合成績3位で入学することができた。

自分でも過去に類を見ないぐらい勉強した結果としては素直にうれしい。

しかし、それでも上には上がいるということを思い知らされた。

中でも受験会場で見たあの兄妹はすごかったなぁ~と、思い出す。

でもあの2人に負けたのなら諦めもつく。

…いやいや今は彼を探さないと!

 

「それより雫も翔人君探すの手伝ってよ~」

 

「手伝ってるよ?でも見つからないんだからしょうがない。」

 

そうなのだ。

もう30分くらいは講堂の中を探しているのだが一向に見つからない。

彼が一科生なのか二科生なのかわかればもっと楽に探せるのだが…。

 

「それよりもう式が始まる。そろそろ私たちも座らないと。」

 

それよりってどういうこと!と言いたいところではあるが雫の言うことが正しいために言い返せない。

そう思った私は2人で座れる席を探す。

もう少しで式が始まることもあってか席はほぼ人で埋められていた。

2人で座れるところはパッと見た感じないが、幼馴染を探すよりは楽なので目を凝らして席を見渡す。

そうすると前のほうにちょうど2席空いてる場所を見つけた。

 

「雫、あそこ2席空いてるみたい。あそこに座ろっ。」

 

そう席を指をさすと雫が頷いたので、その席へと向かう。

その席へとつくと隣で寝ている少年が目に移った。

挨拶しようと思い、少年の顔を見ると私は驚いた。

 

「どうしたの?」

 

そこへどうしたものかと雫が声をかけてくる。

動きが止まってしまっていたためだろう。

しかしその雫の問いに私は答えることが出来なかった。

何せ私の隣に座っていたのは先ほどまでずっと探していた人物だったのだから。

 

「「翔人(君)!?」」

 

 

 

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なにやら隣がうるさかったので仕方なく目を覚ます俺。

 

(何だよ…人が気持ちよく寝てるってのに…。こっちは昨日日本についたばかりで時差ボケで眠いんだよ。)

 

と思うが口にはしない。

まぁ入学式ということもあり騒ぎたい気持ちは理解できなくもない。

ただ自分の周りではやめてほしいと思い隣を見ると驚きの表情で俺を見ている少女2人が目に移った。

なぜ俺を見て驚いているのだろう?と思い声をかけようとしたところであることに気づく。

 

(あれ?この2人って…)

 

俺がそう考えているとツインテールの少女が俺に話しかけてくる。

 

「翔人君…なの?」

 

!!

俺のことを知っている…だと!?

つまりこの2人はやっぱり…

 

「ほのか…と雫…か?」

 

「やっぱり翔人君だ!会いたかったよ~」

 

と俺がそう告げるとほのかが涙目で俺に抱き着いてきた。

お~。ほのかったらこんなに素晴らしい体になって。胸なんか…じゃなかった。

嬉しいんだけど少しは周りの目を気にしてほしいな…。

っていうかなんでほのかがここに?

 

「ほのか、会いたかったのはわかるけどちょっと離れてくれなか?その…周りの視線も気になるし…。」

 

「えっ!?あっ!ごめんなさい!」

 

そう言うと俺から離れ顔を真っ赤にするほのか。

そんなほのかとさっきから俺たちの行動を見ている雫に俺は言葉をかける。

 

「にしても久しぶりだなぁ~。2人とも元気にしてたか?」

 

「元気だった。」

「もちろん元気にしてたよ!…じゃないよ!何で連絡一つくれなかったの!?向こうに行く前に連絡してくれるって言ってたじゃん!」

 

お、おう。

そんなに大声で言わなくても…。

 

「すっかり忘れてたよ。ハッハッハ。」

 

「相変わらずだね翔人君は…。でも今日こうして会えたんだからいっか。」

 

「ホント。何も変わってない。」

 

そう告げる俺だが本当のことを言うともちろん覚えてはいた。

しかし魔法の練習だったり、体術の練習だったりで忙しかったのに加え、日本との連絡手段を断たれていたためどうしようもなかったというのが本音だ。

 

「っと、そろそろ式が始めるんじゃないか?」

 

壇上を見ると生徒会と思われる人たちがすでに待機していた。

 

「そうだね。じゃあ話はまた式のあとで。」

 

「おう!」

 

そう言って俺は式に集中し始めた。

 

 

 

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「いやぁ~式長かったな。」

 

今俺はIDカードの交付のために窓口へと向かっていた。

そこで一緒に歩いていたほのかと雫に話しかける。

 

「まぁしょうがないよ。最初はどこでもこんな感じなんじゃない?」

 

「確かにな…。それより新入生総代の答辞はおもしろかったよな。『皆等しく』とか『一丸となって』とか『魔法以外にも』とか『総合的に』とか、結構きわどいフレーズが多くて聞いててちょっとすがすがしかったよ。」

 

「確かに…。それに総代の人ものすごく美人だったよね。翔人も彼女にハートを鷲掴みにされたんじゃない?」

 

と雫がほのかを見て告げる。

なぜほのかを見る?

そしてなぜほのかはそんなにおろおろしてるんだ?

という疑問が浮かんだが、特にそれを言ってもしょうがないと思ったので雫の質問に答える。

 

 

「確かに美人だったよなぁ~。男子はほぼ見とれてたし。…でも俺は友達以上の関係にはなりたいと思わないかな。」

 

「どうして?」

 

雫が首をかしげて聞いてきた。

 

「どうしてって…あんな美人と付き合ったりしたら疲れそうだろ?恋愛くらい楽しくしたいと思わないか?」

 

「なるほど。じゃあ翔人はどんな人と付き合いたいの?」

 

するとビクッとほのかが反応した。

雫はそのことを見逃さなかったが、あいにく翔人は気づいていなかった。

 

「う~ん…あんま考えたことないから分からないけど、特にこだわりはないかな。強いて言うなら一緒にいて楽しくなれる人かな。」

 

まぁ実際俺が女性と付き合えるとは思えないけどと付け加える。

 

 

「USNAではそういう人いなかったの?」

 

「何回か告白されたけどどうしてもそういう気分じゃなくて全部断ったよ。だから一回も女性と付き合ったことはないんだよ。」

 

すると雫が、

 

(ほのか、聞いた今の?)

(う、うん。)

(ならいい。このチャンスを逃しちゃだめだから。)

(えっ?)

(高校のうちに翔人に告白すること。じゃないと絶交だから。)

(え、えー!)

(大丈夫、ほのかなら。)

(ちょ、ちょっと雫!)

 

「えっと…どうしたんだ2人とも?」

 

「な、なんでもないよ。」

 

「そうか?ならIDカード取りに行こうぜ。」

 

「う、うん。」

 

すると翔人はすたすたと一人で行ってしまった。

ほのかはそれについて行こうと翔人を追いかけるが、ふと雫を見たときに『約束だから』と言われ顔が真っ赤になったのだった。

 

 

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「2人とも何組だった?」

 

「私はA組だったよ。」

 

「私も。」

 

「おっ、二人とも同じ教室か!これから一年よろしくな。」

 

「やった!同じクラスだねっ!」

 

「よろしく。」

 

2人と同じ教室で一安心する翔人。

やはりクラスに知り合いがいるというのは安心した気持ちになれるものだ。

 

「どうする?ホームルーム行ってみる?」

 

「私はほのかが行くならついてくよ。」

 

「悪い、俺この後用事あるから帰るな。」

 

ほのかは翔人と同じクラスになれて歓喜したが用事のあることを知り少し落ち込んでしまう。

 

「そっか…。なら連絡先交換して今日は解散にしよっか。」

 

「悪いな。積もる話もあるし、暇なら夜にでも3人で電話しようぜ。」

 

ほのか達と連絡先を交換した翔人は二人にそう告げる。

 

「えっ?いいの!?用事は?」

 

「たぶん夜には終わってると思う。だから暇だったら電話してくれ。」

 

「う、うん!じゃあまた夜に!」

 

「おう、じゃあな~。」

 

そう言った瞬間消える翔人。

 

「えっ?翔人君は?」

 

「多分魔法。何をしたかは私にもわからないけど…。」

 

翔人が使用した魔法は『空間移動』すなわちテレポートなのだがこの時の彼女たちに今は知る由もない。

 

「じゃあ雫、私たちはどうしよっか?」

 

「そんなの決まってる。作戦会議。」

 

するとほのかが首をかしげる。

 

「作戦会議?何の?」

 

「もちろん夜の電話の作戦会議。たぶんたくさん話すことになるだろうから今から予習しておかないと。」

 

「えっ?ただ話すだけなのにそんなことする必要あるのかな?」

 

「もちろん。まずほのかは危機感が足りない。」

 

「危機感?」

 

「そう、危機感。翔人は昔と変わらずかっこいいままだった。たぶん一校の中では相当上のかっこよさだと思う。」

 

「…それで?」

 

「そんなかっこいい人を一校の女子がほっておくと思う?…私は思わない。つまりぼさっとしてると他の女の子に翔人が取られちゃう。ほのかはそれでいいの?」

 

「そんなの嫌だよ!」

 

とまぁ雫の術中にはまってしまったほのかは雫に誘導されているのも知らずに大きな声を出して答える。

今のほのかにはおそらく周りの目は見えていないだろう。

 

「じゃあ帰って作戦会議ね。」

 

「分かった!」

 

そうして帰って作戦会議をする2人だったが、実際に夜電話した時には作戦会議で話したことも忘れて3人仲良く話したんだとか…

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