魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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一科生と二科生

「なぁ雫、これってどういう状況なんだ?」

 

「女の子をめぐって言い争う一般人Aと兄?」

 

「なるほどなぁ~。達也も大変だな…。」

 

視線の先には一触即発の雰囲気の一年生がいた。

片方は深雪のクラスメイト、もう片方は達也の友達だった。

 

 

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第一幕は昼食時だった。

俺、もとい斎藤翔人は見学を終え昼食を取ろうとしていた。

そこでほのかや雫と一緒に食べようとしたのだが、どうやらクラスメイトみんなで食べようという話になったらしく、嫌々俺も参加することに。

しかしクラスの男子が一緒に昼食を取ろうとしていたのはあからさまに司波さんと相席したいためである。

そして女子は俺と相席をするためである。

そんな中、司波さんが達也の元へ行き一緒に食べようとする。

俺は家族が一緒に昼食をとることに対して何も思うところはなかったが、どうやらクラスの男子は違うらしく達也たちのグループにどくように促し始めたのだ。

そんな中達也のグループにいる気の強そうな女の子が、

 

「何言ってんのよあんたら。」

 

と言ったため、一科生とちょっとした口論になったのだ。

そんな会話を見ていた俺は、

 

「くだらない…。ほのか、雫!腹減ったから別の場所で食べようぜ。」

 

と提案しクラスメイトとは別で3人で食事をとった。

 

 

 

 

 

 

第二幕は午後の専門課程見学中の出来事だった。

射撃場では3年A組の実技が行われていた。

生徒会長、七草真由美の所属するクラスだ。

本当なら七草なんて見たくはなかったが、ほのかと雫に誘われ見ることになった。

彼女は遠隔精密魔法の分野で十年に一人の英才と呼ばれ、それを裏付けるように多くのトロフィーを第一高校へともたらしていた。

その噂は新入生も耳にしている。

彼女の実技を見ようと大勢の新入生が詰めかけたが、見学できる人数は限られている。

こうなると、一科生に遠慮してしまう二科生が多い中で、達也たちは堂々と最前列に陣取ったのだった。

もちろん当然のように、悪目立ちした。

そんな達也を見て翔人は、

(達也はおもしろいやつだな…。そういうの俺好きだぜ。)

と、考えていた。

 

 

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そして第三幕は現在進行中、達也たちと一緒にいる大人しそうな女の子が啖呵を切っている最中だった。

 

「いい加減諦めたらどうなんですか?深雪さんは、お兄さんと一緒に帰ると言っているんです!他人が口をはさむことではないでしょう!」

 

相手は翔人のクラスメイト、つまり昼休みに食堂で見た面子だ。

 

「僕たちは彼女に相談があるんだ!」

「そうよ!司波さんには悪いけど少し時間を貸してもらうだけなんだから!」

 

そんな言い争いをしているのを見つめている翔人は雫と話していた。

 

「なぁ雫、俺は達也の友達が言うことの方が明らかに正しいと思うんだが…。」

 

「大丈夫、私もそう思ってるから。おかしいのは一科生の方だよ。」

 

「な、なんで二人ともそんなに落ち着いていられるの!?」

 

翔人が雫と話しているところにほのかが割り込んでくる。

 

「なんでって…別に心配することでもないだろ?流石に手は出さないだろ。」

 

そう思ったのも束の間、

 

「同じ同級生じゃないですか!あなたたちブルームが今の時点でどれだけ優れているというんですか!」

 

言い争っている女の子を見て翔人は、

(まずいな…)

と、ほのかと雫にしか聞こえないほど小さく呟いた。

 

「…どれだけ優れているのか、知りたいなら教えてやるぞ?」

 

「ハッ、面白れぇ!是非とも教えてもらおうじゃないか!」

 

売り言葉に買い言葉とはこのことだろう。

明らかに悪いのは一科生ではあるがあんな言い方をした二科生の方も悪いといえる。

 

「だったら教えてやるよ!」

 

そう告げCADを取り出す一人の一科生。

そしてそれを向かってくる二科生に向ける。

このままでは二科生の生徒が魔法で攻撃され怪我を負うかもしれない。

めんどくさいなぁと思いつつ翔人は行動を始めた。

自身の中で座標を思い浮かべ魔法を発動、10メートルはあった距離を一瞬で詰め二人の間へと移動した。

そして魔法を発動しようとしている生徒のCADを蹴り上げ、急に現れた女子生徒が振りかぶっていたCADを手で受け止める。

この一瞬の出来事に周りにいた生徒は驚愕の表情を浮かべる。

そんななか二科生に向かって攻撃しようとしていた男がいち早く我に返り翔人に告げる。

 

「お前なんのつもりだ!まさかとは思うが二科生の見方をするつもりじゃないだろうな!」

 

怒りを露わにしてそう告げる一科生の生徒。

確か名前は……森下だっけ?

 

「ハァ………。ホントくだらないよな、お前たち。明らかに今のはお前たちが悪いだろ。司波さんが誰と帰ろうがお前たちに止める権利なんてない。そこには一科生とか二科生なんて縛りはないんだから。…ってかさお前反省してんの?もしあのまま魔法を使ってたら校則違反だぞ?俺は感謝されるもんかと思ってたんだけど。」

 

早く帰りたかったのにこの一幕のせいで帰ることができなくなっていた翔人はイライラした様子で森下?に告げる。

 

「ふざけるな!お前にそんなこと関係ないだろ!」

 

頭に血が上っているのか会話もままならない…か。

頭に血が上っているのは俺も同じだというのに。

 

「チッ。人の忠告を無視しやがって。俺は今日早く帰って荷物の整理をほのかたちに手伝ってもらうつもりだったのに邪魔しやがって。…ムカついたからお前血祭りにあげてやろうか?」

 

翔人がそう告げた瞬間、翔人たちのいた場所が真っ赤にそまる。

日常では考えられない風景に戸惑う生徒たち。

だが達也はその場でただ一人だけ冷静だった。

 

(これは…魔法?それに暴発してる…のか。深雪もよく魔法が暴発するが、ここまでのものは見たことがない。一体どんな魔法なんだ…?)

 

達也がそう考える中、ほのかは恐怖していた。

見たことがないほどの怒り。

このままだときっと不味いことになる、翔人君を止めなきゃ!、と思った彼女は自身の魔法を発動させようとする。

しかし、その魔法は発動することはなかった。

なぜなら目の前に現れた翔人に手を握られ、止められたからだ。

どんな理由かはわからないが手を握られたことで魔法を止められたことなど忘れ、顔を赤く染めるほのか。

そんな中急に現れた翔人はほのかに撃たれたサイオン弾を打消し、ある方向をにらんでいた。

 

「どういうつもりだ七草。」

 

「自衛目的以外の魔法による対人攻撃は、校則違反の前に犯罪行為です。」

 

「ほのかを傷つけようとしていたのによく言うぜ…。」

 

「傷つけようとしたのではありません。私は魔法の起動式を破壊しようとしたにすぎません。」

 

「それでも照準が少しでもずれていたらほのかは怪我をしていた。やっぱりお前たち十師族は人を傷つけるのが好きなようだな!!!」

 

そう翔人が告げると真由美は翔人に恐れたのか黙り込んでしまった。

そんな真由美を見かねたのか隣にいた風紀委員が翔人に話しかける。

 

「君!仮にも真由美は先輩なんだ。敬語くらい使ったらどうなんだ?」

 

「すみません渡辺先輩。」

 

翔人がそう告げると、周りの生徒や上級生2人が驚きの表情を浮かべた。

それもそうだろう。

生徒会長七草真由美には敬語を使わずに、風紀委員長である渡辺摩利には敬語を使ったのだから。

さらに翔人は言葉を続ける。

 

「でも俺はこいつだけには…いえ、この学校では十文字もですが敬語は使えません。」

 

翔人がそう告げるとまたしても周りが驚きの表情を浮かべた。

七草、十文字と言えば十師族の中でも四葉に次いで権力のある二家なのだから。

 

「…なぜだ?」

 

そんな中一人早く我に返った渡辺摩利が翔人に理由を尋ねる。

できればほのかや雫の前では言いたくなかったが…と翔人は思いつつ渡辺先輩に告げる。

 

「それはこいつらが俺の家族を殺したからですよ。」

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